ロイヤルアスコット開催3日目はG1・1レース(ゴールドカップ)、G3・1レース(ジャージーS)、リステッド・2レース(ウォルファートンS、チェシャムS)、ハンデ戦・3レースの計7レースが行われている。重賞レースを中心に結果と動画をレース順にお届けする。

1R・Golden Gates Handicap(Class2・芝1m1f212y・3歳)

1着:Highland Chief

牡3、父・Gleneagles、母・Pink Symphony、母父・Montjeu
調教師:Paul & Oliver Cole、騎手:Rossa Ryan

・大外から一気に追い込んだHighland Chiefが1着。昨年のロイヤルアスコットのL-チェシャムS(7f)で勝ったPinatuboから4馬身半差の3着だった馬で、その後、9/28のニューマーケットでの英G2-ロイヤルロッジS(1m)で6着。今回はそれ以来となる休み明けのレースだった。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2020-06-18/758766

2R・Wolferton Stakes(Listed Race・芝1m1f212y・4歳以上)

1着:Mountain Angel

せん6、父・Dark Angel、母・Fanciful Dancer、母父・Groom Dancer
調教師:Roger Varian、騎手:James Doyle

・1番人気のSir Dragonetは後方追走から、直線は大外に持ち出される形。上位人気だったRegal Realityも道中はSir Dragonetの前にいたが、直線は外に進路を取られる形。両馬と対称的だったのが同じく道中は後方にいたMountain Angel。4角で内を掬うと、直線では最内に潜り込み見事に最短距離を走行。直線での伸び脚は見事で、残り1fで最内から先頭に立ったMountain Angelが1着。大外追い込んだSir Dragonetは2着まで。

・こちらは勝ったMountain Angelの巧みな4角でのコーナリングが良く分かる動画。片や大勢が決した後に2着に入ったSir Dragonetに騎乗したRyan Mooreについて、現地のコメンテーター・Jim McGrath氏はsky sportsの現地中継にて“I don’t know what Ryan Moore’s plan was”と辛辣なコメントを出している。

・今回の勝利で通算23戦5勝。昨年のこのレースでは勝ったAddeybbから6馬身1/4差の5着。その後、仏G3-ゴントービロン賞2着仏G2-ドラール賞2着としていたが、このフランスでの2つの重賞はいずれも馬場状態が「Very Soft」。渋った馬場への適性の高さは示していた馬で、今回は鞍上の好騎乗が勝因だが、もともと争覇圏内にはいた存在といえる。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2020-06-18/758772

3R・Jersey Stakes(G3・芝7f・3歳)

1着:Molatham

牡3、父・Night Of Thunder、母・Cantal、母父・Pivotal
調教師:Roger Varian、騎手:Jim Crowley

・最後方を追走していたMonarch Of Egyptが最内に進路を取り、一気に抜け出しを図るも、中団の内を追走していたMolathamがジワジワと接近。最後、ややタレ気味になったMonarch Of Egyptを差し切って1着。これでJim Crowley騎手は今年のロイヤルアスコット5勝目。ハムダン殿下の勝負服が躍動するレースがとにかく多い今年のこれまでのロイヤルアスコットである。

・今回の勝利で通算5戦3勝重賞初制覇昨年9/13のドンカスターでのL-フライングスコッツマンS(7f6yds)で、先日の英2000ギニーで2着に入ったWichitaを降して勝利。その後に臨んだ10/12のニューマーケットでの英G2-オータムS(1m)では1番人気に推されるも4着。今回はそれ以来の休み明けのレースだった。レース後、現地メディアからRoger Varian師は「次走はサセックスS?」と問われていたが、「明日の朝、オーナーサイドと協議する」と回答。サセックスSは7/29に行われるが、現時点では先日のアイリッシュ2000ギニーを無敗で制したSiskin、一昨日のクイーンアンSの1,2着馬、Circus MaximusとTerebellum、6/20のセントジェームズパレスSで激突するPinatuboとWichitaあたりが、ブックメーカーの上位人気馬。

 1着:[2020/06/18]ジャージーS(英G3・7f・アスコット)

・父のNight Of Thunderは2011年愛国産のDubawi産駒。Godolphinの持ち馬で現役時は11戦4勝、2014年のG1-英2000ギニーでは14頭立ての11番人気だったがKingman、Australiaらを降し1着。2015年のG1-ロッキンジSも制し、2つの重賞勝ちがいずれもG1で、G1での2着2回の戦績を残し引退。TDNによる昨年の欧州ファーストサイアーランキングで1位。49頭が出走し28頭が勝ち上がり(勝ち上がり率57.14%)、通算44勝。尚、勝ち上がり率、勝利数、重賞勝ち馬頭数、ブラックタイプ勝ち馬頭数は全て1位で、勝ち上がり率の57.14%は2018年のNo Nay Never(54.24%)、Kingman(40.00%)、2016年のFrankel(41.86%)を凌ぐ数字で近年ではかなりの好数字となる。本馬は6頭目の重賞勝ち馬。今年の種付料は2万5000ユーロ。

・母のCantalは6戦1勝。曽祖母がEast of the Moon(ジャックルマロワ賞、ディアヌ賞、プールデッセデプーリッシュ)、4代母がMiesque(G1・10勝)という名門牝系の出身。MiesqueからEast of the Moonを経たファミリーラインからはG1・4勝のAlpha Centauriが出ているが、他にG1馬はいない。ただ、本馬や昨年の愛2歳G2-デビュータントSを勝ったAlpine Star、昨年の豪G3-JRAカップを勝ったCaptain Cookが出ており、いつ突き抜けた大物が出てもおかしくないと思わせるのがこの牝系。

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https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2020-06-18/758768

4R・Chesham Stakes(Listed Race・芝7f・2歳)

1着:Battleground

牡2、父・War Front、母・Found、母父・Galileo
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore

・3Rの結果を受けたのもあろうが、昨日とは打って変わって各馬が外にこだわらない競馬となり、内目の中団を追走していたバリードイルの良血馬・Battlegroundが、進路が確保されるとしっかりと伸び切り、2着のMarch Lawに2馬身半差をつけて勝利。

・現地ITVレーシングではTV観戦中のMarch Lawの老オーナー夫妻とZOOMを使いリモート中継を行っていたが、愛馬が2着となった瞬間、2人で歓喜。シャンパングラスで乾杯をしている。例年のロイヤルアスコット中継は場内の着飾った来場者にカメラが向くことが多いが、これは今年ならではの好企画。微笑ましい映像を視聴者へ提供している。

・今回の勝利で通算2戦1勝。6/8のネイスでのデビュー戦(6f)では5着と敗れていたが、今回は1番人気に応えて勝利。血統的に先々への期待は自ずと大きくなる馬で、母が凱旋門賞馬なら今後距離が伸びても全く問題はなく、今日の勝ち方も早熟馬のそれではない印象。今回の結果を受けてウィリアムヒルでは来年の英ダービーで本馬を1番人気(26.00倍)に早速設定しており、バリードイル人気なのは間違いなかろうが、来年に向けて注目を集める存在であることは確かだろう。

母のFoundは21戦6勝、凱旋門賞、BCターフ、マルセルブサック賞の3つのG1を含む重賞5勝他にG1での2着が10回Battlegroundは初仔。伯母のMagical Dreamは愛G3-C.L.ウェルドパークSの勝ち馬。叔母のBest In the Worldは愛G3-ギブサンクスSの勝ち馬。祖母のRed Evieは英G1-ロッキンジS、愛G1-愛メイトロンSの2つのG1を含む重賞4勝。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2020-06-18/758769

5R・Gold Cup(G1・芝2m3f210y・4歳以上)

1着:Stradivarius

牡6、父・Sea The Stars、母・Private Life、母父・Bering
調教師:John Gosden、騎手:Frankie Dettori

・Stradivariusは道中5番手を追走。この後ろに2番人気のTechnician、3番人気のCross Counterが終始つける展開。道中で2度程、Frankie Dettoriが後ろを振り向き、ライバルのチェックを行っているが4角手前では手応えの差が歴然で、早くもStradivariusのゴールドカップ3連覇が見えてくる中、直線へ。持ったままでStradivariusが先頭をうかがい、鞍上のゴーサインが出ると一気に弾けて、瞬く間に後続との差を広げに広げると、関係者しかいない場内から歓声と拍手が自然と沸き上がり、神々しささえ感じさせる強さでStradivariusが1着。

・今回の勝利で通算22戦15勝、G1・6勝重賞13勝目。ゴールドカップ3連覇はYeats(2006,2007,2008,2009年)、Sagaro(1975,1976,1977年)に並ぶ歴代3頭目の快挙。こうなるとYeatsの達成した不滅の4連覇に並ぶ事が次の目標となろうが、レース後、Frankie Dettoriは「perhaps we’ll try for the Yeats record next year」と堂々と宣言。今日のレースぶりからは衰え的なものは微塵も感じられず、むしろ今が最盛期なのでは?と思わせるものがあり、無事にコトが運べば来年のロイヤルアスコット3日目は歴史的なシーンが見られるかもしれない近年稀に見る重要な1日になりそうである。

 1着:[2020/06/18]ゴールドカップ(英G1・2m3f210yds・アスコット)
 1着:[2019/09/13]ドンカスターC(英G2・2m1f197yds・ドンカスター)
 1着:[2019/08/23]ロンズデールカップ(英G2・2m56yds・ヨーク)
 1着:[2019/07/23]グッドウッドカップ(英G1・2m・グッドウッド)
 1着:[2019/06/20]ゴールドカップ(英G1・2m3f210yds・アスコット)
 1着:[2019/05/17]ヨークシャーカップ(英G2・1m5f188yds・ヨーク)
 1着:[2018/10/20]ブリティッシュチャンピオンズロングディスタンスカップ(英G2・1m7f209yds・アスコット)
 1着:[2018/08/24]ロンズデールカップ(英G2・2m56yds・ヨーク)
 1着:[2018/08/01]グッドウッドカップ(英G1・2m・グッドウッド)
 1着:[2018/06/21]ゴールドカップ(英G1・2m3f210yds・アスコット)

 1着:[2018/05/18]ヨークシャーカップ(英G2・1m5f188yds・ヨーク)
 1着:[2017/08/01]グッドウッドカップ(英G1・2m・グッドウッド)
 1着:[2017/06/23]クイーンズヴェース(英G2・1m5f211yds・アスコット)

・母のPrivate LifeはA Fabre師に管理され、仏8戦2勝。リステッド3着2回、仏G3で4着1回。ダニエル・ウィルデンシュタイン氏がオーナーで牝系にはPawneese(Stradivariusの曽祖母。キングジョージ、ディアヌ賞、英オークス)、パントレセレブル(凱旋門賞、ジョッケクルブ賞、パリ大賞典)ら、氏の代表馬が並ぶ。

・Frankie Dettori騎手はゴールドカップ8勝目(1992,1993年・Drum Taps、1998年・Kayf Tara、2004年・Papineau、2012年・Colour Vision、2018,2019,2020年・Stradivarius)。

2着:Nayef Road(10馬身差)

牡4、父・Galileo、母・Rose Bonheur、母父・Danehill Dancer
調教師:Mark Johnston、騎手:Ryan Moore

・道中は3番手を追走。直線ではStradivariusに抵抗するすべは全く無かったが、3着馬に8馬身差をつけての2着で十分満足出来る結果。昨年の英セントレジャーで勝ったLogicianから2馬身半差の3着だった馬で、前走6/6のニューカッスルでの英G3-サガロS(AW2m56yds)を勝って、ここへ臨んでいた。

3着:Cross Counter(8馬身差)

せん5、父・Teofilo、母・Waitress、母父・Kingmambo
調教師:Charlie Appleby、騎手:James Doyle

・道中はStradivariusを前に見る形で7番手を追走。これはおそらく作戦だったものと思われるが、4角手前で早くもStradivariusとは手応えの差が歴然となってしまい、バテた馬を交わしての3着が精一杯。昨年はゴールドC4着、グッドウッドC3着とStradivariusの後塵を拝していたが、今後、この馬がStradivariusに勝つシーンはどう乗っても考えずらいのが現状。

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https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2020-06-18/758767

6R・ Britannia Stakes(Heritage Handicap)(Class2・芝直線1m・3歳牡馬、せん馬)

1着:Khaloosy

牡3、父・Dubawi、母・Elshaadin、母父・Dalakhani
調教師:Roger Varian、騎手:Jim Crowley

・馬場の真ん中から1番人気のFinest Soundが抜け出しかけたところへ、大外からKhaloosyが鋭伸。またもや鞍上・Jim Crowleyのハムダン殿下の持ち馬が躍動し、2着のFinest Soundに4馬身半差をつけて圧勝。勝ったKhaloosyは今日が3戦目の馬で、これまでにAWでのレースで2戦1勝、今回が初の芝でのレースだった。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2020-06-18/758770

7R・Sandringham Stakes(Handicap)(Class2・芝直線1m・3歳牝馬)

1着:Onassis

牝3、父・Dubawi、母・Jacqueline Quest、母父・ロックオブジブラルタル
調教師:Charlie Fellowes、騎手:Hayley Turner

・内の後方を追走していたHayley Turner騎乗のOnassisが内から一気に突き抜けて1着。Hayley Turner騎手は昨年のこのレースを勝ち、史上2人目のロイヤルアスコットで勝った女性ジョッキーとなっていたが、まさかのこのレース連覇達成。勝ったOnassisはデビュー6戦目でようやく勝ち上がった馬で、このレースの単勝オッズは33/1の人気薄だった。ちなみに昨年の勝利時も単勝オッズは偶然にも全く同じ33/1。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2020-06-18/758771

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