現地時間3/27(土)のUAEメイダン競馬場は恒例のドバイワールドカップデー。昨年は中止となったが今年は例年通り、5つのG1、3つのG2が行われ、日本調教馬も多く参戦し、興味深いレースが繰り広げられている。本稿では全重賞レースの結果と動画をまとめてお届けする。

Dubai World Cup Sponsored By Emirates Airline(G1・ダ2000m・3歳以上)

・ドバイワールドカップは、Great ScotとMilitary Lawが除外になり、若干の波乱ムードの中、予定よりも遅れて発走。3番手につけた10番・Mystic Guideが4角先頭に立つと、しっかりと後ろとの差を広げていき、危なげなく直線を駆け抜けて人気に応えて勝利。日本調教馬・チュウワウィザードは内枠を利し、ポジションを取りに行き、道中は4番手追走。常に内を回り、直線沈むことなくしぶとく脚を使い2着に浮上する大健闘。

1着:Mystic Guide

牡4、父・Ghostzapper、母・Music Note、母父・A.P. Indy
調教師:Michael Stidham、騎手:Luis Saez

・今回の勝利で通算8戦4勝、G1初制覇、重賞3勝目。昨年9/5のG2-ジムダンディーS(ダ9f)で重賞初制覇を果たすと、次走10/10のG1-ジョッキークラブゴールドカップ(ダ10f)で2着。その後、一息入れられ、休み明けの前走2/27のG3-レーザーバックH(ダ8.5f)で2着に6馬身差をつけて勝利し、ここへ臨んでいた馬。まだ真の一流馬とは走っていない馬だが、手薄なメンバーとなり大チャンスとなったここをきっちりモノにしている。

・父のGhostzapperは2000年米国産のAwesome Again産駒で半兄にG1馬で種牡馬としても活躍したCity Zip(2017年に死亡)。現役時は11戦9勝、BCクラシック、メトロポリタンH、ウッドワードS、ヴォスバーグSの4つのG1を含む重賞6勝。Mystic Guideは13頭目の産駒G1馬となる。TDNによる昨年の北米サイアーランキング27位。今年の種付料は8万5000米ドル。

母のMusic Noteは12戦7勝、ベルデイムS、バレリーナS、ガゼルS、CCAオークス、マザーグースSの5つのG1に勝利。Music Noteの半姉・Musical Chimesはプールデッセデプーリッシュ(仏1000ギニー)、ジョンC.メイビーHの2つのG1を含む重賞3勝。曽祖母はG1・5勝のIt’s in the Air。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/1231/meydan/2021-03-27/780942

Longines Dubai Sheema Classic Presented By Longines(G1・芝2410m・3歳以上)

・ドバイシーマクラシックは、最後方待機のMishriffが直線で大外に持ち出されると、ラヴズオンリーユー、クロノジェネシスとの競り合いを制し、差し切り勝ち。2着にクロノジェネシス、3着にラヴズオンリーユー。

1着:Mishriff

牡4、父・Make Believe、母・Contradict、母父・Raven’s Pass
調教師:John Gosden、騎手:David Egan

・今回の勝利で通算10戦6勝、G1・2勝目、重賞3勝目。昨年7/5の仏G1-ジョッケクルブ賞(芝2100m)と8/15の仏G2-ギョームドルナーノ賞(芝2000m)に勝利。その後、10/17の英G1-英チャンピオンS(芝1m1f212yds)は勝ったAddeybbから11馬身半差の8着に敗れるも、前走2/20のサウジカップ(ダ1800m)ではCharlatan、Knicks Goのアメリカの両ダートG1馬を撃破し勝利。今回はまた芝に戻り、ここを使われていたが初距離を克服して勝利したことで、今後は2400m路線も視野に入れつつのレース選択になっていく模様。

・父のMake Believeは2012年英国産のMakfi産駒。Mishriffと同じファイサル王子の持ち馬で、半姉のドバウィハイツ(イエローリボンS、ゲイムリーS)は社台ファームにて繋養されており、リバティハイツ(フィリーズレビュー)を輩出。現役時は7戦4勝、プールデッセデプーラン、フォレ賞の2つのG1に勝利。現4歳がファーストクロップで、これまでに4頭の重賞勝ち馬、1頭のリステッド勝ち馬を輩出。種付料は初年度(2016年)の2万ユーロから1万2000ユーロにまで下がっていたが、Mishriffの活躍もあり、今年は1万5000ユーロへ引き上げられている。

・母のContradictは9戦1勝。祖母のActs of Graceは英G3-プリンセスロイヤルSの勝ち馬。曽祖母のRafhaは仏G1-ディアヌ賞(仏オークス)、英G3-メイヒルSの勝ち馬で、Rafhaの直仔・Invincible Spirit(スプリントC)、Kodiacは種牡馬として活躍中。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/1231/meydan/2021-03-27/780941

Dubai Turf Sponsored By DP World(G1・芝1800m・3歳以上)

・ドバイターフは、道中後方に控えた1番人気の10番・Lord Northが直線大外から一気に突き抜けて快勝。中団のイン追走から、内をうまく立ち回った日本調教馬・ヴァンドギャルドが2着。

1着:Lord North

せん5、父・Dubawi、母・Najoum、母父・Giant’s Causeway
調教師:John Gosden、騎手:Frankie Dettori

・今回の勝利で通算13戦7勝、G1・2勝目、重賞3勝目。昨年6/7のG3-ブリガディアジェラードS(芝1m2f42yds)でElarqamらを降して重賞初制覇を果たすと、次走6/17のG1-プリンスオブウェールズS(芝1m1f212yds)でAddeybbらを降してG1初制覇。その後はインターナショナルS3着→英チャンピオンS10着→BCターフ4着。今回は休み明けのレースだったが、問答無用の末脚を炸裂させて、実力馬に相応しい勝利をあげている。

・父のDubawiは2002年愛国産のDubai Millennium産駒。現役時は8戦5勝、ジャックルマロワ賞、アイリッシュ2000ギニー、ナショナルSの3つのG1を含む重賞4勝。昨年はGhaiyyath、Lord North、Space Blues、The Revenantの4頭がG1を制覇。

・母のNajoumは4戦2勝。従妹のOut for a Spin(父・ハードスパン)は2019年の米G1-アッシュランドSの勝ち馬。伯父のBandini(父・Fusaichi Pegasus)は米G1-ブルーグラスS、米G3-スキップアウェイHの勝ち馬。叔母のDiscourse(父・Street Cry)は英G3-スウィートソレラSの勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/1231/meydan/2021-03-27/780940

Dubai Golden Shaheen Sponsored By Gulf News(G1・ダ1200m・3歳以上)

・ドバイゴールデンシャヒーンは、大外枠発走の14番・Zendenが好発を決めて、内に切れ込みながらハナに立つと、そのまま快調に逃げて直線は独壇場。最後方追走から直線で外を良く伸びたレッドルゼルが2着に上がる中、3馬身1/4差をつけてZendenが逃げ切り勝ち。他の日本調教馬はコパノキッキング5着、ジャスティン11着、マテラスカイ12着。

1着:Zenden

牡5、父・Fed Biz、母・You Laughin、母父・Sharp Humor
調教師:Carlos A David、騎手:Antonio Fresu

・今回の勝利で通算15戦6勝、重賞初制覇。これまでに一昨年2/2のG3-スウェイルS(ダ7f)と、昨年1/25のG3-フレッドW.フーパーS(ダ8f)で2着の実績はあったが、戦績的には地味だったため、ここは単勝41倍の最低人気での出走だった馬。1着入線後、騎手がバランスを崩し落馬するシーンが映り、明らかにZendenに異変が起きたと思われた後、現地中継のカメラが切り替わり、心配されていたが、左前脚に重傷を負い、安楽死の処置が取られた旨、報道されている。

・父のFed Bizは2009年米国産のGiant’s Causeway産駒。現役時は19戦6勝、G2-サンディエゴH(AW8.5f)、G2-パットオブライエンS(AW7f)、G2-サンフェルナンドS(ダ8.5f)の勝ち馬。Zendenはファーストクロップの馬で産駒初のG1馬となる。他にInthemidstofbizがG2-サラブレッドクラブオブアメリカSを勝っており、ブラックタイプ勝ち馬を7頭輩出。

・母のYou Laughinは7戦未勝利。伯母のDon’t Forget GilはG3-フロリダオークスの勝ち馬。叔母のスウィートリーズン(ノーザンファーム繋養中)はG1-エイコーンS、G1-スピナウェイS、G2-テストSの勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/1231/meydan/2021-03-27/780939

UAE Derby Sponsored By Emirates NBD(G2・ダ1900m・3歳)

・UAEダービーは、後ろから3頭目を追走していた10番・Rebel’s Romanceが3角手前から外を通って上昇。直線入口では先団に取りつくと早々に先頭に立ち、2着のPanadolに5馬身半差をつけて快勝。日本調教馬はタケルペガサス4着、フランスゴデイナ6着、ピンクカメハメハ10着。

1着:Rebel’s Romance

せん3、父・Dubawi、母・Minidress、母父・Street Cry
調教師:Charlie Appleby、騎手:William Buick

・今回の勝利で通算5戦4勝、重賞初制覇。1/14のUAE2000ギニートライアル(ダ1600m)に勝利し、1番人気で臨んだ前走2/20のサウジダービー(ダ1600m)では4角先頭の積極策に出るも、勝ったピンクカメハメハから5馬身差の4着。今回は初距離での一戦だったが見事に勝利。

・Dubawi産駒はドバイターフを勝ったLord Northと共に本日重賞2勝。

・母のMinidressは4戦1勝。祖母のShort SkirtはG3-セントサイモンS、G3-ムシドラSの勝ち馬。祖母の半姉にホワイトウォーターアフェア(仏英で重賞2勝)がおり、アサクサデンエン(安田記念)、ヴィクトワールピサ(ドバイワールドC、有馬記念、皐月賞)は母の従兄にあたる。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/1231/meydan/2021-03-27/780938

Al Quoz Sprint Sponsored By Azizi Developments(G1・芝1200m・3歳以上)

・アルクォーツスプリントは、1番人気のSpace Bluesは中団から伸びずに見せ場なく9着敗退。赤い帽子の2番・Extravagant KidはSpace Bluesとほぼ同じ位置にいたが、ラスト外からしぶとく伸びて1着。

1着:Extravagant Kid

せん8、父・Kiss The Kid、母・Pretty Extravagant、母父・With Distinction
調教師:Brendan P Walsh、騎手:Ryan Moore

・今回の勝利で通算50戦15勝、重賞初制覇。昨年の米G1-BCターフスプリント(芝5.5f)で4着、一昨年の加G1-ハイランダーS(芝6f)で2着。これまでに重賞2着が5回もあり、近3走はListedやBlack Typeを使われて3戦連続2着。勝ち味に遅い印象で今回は単勝オッズ15倍での一戦だったが見事に勝利。

・父のKiss The Kidは2003年米国産のLemon Drop Kid産駒。母のブラックタイキスはブラックタイアフェアー(BCクラシック)の半妹。現役時は40戦8勝、G3-アップルトンS(芝7.5f)、G3-クリフハンガーS(芝8.5f)の勝ち馬。本馬以外に目立った産駒は残せていない。

・母のPretty Extravagantは3戦1勝。母父のWith Distinctionは2001年米国産のStorm Cat産駒。現役時は29戦6勝、G3-エルコネホH(ダ5.5f)の勝ち馬。現在は韓国にて繋養中。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/1231/meydan/2021-03-27/780937

Dubai Gold Cup Sponsored By Al Tayer Motors(G2・芝3200m・3歳以上)

・ドバイゴールドカップは、番手追走の11番・Subjectivistが3角手前で早くも先頭に立つと、後ろとの差をスイスイと広げ、直線は完全な独り舞台に。2着との差を5馬身3/4差にまで広げて1着ゴール。

1着:Subjectivist

牡4、父・Teofilo、母・Reckoning、母父・Danehill Dancer
調教師:Mark Johnston、騎手:Joe Fanning

・今回の勝利で通算16戦5勝、重賞3勝目。昨年8/29の英G3-マーチS(芝1m6f)で2着に15馬身差をつけて圧勝し、次走9/12の英G1-英セントレジャー(1m6f115yds)に挑むも7着。その後、臨んだ前走10/25の仏G1-ロワイヤルオーク賞(芝3100m)に勝利。今回はそれ以来のレースだった馬。

・父のTeofiloは2004年愛国産のGalileo産駒。現役時は2歳時のみ稼働し5戦5勝。デューハーストS(7f)、ナショナルS(7f)の2つのG1を含む重賞3勝、主な産駒にExultant(香港ヴァーズなど香港G1を5勝)、Happy Clapper(ドンカスターマイルなど豪G1を3勝)、Cross Counter(メルボルンC)、Trading Leather(アイリッシュダービー)など。昨年はDonjah(オイロパ賞)、Tawkeel(サンタラリ賞)、Exultant(クイーンエリザベス2世界C、香港チャンピオンズ&チャターC)、Twilight Payment(メルボルンC)、Gear Up(クリテリウムドサンクルー)、本馬がG1を勝利し産駒の活躍が目立っている。

・母のReckoningは7戦1勝、リステッドレースで2着、3着、3着と入着実績あり。半兄のSir Ron Priestleyは本馬同様、英G3-マーチSの勝ち馬で、2019年の英セントレジャーで2着。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/1231/meydan/2021-03-27/780936

Godolphin Mile Sponsored By Mohammed Bin Rashid Al Maktoum City – District One(G2・ダ1600m・3歳以上)

・ゴドルフィンマイルは、内から好スタートを切った12番・Secret Ambitionがハナ争いを制し先頭に立つ展開。そのままスムーズに先頭を譲らず、最後は後続との差を広げ、2着に6馬身差をつけて圧勝。日本調教馬・デュードヴァンは13着。

1着:Secret Ambition

牡8、父・Exceed And Excel、母・Inner Secret、母父・Singspiel
調教師:S Seemar、騎手:Tadhg O’Shea

・今回の勝利で通算42戦11勝、重賞3勝目。前々走2/4のG3-ファイアーブレイクS(ダ1600m)に勝利し、前走3/6のG1-アルマクトゥームチャレンジR3(ダ2000m)では5着に敗れていた馬。今回は適距離に戻っての一戦だったが、前走敗れていたことでやや人気の盲点になっていた印象。

・父のExceed And Excelは2000年豪州産のデインヒル産駒。現役時は12戦7勝、ニューマーケットH(芝1200m)、ドバイレーシングクラブC(芝1400m)の2つのG1を含む重賞6勝。主な産駒にExcelebration(ムーランドロンシャン賞、ジャックルマロワ賞、クイーンエリザベス2世S)、Helmet(豪G1・3勝)、Bivouac(豪G1・3勝)など。アイルランドのキルダンガンスタッドにて繋養中で昨年の種付料は4万ユーロ。

・母のInner Secret(1戦未勝利)はDubai Destination(クイーンアンS)、Librettist(ムーランドロンシャン賞、ジャックルマロワ賞)の半妹にあたる良血馬。曽祖母のMysteriesはヒシアケボノ(スプリンターズS)、アグネスワールド(ジュライC、アベイドロンシャン賞)の母。Secret Ambitionの半弟・Royal Marineは仏2歳G1-ジャンリュックラガルデール賞の勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

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