今週末の仏パリロンシャン競馬場は凱旋門賞を筆頭にG1レース、重賞レースが集中開催される凱旋門賞ウイークエンド(Arc Weekend)。本稿では凱旋門賞を中心に各レースのミニ展望を出馬表と共にお届けする。尚、10/4(日)の22:00~24:00まで、グリーンチャンネルにて「2020凱旋門賞中継」が無料生中継される。
※出馬表はレーシングポストのもの。
※尚、パリの週末にかけての天気予報は以下の通り。金曜日は終日雨、土曜、日曜も雨が降る予報が出ており、今週末はパンパンの良馬場でのレースは見込みずらい情勢。道悪競馬の適性が大きく問われる大一番となりそうである。
https://tenki.jp/world/1/130/7149/
凱旋門賞(G1・芝2400m・3歳以上牡馬、牝馬※せん馬は出走不可)
10/4(日):23:05発走予定
・Loveが回避となり、俄然、Enableの一強ムード。Loveは道悪を嫌っての回避と見られており、この後のブリティッシュチャンピオンズデーやブリーダーズCへ矛先を転じた模様。尚、11/15のエリザベス女王杯にもLoveが予備登録された旨、JRAより発表があったが、これはこの時期の「お約束」でニュースバリューは無に近い。
・天気予報を見る限りでは昨年同様、道悪の巧拙が今年の凱旋門賞も結果を左右しそうである。この点でEnableの次位候補として名前があがるのはStradivariusか。昨年と今年のゴールドCはいずれも馬場状態「Soft」での勝利で、道悪は全く苦にしない。
・昨年並の非常に重い馬場になった場合、昨年3着のSottsass(2着のEnableとの着差は1馬身3/4差)、4着のJapan(2着のEnableとの着差は2馬身1/4差)の両馬はパフォーマンスを大きく落とすことは無さそうで、近走のパフォーマンスは度外視してでも要注目となる。
https://www.racingpost.com/racecards/211/longchamp/2020-10-04/763753/
オペラ賞(G1・芝2000m・3歳以上牝馬)
10/4(日):23:50発走予定
・ディープインパクト産駒のFancy Blue(ディアヌ賞、ナッソーS)、ディアヌ賞とジャックルマロワ賞で共に2着の実績馬・Alpine Star、5戦5勝のTawkeel(サンタラリ賞)、前走快勝のTarnawa(ヴェルメイユ賞)、ディアヌ賞で首差3着だったPeaceful(アイリッシュ1000ギニー)ら、今年の牝馬G1を勝った精鋭が多数集った大変興味深い好カード。
https://www.racingpost.com/racecards/211/longchamp/2020-10-04/768523/
アベイドロンシャン賞(G1・芝1000m・2歳以上)
10/4(日):24:25発走予定
・今年の欧州5f路線を無敗で突っ走ってきた王者・Battaashが当然、最有力だが問題は馬場。昨年のこのレースは英国表記では「Very Soft」なかなり重い馬場でのレースだったが全くいいところなく大敗。ただ、2017年のシャンティイでのこのレースも道悪(「Soft」)だったが勝利しており、道悪の度合いが焦点になりそう。昨年程、重くならなければ王者の行進が見られるものと予想されるが果たして。
https://www.racingpost.com/racecards/211/longchamp/2020-10-04/768522/
フォレ賞(G1・芝1400m・3歳以上)
10/4(日):24:55発走予定
・ゴドルフィンのEarthlightが本命。5戦5勝で2歳戦を終え、復帰後の今季は7/12のL-キステナ賞(1200m)1着→8/9のG1-モーリスドゲスト賞(1300m)4着→9/13のG3-パン賞(1400m)1着。英国表記で「Heavy」な道悪馬場だったモルニー賞を昨年制しており、この材料は大きい印象。対抗はこのレース3連覇を狙うOne Master。
https://www.racingpost.com/racecards/211/longchamp/2020-10-04/768524/
ジャンリュックラガルデール賞(G1・芝1400m・2歳牡馬、牝馬)
10/4(日):21:15発走予定
・Kodiac産駒のNando Parradoは、7/20の英G2-コヴェントリーS(6f)1着→8/23の仏G1-モルニー賞(1200m)2着と実績は最上位。愛G1-ナショナルSの2着馬・Wembley、3着馬・St Mark’s Basilicaの両バリードイル勢が続く構図。
https://www.racingpost.com/racecards/211/longchamp/2020-10-04/768521/
マルセルブサック賞(G1・芝1600m・2歳牝馬)
10/4(日):21:50発走予定
・Lawman産駒のPretty Gorgeousは愛G2-デビュータントS(7f)の勝ち馬で、前走9/13の愛G1-モイグレアスタッドS(7f)では2着。デビュータントSは馬場状態「Soft」での勝利で道悪実績がある点は心強い。Fev Roverは仏G2-カルバドス賞(1400m)を「Very Soft」な馬場で勝利。この馬も道悪は鬼。カルバドス賞は2着だったPlainchant、3着だったKing’s Harlequinが共に次走、重賞を勝ったレベルの高いレース。ディープインパクト産駒でニアルコスファミリーの持ち馬・Harajukuも注目馬。
https://www.racingpost.com/racecards/211/longchamp/2020-10-04/768520/
カドラン賞(G1・芝4000m・4歳以上)
10/3(土):24:00発走予定
・このレースで一昨年1着、昨年2着のCall The Windが1番人気。仏長距離路線の顔役で今年は2月のサウジ遠征から始動し、4戦3勝、2着1回と好調を維持。このレースと10/25のロワイヤルオーク賞はこの馬にとって年間の最大目標となるレースで、ここは貫禄を見せたいところ。
https://www.racingpost.com/racecards/211/longchamp/2020-10-03/768065/
ロワイヤリュー賞(G1・芝2800m・3歳以上牝馬)
10/3(土):22:15発走予定
・1番人気が予想されていたEnbihaarが軽度の故障により突然の引退。押し出される形でManuela De Vegaが人気を集めている。今年の英G2-ランカシャーオークスの勝ち馬で、前走のヨークシャーオークスは勝ったLoveから9馬身1/4差の4着。2番人気はAmerican Pharoah産駒のPista。現在3連勝中の上り馬。
https://www.racingpost.com/racecards/211/longchamp/2020-10-03/768064/