現地時間5/1(土)に米チャーチルダウンズ競馬場にて行われた、米クラシック3冠の初戦、G1-ケンタッキーダービー(ダ10f)の結果と動画をお届けする。合わせて同日行われた3つのG1レース(1着同着になったレース有)についても触れている。

Kentucky Derby presented by Woodford Reserve(G1・ダ10f・3歳)

・スタート直後、14番・Essential Quality、15番・Rock Your Worldの人気両馬が出負けする波乱の幕開けに。Essential Qualityは何とかポジションを挽回するも、Rock Your Worldは左のEssential Qualityと右のHighly Motivatedに完全に挟まれて、早々に後方に追いやられ、ほぼスタート直後に敗色濃厚に。

・レースは早々にMedina Spiritがハナを奪い、番手に芦毛のSoup And Sandwich、その後ろにMandaloun、Helium、Hot Rod Charlieがつけ、さらに後ろにEssential Qualityがつける展開。直線をMedina Spirit、Mandaloun、Hot Rod Charlie、Essential Qualityの順で向かえると、直線で各馬の順位は変わらず、そのままの隊列で各馬ゴール。

1着:Medina Spirit

牡3、父・Protonico、母・Mongolian Changa、母父・Brilliant Speed
調教師:Bob Baffert、騎手:John R Velazquez

・今回の勝利で通算6戦3勝、2着3回。G1・初制覇、重賞2勝目。12/11のデビュー戦(ダ5.5f)で1着→1/2のG3-シャムS(ダ8f)で勝った同厩のLife Is Goodから3/4身差の2着→1/30のG3-ロバートB.ルイスS(ダ8.5f)で1着→3/6のG2-サンフェリペS(ダ8.5f)で勝った同厩のLife Is Goodから8馬身差の2着→4/3のG1-サンタアニタダービー(ダ9f)で勝ったRock Your Worldから4馬身1/4差の2着、としここへ出走していた馬。

・これまでに2回敗れ、サンフェリペSでは8馬身前を走っていた同厩のLife Is Goodが戦線離脱し、前走4馬身1/4差で敗れたRock Your Worldがスタートで出負けして、すぐに左右の馬に挟まれて主導権争いから早々に脱落。労せずハナを奪える展開になる幸運を活かし、ロバートB.ルイスS同様、自分の競馬にきっちり持ち込み、しぶとさを発揮。千載一遇、一生に一度の好機をモノにしてのビッグタイトル獲得。2020年7月のOBS2歳馬セールにて3万5000米ドルにて取引された馬で、後述するが母も1万米ドルを切る価格で取引された安馬。

Bob Baffert師はCitation、Whirlawayの2頭の3冠馬を管理したBen A. Jones師の6勝を超え、ケンタッキーダービー単独トップの7勝目(1997年・Silver Charm、1998年・Real Quiet、2002年・ウォーエンブレム、2015年・American Pharoah、2018年・Justify、2020年・Authentic、2021年・Medina Spirit)を達成。

・父のProtonicoは2011年米国産のGiant’s Causeway産駒。現役時は16戦7勝、G2-アリシバS(ダ8.5f)、G3-ベンアリS(ダ9f)、G3-ディスカバリーH(ダ9f)、G3-スマーティージョーンズS(ダ8.5f)の勝ち馬で、他にG1-クラークH2着、G1-ジョッキークラブゴールドC3着。祖母がチリ年度代表馬(チリG1・3勝)でアメリカでもG1-ラフィアンHを制したWild Spirit昨年ファーストクロップ8頭がデビューし、3頭が勝ち上がり。Medina Spiritが唯一の産駒重賞勝ち馬になる。今年の種付料は5000米ドル。

・母のMongolian Changaは2014年米国産。6戦1勝。2015年のファシィグティプトンケンタッキー10月1歳馬セールにて、9000米ドルにて購買された馬。祖母のBridledは1戦未勝利。曽祖母の半弟にHigh Yield(ブルーグラスS、ファウンテンオブユースS、ホープフルS)。

・母父のBrilliant Speedは2008年米国産のDynaformer産駒。現役時は21戦3勝、G1-ブルーグラスS(AW9f)、G3-サラナクS(芝9f)の勝ち馬で、ジャマイカH(芝9f)2着、ベルモントS(ダ12f)3着、BCターフ(芝12f)3着、ターフクラシックS(芝9f)3着、ソードダンサー招待S(芝12f)3着とG1入着5回。父としても母父としても目立った活躍馬は出ていない。

2着:Mandaloun

牡3、父・Into Mischief、母・Brooch、母父・エンパイアメーカー
調教師:Brad H Cox、騎手:Florent Geroux

・道中は3番手につけ、手応えよくスムーズに道中を追走。直線も脱落することなく最後までしぶとくMedina Spiritに食い下がり、2着確保。不利なくレースを運び、力は出し切った印象。

3着:Hot Rod Charlie

牡3、父・Oxbow、母・Indian Miss、母父・Indian Charlie
調教師:Leandro Mora、騎手:Flavien Prat

・道中は5,6番手を追走。常に外々を回らされたEssential Qualityと比べて、終始内を進み距離ロスを極力減らすレースが出来、Essential Qualityとの3着競りを制し、3着入線。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/308/churchill-downs/2021-05-01/784031

Churchill Downs Stakes presented by Ford(G1・ダ7f・4歳以上)

・4頭併走の主導権争いを見る5番手につけていた4番・Flagstaffが大混戦となったゴール前で抜け出して、差し切り勝ち。

1着:Flagstaff

せん7、父・Speightstown、母・Indyan Giving、母父・A.P. Indy
調教師:John W Sadler、騎手:Luis Saez

・今回の勝利で通算19戦7勝、G1・初制覇、重賞3勝目(G1-チャーチルダウンズS、G2-サンカルロスS、G3-コモンウェルスS)。これまでに重賞2着が4回、3着が1回。5着以下になったことが1度しかない堅実派だが、前走4/3のG3-コモンウェルスS(ダ7f)を制し、ここへ出走。今回重賞連勝を果たしている。2015年のファシィグティプトンサラトガ8月1歳馬セールにて47万5000米ドルにて購買された馬。

・父のSpeightstownは1998年米国産のGone West産駒。現役時は16戦10勝、BCスプリントを含む重賞4勝、2004年のエクリプス賞最優秀スプリンター。主な産駒にHaynesfield(ジョッキークラブゴールドC)、Tamarkuz(BCダートマイル)など。昨年はCharlatan(マリブS、アーカンソーダービー)、モズスーパーフレア(高松宮記念)、Echo Town(H.アレンジェンキンスS)、Lady Speightspeare(ナタルマS)の4頭がG1を制覇。

・母のIndyan Givingは2009年米国産。現役時は未出走。半弟のGame WinnerはBCジュヴェナイル、アメリカンファラオS、デルマーフューチュリティの3つのG1を含む重賞4勝、2018年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬祖母のFleet IndianはベルデイムS、パーソナルエンスンSの2つのG1を含む重賞5勝の活躍馬

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/308/churchill-downs/2021-05-01/784029

Derby City Distaff Stakes presented by Kendall-Jackson Winery(G1・ダ7f・4歳以上牝馬)

・ハナに立った4番・Gamineがそのまま先頭を譲らず、逃げ切り勝ち。

1着:Gamine

牝4、父・Into Mischief、母・Peggy Jane、母父・Kafwain
調教師:Bob Baffert、騎手:John R Velazquez

・今回の勝利で通算8戦7勝、G1・4勝目、重賞5勝目。適距離ではなかった昨年9/4のG1-ケンタッキーオークス(ダ9f)で敗れた以外は、G1-BCフィリー&メアスプリント(ダ7f・6馬身1/4差)G1-テストS(ダ7f・7馬身差)G1-エイコーンS(ダ8f・19馬身差)、G3-ラスフローレスS(ダ6f・5馬身差)に全て勝利。今年も牝馬のスプリント路線はこの馬の独壇場となりそうである。尚、昨年5/2の2戦目での勝利は一時、レース後のドラッグテストでリドカイン(局所麻酔薬)が基準値の9倍以上検出されたとされ、失格扱いとなっていたが、今年に入り施行者より失格取り消しとなった旨発表があり、陣営の嫌疑が晴れている。

・父のInto Mischiefは2005年米国産のHarlan’s Holiday産駒。現役時は6戦3勝、2歳G1-キャッシュコールフューチュリティ(AW8.5f)の重賞1勝。半妹に名牝Beholder(G1・11勝、エクリプス賞を4度受賞)、半弟にMendelssohn(BCジュヴェナイルターフ)。一昨年、昨年と2年連続で北米リーディングサイアーの座に就き、今年も既にMischevious AlexがG1-カーターHに勝利しており、ドバイワールドCのMystic GuideがいるGhostzapperに遅れは取っているが、現在のリーディングサイアーランキングは2位。3年連続のリーディングサイアーに向けて好位置につけている。

・母のPeggy Janeは2009年米国産、8戦2勝。母の従兄・Dynamic Skyは米G3-レッドスミスHの勝ち馬で、ノーザンダンサーターフS2着、カナディアンインターナショナルS3着、マンノウォーS4着と芝G1で善戦。5代母まで遡っても一族からG1馬は本馬以外は出ておらず、重賞勝ち馬も本馬、Dynamic Skyの2頭しかおらず牝系自体は地味。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/308/churchill-downs/2021-05-01/784035

Old Forester Bourbon Turf Classic Stakes(G1・芝9f・4歳以上)

・3番手追走の3番・Colonel Liam、後ろから3頭目を追走していた5番・Domestic Spendingが鼻面を並べてゴール。脚色は完全に外のDomestic Spendingが優勢だったが、ゴール板前ではきっちり同着で並んでいた印象。

1着(同着):Domestic Spending

せん4、父・Kingman、母・Urban Castle、母父・Street Cry
調教師:Chad C Brown、騎手:Flavien Prat

・今回の勝利で通算6戦5勝、G1・2勝目(オールドフォレスターターフクラシックS、ハリウッドダービー)。今回は昨年11/28のハリウッドダービー以来の休み明けのレースだった馬。

・父のKingmanは2011年英国産のInvincible Spirit産駒。現役時は8戦7勝、英2000ギニーでNight of Thunderに敗れたのが唯一の敗戦で、ジャックルマロワ賞、サセックスS、セントジェームズパレスS、アイリッシュ2000ギニーの4つのG1を含む重賞6勝。本馬、Palace Pier(ジャックルマロワ賞、セントジェームズパレスS)、Persian King(ムーランドロンシャン賞、イスパーン賞、プールデッセデプーラン)の3頭の産駒G1馬を輩出中。現3歳までの3世代で16頭の重賞勝ち馬、18頭のリステッド勝ち馬を輩出し、今年の種付料は昨年と同額の15万ポンドと高額。着々と大種牡馬への道を歩んでいる印象。

母のUrban Castleは2011年米国産、英国で現役生活を送り13戦3勝、Listed-リバーエデンフィリーズS(AW・1m5f)の勝ち馬。曽祖母のLucayan Princessを牝祖とする主な活躍馬にLuso(ドイツ賞、アラルポカール、香港ヴァーズ2勝等)、アヴニールセルタン(プールデッセデプーリッシュ、ディアヌ賞)、Queen’s Trust(BCフィリー&メアターフ)、Warrsan(コロネーションC2勝、バーデン大賞2勝)など。

1着(同着):Colonel Liam

牡4、父・Liam’s Map、母・Amazement、母父・Bernardini
調教師:Todd Pletcher、騎手:Irad Ortiz Jr

・今回の勝利で通算8戦6勝、G1・2勝目、重賞3勝目(G1-オールドフォレスターターフクラシックS、G1-ペガサスワールドカップターフ招待S、G2-ムニスメモリアルクラシックS)。今年に入りこれで重賞3連勝。

・父のLiam’s Mapは2011年米国産のUnbridled’s Song産駒。現役時は8戦6勝、BCダートマイル、ウッドワードSの2つのG1に勝利。現4歳がファーストクロップで、本馬、Basin(ホープフルS)、Wicked Whisper(フリゼットS)の3頭のG1馬を輩出。

・母のAmazementは2011年米国産、未出走。祖母のWonder Againはグラスワンダー(有馬記念2勝、宝塚記念、朝日杯3歳Sなど)の全妹で、ダイアナH、ガーデンシティBCHの2つのG1を含む重賞5勝の活躍馬。Wonder Againの半妹・TribulationはG1-クイーンエリザベス2世チャレンジCなど重賞3勝。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/308/churchill-downs/2021-05-01/784030