5回目となる今回は今年から供用が始まるコントレイルなどの新種牡馬について触れる。産駒デビューは3年後になるが、興味深いラインナップとなっており今のうちから顔触れをチェック頂きたい。

※種付料の単位は(万円)。併記された印は*は受胎確認後、#は産駒誕生後、Fはフリーリターン特約付きの意。

※執筆時点で繁殖登録が済んでいる種牡馬を取り上げている関係で、実際にはまだ頭数は増加している点についてはご容赦頂きたい。本稿で触れられなかった種牡馬にエンパイアペガサス、カフジテイク、タニノフランケルなどがいる。

1・ディープインパクト系

コントレイル

種付料:*1200F
供用場所:社台スタリオンステーション
血統:父・ディープインパクト、母・ロードクロサイト、母父・Unbridled’s Song
戦績:11戦8勝、G1-ジャパンCG1-日本ダービーG1-皐月賞G1-菊花賞G1-ホープフルS、G2-神戸新聞杯、G3-東京スポーツ杯2歳S

・シンボリルドルフ、ディープインパクトに続く日本競馬史上3頭目の無敗の3冠馬となり、以後、ジャパンC2着→大阪杯3着→天皇賞(秋)2着→ジャパンC1着。祖母のFolkloreはBCジュヴェナイルフィリーズ、メイトロンSの2つのG1を含む重賞3勝。母の従弟にEssential Quality(ベルモントS、トラヴァーズS、BCジュヴェナイル等)がいる。

・ポストディープインパクトの大本命がいよいよスタッドイン。選ばれしものとして偉大な父の後継種牡馬という重責を担っていくこととなる。ちなみに種付料1200万円は父・ディープインパクトの初年度と同額。ある種、失敗が許されないプレッシャーがのしかかろうが、ディープインパクトが特に母父が横文字の優秀な繁殖牝馬との配合から数多の活躍馬を出してきた成功事例を踏襲すれば、この馬が種牡馬として全面的に失敗する確率はかなり薄いとみるのが妥当だろう。

・やや先回りした興味としては、今後の覇権争いの行方が気になるところ。サンデーサイレンスの4×3のクロスを大きな武器に持つエピファネイアが目下の対抗馬となろうが、昨年の天皇賞(秋)でサンデー4×3のクロスを持つエフフォーリアが、コントレイルを降したのは、今後の種牡馬の覇権争いを暗示した結果だったのかどうか。エピファネイアにはアーモンドアイ、グランアレグリアなどの「4×3」の配合相手が時流に乗って大挙集まる中、コントレイルがどうこれらに伍していくのか。もちろんコントレイルも産駒の「3」の位置にサンデーサイレンスを持つので、「3×4」で対抗していくことも可能だが、その辺りは初年度の配合相手のリストが出るのを興味を持って待ちたい。

・ちなみにディープインパクトの直仔を父に持つ産駒の中で賞金上位5頭はディープボンド、ラウダシオン、ミッキースワロー、マルターズディオサ、アカイイト。G1馬は出ているがまだ突き抜けた大物は出ていない。

※コントレイルの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001237042/pedigree/

ダノンキングリー

種付料:*250F
供用場所:社台スタリオンステーション
血統:父・ディープインパクト、母・マイグッドネス、母父・Storm Cat
戦績:14戦6勝、G1-安田記念、G2-中山記念、G2-毎日王冠、G3-共同通信杯

・3歳春は共同通信杯1着→皐月賞3着→ダービー2着。3歳秋は毎日王冠1着→マイルチャンピオンシップ5着。4歳春は中山記念1着→大阪杯3着→安田記念7着。4歳秋は天皇賞(秋)12着の1戦のみ。5歳春は天皇賞(秋)以来のレースとなった安田記念でグランアレグリアを降し1着。5歳秋は毎日王冠2着→香港マイル8着。祖母のCaressingはBCジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬。半兄にJBCスプリントなどダート重賞9勝のダノンレジェンド。

・「ディープインパクト×Storm Catの肌」の種牡馬は既にキズナ、エイシンヒカリ、サトノアラジンが稼働中で、リアルスティールが今年初年度産駒がデビューする状態。やや飽和気味な感は否めないが、種付料250万円はミッキーアイル、アドマイヤマーズ、ニューイヤーズデイ、ルヴァンスレーヴと同額。ディープインパクト系の中ではコントレイル・キズナ(共に1200万円)、シルバーステート(600万円)、サトノダイヤモンド・リアルスティール(300万円)の次のランクになる。ノーザンファームなどの社台系がどれくらいの頭数を付けるのか、どのレベルの相手が選ばれるのか、が気になるところ。やや高齢の繁殖牝馬が回ってくる感じだろうか。

※ダノンキングリーの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001221761/pedigree/

ダノンプレミアム

種付料:*120F
供用場所:アロースタッド
血統:父・ディープインパクト、母・インディアナギャル、母父・Intikhab
戦績:15戦6勝、G1-朝日杯FS、G2-金鯱賞、G2-マイラーズC、G2-弥生賞、G3-サウジアラビアRC

・デビュー3連勝で朝日杯FSを制覇。次走の弥生賞も制し、ダービーでは1番人気に推されるも6着。その後、4歳3月に復帰し、金鯱賞、マイラーズCを連勝。アーモンドアイとの対戦となった安田記念は16着。4歳秋は天皇賞(秋)とマイルチャンピオンシップで2着。5歳春はオーストラリア遠征を敢行し、Addeybb、Verry Elleegantを抑えて1番人気に推されるも3着。以後、天皇賞(秋)4着、香港C4着などの成績を残すも昨年の安田記念7着を最後に引退。

・母父のIntikhabはRoberto系の種牡馬で父としてG1・6勝のSnow Fairyを輩出。BMSとしても本馬以外に凱旋門賞、BCターフの勝ち馬・Foundを輩出した。Intikhabを3代内に持つ馬で本馬以外に日本で活躍した馬に京都新聞杯の勝ち馬でダービー2着のサトノラーゼン、チャレンジCの勝ち馬・サトノクロニクルの兄弟がいる。

・120万円という種付料は同じディープインパクト系では、リアルインパクト、ディーマジェスティ、ダノンバラード、サトノアラジン(いずれも100万円)よりは高く、アルアインと同額。少し上にフィエールマン(200万円)、ミッキーアイル、ダノンキングリー(共に250万円)がいる。当面はアルアイン、リアルインパクト、ディーマジェスティ、ダノンバラード、サトノアラジンらの産駒成績を超える事が目標となろうが、ライバルは多く、ディープインパクト後継の選択肢がこれだけ多い中、早々に熾烈な争いの只中に挑んでいくことになる。

※ダノンプレミアムの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001208294/pedigree/

ワールドプレミア

種付料:*50F
供用場所:優駿スタリオンステーション
血統:父・ディープインパクト、母・マンデラ、母父・Acatenango
戦績:12戦4勝、G1-天皇賞(春)G1-菊花賞

・母のマンデラはL-ディアナトライアルの勝ち馬で独オークス3着馬。母として本馬、ワールドエース(マイラーズC、きさらぎ賞)、ヴェルトライゼンデ(ダービー3着等)を輩出。マンデラの半弟・Manduroはジャックルマロワ賞、プリンスオブウェールズS、イスパーン賞の3つのG1を含む重賞8勝。長距離G1を2勝した(のみの)戦績がどう評価されるかだが、全兄のワールドエースの種付料が同額の50万円。ノーザンファーム産で青葉賞3着のレッドヴェロシティを出した全兄の産駒成績を超えるのが直近の目標となりそう。

※ワールドプレミアの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001218645/pedigree/

サトノジェネシス

種付料:*30F
供用場所:優駿スタリオンステーション
血統:父・ディープインパクト、母・マルペンサ、母父・Orpen
戦績:4戦3勝

・母のマルペンサはアルゼンチンのG1馬。本馬の全兄にサトノダイヤモンドがいる良血馬。サトノダイヤモンドの種付料が300万で、本馬はその10分の1の種付料。代替需要がどれくらいあるか。

※サトノジェネシスの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001221695/pedigree/

2・ディープインパクト系以外のサンデーサイレンス系

クリソベリル

種付料:*300F
供用場所:社台スタリオンステーション
血統:父・ゴールドアリュール、母・クリソプレーズ、母父・エルコンドルパサー
戦績:11戦8勝、G1-チャンピオンズC、Jpn1-JBCクラシック、Jpn1-帝王賞、Jpn1-ジャパンダートダービー、Jpn2-日本テレビ盃、Jon2-兵庫チャンピオンシップ

・デビュー6連勝で3歳12月にチャンピオンズCを制覇。勇躍、翌年サウジカップへ挑戦するも7着。帰国後、帝王賞、JBCクラシックに勝利し、連覇を狙って出走したチャンピオンズCでは4着。5歳9月の日本テレビ盃で6着と敗れ引退。

・全兄にクリソライト(ジャパンダートダービー等)、半姉にマリアライト(宝塚記念、エリザベス女王杯)、半兄にリアファル(神戸新聞杯)、甥にオーソクレース(菊花賞2着)、叔父にアロンダイト(JCダート)がいる牝系の素晴らしさは種牡馬としての成功を予感させる材料。種付料300万円はリアルスティール、サトノダイヤモンド、シスキン、ルーラーシップと同額という破格の待遇。12/22時点で既に満口となっており、期待の高さが伺えるが、社台グループの手厚いバックアップが見込めるため、手堅く活躍馬を送り出してきそうで、ケンタッキーダービーを目指すような突き抜けた大物の出現が期待される。

※クリソベリルの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001215726/pedigree/

インディチャンプ

種付料:*120F
供用場所:優駿スタリオンステーション
血統:父・ステイゴールド、母。ウィルパワー、母父・キングカメハメハ
戦績:23戦8勝、G1-安田記念G1-マイルチャンピオンシップ、G2-マイラーズC、G3-東京新聞杯

・4歳時に安田記念、マイルチャンピオンシップを制し、JRA賞最優秀短距離馬に選出される。以後、G1ではマイルチャンピオンシップ2着、安田記念3着、高松宮記念3着。叔父にリアルインパクト(安田記念、ジョージライダーS)、ネオリアリズム(QE2世C)。

オルフェーヴル、ゴールドシップとは異なりマイルに特化したステイゴールドの後継候補。安田記念とマイルチャンピオンシップを同一年に制した馬は過去に7頭いるが、ニホンピロウイナー、タイキシャトル、ダイワメジャー、モーリスと種牡馬として一定の成功を収めた馬が揃っており、本馬にも手堅い成功が望まれる。

※インディチャンプの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001206175/pedigree/

シュウジ

種付料:#20
供用場所:アロースタッド
血統:父・キンシャサノキセキ、母・カストリア、母父・Kingmambo
戦績:41戦5勝、G2-阪神C、G3-小倉2歳S

・8歳8月までタフに走り、重賞2勝。半兄のツルマルレオンはG3-北九州記念の勝ち馬。ダートのOP特別も制しており、2歳重賞を制した仕上がりの早さ、タフさ、ダートもいける汎用性がセールスポイントになるが、どこまで繁殖を集められるか。

※シュウジの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001171881/pedigree/

ロジクライ

種付料:*20F
供用場所:優駿スタリオンステーション
血統:父・ハーツクライ、母・ドリームモーメント、母父・Machiavellian
戦績:28戦5勝、G3-富士S、G3-シンザン記念、L-六甲S

・2つの重賞勝ちはいずれも8番人気という人気薄でのもの。従弟にタリスマニック(BCターフなど重賞3勝)がいる牝系の出身。種付頭数は限られたものになりそうだが、「父母父・Machiavellian」はShamardal、Dark Angel、Zoffany、ヴィクトワールピサらが種牡馬として活躍馬を多数出しており、魅力はある。

※ロジクライの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001173807/pedigree/

フォクスホール

血統:父・ホールウォーカー、母・オレンジスカイ、母父・リキアイワカタカ
戦績:南関東で37戦5勝。ハイセイコー記念3着。

・父・ホールウォーカーの代表産駒で、総賞金4657.5万円はストロベリーフィールドファームの生産馬の中では最多賞金獲得馬になる。父のホールウォーカーはエイシンサンディ産駒で南関東で9戦4勝。これまでに2010年産から2021年産まで12世代で26頭が血統登録され、中央で出走した馬はゼロだが、これまでに18頭がデビューし15頭が勝ち上がり。JBISに種付料が出ていないようにストロベリーフィールドファームでの自家生産馬用の供用だろう。

※フォクスホールの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001172502/pedigree/

3・キングカメハメハ系

ダノンスマッシュ

種付料:*220F
供用場所:ブリーダーズ・スタリオン・ステーション
血統:父・ロードカナロア、母・スピニングワイルドキャット、母父・ハードスパン
戦績:26戦11勝、G1-高松宮記念G1-香港スプリント、G2-セントウルS、G2-京王杯スプリングC、G3-オーシャンS、G3-キーンランドC、G3-シルクロードS、G3-京阪杯

・スプリンターズSは3度出走して3着、2着、6着と獲れなかったが、他のスプリント路線の重賞はあらかた勝ち尽くした名スプリンター。5歳冬の香港スプリント、6歳春の高松宮記念を連勝した頃がキャリアのピークで、勝ち鞍は1200と1400のみ。祖母のHollywood WildcatはBCディスタフ、ゲイムリーS、ハリウッドオークスの3つのG1を含む重賞5勝、1993年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬。母としてWar Chant(BCマイル)を輩出。

・サンデーサイレンスの血を持たない馬で、汎用性の高さは大きな武器。産駒の血統表で「4」の位置にKingmambo、Storm Cat、Danzig、Kris S.が並び、これらを活かした配合にも妙味がありそう。3歳秋の京阪杯が初重賞勝ちだったが、もみじSを制し、朝日杯FSでも5着になっているように、早い時期からの活躍も期待出来そうで、相応の繁殖を集めそうな印象。

※ダノンスマッシュの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001208468/pedigree/

キセキ

種付料:*80F #120
供用場所:ブリーダーズ・スタリオン・ステーション
血統:父・ルーラーシップ、母・ブリッツフィナーレ、母父・ディープインパクト
戦績;33戦4勝、G1-菊花賞

・重賞勝ちは菊花賞のみだが、G1での2着が4回(ジャパンC、宝塚記念2回、大阪杯)。3着が1回(天皇賞・秋)と長きに渡りG1戦線で稼働。祖母のロンドンブリッジはG3-ファンタジーSの勝ち馬で、桜花賞2着。母としてダイワエルシエーロ(オークス、クイーンC、京阪杯、マーメイドS)、ビッグプラネット(アーリントンC、京都金杯)、グレーターロンドン(中京記念)の3頭の重賞勝ち馬を輩出。

・血統表内にはサンデーサイレンス、ディープインパクト、キングカメハメハ、トニービン、ノーザンテーストと日本のチャンピオンサイアーの名前がずらりと並ぶ。産駒の血統表で「4」の位置に来るKingmambo、トニービン、サンデーサイレンスらのクロスに活路を見出して父同様の個性派ホースを送り出せるか。

※キセキの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001190850/pedigree/

リオンリオン

種付料:*30F
供用場所:優駿スタリオンステーション
血統:父・ルーラーシップ、母・アゲヒバリ、母父・クロフネ
戦績:10戦4勝、G2-青葉賞、G2-セントライト記念

・3歳3月の大寒桜賞(中京芝2200)で2勝目をあげ、次走のG2-青葉賞(東京芝2400)を制しダービーの出走権獲得。ダービーでは6番人気となり、鞍上の横山武史が大寒桜賞、青葉賞同様逃げの手に出るも15着。秋のセントライト記念を1番人気で好位から抜け出して制するも、これが最後のレースとなり引退。祖母がトゥザヴィクトリーという良血馬で、叔父にトゥザグローリー、トゥザワールド、叔母にトーセンビクトリーとお馴染みの重賞勝ち馬が名を連ねる。半兄のメドウクラークは七夕賞、阪神ジャンプSの勝ち馬。

・血統構成はキセキと似ており、産駒の血統表でサンデーサイレンスが「4」の位置に来るのも同じ。

※リオンリオンの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001216661/pedigree/

4・キングカメハメハ系以外のMr. Prospector系

ベンバトル

種付料:*250F
供用場所:(有)ビッグレッドファーム
血統:父・Dubawi、母・Nahrain、母父・Selkirk
戦績:25戦11勝、G1-ドバイターフ(t1800m)、G1-ダルマイヤー大賞(t2000m)、G1-コーフィールドS(t2000m)、G2-ジョエルS2勝(t8f)、G2-マクトゥームチャレンジラウンド2(d1900m)、G2-シングスピールS2勝(t1800m)、G2-アルラシディーヤ(t1800m)、G3-ハンプトンコートS(t1m1f212yds)

・3歳から7歳まで世界を股にかけて活躍し、UAE、ドイツ、豪州でG1勝ち。メイダンではダートのG2も勝っており、第1回サウジカップ(d1800m)ではMaximum Security、Midnight Bisouに続く3着。母のNahrainは米G1-フラワーボウル招待S、仏G1-オペラ賞の勝ち馬。祖母のBahrは英G2-リブルスデイルS、英G3-ムシドラSの勝ち馬。

・オールラウンドな高い能力を持っていたことは疑いが無く、芝・ダート兼用での活躍馬輩出が期待される存在。日本で多い血があまり入っていないアウトブリード向きの血統構成で、モンテロッソ、マクフィら日本ではまだ活躍馬が出ていないDubawi直系から遂に大物出現なるか、期待される。

※ベンバトルの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001293778/pedigree/

ヴァンゴッホ

種付料:*200F
供用場所:イーストスタッド
血統:父・American Pharoah、母・Imagine、母父・Sadler’s Wells
戦績:11戦2勝、2歳G1-クリテリウムアンテルナシオナル(t1600m)

・デビュー5戦目に勝ち上がり、次走G3-オータムS(t8f)で2着→G1-クリテリウムアンテルナシオナル(t1600m)では2着に4馬身差をつけて勝利。この勝利により2020年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬に選出されるが、3歳時は8着(英2000ギニー)→3着(愛2000ギニー)→10着(仏ダービー)→8着(愛ダービー)。母のImagineは英オークス、愛1000ギニーの勝ち馬で、本馬の他にHoratio Nelson(ジャンリュックラガルデール賞)など4頭の重賞勝ち馬を輩出。祖母がDoff the Derbyで、ジェネラス(キングジョージ、英・愛ダービー等)、Moonlight Cloud(G1・6勝)、ディーマジェスティ(皐月賞)、タワーオブロンドン(スプリンターズS)の牝祖は全てDoff the Derbyになる。

・父のAmerican Pharoahは事前の大きな期待に見合う産駒を欧米ではまだ出せていないが、日本ではカフェファラオ、ダノンファラオが出ており、牝系の良さからも一定の期待は持てそうな印象。既にスタッドインしている同じAmerican Pharoah産駒のフォーウィールドライブ(BCジュヴェナイルターフスプリントの勝ち馬)は昨年139頭に種付けする人気を集めており、本馬も多くの肌を集められるか。

※ヴァンゴッホの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001346357/pedigree/

フィレンツェファイア

種付料:*150F
供用場所:アロースタッド
血統:父・Poseidon’s Warrior、母・My Every Wish、母父・Langfuhr
戦績:38戦14勝、2歳G1-シャンペンS(d8f)、G2-トゥルーノースS2勝(d6.5f)、G2-ヴォスバーグS(d6f)、G3-ランハッピーS2勝(d6f)、G3-ジェネラルジョージS(d7f)、G3-ギャラントボブS(d6f)、G3-ドワイヤーS(d8f)、2歳G3-サンフォードS(d6f)

・上記の戦績の通り、6fから8fにかけての米ダート重賞を勝ちまくり、米ダート短距離路線で息の長い活躍を続けた馬。G1勝ちは2歳時の1勝のみだが、BCスプリント3着、フォアゴーS2着2回などスプリントG1の常連として名を馳せた存在。近親にShackleford(プリークネスS、クラークH、メトロポリタンH)。

・父のPoseidon’s Warriorは2008年米国産のSpeightstown産駒。G1-アルフレッドG.ヴァンダービルトHの勝ち馬で、フィレンツェファイアが代表産駒になる。母父のLangfuhrは1992年カナダ産のDanzig産駒。Nearcticの3×3のクロスを持つ馬で、現役時はメトロポリタンH、カーターH、ヴォスバーグSの3つのG1を含む重賞4勝。

※フィレンツェファイアの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001252338/pedigree/

マテラスカイ

種付料:*100F #150
供用場所:ブリーダーズ・スタリオン・ステーション
血統:父・Speightstown、母・Mostaqeleh、母父・Rahy
戦績:36戦7勝、G3-プロキオンS、Jpn3-クラスターC

・重賞勝ちは2つだが、快速馬揃いのBCスプリントでもハナを取り切った程のテンの速さを活かし、ハナを奪い最後まで粘り込むレーススタイルで、ドバイゴールデンシャヒーン2着、リヤドダートスプリント2着、サウジアカップ2着と海外遠征で好内容、好成績を残した。他にJBCスプリント2着2回、北海道スプリントC2着。牝系は欧州系でフレッドダーリンS、グリーナムS、レパーズタウン1000ギニートライアルといった英愛クラシックの前哨戦を勝った馬が従兄や従姉、伯母にいる。

・父のSpeightstownはサイアーラインを広げつつあり、昨年の北米サイアーランキングでは自身が5位、直仔のMunningsが7位、Speightsterが64位、Central Bankerが66位と「Speightstown系」が4頭、上位100位以内にランクインしている。SpeightstownはSecretariatの3×4のクロスを持つ馬で、Secretariatを経由しないBold Rulerが祖母の祖父にも配置され、Bold Rulerの4×4×5の強めのインブリードを持つ。「Speightstown系」の勢いに乗じて、Bold Rulerの力も借りて自身のように世界に通じるダートのスプリンターを輩出出来るか。

※マテラスカイの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001222285/pedigree/

セイウンコウセイ

種付料:*50F
供用場所:アロースタッド
血統:父・アドマイヤムーン、母・オブザーヴァント、母父・Capote
戦績:42戦7勝、G1-高松宮記念、G3-函館スプリントS、L-淀短距離S

・4歳時に高松宮記念、5歳時に函館スプリントSに勝利。以後、昨年12月の阪神C(6着)まで息の長い現役生活を送り、いぶし銀的な存在感を維持した馬。伯父にタイキフォーチュン(NHKマイルC、毎日杯)、伯母にタイキダイヤ(クリスタルC)。タイキダイヤの孫にNHKマイルCを勝ったクラリティスカイ。甥のモジアナフレイバーは南関東重賞4勝、東京大賞典3着、南部杯3着などの現役馬。産駒の血統表の「4」の位置にサンデーサイレンスがくる妙味があり、父同様のしぶといスプリンターを輩出する可能性も。

※セイウンコウセイの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001171762/pedigree/

サブノジュニア

種付料:*30F #50
供用場所:イーストスタッド
血統:父・サウスヴィグラス、母・サブノイナズマ、母父・カコイーシーズ
戦績:44戦12勝、Jpn1-JBCスプリント

・2020年のJBCスプリントを勝ち、同年のNAR年度代表馬、4歳以上最優秀牡馬、最優秀短距離馬に選出された馬。半兄のサブノクロヒョウは南関東の重賞・東京記念の勝ち馬。アーモンドアイなど多くの活躍馬の牝祖となったSex Appealが5代母。サウスヴィグラスの後継種牡馬となるが、質量ともに限定的なものになるであろう産駒から地方重賞を賑わせるような馬が出るかどうか。

※サブノジュニアの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001188664/pedigree/

5・Northern Dancer系

ポエティックフレア

種付料:*600F
供用場所:社台スタリオンステーション
血統:父・Dawn Approach、母・Maria Lee、母父・ロックオブジブラルタル
戦績:11戦5勝、G1-英2000ギニー(t8f)、G1-セントジェームズパレスS(t7f213yds)、G3-キラヴーランS(t7f)、L-愛2000ギニートライアルS(t7f)

・昨年の英2000ギニー馬。英2000ギニー後は中1週で臨んだ次走の仏ダービーは6着と敗れるも、その後、愛2000ギニー2着→セントジェームズパレスS1着→サセックスS2着→ジャックルマロワ賞2着→愛チャンピオンS3着。ジャックルマロワ賞では勝ったPalace Pierとはクビ差2着、愛チャンピオンSでは勝ったSt Mark’s Basilicaからは3/4身差の3着と、マイルから10fにかけて一流馬と差の無い競馬を続けてきた力量は確かなもの。近親にTeofilo(デューハーストS、ナショナルS)、テオレーマ(JBCレディスクラシック等)がいる牝系の出身。

・曾祖父のGalileo、4代父のSadler’s Wellsの直仔は日本では活躍馬を出せていないが、祖父のNew Approachは共同通信杯を勝ったダーリントンホールを出し、本馬と同じく英2000ギニー、セントジェームズパレスSを制した父のDawn Approachは札幌2歳S2着のファストアプローチを出すなど、代を経てこの父系の重さが十分ではないがまずまず解消されてきている印象。

・Northern Dancerの5×5×5×5のクロスを持つ馬で、Haloの血は全く入っておらず、Mr. Prospectorは6代目に初めて出てくるため、サンデーサイレンス系の肌やキングカメハメハの肌とは非常につけやすい血統構成。これが導入の主要因と思われるが、配合相手から軽さを補給されて、どんな産駒を生み出せるか。タイトルだけを見るとマイラー志向に見えるが、好内容だった愛チャンピオンSを踏まえると2000mまでは十分守備範囲だろう。

※ポエティックフレアの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001346307/pedigree/

ミスチヴィアスアレックス

種付料:*120
供用場所:(公社)日本軽種馬協会静内種馬場
血統:父・Into Mischief、母・White Pants Night、母父・Speightstown
戦績:15戦7勝、G1-カーターH(d7f)、G3-ガルフストリームパークスプリントS(d6f)、G3-ゴーサムS(d8f)、G3-スウェイルS(d7f)

・3歳8月まではMaximum Securityで有名なJohn C Servis師の管理馬だったが、師が組織的ドーピングに関与した疑い(競走能力向上薬を管理馬に投与した疑い)で起訴されたこともあり転厩。転厩後の昨年4月のカーターHでG1初制覇。以後、G1-メトロポリタンHで3着→G1-アルフレッドG.ヴァンダービルトHで8着→G1-フォアゴーSで6着。

・北米チャンピオンサイアーの父・Into Mischiefの産駒はこれまでにJRAで194戦28勝、2着21回、3着17回。18頭が出走し15頭が勝利(83.3%)。大物はまだ出ていないが8割以上の馬が勝ち上がるという貫禄の数字を残しており、本馬を通じてInto Mischiefの血を求める向きは少なくなさそう。Storm Catの4×4のクロスを持っているのも面白い材料。

※ミスチヴィアスアレックスの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001350527/pedigree/

アスクピーターパン

種付料:*30F #50
供用場所:アロースタッド
血統:父・Frankel、母・ストレイトガール、母父・フジキセキ
戦績:未出走

・ヴィクトリアマイル2勝、スプリンターズSの3つのG1を含む重賞4勝をあげたストレイトガールの初仔。デインヒルの3×4のクロスを持つ馬で、産駒の血統表の「4」の位置にサンデーサイレンスがくる点と父・Frankelは大変興味深いが、どこまで繁殖が集まるか。

※アスクピーターパンの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001317534/pedigree/

6・Roberto系

サンライズソア

種付料:*30F #50
供用場所:イーストスタッド
血統:父・シンボリクリスエス、母・アメーリア、母父・スペシャルウィーク
戦績:24戦5勝、G3-平安S、Jpn3-名古屋大賞典

・重賞2勝の他にジャパンダートダービー2着、チャンピオンズC3着、JBCクラシック3着とダート路線で活躍。

・祖母が重賞3勝のビハインドザマスク。近親にコイウタ(ヴィクトリアマイル)。産駒の血統表の「4」の位置にサンデーサイレンスがくるため、サンデー直仔を父に持つ肌との配合でサンデー4×3のクロスが作れるのがウリ。父・シンボリクリスエス、母父・スペシャルウィークはエピファネイアと同じで、エピファネイア同様、サンデー4×3のクロスを狙って配合された産駒から意外な活躍馬を出せるか。

※サンライズソアの5代血統表

https://www.jbis.or.jp/horse/0001187218/pedigree/

※過去記事