今年の英1000ギニーは現地時間5月3日に行われるが、今後定期的に英1000ギニーのアンティポストの動向をお届けしていく。昨年、英1000ギニーと同距離、同コースのG1-フィリーズマイルを制したFrankel産駒・Quadrilateralが最有力視されているが、昨年はこの時期のアンティポストで8番人気(21.00倍)だったHermosaが英1000ギニーを制しており、穴馬にも目を配っておきたい路線である。

※オッズは英ブックメーカーWilliamHILLの現時点のもの。

※RPRは英レーシングポスト社による独自レーティング。最も高い自己ベストのRPRをピックアップして表記している。現時点での勢力図を俯瞰する物差しとしてご参照頂きたい。

※2020英オークス戦線リポートで既に触れている馬については同記事を基本的に再掲し、一部付記する形でアップさせて頂いている。

Quadrilateral

父・Frankel、母・Nimble Thimble、母父・Mizzen Mast
調教師:Roger Charlton、馬主:K Abdullah
RPR:115、現時点での英1000ギニー単オッズ:6.50倍(1番人気)

・3戦3勝。8/16のニューベリーでのメイドン(7f)で1着→9/20のニューベリーでの2戦目(7f)で1着→10/11のニューマーケットでの英G1-フィリーズマイル(1m)で1着。昨年の同時期に英1000ギニーのアンティポストで1番人気だったNewspaperofrecord、Skitter Scatter、Just Wonderfulの3頭のオッズは11.00倍。これらと比べると本馬の評価はかなり高く、今年の英1000ギニー戦線は確たる軸馬がいる印象。

・父のFrankelは2008年英国産のGalileo産駒。現役時は14戦14勝、G1を10勝、重賞12勝。現4歳の3世代目からはAnapurnaが英オークス、Logicianが英セントレジャーを制し、産駒がクラシックを2勝。4世代目となる現3歳では目下、この馬が牡牝合わせて最有力馬となっている。TDNによる昨年の欧州サイアーランキング4位。昨年はG1勝ち馬5頭、重賞勝ち馬16頭、ブラックタイプ勝ち馬17頭を輩出。今年の種付料は2018年以降と同額になる17万5000ポンド。

・母のNimble Thimbleは本馬と同じジャドモントファームの生産馬で3戦1勝。曽祖母のKeraliを牝祖とする活躍馬に、Leroidesanimaux、Dansili、Banks Hill、Romantica、Heat Haze、Intercontinental、Cacique、Champs Elysees、Promising Lead、So Factualらがいる。

・母父のMizzen Mastは1998年米国産のCozzene産駒でこちらもジャドモントファームの生産馬。米G1-マリブS(ダ7f)、米G2-ストラブS(ダ9f)、仏G3-ギシュ賞(芝1800)の勝ち馬。父として輩出した主な産駒にMizdirection(BCターフスプリント2勝)がおり、BMSとして輩出した産駒の内、最多賞金獲得馬は本馬になる。

Powerful Breeze

父・Iffraaj、母・Power Of Light、母父・Echo Of Light
調教師:Hugo Palmer、馬主:Dr Ali Ridha
RPR:114、現時点での英1000ギニー単オッズ:11.00倍(2番人気)

・3戦2勝。8/23のニューマーケットでのノービス(7f)で1着→9/12のドンカスターでの英G2-メイヒルS(1m)で1着→10/11のニューマーケットでの英G1-フィリーズマイル(1m)で勝ったQuadrilateralからアタマ差の2着。

・父のIffraajは2001年英国産のZafonic産駒。現役時は13戦7勝、英G2-パークS(7f)2勝、英G2-レノックスS(7f)の勝ち馬。主な産駒にRibchester(ジャックルマロワ賞、ロッキンジS、クイーンアンS、ムーランドロンシャン賞)、Rizeena(コロネーションS、モイグレアスタッドS)、Chriselliam(BCジュヴェナイルフィリーズターフ、フィリーズマイル)、Wootton Bassett(ジャンリュックラガルデール賞。父として仏ダービー、英チャンピオンS、アイリッシュチャンピオンSを制したAlmanzorを輩出)など。TDNによる昨年の欧州サイアーランキング27位。昨年は重賞勝ち馬4頭、ブラックタイプ勝ち馬7頭を輩出。今年の種付料は3万ポンド。

・母のPower Of Lightは3戦1勝。

Albigna

父・Zoffany、母・Freedonia、母父・Selkirk
調教師:Mrs John Harrington、馬主:Niarchos Family
RPR:112、現時点での英1000ギニー単オッズ:13.00倍(3番人気)

・5戦3勝。5/24のカラでのメイドン(6f)で1着→6/28のカラでの愛G2-エアリースタッドS(6f)で1着→9/15のカラでの愛G1-モイグレアスタッドS(7f)で6着→10/6のパリロンシャンでの仏G1-マルセルブサック賞(1600m)で1着→11/1のサンタアニタでの米G1-BCジュヴェナイルフィリーズターフ(1m)で勝ったSharingから2馬身半差の4着。

・父のZoffanyは2008年愛国産のDansili産駒。現役時は13戦5勝、愛2歳G1-フェニックスS、愛2歳G3-タイロスSの勝ち馬。G1-セントジェームズパレスSではFrankelと3/4身差の2着、G1-ジャンプラ賞でも2着。これまでに本馬とVentura Storm(イタリアジョッキークラブ大賞)の2頭のG1馬を輩出。TDNによる昨年の欧州サイアーランキング15位。昨年はG1勝ち馬1頭(本馬)、重賞勝ち馬4頭、ブラックタイプ勝ち馬10頭を輩出。2016年には4万5000ユーロだった種付料は漸減中で、今年は2万2500ユーロ。

母のFreedoniaは10戦3勝。仏G2-ポモーヌ賞の勝ち馬で、米G1-ジョーハーシュターフクラシック招待Sで2着、仏G1-ヴェルメイユ賞で4着。2006年のジャパンカップにも出走しておりディープインパクトの7着。祖母の半弟Domedriverは米G1-BCマイルなど米仏で重賞3勝。

Love

父・Galileo、母・Pikaboo、母父・Pivotal
調教師:A P O’Brien、馬主:Michael Tabor & Derrick Smith & Mrs John Magnier
RPR:112、現時点での英1000ギニー単オッズ:13.00倍(3番人気)

・7戦3勝。7/11のレパーズタウンでのデビュー3戦目(7f)で勝ち上がり→7/25のレパーズタウンでの愛G3-シルバーフラッシュS(7f)で1着→8/23のカラでの愛G2-デビュータントS(7f)で5着→9/15のカラでの愛G1-モイグレアスタッドS(7f)で1着→10/11のニューマーケットでの英G1-フィリーズマイル(1m)で3着。

・父のGalileoは1998年愛国産のSadler’s Wells産駒。現役時は8戦6勝、英ダービー、愛ダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSの3つのG1を含む重賞4勝。2001年のカルティエ賞最優秀3歳牡馬。TDNによる昨年の欧州サイアーランキング1位。昨年はG1勝ち馬11頭、重賞勝ち馬26頭、ブラックタイプ勝ち馬39頭を輩出

・母のPikabooは5戦未勝利だが、産駒が軒並み活躍しており、半姉のLucky Kristale(ロウザーS、ダッチェスオブケンブリッジS)、全姉のFlattering(ムンスターオークス)、Peach Tree(スタネーラS)はいずれも重賞勝ち馬。

Daahyeh

父・Bated Breath、母・Affluent、母父・Oasis Dream
調教師:Roger Varian、馬主:H H SH Nasser Bin Hamad Al Khalifa
RPR:110、現時点での英1000ギニー単オッズ:17.00倍(5番人気)

・6戦3勝、2着3回。5/18のニューマーケットでのノービス(6f)で1着→6/21のアスコットでの英G3-アルバニーS(6f)で1着→7/12のニューマーケットでの英G2-ダッチェスオブケンブリッジS(6f)で2着→9/15のカラでの愛G1-モイグレアスタッドS(7f)で勝ったLoveから3/4身差の2着→9/27のニューマーケットでの英G2-ロックフェルS(7f)で1着→11/1のサンタアニタでの米G1-BCジュヴェナイルフィリーズターフ(1m)で勝ったSharingから1馬身1/4差の2着。

・父のBated Breathは2007年英国産のDansili産駒。英G2-テンプルS(5f)の勝ち馬で、G1での2着が4回(ジュライC、スプリントC、キングズスタンドS、ニアークティックS)。昨年6月のロイヤルアスコットで本馬がアルバニーSを勝った時点では本馬は3頭目の重賞勝ち馬だったが、その後、半年足らずの間に続々と産駒が重賞を勝ち、現在は既に4世代で7頭が重賞勝ち馬となっている。尚、父・Bated Breathと母父・Oasis Dreamの配合(Danzigの4×4のクロスが発生する)で産まれた馬はこれまでに12頭が出走し11頭が勝ち上がっている「successful cross(Bated Breathの生産者であるジャドモントファームの公式twitterでの表現)」。TDNによる昨年の欧州サイアーランキング30位。昨年は重賞勝ち馬6頭、ブラックタイプ勝ち馬12頭を輩出。種付料は昨年の1万ポンドから今年は1万2500ポンドへ引き上げられている。

・母のAffluentはジャドモントファームの生産馬で7戦2勝。母のきょうだい(せん馬)のSo Belovedは英G3-スプリームSの勝ち馬で仏G1-フォレ賞で2着。伯父のDeportivoは愛G2-フライングファイブの勝ち馬。

Millisle

父・Starspangledbanner、母・Green Castle、母父・Indian Ridge
調教師:Mrs John Harrington、馬主:Stonethorn Stud Farms Limited
RPR:116、現時点での英1000ギニー単オッズ:17.00倍(5番人気)

・5戦3勝、2着2回。7/4のベルーズタウンでのメイドン(5f)で1着→7/26のダウンロイヤルでの条件戦(5f)で2着→8/16のカラでのLR-カラS(5f)で1着→9/5のソールズベリーでの英G3-ディックプールフィリーズS(6f)で2着→9/28のニューマーケットでの英G1-チェヴァリーパークS(6f)で1着

・父のStarspangledbannerは2006年豪州産のChoisir産駒。現役時は23戦7勝、ジュライC、ゴールデンジュビリーS、オークリープレート、コーフィールドギニーの4つのG1を含む重賞5勝。2010年のカルティエ賞最優秀スプリンター。本馬を含めてこれまでに4世代で6頭の重賞勝ち馬を輩出G1馬は本馬がThe Wow Signal(モルニ賞)に続く2頭目。TDNによる昨年の欧州サイアーランキング100位。

・母のGreen Castleは2戦未勝利。

Etoile

父・War Front、母・Gagnoa、母父・Sadler’s Wells
調教師:A P O’Brien、馬主:Mrs John Magnier & Michael Tabor & Derrick Smith
RPR:100、現時点での英1000ギニー単オッズ:21.00倍(7番人気)

・3戦1勝。デビュー戦でいきなり重賞を使われ、5/19のネイスでの愛G3-フィリーズスプリントS(6f)で1着→9/28のニューマーケットでの英G1-チェヴァリーパークS(6f)で勝ったMillisleから5馬身半差の8着→11/1のサンタアニタでの米G1-BCジュヴェナイルフィリーズターフ(1m)で勝ったSharingから6馬身半差の10着。

・父のWar Frontは2002年米国産のDanzig産駒。現役時は13戦4勝、米G2-AGヴァンダービルトBCH(ダ6f)が唯一の重賞勝ち。現3歳は10世代目の産駒になるが、これまでの9世代全ての世代から計21頭のG1馬を輩出。セカンドクロップのデクラレーションオブウォー(昨年より日本供用中)が2013年に英G1-インターナショナルS、英G1-クイーンアンSを制した翌年に種付料が前年の8万ドルから15万ドルに一気に引き上げられており、ここから繁殖の質も上がったものとみられ、2015年産まれのU S Navy Flag(デューハーストS、ミドルパークS)、2016年産まれの産駒初の米クラシック馬・War of Will(プリークネスS)、Omaha Beach(米G1を3勝)らはこの世代。現3歳世代はさらに種付料が20万ドル(2016年)に上がった時の世代になり、大物出現の可能性が高まっているようにみえるが果たしてどうなるか。種付料は2017年以降、25万ドル。TDNによる昨年の北米サイアーランキング22位、北米芝サイアーランキング12位、北米ダートサイアーランキング38位。

母のGagnoaは10戦3勝、仏G3-レゼルヴォワ賞、仏G3-ペネロープ賞の勝ち馬。叔父のPour Moiは英G1-英ダービー、仏G2-グレフュール賞の勝ち馬。

Raffle Prize

父・Slade Power、母・Summer Fete、母父・Pivotal
調教師:Mark Johnston、馬主:Sheikh Hamdan bin Mohammed Al Maktoum
RPR:114、現時点での英1000ギニー単オッズ:21.00倍(7番人気)

・6戦3勝、2着3回。5/18のニューマーケットでのメイドン(6f)で2着→5/25のチェスターでの2戦目(6f)で1着→6/19のアスコットでの英G2-クイーンメアリーS(5f)で1着7/12のニューマーケットでの英G2-ダッチェスオブケンブリッジS(6f)で1着→8/18のドーヴィルでの仏G1-モルニ賞(1200m)で勝ったEarthlightからクビ差の2着→9/28のニューマーケットでの英G1-チェヴァリーパークS(6f)で勝ったMillisleから1馬身3/4差の2着。

・父のSlade Powerは2009年愛国産のDutch Art産駒。現役時は20戦10勝、ジュライC(6f)、ダイヤモンドジュビリーS(6f)の2つのG1を含む重賞6勝。現3歳はセカンドクロップになり、本馬が唯一の重賞勝ち馬でリステッド勝ち馬もゼロ。TDNによる昨年の欧州サイアーランキング98位。種付料は初年度(2015年)は2万ユーロだったが、昨年と今年は7500ユーロ。

母のSummer Feteは12戦3勝。英G3-オークツリーS(7f)、LR-ラドリーS(7f)の勝ち馬

Tropbeau

父・Showcasing、母・Frangipanni、母父・Dansili
調教師:A Fabre、馬主:Lady Bamford
RPR:111、現時点での英1000ギニー単オッズ:21.00倍(7番人気)

・5戦3勝。6/19のメゾンラフィットでのメイドン(1100m)で6着→7/6のクレールフォンテーヌでの2戦目(1400m)で1着→7/27のドーヴィルでの仏G3-シックスパーフェクションズ賞(1400m)で1着8/17のドーヴィルでの仏G2-カルバドス賞(1400m)で1着→9/28のニューマーケットでの英G1-チェヴァリーパークS(6f)で勝ったMillisleから2馬身1/4差の3着。

・父のShowcasingは2007年英国産のOasis Dream産駒。現役時はJohn Gosden師に管理され7戦2勝、英2歳G2-ジムクラックS(6f)の勝ち馬。これまでにAdvertise(モーリスドゲスト賞、コモンウェルスC、フェニックスS)、Quiet Reflection(スプリントC、コモンウェルスC)の2頭のG1馬を含む20頭の重賞勝ち馬を6世代で輩出。TDNによる昨年の欧州サイアーランキング26位。昨年、G1勝ち馬1頭(Advertise)、重賞勝ち馬3頭、ブラックタイプ勝ち馬5頭を輩出。種付料は2011年に5000ポンドからスタートしているが、昨年と今年は5万5000ポンドと10倍以上高騰している。

・母のFrangipanniは7戦2勝。