2021 オーサムアゲインS、ウッドワードS等・レース結果

現地時間10/2(土)に米サンタアニタ競馬場にて行われた、G1-オーサムアゲインSとG1-ロデオドライブS、米ベルモントパーク競馬場にて行われた、G1-ウッドワードS、2歳G1-シャンペンSの結果と動画をお届けする。

Awesome Again Stakes(G1・ダ9f・3歳以上・サンタアニタ競馬場)

・オーサムアゲインSは、ハナを奪った1番人気のMedina Spiritが直線で後続を突き離す強い勝ち方で、Tripoli、Idolの古馬G1馬を問題にせず2着に5馬身差をつけて圧勝。

1着:Medina Spirit

牡3、父・Protonico、母・Mongolian Changa、母父・Brilliant Speed
調教師:Bob Baffert、騎手:John R Velazquez

・今回の勝利で通算9戦5勝、G1・2勝目(※ケンタッキーダービーの1着入線馬だが、レース後の検査で規制薬物の抗炎症剤ベタメタゾンの陽性反応を示しており、失格になる可能性がある)、重賞3勝目。ケンタッキーダービー後はG1-プリークネスS3着→L-シェアードビリーフS1着とし、ここへ出走していた馬。

ベタメゾンは関節炎を治療するために用いられる薬物で治療目的での使用は認められているが、ケンタッキー州の基準では休薬期間が競走日前の14日間もうけられている。陣営がケンタッキー州競馬委員会に起こした訴訟の訴状によると、Medina Spiritの皮膚発疹を治療するために局所用の軟膏オトマックス(※成分にベタメゾンが含まれている)を使用しただけで、ベタメゾンは無害に混入されたものだ、と主張している。尚、ベタメゾンはケンタッキー州では競走能力に影響を与える可能性が低いと考えられるペナルティクラスCに分類されている

・父のProtonicoは2011年米国産のGiant’s Causeway産駒。現役時は16戦7勝、G2-アリシバS(d8.5f)、G3-ベンアリS(d9f)、G3-ディスカバリーH(d9f)、G3-スマーティージョーンズS(d8.5f)の勝ち馬で、他にG1-クラークH2着、G1-ジョッキークラブゴールドC3着。祖母がチリ年度代表馬(チリG1・3勝)でアメリカでもG1-ラフィアンHを制したWild Spirit。昨年ファーストクロップ8頭がデビューしているがMedina Spiritが唯一の産駒重賞勝ち馬になる。今年の種付料は5000米ドル。

・母のMongolian Changaは2014年米国産。6戦1勝。2015年のファシィグティプトンケンタッキー10月1歳馬セールにて、9000米ドルにて購買された馬。祖母のBridledは1戦未勝利。曽祖母の半弟にHigh Yield(ブルーグラスS、ファウンテンオブユースS、ホープフルS)。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/257/santa-anita/2021-10-03/794640

Rodeo Drive Stakes(G1・芝10f・3歳以上牝馬・サンタアニタ競馬場)

・ロデオドライブSは、ハナに立った1番人気のGoing To Vegasがゴール前急追するLuckをアタマ差抑えて逃げ切り勝ち。

1着:Going To Vegas

牝4、父・Goldencents、母・Hard To Resist、母父・ヨハネスブルグ
調教師:Richard Baltas、騎手:Umberto Rispoli

・今回の勝利で通算22戦7勝、G1初制覇、重賞3勝目。今年3月のG3-サンタアナS(t10f)で重賞初制覇を果たし、次走のG1-ゲイムリーSは5着と敗れるも、その後、一般戦(t9f)→G2-ジョンCメイビーS(t9f)→今回と3連勝。

・父のGoldencentsは2010年米国産のInto Mischief産駒。現役時は18戦7勝、BCダートマイル連覇、サンタアニタダービーの3つのG1を含む重賞6勝。他にG1での2着が6回。現2歳まで4世代が稼働中で、Going To Vegasは初の産駒G1勝ち馬になる。他に4頭の重賞勝ち馬を輩出中。

・母のHard To Resistは2008年米国産、27戦5勝。母の姪・Most Beautifulは愛G3-グランジコンスタッドSの勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/257/santa-anita/2021-10-03/794641

Woodward Stakes(G1・ダ9f・3歳以上・ベルモントパーク競馬場)

・ウッドワードSは、ハナに立ったArt Collectorが最後まで力強い足取りでレースを制圧し逃げ切り勝ち。

1着:Art Collector

牡4、父・Bernardini、母・Distorted Legacy、母父・Distorted Humor
調教師:William Mott、騎手:Luis Saez

・今回の勝利で通算15戦8勝、G1初制覇、重賞3勝目。3歳時にG2-ブルーグラスSを勝っている馬だが、その後はリステッド2勝のみで目立った戦績はあげられていなかった馬。今年8月に転厩し、転厩初戦の前走8/28のG2-チャールズタウンクラシックS(d9f)を制し、ここへ出走していた。

・父のBernardiniは2003年米国産のA.P. Indy産駒。現役時は8戦6勝、プリークネスS(モハメド殿下に初の米3冠勝利をもたらす)、トラヴァーズS(7馬身半差で圧勝)、ジョッキークラブゴールドCの3つのG1を含む重賞5勝。2006年のエクリプス賞最優秀3歳牡馬。今年7月に蹄葉炎のために18歳で逝去しているが、現2歳まで12世代が稼働中で、Art Collectorは16頭目の産駒G1馬となる。主な産駒にStay Thirsty(トラヴァーズS等)、To Honor and Serve(シガーマイルH等)、Boban(豪G1・5勝)。

・母のDistorted Legacyは2007年米国産、26戦3勝、G1-フラワーボウル招待S2着。伯父のVision and VerseはG2-イリノイダービーの勝ち馬で、G1-ベルモントS2着。

※EQUIBASEのchart

https://www.equibase.com/premium/chartEmb.cfm?track=BEL&raceDate=10/02/2021&cy=USA&rn=10

Champagne Stakes(G1・ダ8f・2歳・ベルモントパーク競馬場)

・シャンペンSは、スタート好発から好位に控えたJack Christopherが4角先頭に立つと、直線は後続を突き離して圧勝。

1着:Jack Christopher

牡2、父・Munnings、母・Rushin No Blushin、母父・Half Ours
調教師:Chad C Brown、騎手:Jose L Ortiz

・今回の勝利で通算2戦2勝、重賞初制覇。8/28のサラトガでのメイドン(d6f)を2着に8馬身3/4差をつけて勝利し、ここへ出走していた馬。2020年10月のファシィグティプトン1歳馬セールにて13万5000米ドルで取引された馬。

・父のMunningsは2006年米国産のSpeightstown産駒。現役時は14戦4勝、G2-ガルフストリームパークスプリントチャンピオンシップ(d7f)、G2-トムフールH(d7f)、G2-ウッディースティーヴンスS(d7f)の勝ち馬で、他にG1での3着3回。現2歳まで8世代が稼働中で、Jack Christopherは4頭目の産駒G1馬になる。今年はKimariが4月のG1-マディソンSを制しており、TDNによる昨日時点の北米サイアーランキングで7位につけているが、279頭が出走し152頭が勝利。54.48%と極めて高い比率で勝ち馬を出している。

・母のRushin No Blushinは2009年米国産、8戦未勝利。伯父のStreet Bossはトリプルベンド招待H、ビングクロスビーHの2つのG1を含む重賞3勝。従兄のLife Imitates Art、従姉のBelleraはいずれも米重賞勝ち馬。

※EQUIBASEのchart

https://www.equibase.com/premium/chartEmb.cfm?track=BEL&raceDate=10/02/2021&cy=USA&rn=8