2021 欧州クラシック戦線リポート【2】スプリングトライアル開催ダイジェスト

現地時間4/16(金)、4/18(日)に英ニューベリー競馬場では恒例のドバイデューティーフリースプリングトライアル開催が行われている。本稿ではG3-グリーナムS、G3-フレッドダーリンS等、注目レースをピックアップして結果と動画をまとめてお届けする。合わせて4/18(日)に仏パリロンシャン競馬場にて行われた3歳重賞2鞍についても触れる。

Watership Down Stud Too Darn Hot Greenham Stakes(G3・芝7f・3歳牡馬、せん馬・英ニューベリー競馬場4/18)

・グリーナムSは、外から黒い帽子の1番人気・Chinditが良く伸びて、先に抜け出していたMehmas産駒・Mehmentoを差し切って1着。

1着:Chindit

牡3、父・Wootton Bassett、母・Always A Dream、母父・Oasis Dream
調教師:Richard Hannon、騎手:Pat Dobbs

・今回の勝利で通算5戦4勝、重賞2勝目。昨年7/5のドンカスターでのデビュー戦(芝7f6yds)で1着→7/25のアスコットでのL-パットエデリーS(芝7f)で1着→9/12のドンカスターでのG2-シャンペンS(芝7f6yds)で1着→10/10のニューマーケットでのG1-デューハーストS(芝7f)で9着。今回は休み明けのレースだったが、きっちり勝利。ウィリアムヒルでは英2000ギニーのアンティポストで本馬を11.00倍の7番人気に据えている

・父のWootton Bassettは2008年英国産のIffraaj産駒。現役時は9戦5勝、仏2歳G1-ジャンリュックラガルデール賞の勝ち馬。23頭の初年度産駒の中からチャンピオンホース・Almanzor(英チャンピオンS、愛チャンピオンS、ジョッケクルブ賞の3つのG1を含む重賞5勝)を輩出。昨年8月にクールモアスタッドがWootton Bassettを購買したというニュースが流れた直後にAudaryaがジャンロマネ賞を制し2頭目の産駒G1馬が出現すると、10月にはWoodedがアベイドロンシャン賞を制覇、さらに11月にAudaryaがBCフィリー&メアターフを制覇、と産駒の活躍が目覚ましい現況。これまでにG1馬3頭を含め、9頭の重賞勝ち馬、8頭のリステッド勝ち馬を輩出。新たにクールモアスタッドでの供用となる今年の種付料は前年の4万ユーロから10万ユーロへ急騰。

・母のAlways A Dreamは11戦1勝。祖母のAlways RememberedはMotivator(G1-英ダービー、G1-レーシングポストトロフィー、G2-ダンテSに勝利)の半妹。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/36/newbury/2021-04-18/780369

Dubai Duty Free Stakes (Registered As The Fred Darling Stakes)(G3・芝7f・3歳牝馬・英ニューベリー競馬場4/18)

・フレッドダーリンSは、最内先頭の1番人気・Alcohol Freeがゴール前でやや失速気味になり、外からStatementが強襲。最後は際どい勝負となったが、短頭差でAlcohol Freeが凌ぎ切り1着。

1着:Alcohol Free

牝3、父・No Nay Never、母・Plying、母父・ハードスパン
調教師:Andrew Balding、騎手:Oisin Murphy

・今回の勝利で通算4戦3勝、重賞2勝目。昨年8/15のデビュー戦(芝6f)で1着→9/3のG3-フィリーズS(芝6f)で2着→9/26のG1-チェヴァリーパークS(芝6f)で1着。今回は休み明けのレースで初の7f戦となったが、何とか勝利。レース後、ウィリアムヒルでは本馬を英1000ギニーのアンティポストで11.00倍の4番人気に設定し、レース前よりも評価を下げているが、今回の勝ち方が加味され、マイルへの距離延長が不安視された模様。

・父のNo Nay Neverは2011年米国産のScat Daddy産駒。現役時は6戦4勝、2着2回。仏2歳G1-モルニー賞(芝1200)、英2歳G2-ノーフォークS(芝5f)、米G3-ウッドフォードS(芝5.5f)の勝ち馬。現3歳はサードクロップになり、これまでの3世代でG1馬3頭(Ten Sovereigns、Brooke、本馬)を含む14頭の重賞勝ち馬と、13頭のリステッド勝ち馬を輩出。ファーストクロップの成功を受けて種付料が初年度から5倍の10万ユーロに急騰したのが2019年のため、来年デビューする世代(現1歳)以降は繁殖牝馬の質がさらに上がった世代=成功馬が出る確率がこれまで以上に高くなる世代、になる。

・母のPlyingは6戦2勝。祖母の半兄・Raise a GrandはG3-ソラリオSの勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/36/newbury/2021-04-18/780371

Dubai Duty Free Tennis Championships Maiden Stakes(芝8f・3歳・英ニューベリー競馬場4/18)

・芦毛のSnow Lanternが押し切り勝ち。尚、2着のジャドモントファームの勝負服の馬・DerabはEnableの半妹で、デビュー戦2着に続き今回2戦連続で2着となっている。

1着:Snow Lantern

牝3、父・Frankel、母・Sky Lantern、母父・Red Clubs
調教師:Richard Hannon、騎手:Sean Levey

今回の勝利で通算2戦1勝。昨年7/25のアスコットでのデビュー戦(芝7f)を2着とし、休養に入っていたが、267日ぶりの復帰戦となる今回、2着に1馬身3/4差をつけて勝利。今回の勝利を受けてウィリアムヒルでは本馬を英1000ギニーのアンティポストで9.00倍の3番人気、英オークスでは17.00倍の6番人気に設定父と母、合わせてG1・14勝の良血馬で、未知の魅力を大いに買われて新星候補として名乗りをあげている。

母のSky Lanternは16戦6勝、英1000ギニー、コロネーションS、サンチャリオットS、モイグレアスタッドSの4つのG1に勝利

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/36/newbury/2021-04-18/780375

Dubai Duty Free Golf World Cup British EBF Conditions Stakes(芝10f・3歳・英ニューベリー競馬場4/16)

1着:Hurricane Lane

牡3、父・Frankel、母・Gale Force、母父・Shirocco
調教師:Charlie Appleby、騎手:William Buick

今回の勝利で通算2戦2勝。昨年10/21のニューマーケットでのデビュー戦(芝8f)に勝利し、177日ぶりの休み明けのレースだった今回、2着に1馬身差をつけて勝利。今回の勝利を受けてウィリアムヒルでは英ダービーのアンティポストで本馬を単勝17.00倍の3番人気に設定している。今後は5/13のG2-ダンテSを使って英ダービーへ向かう模様で、そこでのパフォーマンスに大きな注目が集まることとなる。

母のGale Forceは11戦3勝、仏サンクルー競馬場でのL-Prix Denisy(芝3100m)の勝ち馬。母の半姉・Seal of ApprovalはG1-ブリティッシュチャンピオンズフィリーアンドメアSの勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/36/newbury/2021-04-16/780365

Dubai Duty Free Full Of Surprises Handicap(芝7f・3歳・英ニューベリー競馬場4/16)

1着:Mithras

牡3、父・Dubawi、母・Irish Rookie、母父・Azamour
調教師:John & Thady Gosden、騎手:Frankie Dettori

今回の勝利で通算4戦2勝。デビュー3戦目、11/10のニューキャッスルでのAWのマイル戦で勝ち上がり、156日ぶりの休み明けのレースだった今回も勝利し2連勝達成。今回の勝利を受けてウィリアムヒルでは英2000ギニーのアンティポストで本馬を単勝34.00倍の16番人気に設定している

母はニューマーケットでの2歳Listed-モントローズフィリーズS(芝8f)の勝ち馬で、仏G1-プールデッセデプーリッシュ2着、英G1-サンチャリオットS3着

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/36/newbury/2021-04-16/780364

Highclere Thoroughbred Racing Maiden Fillies’ Stakes(芝10f・3歳牝馬・英ニューベリー競馬場4/16)

1着:Aristia

牝3、父・Starspangledbanner、母・Aloisi、母父・Kalanisi
調教師:Richard Hannon、騎手:Sean Levey

今回の勝利で通算1戦1勝デビュー戦を勝ったばかりで追加登録が必要な馬だが、ウィリアムヒルでは英オークスのアンティポストで本馬を単勝21.00倍の8番人気にいきなり据えている。従兄、従姉に重賞勝ち馬が多くおり、従兄のDominant(G1-香港ヴァーズ)、Es Que Love(G2-レノックスS)、従姉のEs Que Love(G2-コンセイユドパリ賞)が近親になる。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/36/newbury/2021-04-16/780366

Prix de Fontainebleau(G3・芝1600m・3歳牡馬、せん馬・仏パリロンシャン競馬場4/18)

・フォンテーヌブロー賞は、6番手のインを追走していたPolicy Of Truthが直線で外に持ち出されると、手堅い伸びを見せ、先団をまとめて差し切って1着。昨年のジャンリュックラガルデール賞の勝ち馬・Sealiwayが2着。

1着:Policy Of Truth

牡3、父・Siyouni、母・Dawn To Dance、母父・Selkirk
調教師:P & J Brandt、騎手:Maxime Guyon

・今回の勝利で通算5戦3勝、重賞2勝目。昨年8/6のデビュー2戦目(芝1500m)で勝ち上がり、3戦目の9/10のパリロンシャンでのG3-シェーヌ賞(芝1600m)で1着。次に10/24のサンクルーでのG1-クリテリウムアンテルナシオナル(芝1600m)に出走するも4着。今回は176日ぶりの休み明けの一戦だった馬。

・父のSiyouniは2007年仏国産のPivotal産駒。現役時は12戦4勝、2歳時に仏G1-ジャンリュックラガルデール賞(7f)に勝利したのが唯一の重賞勝利。昨年の凱旋門賞を制したSottsassなど5頭のG1馬を輩出中。現3歳は8世代目になり、種付料が前年の4万5000ユーロから7万5000ユーロに上がった時の世代で、昨年のG1-デューハーストSを制し、英2000ギニーの有力候補になっているSt Mark’s Basilica、今回の勝利でプールデッセデプーランの有力候補に名乗りを上げた本馬、と強力な布陣で英仏クラシックを向かえる状況となっている。

・母のDawn To Danceは6戦1勝。祖母の半兄・NamidはG1-アベイドロンシャン賞を含む重賞4勝の活躍馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/211/longchamp/2021-04-18/783039

Prix de la Grotte(G3・芝1600m・3歳牝馬・仏パリロンシャン競馬場4/18)

・グロット賞は、2番・Cironaがスタートして、しばらくしてからハナに立つ展開。直線に入ってもCironaが先頭のままで最後まで逃げ込みを図ろうとするところへ、外から4頭が並びかける大接戦になるも、ギリギリ残したCironaが1着。2着以下は頭、頭、ハナ、短首差。

1着:Cirona

牝3、父・Maxios、母・Coco Demure、母父・Titus Livius
調教師:C Ferland、騎手:Maxime Guyon

・今回の勝利で通算6戦3勝、重賞初制覇。昨年10/20のG3-レゼルボワ賞(芝1600m)で2着、11/11のL-クリテリウムドランゲドック(芝1600m)で2着。今回は158日ぶりの休み明けの一戦だった馬。

・父のMaxiosは2008年英国産のMonsun産駒で、凱旋門賞馬・バゴの半弟。現役時は18戦8勝、ムーランドロンシャン賞、イスパーン賞の2つのG1を含む重賞5勝。昨年のG1-ドイツオークスを制したDiamantaがこれまでの代表産駒。

母のCoco DemureはイタリアのL-Premio Criterium Aretuseo(芝8f)の勝ち馬

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/211/longchamp/2021-04-18/783038