毎月、定期更新している重賞勝馬輩出率。今回は種牡馬編の内、牝馬の産駒がどれだけ重賞を勝っているか、データを元に当サイトが注目する種牡馬の産駒情報をお届けする。ディープインパクト産駒が圧倒的な数字を残しているのは誰でも分かるが、一定の条件下では意外な馬が好成績をあげている。

まず、以下のリンクをご覧頂きたい。これは現3歳から現10歳までの日本で血統登録された馬の内、何パーセントの馬が重賞勝ち馬になったか、を示すデータである。

http://umahei.com/page-169/page-179

例えばディープインパクトの7.8%という数字は、単純にディープインパクト産駒を100頭購入した場合、7,8頭が重賞ウイナーになっている、ということを示している。もしくは、ディープインパクト産駒を13頭ほど購入していると、馬主として重賞ウイナー1頭に巡り合える可能性が高い事を示している。

ディープインパクト以下、キングカメハメハやハーツクライなど、リーディング上位常連の種牡馬が並んでいるが、意外な馬として今回はバゴをご紹介する。バゴはNashwan(by Blushing Groom)産駒で、馬名はミャンマーの都市名Bago(バゴー:ビルマ語で「白鳥の町」の意。13-16世紀にバゴー王朝の首都として栄えた町)に由来する。現役時、G1-凱旋門賞などG1を5勝。生涯で掲示板を外したのは引退レースとなったジャパンC(アルカセットの8着)のみという驚異的な堅実さを示した馬である。代表産駒は菊花賞馬・ビッグウィーク。

 2004年カルティエ賞最優秀3歳牡馬
 1着:2004凱旋門賞(G1)
 1着:2004パリ大賞(G1)
 1着:2005ガネー賞(G1)
 1着:2004ジャンプラ賞(G1)
 1着:2003クリテリヨムアンテルナシヨナル(G1)
 1着:2003シェーヌ賞(G3)
 2着:2005タタソールズゴールドC(G1)
 3着:2005キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)
 3着:2005サンクルー大賞(G1)
 3着:2004ヨークインターナショナルS(G1)
 3着:2004ニエル賞(G2)

バゴの祖母Coup de Genieは2歳時にフランスのG1-モルニー賞、G1-サラマンドル賞を勝っており、曾孫としてファンディーナを輩出。全兄に大種牡馬・Machiavellian(この馬も2歳時にフランスのG1-モルニー賞、G1-サラマンドル賞を勝利)を持つ良血馬。

バゴの5代血統表をみると特徴的なのは母方にNatalmaの4×5、Native Dancerの5×5のクロスがあること。バゴの母Moonlight’s Boxは自身、Natalma:S3×M4、Native Dancer:S4×M4×M5、Almahmoud:S4×M5×M5、Hyperion:S5×S5、Nasrullah:S5×M5のクロスを持っている。

バゴは牝馬に実績が偏っている種牡馬で現3歳から現10歳までの牝駒の重賞ウイナーはトロワボヌール、アクティビューティ、クリスマス、オウケンサクラと4頭いる。

 トロワボヌール(母・チューニー by サンデーサイレンス)
 総賞金2億159万円・2010年生まれ
 1着:2016クイーン賞(Jpn3) 船橋ダ1800
 1着:2014クイーン賞(Jpn3) 船橋ダ1800
 1着:2015スパーキングレディーC(Jpn3) 川崎ダ1600

 アクティビューティ(母・ファンドリオボッコ by ワッスルタッチ)
 総賞金1億7999万円・2007年生まれ
 1着:2013クイーン賞(Jpn3) 船橋ダ1800

 クリスマス(地方現役)(母・アラマサスナイパー by ステイゴールド)
 総賞金1億3795.4万円・2011年生まれ
 ※2013年のJRAブリーズアップセールにて367.5万円で落札
 1着:2013函館2歳S(G3) 函館芝1200

 オウケンサクラ(母・ランフォザドリーム by リアルシャダイ)
 総賞金1億5479万円・2007年生まれ
 1着:2010フラワーC(G3) 中山芝1800

バゴの日本で血統登録された現3歳~現10歳の牝駒は169頭。この内の4頭が重賞ウイナーになっているので、牝駒の重賞勝馬輩出率は2.4%になる。

※詳細は以下のページをご参照頂きたい。

http://umahei.com/page-179/page-1681

この2.4%という数字は牝馬限定ではキングカメハメハ(1.8%)、クロフネ(1.5%)、ハーツクライ(1.6%)、ダイワメジャー(1.5%)などを優に上回り、産駒数が少ないヨハネスブルグ(2.7%)には劣るものの、ディープインパクト(5.4%)に次ぐ、大変、優秀な数字を残している。

バゴ牝駒を41頭購入していると、馬主として重賞ウイナー1頭に巡り合える可能性が高いというこのデータをどうみるかは人それぞれだろうが、実際のセリでのバゴ牝駒の平均取引価格が気になるところ。現3歳~現10歳のバゴ牝駒169頭中、41頭がセリで取引されており、この41頭の平均取引価格を算出すると676.6万円となる。

単純計算だが、676.6万円×41≒2億7740万円ほどの投資で1頭の重賞ウイナーに巡り合える可能性が高いということになる。ちなみにセリに上場されていた41頭のバゴ牝駒の内、勝ち上がった馬は14頭(勝ち上がり率34.1%)。14頭中、2勝以上をあげた馬は以下の5頭である。この5頭の総賞金だけで3億円以上になっており、バゴ牝駒の優秀さ、良質さを示している。

 クリスマス:総賞金1億3795.4万円
 フレンドスイート:総賞金5506.1万円
 グレイスミノル:総賞金5927.9万円
 クイーンアルタミラ:総賞金2914.1万円
 ワンダフルラッシュ:総賞金2977.6万円

桜花賞(オウケンサクラが2着しているが)やオークスなどの晴れ舞台とは無縁の地味な種牡馬かもしれないが、こうした種牡馬の産駒を馬主として持つのも一興なのではないだろうか。それほどコストをかけずに一定の夢は見れるはずである。ちなみに10月の北海道オータムセールにはバゴ産駒が4頭上場予定、4頭中2頭は牝馬である。