現地時間6/5(土)に英エプソム競馬場にて行われる、G1-英ダービー(芝1m4f6y)の展望をお届けする。今年の英ダービーはバリードイルのGalileo産駒・Bolshoi Balletが1番人気。先日の日本ダービーではディープインパクトが7頭目の日本ダービー馬を輩出したが、Bolshoi Balletが勝てばGalileo産駒6頭目の英ダービー馬となる。
※レースの模様はグリーンチャンネル「ALL IN LINE!」にて6/5(土)の24:00~25:00、無料にて生中継される。前日に行われる英オークスの模様も取り上げられる。
※併記したオッズは最新のウィリアムヒルの単勝オッズ。
※レーシングポストの英ダービー出馬表
https://www.racingpost.com/racecards/17/epsom/2021-06-05/747175/
Bolshoi Ballet:2.1倍
牡3、父・Galileo、母・Alta Anna、母父・Anabaa
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore
・5戦3勝、重賞2勝。2歳時は10/16のデビュー2戦目(芝8f)で勝ち上がり、次走10/24の仏G1-クリテリウムドサンクルー(芝2000m)で5着。休み明けの前々走4/11のG3-バリサックスS(芝10f)で1着とし、前走5/9のG3-愛ダービートライアルS(芝10f)では2着に6馬身差をつけて圧勝。
・バリサックスSと愛ダービートライアルSを使って年明け3戦目で英ダービーに臨むローテーションは、2001年のGalileo、2002年のHigh Chaparralと同じ。近年のA P O’Brien師は2歳で既にデビューしている馬に関しては、コロナ禍で7月開催となった昨年のSerpentine以外は、2012年のCamelot、2014年のAustralia、2017年のWings of Eagles、2019年のAnthony Van Dyckと年明け2戦目で英ダービーに臨んだ馬で、戴冠してきた。父と同じく年明け3戦目で臨むBolshoi Balletは近年の師のトレンドからは外れる存在になるが、果たしてどうなるか。
・参考レース・5/9・G3-愛ダービートライアルS1着
John Leeper:7.5倍
牡3、父・Frankel、母・Snow Fairy、母父・Intikhab
調教師:Ed Dunlop、騎手:Frankie Dettori
・3戦2勝。5/15のListed-フェアウェイS(芝10f)に勝利し、ここへ出走。馬名はEd Dunlop師の父・John Leeper Dunlop調教師(英ダービー2勝、英国のクラシック競走10勝)より。前走はWilliam Buickの手綱だったが、ゴドルフィンのHurricane Laneがいるため、今回はお手馬がいなかったFrankie Dettoriに乗り替わり。戦績的には見劣る存在だが、父がFrankel、母がG1・6勝のSnow Fairyという血統的な魅力、過去に英ダービー2勝の名手への乗り替わり、と人気を集める要素が多く、一気に注目の存在となっている。
・参考記事・スノーフェアリーの仔ジョンリーパーはダービーで健闘できるか:レーシングポストの記事を和訳したジャパンスタッドブックインターナショナル掲載の記事。行き届いた取材に基づいた大変興味深い内容。
https://www.jairs.jp/contents/newsprot/2021/20/2.html
・参考レース・5/15・Listed-フェアウェイS1着
Mac Swiney:8.0倍
牡3、父・New Approach、母・Halla Na Saoire、母父・Teofilo
調教師:J S Bolger、騎手:Kevin Manning
・8戦4勝、G1・2勝(アイリッシュ2000ギニー、ナショナルS)、重賞3勝。5/9のG3-愛ダービートライアルS(芝10f)では休み明けとはいえ、Bolshoi Balletから6馬身3/4差の4着に敗れており、決定的な差がついている状況。ただ、これまでの3つの重賞勝ちの馬場状態は「Soft」「Heavy」「Soft To Heavy」で、馬場が渋った場合、大勢逆転の目がある非常に怖い存在。
・参考レース・5/22・G1-アイリッシュ2000ギニー1着
Mohaafeth:8.0倍
牡3、父・Frankel、母・French Dressing、母父・Sea The Stars
調教師:William Haggas、騎手:Jim Crowley
・5戦3勝。2歳時は7着、3着と連敗するも、3/19のデビュー3戦目(AW8f)で1着→4/14のデビュー4戦目(芝10f)で1着とし、臨んだ前走5/1のListed-ニューマーケットS(芝10f)を快勝し、目下3連勝中。ニューマーケットSは4頭立てのレースだが、実に印象的な勝利で、5馬身差の2着だった馬はリステッド2着の実績があったそれなりに強い馬。今年3月に亡くなったハムダン殿下は1989年のNashwan、1994年のエルハーブで英ダービー2勝。亡き殿下に3度目の英ダービー勝利を届けられるか。
・参考レース・5/1・Listed-ニューマーケットS1着
Hurricane Lane:10.0倍
牡3、父・Frankel、母・Gale Force、母父・Shirocco
調教師:Charlie Appleby、騎手:William Buick
・3戦3勝、重賞1勝(ダンテS)。4/16のニューマーケットでの条件戦(芝10f)で1着とし、5/13のG2-ダンテS(芝1m2f56y)に臨み、1着。母が3100mのリステッド勝ち馬で、距離的な不安は皆無。ダンテSを勝ち、英ダービーを勝った馬は近年では2015年のGolden Horn、2007年のAuthorized、2005年のMotivator、2004年のNorth Lightなどがいる。2018年のMasarに続くゴドルフィン2度目の英ダービー制覇を狙う。
・参考レース・5/13・G2-ダンテS1着
Third Realm:15.0倍
牡3、父・Sea The Stars、母・Reem Three、母父・Mark Of Esteem
調教師:Roger Varian、騎手:Andrea Atzeni
・3戦2勝。4/17のデビュー2戦目(芝1m2f50yds)で勝ち上がり、前走5/8のリングフィールドでのListed-ダービートライアルS(芝1m3f133yds)を単勝15倍の最低人気で勝利し、ここへ出走。仏G1-ジャンロマネ賞の勝ち馬・Ajman Princessの半弟。
・参考レース・5/8・Listed-ダービートライアルS1着