2022 チェルトナムフェスティバル特集【1】初日、2日目ダイジェスト

現地時間3/15~3/18に渡り、英チェルトナム競馬場にて開催中の障害競走の祭典・チェルトナムフェスティバル。本稿では初日、2日目に行われた主なレースについて結果と動画をお届けする。

2日目(3/16)

Betway Queen Mother Champion Chase(G1・1m7f199yds・5歳以上)

・クイーンマザーチャンピオンチェイスは、圧倒的な1番人気に推された10連勝中のShishkinが終始行きっぷりが悪く、道中で競走中止となる波乱。勝ったのは青の勝負服、Denham Red産駒・Energumene(せん8)。今回の勝利で通算11戦9勝、G1・3勝目、重賞4勝目。チェルトナムフェスティバルでの出走は今回が初で、前走1/22にアスコットで行われたG1-SBK Clarence House Chaseでは勝ったShishkinから1馬身差の2着だった馬。

・勝ち馬の父・Denham Redの父系はNasrullah→Red God→イエローゴッド→Pampapaul→Pampabird→Denham Red。祖父のPampabirdは仏重賞3勝、曾祖父のPampapaulはアイリッシュ2000ギニー馬。

Glenfarclas Chase (A Cross Country Chase・3m6f37yds・5歳以上)

・グランドナショナル2勝(2018,2019年)のTiger Roll(せん12)がこのレース4勝目および昨年に続く連覇、さらにチェルトナムフェスティバルでの6勝目を狙って出走するも2着。既に斤量を理由に今年のグランドナショナルには出走せず、このレースを引退レースとする旨発表があったが、これまでに143万7256ポンド(現在のレートで約2億2432万円)の賞金を獲得してきた名馬が、近況不振も十二分に貫禄を示し観衆を沸かせている。レース自体も非常に見応えのあるものとなり、Tiger Roll復活か?となった際の歓声や直線でのDelta Work(せん9)との壮絶な一騎打ちは大舞台に相応しいもの。

初日(3/15)

Unibet Champion Hurdle Challenge Trophy(G1・2m87yds・4歳以上)

・チャンピオンハードルは、Sulamani産駒・Honeysuckle(牝8)がこのレース連覇達成。今回の勝利で通算15戦15勝、G1・11勝目、重賞12勝目。チェルトナムフェスティバルでは一昨年はBenie Des Dieuxが1番人気となったG1-メアズハードルでBenie Des Dieuxとの一騎打ちに勝利し、昨年は2着に6馬身半差をつけてG1-チャンピオンハードルに勝利。短距離ハードル界では無双状態となっており、今後は過去にエイダン・オブライエン師が管理したIstabraqなど5頭が達成しているチャンピオンハードル3連覇の偉業達成が目標となろうが、強力なライバル候補が本日出現しており、これについては後程触れる。

・勝ち馬の父・Sulamaniはジョッケクルブ賞、ドバイシーマクラシック、インターナショナルSなどG1を6勝。父系はNijinsky II→Niniski→エルナンド→Sulamani。Honeysuckle以外の代表産駒に2016年のグランドナショナルを制したRule The Worldがいる。

Sky Bet Supreme Novices’ Hurdle(G1・2m87yds・4歳以上)

・ノービス(シーズン前に勝利経験のない馬)のG1、スカイベッドシュプリームノービシスハードルで、注目馬が勝ち上がっている。Blue Bresil産駒・Constitution Hill(せん5)が2着に22馬身差をつけて圧勝。今回の勝利で通算4戦3勝、ハードルでは3戦3勝。RPR(レーシングポストレーティング)は169というノービスのレースでは異例の高さ。タイムフォームではノービスのハードラーとしては歴史上最高のパフォーマンスだったのではと言及されており、ウィリアムヒルでは来年のチャンピオンハードルのアンティポストでこの馬を3倍、Honeysuckleを4倍としている。

・今年のチェルトナムフェスティバルのオープニングレースがこのレース。発走前の伝統的なチェルトナムロアー(Cheltenham Roar:レースのスタート時に起こる大歓声)にも注目しながらご視聴頂きたい。