2020 ロイヤルアスコット開催特集【1】全36Rのスケジュールと各レースの有力馬について

今年のロイヤルアスコット開催は当初の日程通り、現地時間6/16(火)から6/20(土)の5日間に渡り行われるが、新型コロナウイルス感染拡大による他開催の中止、延期の影響を受け、例年とはレース配置が異なっており、6つの新しいレースが追加され、全36Rで行われる。本稿では全開催日程と各レースの有力馬をまとめてお届けする。

 ※以下のリストの発走時間は日本時間

 ※初日、2日目、3日目は既に出走馬が確定しており、レーシングポストの出走表のリンクを付けている。4日目以降は現時点の出走が見込まれる有力馬について触れている。

Day one:現地時間6/16(火)

1R(21:15発走予定)・バッキンガムパレスS(Handicap・7f・3歳以上)

・2015年にコモンウェルスCがロイヤルアスコットに新設された際に無くなったレースが初日の1レースにて復活。24頭立てになる予定でいかにもロイヤルアスコットな乱戦が1レースから今年も見られそうである。1番人気はJohn Gosden師の管理馬で、鞍上Frankie DettoriのDaarik。

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2R(21:50発走予定)・クイーンアンS(G1・直線1m・4歳以上)

・例年通り初日に開催。昨年のセントジェームズパレスS、ムーランドロンシャン賞の勝ち馬・Circus Maximusが1番人気。2番人気は6/6のニューマーケットでのG2-ダリアフィリーズS(1m2f)を制したばかりのTerebellum。John Gosden師の管理馬だが、オーナーはゴドルフィン。これにFrankie Dettoriが騎乗する。前走この馬で久々にゴドルフィンの勝負服で重賞を勝ったFrankie DettoriがG1も制してしまうのか。

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3R(22:25発走予定)・リブルスデイルS(G2・1m3f211y・3歳牝馬)

・今年は7/4の英オークスのトライアル的な意味が付加され、例年とは異なる興味が集まるレース。John Gosden師の管理馬、Frankel産駒・Frankly Darlingが1番人気。休み明けの前走6/1のニューカッスルでの10f戦(AW)を5馬身差で快勝し、ここへ出走。既にウィリアムヒルでは英オークスのアンティポストで4番人気(11.00倍)に推されている注目馬で、ここをすんなり勝つことになると英オークスの有力馬として名乗りを上げることになる大事な一戦。

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4R(23:00発走予定)・キングエドワード7世S(G2・1m3f211y・3歳牡馬、せん馬)

・今年は7/4の英ダービーのトライアル的な意味が付加され、例年とは異なる興味が集まるレース。バリードイルのGalileo産駒・Mogulがここから始動予定。愛G2勝ち、英G1で4着など2歳時の実績から英ダービーor愛ダービー、どちらに向かっても有力馬とみられる存在で、本番に向けてここはきっちり勝って弾みをつけたいところ。

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5R(23:35発走予定)・キングズスタンドS(G1・5f・3歳以上)

・例年通り初日に開催。極端な馬場の悪化が無い限りは5fのG1を2勝している実績馬・Battaashで堅そうなレース。2年連続でこのレースはBlue Pointの2着に敗れており、ここはきっちり獲りたいところ。2番人気は昨年の仏G1-アベイドロンシャン賞の勝ち馬・Glass Slippers。馬場が渋った場合は非常に怖い一頭。

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6R(24:10発走予定)・デュークオブケンブリッジS(G2・直線1m・4歳以上牝馬)

・今年は初日に開催。John Gosden師の管理馬で4連勝中のInvincible Spirit産駒・Nazeefが初の重賞出走でここは試金石になる一戦。昨年のコロネーションS3着馬のShamardal産駒・Jubilosoが対抗人気。

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7R(24:40発走予定)・アスコットS(Handicap・2m3f210y・4歳以上)

・例年通り初日に開催。Ryan Mooreが乗る障害馬・Verdana Blueが1番人気。この馬の前走は12/26の障害G1-クリマスマスハードル(4着)、前々走は5/1の平地G3-サガロS(4着)。既に障害G1を制している実績馬だが、これにロイヤルアスコットでの勝利という新たな勲章を獲得出来るか、大変興味深いチャレンジとなる

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Day two:現地時間6/17(水)

1R(21:15発走予定)・シルバーロイヤルハントC(Handicap・直線1m・3歳以上)

・5RのロイヤルハントCを除外された馬で行われるレースで、1着賞金はロイヤルハントCの半分以下となる。24頭立ての予定で2日目も多頭数のハンデ戦から幕開け。Ryan Mooreが手綱を取るOuzoが1番人気。

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2R(21:50発走予定)・ハンプトンコートS(G3・1m1f212y・3歳)

・今年は7/4の英ダービーのトライアル的な意味が付加され、例年とは異なる興味が集まるレース。英2000ギニー5着のFrankel産駒・Juan Elcano、エリザベス女王の持ち馬・First Receiver、バリードイルのGalileo産駒・Russian Emperorが上位人気。

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3R(22:25発走予定)・キングジョージ5世S(Handicap・1m3f211y・3歳)

・昨年の3日目から2日目に変更。1番人気はWar Command産駒・Kipps。

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4R(23:00発走予定)・プリンスオブウェールズS(G1・1m1f212y・4歳以上)

・例年通り2日目に開催。昨年の凱旋門賞4着以来の出走となるG1馬・Japanがここから始動予定。HeadmanBarney RoyAddeybbらが相手候補になるが、Japanは昨年のロイヤルアスコットでG2-キングエドワード7世Sを圧勝しており、コース適性に問題は全く無く、ここは負けられないレース。

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5R(23:35発走予定)・ロイヤルハントC(Handicap・直線1m・3歳以上)

・例年通り2日目に開催。ゴールドカップ、クイーンズヴァーズと並び、ロイヤルアスコット開催で優勝トロフィーをオーナーが永久保持出来る3つのレースの内の1つ。例年出走を求めて多頭数が登録するのもこれが理由の一つで、馬主目線で考えれば当然、このトロフィーは欲しいはずである。1番人気は2戦1勝のゴドルフィンの3歳馬・Lord Tennyson。

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6R(24:10発走予定)・ウィンザーキャッスルS(Listed・5f・2歳)

・昨年と同じ2日目に開催。今年のロイヤルアスコット開催ではこのレースが最初の2歳戦となり、注目が例年以上に集まるレース。今年は全20頭中、8頭が1戦1勝、12頭が1戦未勝利で臨む。注目馬はクールモアの新種牡馬・Air Force Blue産駒のChief Little Hawk。6/10のデビュー戦(5f)を制し、連闘でここへ出走。アメリカからの遠征馬、Frankie Dettoriが手綱を取るCreative Cause産駒・Sunshine Cityも上位人気。

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7R(24:40発走予定)・コッパーホースH(Handicap・1m6f34y・4歳以上)

・新設レース。16頭立て。上位人気は鞍上Ryan MooreのFrankel産駒・Collide、これまで4着以下がない安定感を誇る、Pivotal産駒・Fujaira Prince。

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Day three:現地時間6/18(木)

1R(21:15発走予定)・ゴールデンゲートS(Handicap・1m1f212y・3歳)

・新設レース。4戦2勝のNight Of Thunder産駒・Acquitted、2戦1勝のLope De Vega産駒・Hypothetical、5戦2勝のNight Of Thunder産駒・Global Stormの3頭が上位人気を形成。

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2R(21:50発走予定)・ウルファートンS(Listed・1m1f212y・4歳以上)

・昨年の英チャンピオンSで勝ったMagicalから3馬身1/4差の4着と健闘したFox Talが1番人気。2番人気は昨年の英ダービーで1番人気に推されていたバリードイルのSir Dragonet。3番人気は昨年のエクリプスSで勝ったEnableから2馬身3/4差、2着のMagicalから2馬身差の3着と健闘したRegal Reality。好メンバーが揃ったリステッドレースで楽しみな一戦。

https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2020-06-18/758772

3R(22:25発走予定)・ジャージーS(G3・7f・3歳)

・1番人気は2戦2勝のKingman産駒・King Leonidas。休み明けだった前走6/7のニューマーケットでの8f戦を勝ち、ここへ出走。重賞出走は初となるがあっさり突破なるか。昨年9/13のリステッド(7f)で英2000ギニー2着のWichitaを降して勝利を収めているNight Of Thunder産駒・Molathamが2番人気。3番人気は先日の仏G1-プールデッセデプーラン4着馬、Dabirsim産駒・Celestin

https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2020-06-18/758768

4R(23:00発走予定)・チェシャムS(Listed・7f・2歳)

・昨年Pinatuboがトラックレコードで勝利したレース。ロイヤルアスコット開催で行われる2歳戦の中では最も長い7fで行われる。ゴドルフィンのShamardal産駒・Modern Newsが1番人気。6/7のニューマーケットでのデビュー戦(6f)に勝利し、ここへ臨む。昨年のPinatuboに続く「ゴドルフィンのShamardal産駒」の制覇となるか。

https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2020-06-18/758769

5R(23:35発走予定)・ゴールドC(G1・2m3f210y・4歳以上)

・ロイヤルアスコット開催3日目といえばこのレース。注目は3連覇を狙うStradivarius。昨秋に苦杯を喫したKew Gardensが最大のライバルになると目されていたが、今回は体調が整わず出走回避となり、Cross Counterら大方は既に勝負付けが済んだメンバー構成。ブックメーカーでは単勝1倍台の圧倒的な人気を集めており、大記録達成濃厚とみられるが果たしてどうなるか。

https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2020-06-18/758767

6R(24:10発走予定)・ブリタニアS(Handicap・直線1m・3歳牡馬、せん馬)

・例年通り3日目に開催。2戦1勝のMuhaarar産駒・Enemy、4戦1勝、前走ヘイドックでのハンデ戦(1m)で2着に5馬身半差をつけて圧勝したExceed And Excel産駒・Finest Soundが上位人気。

https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2020-06-18/758770

7R(24:40発走予定)・サンドリンガムS(Handicap・直線1m・3歳牝馬)

・昨年は女性ジョッキー・Hayley Turnerが勝利を収め、史上2例目のロイヤルアスコットでの女性ジョッキーの勝利という話題を提供したのが記憶に新しいレース。3戦1勝のOasis Dream産駒・African Dream、3戦1勝のデクラレーションオブウォー産駒・Declared Interest、昨年8/10の英G3-スウィートソレラSで2着の実績があるZoffany産駒・Soffikaが上位人気。

https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2020-06-18/758771

Day four:現地時間6/19(金)

1R(21:15発走予定)・パレスオブホリールードS(Handicap・5f・3歳)

・新設レース。3戦2勝のDark Angel産駒・Art Powerが前走6/1のニューカッスルでの6f戦(AW)で2着を5馬身半ちぎり快勝し、ここへ1番人気で臨む。2番人気は勝ち鞍は全てAWでのものだが、6戦4勝のShowcasing産駒・Will To Win。

2R(21:50発走予定)・アルバニーS(G3・6f・2歳牝馬)

・例年通り4日目に開催。バリードイルのWar Front産駒・More Beautifulが1番人気。Saxon Warriorの半妹という良血馬で、6/8のデビュー戦(5f)を2着に3馬身半差をつけて快勝。ここを無事通過すれば新たなスター候補誕生となる注目レース。

3R(22:25発走予定)・ノーフォークS(G2・5f・2歳)

・ゴドルフィンのExceed And Excel産駒・Eye Of Heaven、バリードイルのKingman産駒・Admiral Nelson、ロイヤルアスコットではお馴染みのアメリカのWesley A Ward師の管理馬、Uncle Mo産駒・Golden Palらが上位人気。

4R(23:00発走予定)・ハードウィックS(G2・1m3f211y・4歳以上)

先日のコロネーションCで2着とした昨年の英ダービー馬・Anthony Van Dyck昨年のインターナショナルSで3着のElarqamが上位人気。7/25に行われるキングジョージに向けて古馬の精鋭が揃い、見応えのありそうな楽しみなレース。

5R(23:35発走予定)・コモンウェルスC(G1・6f・3歳牡馬、牝馬)

・例年通り4日目に開催。2戦2勝、昨年の英G2-ミルリーフS(6f)の勝ち馬、Cappella Sansevero産駒・Pierre Lapin、昨年の英G1-ミドルパークS2着、仏G1-モルニー賞3着のLethal Force産駒・Golden Hordeが今年初戦を向かえる。いずれもクラシックには間に合わなかった馬だが、ここで初のG1制覇を狙う。

6R(24:10発走予定)・クイーンズヴァーズ(G2・1m6f34y・3歳)

・Sir Percy産駒・Berkshire Rocco、Dubawi産駒・Al Dabaran、Authorized産駒・Santiago、Galileo産駒・Nobel Prize、Invincible Spirit産駒・On Guardらが出走。例年は英ダービー入着級の馬が揃うレースだが、今年はここから英ダービーを狙う馬が揃い、見逃せないレース。

7R(24:40発走予定)・デュークオブエディンバラS(Handicap・1m3f211y・3歳以上)

・Noble Mission産駒・Laafy、Nathaniel産駒・West End Charmer、Sea The Moon産駒・Durston、Dansili産駒・El Miskらが上位人気になりそうだが、確たる軸馬不在の大混戦模様。

Day five:現地時間6/20(土)

1R(20:40発走予定)・シルバーウォーキンガムS(Handicap・6f・3歳以上)

・7RのウォーキンガムSを除外された馬で行われるレース。

2R(21:15発走予定)・クイーンメアリーS(G2・5f・2歳牝馬)

・バリードイルのWar Front産駒・More Beautiful(4日目のアルバニーSとの両睨み)、アメリカのWesley A Ward師の管理馬・Campanelle、Kodiac産駒・Frenetic、Exceed And Excel産駒・Sacredらが有力馬。

3R(21:50発走予定)・コロネーションS(G1・1m・3歳牝馬)

・先週6/13のアイリッシュ1000ギニーを勝ったばかりのGalileo産駒・Peacefulが中5日でここへ出てくれば1番人気になりそう。英1000ギニーで1番人気に推されるも3着に敗れたFrankel産駒・Quadrilateralが対抗人気。英1000ギニーが行われた日にL-プリティポリーフィリーズSを逃げ切り勝ちしたRun Wildも登録しており、出走してくれば上位人気になりそうな顔触れ。

4R(22:25発走予定)・コヴェントリーS(G2・6f・2歳)

・1戦1勝、バリードイルのKingman産駒・Admiral Nelson(4日目のノーフォークSとの両睨み)、1戦1勝、ゴドルフィンのDubawi産駒・Creative Force、1戦1勝、ハムダン殿下の持ち馬、Night Of Thunder産駒・Qaaderの3頭が上位人気。

5R(23:00発走予定)・セントジェームズパレスS(G1・1m・3歳牡馬)

・英2000ギニーで3着に敗れたPinatuboと2着のWichitaの再戦。昨年の圧倒的なパフォーマンスから今年は大きな期待がかかっていたPinatuboが、一度叩かれたここで本来の走りを見せられるかが最大の注目ポイントになる。

6R(23:35発走予定)・ダイヤモンドジュビリーS(G1・6f・4歳以上)

・5戦4勝(デビュー戦で敗れて以降4連勝中)、今回が重賞初出走となるExceed And Excel産駒のScepticalが未知の魅力を買われて1番人気。これに昨年の英G1-スプリントCの勝ち馬・Hello Youmzain、昨年のジャンプラ賞2着、モーリスドゲスト賞3着の実績馬・Space Bluesらが対抗人気。

7R(24:10発走予定)・ウォーキンガムS(Handicap・6f・3歳以上)

・例年ロイヤルアスコットの最終日に行われるレース。レース名のWokinghamはアスコットの西にあるマーケットタウンの地名。

8R(24:10発走予定)・クイーンアレクサンドラS(Conditions・2m5f143y・4歳以上)

・英国最長の平地レースで例年通り、ロイヤルアスコット開催は締めくくられることになる。