地方2歳注目馬リポート【3】ミューチャリー(鎌倉記念勝ち馬)

地方競馬の注目2歳馬をランダムに取り上げていくシリーズの第3回となる本稿では3戦3勝、歴代最速タイムで鎌倉記念を制した南関東のミューチャリーを取り上げる。南関東ウォッチャーの方々には既知の馬と思われるが、鎌倉記念の時計や内容から既に大きな注目を集めている南関東の俊英である。

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ミューチャリー

父・パイロ、母・ゴッドビラブドミー、母父・ブライアンズタイム
牡2、矢野義幸厩舎(船橋)、御神本訓史騎手
生産牧場:芳住鉄兵

戦績

3戦3勝。8/10のデビュー戦(船橋ダ1000)で2着馬に1.5秒差をつける圧勝→9/2の2戦目(船橋ダ1600)は2着馬に0.7秒差をつける勝利→10/17の鎌倉記念(川崎ダ1500)を歴代最速タイム(1:33.6)で2着馬に1.3秒差をつけて圧勝。

・レース後の陣営のコメントでは「輸送で馬体を減らしていたので(-10キロ)、馬体を戻すのに時間をかけたい」とのことで次走は未定だが、優先出走権を獲得した12/19の全日本2歳優駿(Jpn1・川崎ダ1600)への出走が期待されている。

・鎌倉記念4着馬(2.3秒差)のヒカリオーソが次走の平和賞(船橋ダ1600)で重賞制覇、鎌倉記念3着馬(2.2秒差)のグラビテーションが次走のハイセイコー記念(大井ダ1600)で0.9秒差の3着。前走で2秒以上ちぎり捨てた両馬が重賞を勝ったり、重賞で入着している現状を踏まえると机上の計算では現時点で南関東2歳戦線の先頭を走っているのはこの馬、ということになろう。

・尚、鎌倉記念2着馬(1.3秒差)のリンゾウチャネルが昨日の交流重賞・兵庫ジュニアグランプリ(Jpn3)に出走し、勝ったデルマルーヴル(JRA)の1.0秒差の5着と健闘。勝ち馬との着差を見ると興味深い結果となっている。

鎌倉記念レース動画

・13頭立てで馬場状態は良。ミューチャリーは単勝1.9倍の1番人気。好位から4角では2番手に上昇し、直線で一気に後続を突き離す圧巻のレースぶり。2着馬との着差は6馬身。最後は持ったままでゴール板を駆け抜けており、余力十分な内容。

鎌倉記念の時計について

・勝ち時計の1:33.6は鎌倉記念の歴代最速タイム(そもそも1分33秒台で勝った馬は初)。これに単純に6秒を足すと1600m換算で1:39.6となるが、施行距離が1600mになってからの1959年以降の全日本2歳優駿で1分39秒台で勝った馬は皆無。ちなみにこれまでの最速タイムは2009年の勝ち馬・ラブミーチャンが記録した1:40.0(重)である。

※参考:良馬場で行われた過去の鎌倉記念の勝ち時計上位3頭
2018年・1:33.6(ミューチャリー)
2002年・1:34.5(パレガルニエ)
2015年・1:36.0(ポッドガイ)

※参考:良馬場で行われた指定交流競走になってからの全日本2歳優駿の勝ち時計上位5頭
2004年・1:40.6(プライドキム)
1999年・1:41.1(アグネスデジタル)
2017年・1:41.6(ルヴァンスレーヴ)
1997年・1:41.7(アグネスワールド)
2007年・1:41.8(イイデケンシン)

血統

・父は2005年米国産のPulpit(その父・A.P. Indy)産駒でフォアゴーS(G1・ダ7f)など米重賞4勝。他に2歳G1-BCジュヴェナイル2着、2歳G1-シャンペインS2着、G1-トラヴァーズS3着など。今年の種付料は200万円(産駒誕生後)。主な産駒にビービーバーレル(フェアリーS)、シゲルカガ(北海道スプリントC)、デルマルーヴル(兵庫ジュニアグランプリ)など。近3年のサラ総合リーディングは19→22→18位(現時点)。

・地方での産駒実績は近3年の地方リーディングで3→4→3位(現時点)の実績が示す通り、秀逸。ハセノパイロ(東京ダービー、ハイセイコー記念)、タービランス(羽田盃、京浜盃)、ポッドガイ(鎌倉記念)、ミスアバンセ(戸塚記念)、シャークファング(浦和桜花賞)、ブラックヘブン(ハイセイコー記念)が南関東の重賞を制している。

・南関東以外でも活躍馬を輩出中で、今年の金沢競馬では3歳路線の主要4レースの内、MRO金賞以外の3レース(北日本新聞杯、石川ダービー、サラブレッド大賞典)をパイロ産駒2頭(アルファーティハノブイチ)が制覇している。昨年の石川ダービー馬・ヴィーナスアロー、2015年の兵庫ダービー馬・インディウムもパイロ産駒で、先述した今年の東京ダービー馬・ハセノパイロと合わせて合計4頭の地方ダービー馬を輩出中。

・母父はRoberto(その父・Hail to Reason)産駒でフロリダダービー(G1・ダ9f)、ペガサスH(G1・ダ9f)など米重賞3勝。他にG1-プリークネスS2着、G1-ベルモントS3着など。BMSとして輩出した主なダート重賞勝ち馬にエスポワールシチーブルーコンコルドハタノヴァンクールヒガシウィルウィンなど。サラ地方BMSランキングでは2006年以降、常に5位以内をキープし続けており、2014年から2016年までの3年間以外は全てAEIが1を超えている。

牝系

・母は地方7勝。本馬は7番仔。3番仔グランシュクレ(父・サムライハート)は中央1勝、4番仔シュエット(父・ブラックタイド)は地方4勝で2016年に兵庫3冠の1冠目・菊水賞を制覇。5番仔ジュンヴァリアス(父・デュランダル)は中央2勝(現役)。6番仔ライジングドラゴン(父・カネヒキリ)は中央1勝(現役)。従兄にホッカイドウ競馬で重賞11勝の現役馬・オヤコダカ(父・サムライハート)。

・祖母ゴッドインチーフ(父・コマンダーインチーフ)は中央3勝、G3-ファンタジーS2着、G3-チューリップ賞2着、G1-阪神3歳牝馬S3着。スティンガー、プリモディーネ、ウメノファイバー、トゥザヴィクトリー、フサイチエアデールらと同期で桜花賞(4着)、オークス(12着)、秋華賞(15着)、エリザベス女王杯(16着)と牝馬G1戦線を皆勤。母の従妹にオークス馬・ヌーヴォレコルト

・4代母Fager’s Gloryを牝祖とする主な活躍馬に今年のメルボルンCを勝ったCross Counter、先日のブリーダーズカップターフでEnableと激戦を繰り広げたMagicalなどがいる。