注目の海外父系③ War Front(ウォーフロント)

第1回のGalileo(ガリレオ)、第2回のMedaglia d’Oro(メダグリアドーロ)に続き、注目の海外種牡馬として、今回はWar Front(ウォーフロント)をとりあげる。ザファクター、アメリカンペイトリオットと続けざまに直仔の日本導入が決まったことで大きな脚光を浴びているWar Frontは、大種牡馬Danzigが25歳と晩年に残した産駒。ここで参考に、2017年の英愛仏米の全平地GⅠ勝馬を、父系別、芝・ダート別に下記のリンクにまとめてあるので、現在の父系の全体像を把握されたい方は一度ご参照いただきたい。

海外GⅠ馬の父系一覧【2017年版】
2017年の海外GⅠ競走勝馬の父系を一覧にまとめたものを示しています。対象は英(GB)、愛(IRE)、仏(FR)、米(USA)の全GⅠ競走(平地)。今年はGalileo、 Medaglia d'Oro、Dubawi、War Front、Scat Daddyらが注目すべき結果を残しています。

Danzigの直仔としては、古くはシャーディやラシアンボンド、アジュディケーティングなど日本でも多く供用されており、Danzigの最良後継種牡馬の一頭デインヒルとその代表産駒ロックオブジブラルタルも短期間ながら日本で供用されたし、最近では米国で実績を挙げているハードスパンも1年のみだが来日を果たした。この系統は息長く日本で試され成果を上げており、必ずしもクラシックレース向きではない(?)というイメージも、Danzig→デインヒル→Dansiliと2世代を経ているハービンジャーが覆した感がある。

War FrontはBlood Horseによる2017年北米ターフサイアーランキング第3位にランクインしている。産駒は高値で取引されており、本年の種付料も25万USドルと最高レベルの水準となっている。

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War Frontのプロフィール

War Frontは2002年生まれ(同年代にディープインパクト、ヴァーミリアンなど)のアメリカ産馬。父Danzig、母Starry Dreamer、母の父Rubiano。母は重賞入着があるが、牝系に特筆すべきものはない。競走成績も通算13戦4勝で、6fのダートGⅡ勝ち、GⅠ2着がある程度。種牡馬入りの時点でその後の出世物語を予想した人はいなかったに違いないが、以下、米国DRFの記事からその模様を抜粋させていただく。

「…2007年に1.3万$と控えめな種付料でClaiborne Farmで種牡馬入りし、初年度から早速能力をみせつけることになった。GⅡウィナーとなったSoldatは、未出走の母の初仔だった。GⅠ馬となったSummer Soiree(サマーソワレ。後述)、The Factor(ザファクター。後述)はどちらも母にとって初のステイクスウィナーだった。産駒がデビューする毎に、War Frontの評判は上がっていく一方だった。2011年の最初のセリでは平均3.6万$の値段で産駒が取引されていたのが、翌年には20万$、その次の年には平均36万$に達した。種付料は2010年に1万$だったものが、2011年には1.5万$、2012年には6万$、2013年に15万$に上昇した(注:現在は25万$)…」

Data Link、Declaration of War、Air Force Blueなど、これまで毎年GⅠ馬を輩出し、産駒は欧米の芝マイル~中距離路線で大活躍。以下、2017年の欧米GⅠ勝馬を列挙する(太字は2017年に複数のGⅠ勝ち)。全て芝のレースでの勝利となっている。

  • Roly Poly ファルマスS(英芝8f)、サンチャリオットS(英芝8f)、ロートシルト賞(仏芝1mile)
  • US Navy Flag ミドルパークS(英芝8f)、デューハーストS(英芝8f)
  • American Patriot(アメリカンペイトリオット。後述) メイカーズ46マイルS(米芝8f)
  • Avenge ロデオドライブS(米芝10f)
  • War Flag フラワーボウルS(米芝10f)
War Front産駒の日本での供用

War Front産駒の持込馬・外国産馬はこれまで僅か4頭しか出走しておらず、グレートシール1頭が勝ち上がり(ダート1400m)。如何せん数が少ないが、強調材料と言える実績には至っていない。

上述の通り、ザファクター、アメリカンペイトリオットの2頭が既に種牡馬として供用されている他、競走実績のある牝馬も日本に輸入されている。

・ザファクター(2018年1年のみの供用)

2008年生まれ。マリブS(米ダ7f)、パットオブライエンS(米AW7f)のGⅠを2勝。母Greyciousness、母の父Miswakiで、牝系は特に目立たないが、米国で残した初年度産駒(現4歳)から、Note and Quoted(2歳GⅠシャンデリアSに勝利。ダ8.5f)、Multiplier(イリノイダービー・GⅢ勝利。ダ8f)と、既になかなかの実績が出ている。返還特約付きの200万円の種付料設定となっており、人気を博すものと予想される。

・アメリカンペイトリオット

2013年生まれ。アメリカ芝のマイル戦GⅠ、メイカーズ46マイルSを勝利。母Life Well Lived、母の父Tiznow。母の全兄にドバイワールドCなどGⅠ2勝のWell Armed。競走引退後、直接日本で今年からスタッドインとなった。出生条件付きの150万円とリーズブルな種付料設定で、産駒実績がないという点はあっても、こちらも期待は高いものと想定される。

・ピースアンドウォー、サマーソワレ

この2頭はWar Front産駒の牝馬でいずれも米国GⅠ競走を勝った後に輸入されている。

ピースアンドウォーは2012年生まれで、米2歳GⅠアルシバイアディズS(ダート8.5f)に勝利。Tapitを受胎した状態で、2016年のキーンランドセールでノーザンファームが145万$で落札。そのTapitの仔は牝馬で現1歳となる。次の年はディープインパクトが配合された模様(順調であれば今春に誕生)。

サマーソワレは2008年生まれで、芝GⅠデルマーオークス(芝9f)に勝ち、他に重賞を2勝。Medaglia d’Oroを受胎した状態で、こちらも2016年キーンランドセールにて千代田牧場が130万$で落札。そのMedaglia d’Oroの牝馬が現1歳(これが3番仔とみられる)で、こちらもディープインパクトが配合された模様。

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