現地時間8/28(土)の米サラトガ競馬場は、”Midsummer Derby”トラヴァーズS、ソードダンサーS、パーソナルエンスンS、H アレンジャーケンスメモリアルS、フォアゴーS、バレリーナHの6つのG1レースが行われる「Travers Day」。本稿では6つのG1レースの結果と動画と合わせて豪G1-メムジーSの結果についても触れる。

Runhappy Travers Stakes(G1・ダ10f・3歳)

・トラヴァーズSは、Midnight Bourbonがハナを切り、離れた2番手を1番人気・Essential Qualityが追走。そのままの隊列で直線を向かえ、両馬の一騎打ちは見応えのあるものとなったが、最後はEssential Qualityがクビ差抜け出して1着。

1着:Essential Quality

牡3、父・Tapit、母・Delightful Quality、母父・Elusive Quality
調教師:Brad H Cox、騎手:Luis Saez

・今回の勝利で通算9戦8勝、G1・4勝目(ベルモントS、トラヴァーズS、BCジュヴェナイル、ブリーダーズフューチュリティ)、重賞7勝目。スタートで出負けし、スムーズな競馬とはならなかったケンタッキーダービーで4着に敗れた以外は、これで全勝。2歳チャンピオンが3歳夏になってもこの世代トップの位置をキープし続けている稀有な存在で、BCジュヴェナイルとトラヴァーズSを制したのはストリートセンス以来、2頭目。レース後、Brad H Cox師は「たぶん私たちは彼から(まだ)最高のものを見ていません」「彼はどんどん良くなっています」とコメント。まだまだ成長中とすると、秋の大一番・BCクラシックはKnicks Goらが相手となろうが、好勝負は必至な印象。

・父のTapitは2001年米国産のPulpit産駒。現役時は6戦3勝、G1-ウッドメモリアルS、G3-ローレルフューチュリティの勝ち馬。2014年には北米リーディングサイアーとなり、以後、3年連続継続。その後も5位(2017年)→5位(2018年)→3位(2019年)→3位(2020年)とコンスタントに上位をキープしている大種牡馬。今年はEssential Qualityを含む6頭の重賞勝ち馬を輩出中で、TDNによる北米サイアーランキング4位につけている。

・母のDelightful Qualityは2009年米国産、13戦2勝、G3-ベッドオロージズ招待S3着。Essential Qualityは4番仔になる。伯母のFolkloreはG1-BCジュヴェナイルフィリーズ、G1-メイトロンS、G2-アディロンダックSの勝ち馬。Folkloreの孫に昨年の3冠馬・コントレイル。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/445/saratoga/2021-08-28/792283

Resorts World Casino Sword Dancer Stakes(G1・芝12f・4歳以上)

・ソードダンサーSは、後方待機の1番人気・Gufoが4角で外から2番人気の遠征馬・Japanの進路を塞ぐ形で一足先に抜け出すことに成功。遅れて差し込んできたJapanの猛追を封じたGufoが1着。

1着:Gufo

牡4、父・デクラレーションオブウォー、母・Floy、母父・Petionville
調教師:Christophe Clement、騎手:Joel Rosario

・今回の勝利で通算12戦7勝、G1・2勝目、重賞3勝目。昨年10/3のG1-ベルモントダービー招待S(芝10f)の勝ち馬で、その後、ハリウッドダービー3着→マンノウォーS2着→マンハッタンS3着と芝G1で好走してきた米芝路線の上位安定勢力。前走7/5のBlack Type-グランドクチュリエS(芝8.5f)を勝利し、ここへ出走していた馬。今後は10/9のG1-ジョーハーシュターフクラシックを使って、11/6のG1-BCターフへ向かう模様。

・父のデクラレーションオブウォーは2009年米国産のWar Front産駒。現役時は13戦7勝、インターナショナルS(10f88y)、クイーンアンS(1m)の2つのG1を含む重賞3勝。2014年はアイルランド、2015年から2018年はアメリカで供用され、オーストラリアに随時シャトルされていたが、2019年より日本軽種馬協会静内種馬場にて供用中で、2020年に産まれた88頭が血統登録済。主な産駒にOlmedo(プールデッセデプーラン)、Vow And Declare(メルボルンC)、Fire At Will(BCジュヴェナイルターフ)。

・母のFloyは2005年米国産、1戦未勝利。半きょうだい(せん馬)のHogyは米G3-カナディアンターフS、米G3-ケンタッキーダウンズターフスプリントS、米G3-阪神Cの勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/445/saratoga/2021-08-28/792282

Personal Ensign Stakes presented by Lia Infiniti(G1・ダ9f・4歳以上牝馬)

・パーソナルエンスンSは、Swiss Skydiverが1角先頭も、外から上昇した1番人気・Letruskaがあっさりハナを取り切る展開。そのまま最後まで先頭を譲らなかったLetruskaが1着。Swiss Skydiverは直線沈んで5着。

1着:Letruska

牝5、父・Super Saver、母・Magic Appeal、母父・Successful Appeal
調教師:Fausto Gutierrez、騎手:Irad Ortiz Jr

・今回の勝利で通算21戦16勝、G1・3勝目、重賞7勝目+メキシコ(国際セリ名簿基準委員会のパート3国)のローカルG1を2勝。今年4/17のG1-アップルブロッサムH(ダ8.5f)→6/5のG1-オグデンフィップスS(ダ8.5f)→6/26のG2-フルールドリスS(ダ9f)に続き、これで4連勝。Monomoy Girl、Swiss Skydiver、Shedaresthedevilらの並み居る牝馬G1馬を次々となぎ倒し目下絶好調。現在、BCディスタフの最有力馬となっている存在で、今後はスピンスターSを使ってBCディスタフに向かう模様。

・父のSuper Saverは2007年米国産のMaria’s Mon産駒。現役時は10戦3勝、G1-ケンタッキーダービー(ダ10f)、G2-ケンタッキージョッキークラブS(ダ8.5f・レコード勝ち)の勝ち馬。主な産駒にRunhappy(BCスプリント、キングスビショップS、マリブS)、Happy Saver(ジョッキークラブゴールドC)。Letruskaを含む6頭のG1馬、14頭の重賞勝ち馬を輩出中。現在はトルコにて供用中で種付料は1万2500ユーロ。

・母のMagic Appealは2007年米国産、2歳時のみ稼働し5戦1勝、G2-アディロンダックS3着、G1-スピナウェイS5着。母の全弟・J P’s Gustoは2歳G1-デルマーフューチュリティ、2歳G2-ベストパルS、2歳G3-ハリウッドジュヴェナイルチャンピオンシップSの勝ち馬。母の従姉・プラウドスペル(ノーザンファームにて繋養中)はケンタッキーオークス、アラバマSの2つのG1を含む重賞5勝、2008年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/445/saratoga/2021-08-28/792281

H Allen Jerkens Memorial Stakes(G1・ダ7f・3歳)

・H アレンジャーケンスメモリアルSは、3/6以来の休み明け+転厩初戦となった1番人気・Life Is Goodがハナに立ち、直後に2番人気のJackie’s Warriorがつけ、両馬がレースを主導。直線は一騎打ちとなり、Jackie’s Warriorがクビ差、Life Is Goodに競り勝ち1着。

1着:Jackie’s Warrior

牡3、父・Maclean’s Music、母・Unicorn Girl、母父・A P Five Hundred
調教師:Steven Asmussen、騎手:Joel Rosario

・今回の勝利で通算10戦7勝、G1・3勝目、重賞6勝目。2歳時はシャンペンS(ダ8f)、ホープフルS(ダ7f)の2つのG1を含むデビュー4連勝を果たすも、1番人気で臨んだG1-BCジュヴェナイル(ダ8.5f)は4着。その後、3歳初戦となるG3-サウスウエストS(ダ8.5f)でも勝ち馬から大きく離された3着に敗れると、以後はマイル以下のレースに照準を絞って使われ、1着(G2-パットデイマイルS・ダ8f)→2着(G1-ウッディスティーヴンスS・ダ7f)→1着(G2-アムステルダムS・ダ6.5f)とし、ここへ出走していた馬。

・父のMaclean’s Musicは2008年米国産のDistorted Humor産駒。現役時は1戦1勝。この時に記録したベイヤースピード指数「114」はデビュー戦で記録されたものとしては歴代最高値。これまでにCloud Computing(プリークネスS)、Complexity(シャンペンS)、Drain the Clock(ウッディスティーヴンスS)、本馬の4頭のG1馬、6頭の重賞勝ち馬を輩出中。今年の種付料は2万5000米ドル。

・母のUnicorn Girlは2005年米国産、8歳まで走り54戦19勝。母父のA P Five Hundredは1999年米国産のA.P. Indy産駒。現役時は7戦1勝。G2-スーパーダービー3着、G3-オクラホマダービー3着。父としても母父としても目立つ産駒はこれまでに残していない。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/445/saratoga/2021-08-28/792287

Forego Stakes(G1・ダ7f・4歳以上)

・フォアゴーSは、3角過ぎからはYauponとFirenze Fireが抜け出し、直線は2頭の競り合いとなるが、ゴール前で外のFirenze Fireが内のYauponに嚙みつきにいくような仕草を見せる事態が発生。Firenze Fireの鞍上は馬を御すことに精一杯となり、Yauponの鞍上もレース後、「ちょっと怖かった」と語ったアクシデントとなったが、何とかこれを乗り越えたYauponが1着。

1着:Yaupon

牡4、父・Uncle Mo、母・Modification、母父・Vindication
調教師:Steven Asmussen、騎手:Ricardo Santana Jr

・今回の勝利で通算8戦6勝、G1初制覇、重賞3勝目。昨年6/20にデビューし、重賞2勝を含むデビュー4連勝を達成。その後、1番人気で臨んだG1-BCスプリント(ダ6f)では8着に敗れ、続くG1-ドバイゴールデンシャヒーン(ダ1200m)も8着と大敗。一息入れられた前走7/4のBlack Type-ライトザフューズS(ダ6f)を勝利し、ここへ出走していた馬。レース後、Steven Asmussen師は「私は将来何度もリプレイを見るでしょう」とコメントし、激戦となった直線での一件を振り返っている。

・父のUncle Moは2008年米国産のIndian Charlie産駒。現役時は8戦5勝、BCジュヴェナイル、シャンペンSの2つの2歳G1を含む重賞3勝、2010年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬。主な産駒にNyquist(ケンタッキーダービー、BCジュヴェナイル等)。Yauponは9頭目の産駒G1馬になる。TDNによる現在の北米サイアーランキング14位、今年は4頭が重賞勝ち。クールモアアメリカのアシュフォードスタッドにて供用中で今年の種付料は17万5000米ドル。

・母のModificationは2005年米国産、19戦3勝、G1-ヒューマナディスタフS3着。従姉のSky Momは米G3-アーリントンオークスの勝ち馬。伯母のスカイアライアンスは加G3-ナタルマSの勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/445/saratoga/2021-08-28/792286

Ketel One Ballerina Handicap(G1・ダ7f・3歳以上牝馬)

・バレリーナHは、ハナを奪った1番人気のGamineがいつものように危なげなくレースを制圧し、1着。

1着:Gamine

牝4、父・Into Mischief、母・Peggy Jane、母父・Kafwain
調教師:Bob Baffert、騎手:John R Velazquez

・今回の勝利で通算10戦9勝、G1・5勝目、重賞7勝目。唯一の敗戦(3着入線→ベタメゾンの検査で陽性となり失格)は距離の壁に敗れた昨年9/4のケンタッキーオークス(ダ9f)で、これまでにエイコーンS(ダ8f・19馬身差)、テストS(ダ7f・7馬身差)、BCフィリー&メアスプリント(ダ7f・6馬身1/4差)、ダービーシティディスタフS(ダ7f・1馬身半差)の4つのG1をほぼ完璧な内容で制してきた馬。前走7/5のG2-グレートレディMステークス(ダ7f)を2着に10馬身差をつけて圧勝し、ここへ出走していた。尚、禁止薬物問題で揺れるBob Baffert師は来場しておらず、オーナーのピーターセン氏は「彼は詐欺師ではないことを知っている」「彼はとても誠実で、私は彼から馬を引き上げることについて考えたことはありません」と語っている。

・父のInto Mischiefは2005年米国産のHarlan’s Holiday産駒。現役時は6戦3勝、2歳G1-キャッシュコールフューチュリティ(AW8.5f)の重賞1勝。半妹に名牝Beholder(G1・11勝、エクリプス賞を4度受賞)、半弟にMendelssohn(BCジュヴェナイルターフ)。一昨年、昨年と2年連続で北米リーディングサイアーの座に就き、今年は現時点で本馬がG1・2勝、MandalounがハスケルS(※ケンタッキーダービーで1着入線のMedina Spiritが禁止薬物の問題で失格になれば、2着のこの馬が今後繰り上がる見込み)、Mischevious AlexがカーターHに勝利。現在、TDNによる北米サイアーランキング1位、11頭の重賞勝ち馬を輩出中で、今年は374頭の産駒が出走し、187頭が勝利(50.00%)、とほぼ3年連続のリーディングの座が見えつつある現況。

・母のPeggy Janeは2009年米国産、8戦2勝。母の従兄・Dynamic Skyは米G3-レッドスミスHの勝ち馬で、ノーザンダンサーターフS2着、カナディアンインターナショナルS3着、マンノウォーS4着と芝G1で善戦。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/445/saratoga/2021-08-28/792285

Moet & Chandon Memsie Stakes(G1・芝1400m・3歳以上・豪コーフィールド競馬場)

・メムジーSは、好位追走のBehemothが4角3番手から残り200の地点で先頭に立ち、そのまま押し切って昨年に続くこのレース連覇達成。

1着:Behemoth

せん6、父・All Too Hard、母・Penny Banger、母父・Zedrich
調教師:David Jolly、騎手:Brett Prebble

・今回の勝利で通算24戦10勝、G1・3勝目、重賞5勝目。昨年8/15のG3-スプリングS(芝1200m)で重賞初制覇を果たすと、次走8/29のG1-メムジーS(芝1400m)でG1初制覇。さらに9/19のG1-サールパートクラークS(芝1400m)も制し2つ目のG1タイトルを獲得。その後はやや精彩を欠いていたが、休み明けの前走8/14のG3-スプリングS(芝1200m)を去年に続き連覇し、ここへ臨んでいた馬。

・父のAll Too Hardは2009年豪州産のCasino Prince(デインヒル系)産駒。現役時は12戦7勝、コーフィールドギニー、C.F.オーアS、フューチュリティS、AJCオールエイジドSの4つのG1を含む重賞6勝。名牝・Black Caviar(25戦25勝)の半弟にあたる良血馬。本馬Forbidden Love(サラウンドS)、Alligator Blood(オーストラリアンギニー)、Hard Too Think(シンガポールダービー)、Wellington(チェアマンズスプリントプライズ)の5頭のG1馬をこれまでに輩出。

・母のPenny Bangerは2005年豪州産、12戦2勝(いずれも1000m)。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/469/caulfield/2021-08-28/792252