2021 サウジカップデー・レース結果

日本時間2/20(土)にサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場にて行われた第2回サウジカップ(ダ1800m)、リヤドダートスプリント(ダ1200m)など、アラブ限定、サウジアラビア調教馬限定の2レースを除く全6レースの結果と動画をお届けする。

Saudi Cup(ダ1800m・3歳以上)

・サウジカップは、CharlatanとKnicks Goの人気両馬が併走して主導権を譲り合わない真っ向勝負の競馬を選択。Mishriffはこの直後の3番手を離されずに追走。直線入口ではCharlatanが先頭に立ち、Mishriffが2番手に浮上。直線は両馬の壮絶な一騎打ちとなったが、最後は外のMishriffが抜け出して1着。2着は1馬身差でCharlatan。いつもの単騎逃げの競馬をさせてもらえなかったKnicks Goは4着。

1着:Mishriff

牡4、父・Make Believe、母・Contradict、母父・Raven’s Pass
調教師:John Gosden、騎手:David Egan

・今回の勝利で通算9戦5勝。昨年は当初はフランス調教馬以外は出走不可だったフランス競馬の規制緩和(=国外調教馬出走可へ)を捕らえ、サウジダービーでフルフラットの2着となった後、ニューマーケットでのリステッドを4馬身差で勝利した後、英ダービーではなくジョッケクルブ賞へ出走し、見事に勝利。次走のギョームドルナーノ賞も制し、英チャンピオンSに出走するも8着。今回はそれ以来、127日ぶりのレースで、サウジダービーで手綱を取っていたDavid Eganを再度、鞍上に迎えて臨んでいた。アメリカの強豪2騎を降す圧巻のパフォーマンスを見せ、先々の選択肢が大きく広がる勝利。

・父のMake Believeは2012年英国産のMakfi産駒。Mishriffと同じファイサル王子の持ち馬で、半姉のドバウィハイツ(イエローリボンS、ゲイムリーS)は社台ファームにて繋養されており、リバティハイツ(フィリーズレビュー)を輩出。現役時は7戦4勝、プールデッセデプーラン、フォレ賞の2つのG1に勝利。現4歳がファーストクロップで、これまでに4頭の重賞勝ち馬、1頭のリステッド勝ち馬を輩出。種付料は初年度(2016年)の2万ユーロから1万2000ユーロにまで下がっていたが、Mishriffの活躍もあり、今年は1万5000ユーロへ引き上げられている。

・母のContradictは9戦1勝。祖母のActs of Graceは英G3-プリンセスロイヤルSの勝ち馬。曽祖母のRafhaは仏G1-ディアヌ賞(仏オークス)、英G3-メイヒルSの勝ち馬で、Rafhaの直仔・Invincible Spirit(スプリントC)、Kodiacは種牡馬として活躍中。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2021-02-20/778770

Saudi Arabian Airlines Riyadh Dirt Sprint(ダ1200m・3歳以上)

・リヤドダートスプリントは、予想通り最内枠からマテラスカイがハナに立つ展開。そのまま押し切り勝ちを狙うも、後方追走のコパノキッキングが外から強襲。マテラスカイを1/4身差捕らえて1着。2着のマテラスカイは昨年と同じようなレースで惜敗。もう一頭の日本調教馬・ジャスティンは直線スムーズさを欠く競馬となり不完全燃焼の6着。

1着:コパノキッキング

せん6、父・Spring At Last、母・セラドン、母父・ゴールドヘイロー
調教師:村山明(栗東)、騎手:William Buick

・今回の勝利で通算21戦10勝。これまでに2018年のG3-カペラS(ダ1200)、2019年のG3-根岸S(ダ1400m)、同年のJpn2-東京盃(ダ1200m)、同年のG3-カペラS(ダ1200m)に勝利している馬だが、昨年は5戦して未勝利(2着1回、3着2回)とやや精彩を欠いていたが、初の海外遠征で最良の結果を残すこととなっている。William Buickを鞍上に向かえた陣営の判断も勝因の一つだった印象。2017年3月ファシィグティプトンフロリダ2歳トレーニングセールにて10万米ドルにて、現オーナー・小林祥晃氏に落札された馬。

・父のSpring At Lastは2003年米国産のSilver Deputy産駒。現役時は13戦5勝、G1-ドンH(ダ9f)、G2-ゴドルフィンマイル(ダ1600m)の勝ち馬。代表産駒にSpring In The Air(アルシバイアディーズS)。

・母のセラドンは米6戦3勝(全て芝5.5f)。伯父のモエレジーニアス(父・フサイチコンコルド)はG3-函館2歳Sの勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2021-02-20/778769

Saudi Derby sponsored by Al Rahji Bank(ダ1600m・3歳)

・サウジダービーは、好位外目追走のピンクカメハメハが、4角先頭に立ったゴドルフィンのRebel’s Romanceを直線で外から競り落とし、早め先頭からの押し切り勝ち。

1着:ピンクカメハメハ

牡3、父・リオンディーズ、母・タバサトウショウ、母父・ダンシングブレーヴ
調教師:森秀行(栗東)、騎手:戸崎圭太

・今回の勝利で通算7戦2勝。昨年7/19の2歳新馬(函館芝1800m)に勝利して以降、全て芝のレースを使われて5連敗。今回が初のダートでここは全くの人気薄だったが、評価を覆す勝利。母・タバサトウショウ(1993年産)の12番仔で、タバサトウショウが24歳の時に受胎し、25歳の時に出産した馬。ちなみに2018年産で同年に血統登録された馬の母の出産時年齢が25歳だった馬は本馬のみ(※最高齢は26歳)で、21歳超だった馬は全体の約1%、90頭しかいない。

・父のリオンディーズは2013年ノーザンファーム産のキングカメハメハ産駒。母・シーザリオ(オークス、アメリカンオークス)の6番仔。3番仔のエピファネイア(ジャパンC、菊花賞)、9番仔のサートゥルナーリア(皐月賞、ホープフルS)はいずれもG1馬。現役時は5戦2勝、G1-朝日杯フューチュリティSの勝ち馬。ファーストクロップ(現3歳)からまだ重賞勝ち馬は出ておらず、これまでの代表産駒はダ1800で2勝をあげている、ティアップリオン(牡3)。今回のピンクカメハメハの勝利でさらに産駒のダート適性の高さに注目が集まりそうである。

・母のタバサトウショウはトウショウ牧場の生産馬で6戦1勝(中京芝1200)。タバサトウショウの3番仔・スイープトウショウ(父・エンドスウィープ)は宝塚記念、エリザベス女王杯、秋華賞の3つのG1を含む重賞6勝。祖母のサマンサトウショウはG3-エプソムCの勝ち馬。曽祖母のマーブルトウショウは桜花賞、阪神3歳Sでいずれも3着。

・生産者の畠山牧場はホットシークレット(ステイヤーズS2勝、目黒記念)、アルコセニョーラ(新潟記念、福島記念)、クールホタルビ(ファンタジーS)、ヤマタケサリー(テレビ東京3歳牝馬S)、ラインシュナイダー(サマーチャンピオンシップ)などを生産。

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https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2021-02-20/778768

Red Sea Turf Handicap(芝3000m・3歳以上)

・レッドシーターフHは、人気のCall The Windがハナに立つ展開。これを見る形の3,4番手を追走していた青い帽子のゴドルフィンのGifts Of Goldが直線で外から抜け出して1着。

1着:Gifts Of Gold

せん6、父・Invincible Spirit、母・Sanna Bay、母父・Refuse To Bend
調教師:Saeed bin Suroor、騎手:Pat Cosgrave

・今回の勝利で通算13戦4勝。これまでに重賞勝ちはなく、昨年9/19の英G3-レガシーカップステークス(芝11f)でElarqamの4着になっているのが目立つ程度の戦績。前走は1/21のメイダンでのG2-アルマクトゥームチャレンジR1(ダ1600m)を使われて最下位11着。ここは単勝41倍の人気薄での勝利。

・父のInvincible Spiritは1997年愛国産のGreen Desert産駒。母のRafhaはディアヌ賞(仏オークス)の勝ち馬という良血馬で現役時は17戦7勝、G1-スプリントC(芝6f)を含む重賞3勝。種牡馬としてG1馬を20頭、重賞勝ち馬を64頭、リステッド勝ち馬を67頭輩出する大成功を収め、Kingman(2014年カルティエ賞年度代表馬・最優秀3歳牡馬、G1・4勝)、Moonlight Cloud(2013年カルティエ賞最優秀古馬、G1・6勝)らのチャンピオンホースを輩出。

・母のSanna Bayは未出走。伯母のAlbabilia(父・キングズベスト)は英2歳G3-スイートソレラSの勝ち馬。

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https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2021-02-20/778766

stc 1351 Turf Sprint(芝1351m・3歳以上)

・1351ターフスプリントは、白い帽子のゴドルフィンのSpace Bluesが中団追走から直線できっちり差し切って人気に応える順当勝ち。

1着:Space Blues

牡5、父・Dubawi、母・Miss Lucifer、母父・Noverre
調教師:Charlie Appleby、騎手:William Buick

・今回の勝利で通算14戦8勝。昨年6月以降、6/7の英L-スプリングトロフィーS(芝7f)→6/25の仏G3-ポルトマイヨー賞(芝1400m)→7/28の英G2-レノックスS(芝7f)→8/9の仏G1-モーリスドゲスト賞(芝1300m)と4連勝。今回は195日ぶりの休み明けのレースだったが、人気に応える勝利で5連勝達成。

・父のDubawiは2002年愛国産のDubai Millennium産駒。現役時は8戦5勝、ジャックルマロワ賞、アイリッシュ2000ギニー、ナショナルSの3つのG1を含む重賞4勝。昨年はGhaiyyath、Lord North、Space Blues、The Revenantの4頭がG1を制覇。

母のMiss Luciferは11戦3勝、英G2-チャレンジS(芝7f)、L-オクトーバーS(芝7f)の勝ち馬。半姉のShuruq(父・Elusive Quality)はマクトゥームチャレンジラウンド1、UAEオークスなど重賞4勝。近親にChachamaidee(愛メイトロンS)、Virginia Waters(英1000ギニー)。尚、父のDubawiも同牝系に属するため、本馬はSunbitternの4×5の牝馬クロスが発生している。

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https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2021-02-20/778765

Neom Turf Cup(芝2100m・3歳以上)

・ネオムターフカップは、後方追走の12番・True Selfが、先に抜け出していたアメリカのG1馬・Channel Maker目がけて、直線で英国の女性ジョッキー・Hollie Doyleの叱咤に応えて豪脚を披露。一気に差し切って1着。

1着:True Self

牝8、父・Oscar、母・Good Thought、母父・Mukaddamah
調教師:W P Mullins、騎手:Hollie Doyle

・今回の勝利で通算28戦11勝のアイルランド調教馬。オーストラリア、香港、サウジアラビアへ積極的に海外遠征を行ってきた馬で、これまでに一昨年と昨年の豪G3-クイーンエリザベスS(芝2600m)に勝利。昨年のこのレースではFrankie Dettoriが手綱を取り、勝ち馬から9馬身差の6着だった馬。

・父のOscarは1994年愛国産のSadler’s Wells産駒。現役時は4戦1勝2着3回、G1-ジョッケクルブ賞(芝2400m)で2着(勝ったのはPeintre Celebre)、G2-オカール賞(芝2200m)で2着。障害種牡馬でBig Zeb(クイーンマザーチャンピオンチェイス等)、Rock On Ruby(チャンピオンハードル等)、Lisnagar Oscar(ステイヤーズハードル等)らの障害G1馬を輩出。

・母のGood Thoughtは未出走。近親に目ぼしい活躍馬は見当たらない。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2021-02-20/778764