2021 欧州クラシック戦線リポート【5】ニューマーケットS等・レース結果

現地時間5/1(土)に英ニューマーケット競馬場にて行われた、Listed-ニューマーケットS(芝10f)で英ダービー候補に名乗りを上げた新星が出現している。同日に仏サンクルー競馬場にて行われた、ディープインパクト産駒が勝利したクレオパトル賞、ジョッケクルブ賞を狙う馬が出走したグレフュール賞と合わせて結果と動画をご紹介する。

Betfair Newmarket Stakes(Listed・芝10f(Row)・3歳牡馬、せん馬)

・持ったままで最内から抜け出したMohaafethが、余力十分に2着に5馬身差をつけて1着。

1着:Mohaafeth

牡3、父・Frankel、母・French Dressing、母父・Sea The Stars
調教師:William Haggas、騎手:Jim Crowley

・今回の勝利で通算5戦3勝。2歳時は7着、3着と連敗するも、3/19のデビュー3戦目(AW8f)で1着→4/14のニューマーケットでの4戦目(芝10f)で1着とし、ここへ出走していた馬。尚、今回の2着馬は前走Listed-フェイルデンS(芝9f)で2着だった馬で、この馬を子供扱いしての勝利は価値がそれなりに高そうである。今回の圧勝を受けて、ウィリアムヒルでは英ダービーのアンティポストで本馬を一気に単勝9.00倍の2番人気に評価しており、注目馬が一気に現れたと言って良さそうである。

母のFrench Dressingは2012年英国産。2戦2勝、ヨークでのListed-リリックフィリーズS(芝1m2f56yds)の勝ち馬。Mohaafethは2番仔になる。従姉のSultaninaはG1-ナッソーS、G3-ピナクルSの勝ち馬。伯母のDalvinaはG3-ロングアイランドHの勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/38/newmarket/2021-05-01/781397

Prix Cleopatre(G3・芝2100m・3歳牝馬)

・クレオパトル賞は、番手追走の3番・Harajukuが直線、きっちり番手差しを決めて1着。

1着:Harajuku

牝3、父・ディープインパクト、母・ファイノメナ、母父・Galileo
調教師:A Fabre、騎手:Stephane Pasquier

・今回の勝利で通算5戦2勝、重賞初制覇。昨年7/19のシャンティイでのデビュー戦(芝1400m)で1着→9/10のパリロンシャンでのG3-オマール賞(芝1600m)で2着→10/4のパリロンシャンでのG1-マルセルブサック賞(芝1600m)で10着。その後、休養に入り、休み明けの前走4/3のサンクルーでのダーバン賞(芝2100m)を3着とし、ここへ出走していた馬。ニアルコスファミリーのフラックスマンステーブルの所有馬で、アイルランド産。

・レース後、Stephane Pasquier騎手は「彼女は寛大(généreuse)だった。私はそれが好きだ。」とコメント。今回の勝利で6/20のG1-ディアヌ賞(仏オークス)制覇が狙える位置につけられたと言えそうで、昨年のFancy Blueに続き、2年連続でディープインパクト産駒がフランスの牝馬クラシックを制するのか、大注目となりそうである。

母のファイノメナは2010年愛国産。Galileo産駒初のG1馬となったNightime(アイリッシュ1000ギニー)の全妹という良血馬。現役時は10戦2勝。引退後は社台コーポレーション白老ファームで繋養され、初仔のキングオブコージ(父・ロードカナロア)が昨年のG2-目黒記念に勝利。2番仔のMystical Land(父・ハーツクライ)はフランスで走り5戦未勝利(7着→3着→4着→3着→2着)。3番仔がHarajukuになる。Harajukuは愛国産のため、ファイノメナは日本からアイルランドへ移ったものと思われる。

・本馬の伯母になるNightimeが母として輩出したのが昨年のカルティエ賞年度代表馬・最優秀古馬のGhaiyyath(インターナショナルS、エクリプスSなどG1・4勝)と米G1-マンノウォーSの勝ち馬・Zhukova。従兄にGhaiyyathがいるディープインパクト牝駒で伯楽のA Fabre師が管理する馬、がHarajukuを端的に表すプロフィールとなる。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/219/saint-cloud/2021-05-01/784138

Prix Greffulhe(G2・芝2100m・3歳)

・グレフュール賞は、番手につけた1番・Baby Riderが最後までしぶとく逃げ粘りを図ったSmile Makersをクビ差交わして1着。

1着:Baby Rider

牡3、父・Gleneagles、母・Gyrella、母父・Oasis Dream
調教師:P Bary、騎手:Stephane Pasquier

・今回の勝利で通算4戦3勝、重賞初制覇。昨年9/3のパリロンシャンでのデビュー戦(芝1600m)で2着→10/16のフォンテーヌブローでの2戦目(芝1600m)で1着→4/3のサンクルーでのトゥールビヨン賞(芝2100m)で1着とし、ここへ出走していた馬。

母のGyrellaは2010年愛国産。2017年のG1-英ダービーを人気薄で制したWings of Eaglesの半姉になる。現役時は9戦1勝。祖母のYsoldinaの半姉・ウォートルベリーは伊G1-リディアテシオ賞、仏G2-ジャンロマネ賞、仏G3-ミネルヴ賞の勝ち馬で、母としてストローハット(ユニコーンS)を輩出。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/219/saint-cloud/2021-05-01/784136

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