現地時間6/5(土)に英エプソム競馬場にて行われた、G1-英ダービー(芝1m4f6yds)の結果と動画をお届けする。合わせて同日に豪イーグルファーム競馬場にて行われた、G1-クイーンズランドオークス(芝2200m)についても触れる。
Cazoo Derby(G1・芝1m4f6yds・3歳)(British Champions Series) (Entire Colts & Fillies)
・最内の3,4番手を追走していたゴドルフィンの赤い帽子・Adayarが直線でラチ沿いの狭いスペースに潜り込み、一気に抜け出し、2着に4馬身半差をつけて快勝。1番人気のBolshoi Balletは直線沈み7着に大敗。アイリッシュ2000ギニー馬・Mac Swineyは4着、スノーフェアリーの仔・John Leeperは9着。
1着:Adayar
牡3、父・Frankel、母・Anna Salai、母父・Dubawi
調教師:Charlie Appleby、騎手:Adam Kirby
・今回の勝利で通算5戦2勝、重賞初制覇。昨年10/14のデビュー戦(芝1m75yds)で4着→10/28の2戦目(芝1m75yds)で1着。休み明けの前々走4/23のG3-クラシックトライアル(芝1m1f209yds)で2着→前走5/8のリングフィールドでのListed-ダービートライアルS(芝1m3f133yds)で2着とし、ここへ出走していた馬。前走は3着以下を5馬身以上離しての2着だったが、3頭出しだったゴドルフィンの中での序列では、3戦3勝のG2-ダンテSの勝ち馬・Hurricane Lane、2歳時にG3-オータムSに勝ち、G1-フューチュリティトロフィー2着だったOne Rulerに続く3番目だったのは致し方ないところ。単勝17倍の人気だったが、ゴドルフィンに2018年のMasarに続く、2個目の英ダービーのタイトルをもたらしている。
・今回のRPR(レーシングポストレーティング)は123。昨年のSerpentineは121、一昨年のAnthony Van Dyckは119、2018年のMasarは122、2017年のWings of Eaglesは121、2016年のHarzandは124となっており、前5年の英ダービー馬の中では2番目の評価となっている。
・父のFrankelは2014年産まれのファーストクロップから2018年産まれの現3歳まで5世代が稼働し、14頭目の産駒G1馬を輩出(尚、この内、日本調教馬はソウルスターリング、モズアスコット、グレナディアガーズの3頭)。英ダービーを産駒が勝つのは今回が初。英国のクラシック競走を産駒が勝利したのはAnapurna(2016年産・英オークス)、Logician(2016年産・英セントレジャー)に続く3勝目。
・母のAnna Salaiは2007年米国産のDubawi産駒。現役時は8戦1勝、唯一の勝ち鞍がパリロンシャンでの仏G3-グロット賞(芝1600m)。次走の愛G1-アイリッシュ1000ギニー(芝8f)で2着。祖母のアンナパラリーヴァは1995年愛国産、現役時は3戦2勝、シャンティイでの仏2歳G3-オマール賞(芝1600m)の勝ち馬。アンナパラリーヴァはサンデーサイレンスとの交配のために日本へ送り込まれたことがあるが、サンデーサイレンスとの牝駒(英国産)は英2戦未勝利に終わっている。従兄のNational Defenseは仏2歳G1-ジャンリュックラガルデール賞の勝ち馬。
・父・Frankel、母父・Dubawiの配合はDream CastleがG1-ジェベルハッタ、G2-アルラシディヤ、G3-シングスピールSを制しており、この配合2頭目のG1馬を輩出。
2着:Mojo Star
牡3、父・Sea The Stars、母・Galley、母父・Zamindar
調教師:Richard Hannon、騎手:David Egan
・未勝利馬で単勝51倍の最低人気だった馬。道中は後方にいたがラチ沿いを周り、直線で好位に取りつくと、きっちり脚を使い2着入線。近親にRail Link(凱旋門賞。パリ大賞典)がいる牝系の出身。
3着:Hurricane Lane
牡3、父・Frankel、母・Gale Force、母父・Shirocco
調教師:Charlie Appleby、騎手:William Buick
・3戦3勝で最終的に2番人気で臨んでいた馬。直線で先に最内から抜け出したAdayarに早々に決定的なリードを奪われると、勝ちの目は無くなったが、しぶとく3着確保。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/17/epsom/2021-06-05/747175
James Squire Queensland Oaks(G1・芝2200m・3歳牝馬)
・後方追走から4角は外を回った赤い帽子、水色の袖の勝負服の1番人気・Duaisが直線、見事な末脚を披露し、差し切り勝ち。勝利後、ノーマスクで喜び合う関係者の姿が印象的。
1着:Duais
牝3、父・Shamus Award、母・Meerlust、母父・ヨハネスブルグ
調教師:Edward Cummings、騎手:Hugh Bowman
・今回の勝利で通算10戦4勝、G1初制覇、重賞2勝目。前々走4/10のG3-エイドリアンノックスS(芝2000m)で重賞初制覇を果たし、前走4/17のG1-オーストラリアンオークス(芝2400m)では勝ったHungry Heartから1馬身1/4差の2着とし、ここへ出走していた馬。
・父のShamus Awardは2010年豪州産のスニッツェル産駒。現役時は14戦2勝だが、2つの勝利がいずれもG1で、コックスプレート(単勝21倍、49.5kgの恵量を利した逃げ切り勝ち)、オーストラリアンギニー(コックスプレートの次々走として出走し、ここでも逃げ切り勝ち)の勝ち馬。これまでにMr Quickie(トゥーラックH、クイーンズランドダービー)、Media Award(オーストラリアンオークス)、本馬の3頭のG1馬を輩出。
・母のMeerlustは2007年豪州産、5戦1勝(芝1000m)。半姉のBaccarat Babyは豪G3-サンシャインコーストギニーの勝ち馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/468/eagle-farm/2021-06-05/786667