2021 ドバイワールドカップデー・ミニ展望

日本時間3/27(土)にUAEのメイダン競馬場にて行われる今年のドバイワールドカップデー。昨年はcovid-19の感染拡大により開催中止となったが、今年は予定通り開催される。本稿では当日行われる8つの重賞レースのミニ展望をお届けする。

 ※レースの模様はグリーンチャンネルにて3/27(土)23:00~26:30まで無料生中継される。
 ※オッズは現時点の英ブックメーカー・ウィリアムヒルのもの。

9R・ドバイワールドカップ(G1・ダ2000m・日本時間3/27(土)25:50発走予定)

・ゴドルフィンのMystic Guideが1番人気。昨年10/10のG1-ジョッキークラブゴールドC(ダ10f)で2着になった馬で、休み明けだった前走2/27のG3-レイザーバックH(ダ8.5f)で2着に6馬身差をつけて快勝し、ここへ臨む。サウジカップと比較すると大幅に手薄なメンバーとなったここなら、Official Ratingメンバー最上位(119)の格的にもここは絶好のチャンス。

・2番人気のMilitary Lawは約1年ぶりの出走だった前々走1/21のG2-アルマクトゥームチャレンジR1(ダ1600m)に勝利して臨んだ、前走2/20のサウジカップ(ダ1800m)で勝ったMishriffから14馬身半差の6着。着差的に完全な力負けだったが、今回のメンバーなら相対的に2番手評価出来るのは事実。

・同率で2番人気のJesus’ Teamは昨年プリークネスS3着(勝ち馬から10馬身差)、BCダートマイル2着(勝ち馬から3馬身半差)とG1で入着2回。前走1/23のG1-ペガサスワールドカップ(ダ9f)で勝ったKnicks Goから2馬身3/4差の2着とし、ここへ臨む。Knicks Go(サウジカップ4着)を物差しにすると、Military Lawとはいい勝負になりそうな存在。尚。日本調教馬・チュウワウィザードは単勝11.00倍の同率5番人気の評価となっている。

 Mystic Guide:3.25倍
 Military Law:6.00倍
 Jesus’ Team:6.00倍
 Salute The Soldier:7.00倍

8R・ドバイシーマクラシック(G1・芝2410m・日本時間3/27(土)25:10発走予定)

・日本調教馬・クロノジェネシスが堂々1番人気。昨年は京都記念1着→大阪杯2着→宝塚記念1着→天皇賞(秋)3着→有馬記念1着、と大崩れなく通年に渡り活躍。初の海外遠征となるが、ステイゴールド(2001年)、ハーツクライ(2006年)、ジェンティルドンナ(2014年)に続く4頭目の日本調教馬によるこのレースの勝利を目指す。強敵が揃ったここは勝利の価値が非常に高い一戦で、英愛の4歳G1馬を撃破することになれば、あらためて日本競馬の名声を高めることになるレース。

・対抗人気はMishriff。先のサウジカップに勝利し、次走がどこになるか注目されたがドバイワールドカップではなくここを選択。昨年のG1-ジョッケクルブ賞(仏ダービー)を制している馬だが、陣営からは2000m前後が適距離とのコメントが以前より出ており、距離が若干の懸念材料。ただ、完璧だったサウジカップでのパフォーマンスを見るとこれも杞憂に終わるか。

・3番人気はバリードイルのMogul。昨年はG1-パリ大賞典を快勝し、凱旋門賞でも期待を集める存在となったが飼料に禁止薬物が混入していた不運に見舞われ出走取消。その後はG1-BCターフ5着→G1-香港ヴァーズ1着。12fは実績十分な適距離で、若干離れた3番人気の評価だが、妙味のある単オッズな印象。

Walton Streetは前走3/6のG2-ドバイシティオブゴールドの勝ち馬。Channel Makerは米芝G1を4勝している馬で、前走2/20のネオムターフカップで2着。ハナを切りそうなのはこの馬。尚、Oisin Murphyが手綱を取る、日本調教馬・ラヴズオンリーユーは6番人気、単勝オッズ11.00倍。

 クロノジェネシス:3.00倍
 Mishriff:3.50倍
 Mogul:6.00倍
 Walton Street:8.00倍
 Channel Maker:9.00倍
 ラヴズオンリーユー:11.00倍

7R・ドバイターフ(G1・芝1800m・日本時間3/27(土)24:30発走予定)

・1番人気のLord Northは昨年6/17のG1-プリンスオブウェールズSの勝ち馬。その後、インターナショナルS3着→英チャンピオンS10着→BCターフ4着。ここは休み明けのレースになるが、Ghaiyyath、Magical、Tarnawa、Mogulら一線級とそこまで差の無い競馬をしてきた存在で、今回のメンバーなら格的には最上位な印象で、Official Rating123は出走メンバーでは抜けた数字。

・前走3/6のG1-ジェベルハッタ(芝1800m)を制したLord Glittersが2番人気。一昨年のこのレースで勝ったアーモンドアイから1馬身3/4差の3着とし、同年のG1-クイーンアンSを制覇。その後は勝ち鞍をあげられずにいたが、今年に入り3戦2勝。近況好調の勢いを活かし、8歳にして3つ目のG1タイトル獲得なるか。

・3番人気のAl Suhailは2歳時にオータムS2着、ソラリオS3着と重賞入着2回の実績を残し、昨年は英2000ギニー14着→ニューマーケットでのL-サーヘンリーセシルS(芝8f)を2着に6馬身差をつけて勝利。それ以来、240日ぶりのレースだった前走3/6のG1-ジェベルハッタ(芝1800m)で勝ったLord Glittersから半馬身差の3着。尚、Mickael Barzalonaが手綱を取る、日本調教馬・ヴァンドギャルドは5番人気、単勝オッズ11.00倍。

 Lord North:3.50倍
 Lord Glitters:4.00倍
 Al Suhail:5.00倍
 Regal Reality:7.00倍

6R・ドバイゴールデンシャヒーン(G1・ダ1200m・日本時間3/27(土)23:40発走予定)

・日本調教馬・マテラスカイが1番人気。このレースは5着(2018年)、2着(2019年)と今回が3回目の出走。前走2/20のリヤドダートスプリントは惜しくも2着に敗れたが、改めて健在ぶりを披露。前2回はマインドユアビスケッツ、X Y Jetの前に敗れているが、今回は当時よりは相手弱化している印象で、3度目の正直なるか。

・2番人気のアメリカ調教馬・Yauponは昨年デビュー4連勝(重賞2勝)を達成し、1番人気で向かえた前走11/7のG1-BCスプリント(ダ1200m)では勝ち馬から6馬身半差の8着。ここは仕切り直しとなる休み明けのレースになる。

・日本調教馬・コパノキッキングは同率の2番人気。前走2/20のリヤドダートスプリントは見事な差し切り勝ちで、今回もWilliam Buickが手綱を取る。Ryan Mooreが手綱を取る同じ日本調教馬・レッドルゼル(13.00倍)、前走は不完全燃焼な競馬だったジャスティン(17.00倍)もそれほど差は無い印象だが、人気面では実績も加味されマテラスカイ、コパノキッキングの両馬と比べ遅れを取っている。

・4番人気は前走3/6のG3-マハーブアルシマール(ダ1200m)の勝ち馬・Canvassedと、米重賞3勝のWildman Jack。Wildman Jackは前走1/23のG3-パロスヴェルデスS(ダ6f)で2着に4馬身1/4差をつけて勝利している馬で、Official Ratingトップはこの馬(113)。

 マテラスカイ:5.50倍
 Yaupon:6.00倍
 コパノキッキング:6.00倍
 Canvassed:8.00倍
 Wildman Jack:8.00倍

5R・UAEダービー(G2・ダ1900m・日本時間3/27(土)23:05発走予定)

・2戦2勝のPanadolが1番人気。前走3/6のL-アルバスタキヤ(ダ1900m)を制してここへ臨む。2着のSpeight’spercometeとの着差は3/4身差だったが、勝ち時計1:58.13は同距離のUAEオークスを勝った2番人気のMnasekの1:59.18よりも1秒以上優秀。

・2番人気のMnasekは前走2/18のG3-UAEオークス(ダ1900m)を圧勝した馬。時計面ではPanadolに劣るが、圧勝になったため、展開次第では時計は詰められるとみることも出来そうで、注目の存在。3番人気のMouheebは前走2/4のG3-UAE2000ギニー(ダ1600m)の勝ち馬。今回は初距離になり、距離面が懸念材料。

・前走2/20のサウジダービー(ダ1600m)を制した日本調教馬・ピンクカメハメハは4番人気。「馬場が湿っていたのが良かったのかもしれない」と前走後に森調教師がコメントしており、ここで前走のようなパフォーマンスを再度見せられるかは未知数な印象。4戦1勝の日本調教馬・タケルペガサスはRyan Mooreを鞍上に迎えて臨む一戦になるが、単勝オッズ9.00倍は単穴としてかなり評価されているといえ、一発を期待しても面白そうな印象。

 Panadol:5.00倍
 Mnasek:6.00倍
 Mouheeb:8.00倍
 ピンクカメハメハ:8.50倍
 Speight’spercomete:9.00倍
 タケルペガサス:9.00倍

4R・アルクォーツスプリント(G1・芝1200m・日本時間3/27(土)22:30発走予定)

・5連勝中のゴドルフィンのG1馬・Space Bluesがここは落とせないレース。昨年8/9のG1-モーリスドゲスト賞(芝1300m)を制して以来のレースとなった、前走2/20のサウジアラビアでのstc 1351 Turf Sprint(芝1351m)に勝利。6fのレースは久々になる点が唯一の懸念材料になるが、目下の充実ぶりを鑑みると杞憂に終わる可能性大か。

・2番人気は前走2/18のG2-メイダンスプリント(芝1000m)の勝ち馬・Equilateralと、前走3/6のG3-ナドアルシバターフスプリント(芝1200m)の勝ち馬・Final Songが同率で並んでいる。4番人気のKhaademは昨年、ダイヤモンドジュビリーSで4着、ジュライCで4着。今回はジュライC以来、久々のレースになるが、G1で好走してきた実績は侮れない印象。

 Space Blues:2.62倍
 Equilateral:7.00倍
 Final Song:7.00倍
 Khaadem:9.00倍

3R・ドバイゴールドカップ(G2・芝3200m・日本時間3/27(土)21:50発走予定)

・昨年のG3-ナドアルシバトロフィーの勝ち馬で、独G1-バイエルン大賞4着のSecret Advisorが1番人気だが、前走2/20のサウジアラビアでのレッドシーターフH(芝3000m)では3着に敗れている馬。2番人気のSubjectivistは昨年の仏G1-ロワイヤルオーク賞の勝ち馬だが、かなり馬場が悪化した中でのレースだっただけに、メイダン向きかは未知数。3番人気のSpanish Missionは昨年の英G2-ドンカスターCの勝ち馬で、前走2/20のサウジアラビアでのレッドシーターフHでは2着。

 Secret Advisor:3.25倍
 Subjectivist:3.50倍
 Spanish Mission:5.50倍

2R・ゴドルフィンマイル(G2・ダ1600m・日本時間3/27(土)21:15発走予定)

・前走3/6のG3-バージナハール(ダ1600m)を勝利したMidnight Sandsが1番人気。バージナハール3着のTuzが2番人気。日本調教馬・デュードヴァンは単勝オッズ11.00倍で同率4番人気となっているが、カトレア賞を勝った時の鞍上・Lanfranco Dettoriが再度騎乗することになり、注目度アップ。これまでの3勝は全て東京ダ1600mであげたもので、左回りのマイル戦は適鞍な印象。一発決められるか。

 Midnight Sands:3.50倍
 Tuz:6.50倍

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