現地時間7/12(日)に仏ドーヴィル競馬場にて行われた、Pinatuboが出走したG1-ジャンプラ賞(1400m)と、独ハンブルク競馬場にて行われた、G1-ドイチェスダービー(2400m)のレース結果と動画をお届けする。合わせて無敗馬・Earthlightの今季初戦となったL-キステナ賞(1200m)についても触れる。
Qatar Prix Jean Prat(G1・芝1400m・3歳牡馬、牝馬・仏ドーヴィル競馬場)
・1940年創設の3歳限定のG1戦。G1昇格は1985年。昨年から1600mから1400mへ距離短縮された。過去の主な勝ち馬にToo Darn Hot、サンダースノー、タートルボウル、バゴ、メンデス、シルバーシャークなど。
1着:Pinatubo
牡3、父・Shamardal、母・Lava Flow、母父・Dalakhani
調教師:Charlie Appleby、騎手:William Buick
・注目のPinatuboは序盤は後方待機。前団にびっしりと馬が並ぶ中、徐々に馬群が拡がっていくと、狭いところを通り上昇開始。進路が確保されると早めに先頭に立ち、最内から伸びてきたLope Y Fernandezを抑えてPinatuboが1着。
・今回の勝利で通算9戦7勝、G1・3勝目、重賞4勝目。今季は6/6のG1-英2000ギニー(1m)で3着→6/20のG1-セントジェームズパレスS(7f213y)で2着と連敗中だったが、距離短縮のここでようやく復活。昨年の輝きがあまりにも鮮やかだったため、普通に勝利しても常に若干の物足りなさが残ってしまうのは、この馬特有の事象として当面は継続していくことになろうが、軌道修正なれば大きな期待がやはりかかってしまう存在。次走は7/29のサセックスSが有力視されており、ウィリアムヒルではサセックスSの前売り単オッズで、無敗でアイリッシュ2000ギニーを制したSiskinを2.50倍で1番人気とし、Pinatuboは3.75倍の2番人気となっている。
1着:[2020/07/12]ジャンプラ賞(仏G1・1400m・ドーヴィル)
1着:[2019/10/12]デューハーストS(英G1・7f・ニューマーケット)
1着:[2019/09/15]ナショナルS(愛G1・7f・カラ)
1着:[2019/07/30]ヴィンテージS(英G2・7f・グッドウッド)
・母のLava Flowは6戦2勝。現役時はA Fabre師に管理され、LR-セーヌ賞(2200m)に勝利。祖母のMount ElbrusはLR-プティエトワール賞の勝ち馬。
2着:Lope Y Fernandez(3/4身差)
牡3、父・Lope De Vega、母・Black Dahlia、母父・Dansili
調教師:A P O’Brien、騎手:Ioritz Mendizabal
3着:Malotru(2馬身半差)
牡3、父・Casamento、母・Magika、母父・Dubawi
調教師:Marco Botti、騎手:Andrea Atzeni
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/206/deauville/2020-07-12/762472
IDEE 151st Deutsches Derby(G1・芝2400m・3歳牡馬、牝馬・独ハンブルク競馬場)
・1869年創設。1991年に東西ドイツ統合により、東西でそれぞれ行われていたダービーも1つになり、現在に至っている。過去の主な勝ち馬にSea The Moon、Shirocco、Borgia、Lando、Acatenango、Surumu(Acatenangoの父)など。
1着:In Swoop
牡3、父・Adlerflug、母・Iota、母父・Tiger Hill
調教師:F-H Graffard、騎手:Ronan Thomas
・最後の直線はダービーの名に相応しい見応え充分の好レース。直線を向いた時は12番手辺りにいた、黒帽子で青袖の赤い勝負服のIn Swoopが、馬場の真ん中を切り裂いて鋭伸。力の入るゴール前となったが混戦を制して、1着となっている。
・今回の勝利で3戦2勝、重賞初制覇。アイルランド産のフランス調教馬。3/15の仏リヨンパリリーでのデビュー戦(2200m)で1着→6/6の仏リヨンパリリーでの仏G2-グレフュール賞(2200m)で3着、としここへ臨んでいた。ここは単勝14.7倍の人気に留まっていたが、父が独ダービー馬、母が独オークス馬、全兄も独G1馬という良血馬で、ドイツでの競馬が初ということで人気の盲点になっていた印象。
1着:[2020/07/12]ドイチェスダービー(独G1・芝2400m・ハンブルク)
・父のAdlerflugは2004年ドイツ産のIn The Wings産駒。2007年のG1-ドイチェスダービー、2008年のG1-ドイツ賞の勝ち馬。曽祖母のAnatevkaはUrban Seaの曽祖母にあたり、同牝系に属する。これまでに本馬、Iquitos(バイエルン大賞、バーデン大賞、ダルマイヤー大賞)、Ito(バイエルン大賞)、Lacazar(ディアナ賞)の4頭のG1馬を輩出。今年の種付料は1万ユーロ。
・母のIotaはG1-ディアナ賞(ドイツオークス)、G3-シュヴァルツゴルトレネンの勝ち馬。全兄のItoはG1-バイエルン大賞、G2-ゲルリング大賞、G2-バーデン企業大賞の勝ち馬。半姉のIgraine(父・Galileo)はニュージーランドG3-カウンティズカップの勝ち馬。いとこ(せん馬)のItobo(父・Areion)はG2-バーデン企業大賞、G3-ドイツ統一賞の勝ち馬。
2着:Torquator Tasso(3/4身差)
牡3、父・Adlerflug、母・Tijuana、母父・Toylsome
調教師:M Weiss、騎手:Jack Mitchell
3着:Grocer Jack(3/4身差)
牡3、父・Oasis Dream、母・Good Donna、母父・Doyen
調教師:Waldemar Hickst、騎手:Marco Casamento
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/244/hamburg/2020-07-12/762481
Qatar Prix Kistena (Listed Race・芝1200m・3歳)
1着:Earthlight
牡3、父・Shamardal、母・Winters Moon、母父・New Approach
調教師:A Fabre、騎手:Mickael Barzalona
・大外枠発走のEarthlightは序盤は中団からやや後方を追走。中盤以降、ラクにポジションを押し上げ、あっさり先頭に立つと、力の違いを見せつけて後続との差を広げて快勝。
・今回の勝利で通算6戦6勝。今回は昨年9/28のG1-ミドルパークS以来、288日ぶりの休み明けのレースだったが何なく通過。当初はジャンプラ賞から復帰見込みと報じられていたが、Pinatuboとの使い分けによりここが復帰戦に選ばれる形となっている。今後もPinatuboとは別レースを使われると見込むと、6f路線へ参入するのが現実的な選択肢になりそうだが果たしてどうなるか。
1着:[2019/09/28]ミドルパークS(英G1・6f・ニューマーケット)
1着:[2019/08/18]モルニー賞(仏G1・1200m・ドーヴィル)
1着:[2019/07/28]カブール賞(仏G3・1200m・ドーヴィル)
・母のWinters Moonは7戦1勝、デビュー勝ち以降は未勝利だったが、2014年の英2歳G1-フィリーズマイル(1m)で3着など重賞入着級の活躍を示した馬。伯母のWavering(サンタラリ賞)、伯父のMandaean(クリテリウムドサンクルー)はいずれもG1馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/206/deauville/2020-07-12/762515