現地時間4/24(日)に香港シャティン競馬場にて行われた、G1-クイーンエリザベス2世C(芝2000)、G1-チャンピオンズマイル(芝1600m)、G1-チェアマンズスプリントプライズ(芝1200m)の結果と動画をまとめてお届けする。今年は香港調教馬のみでの開催となっているが、Golden Sixtyを筆頭に香港のスターホースが揃って出走している。
FWD QEII Cup(G1・芝2000m・3歳以上)
・道中5番手の好位を進んでいた1番人気、今年の香港ダービー馬・Romantic Warriorが直線で馬場の真ん中から堂々と抜け出し、2着のTourbillon Diamondに2馬身差をつけて快勝。
1着:Romantic Warrior
せん4、父・Acclamation、母・Folk Melody、母父・Street Cry
調教師:C S Shum、騎手:Karis Teetan
・今回の勝利で通算8戦7勝、G1初制覇。今年の香港4歳3冠を1着(香港クラシックマイル・t1600m)→4着(香港クラシックカップ・t1800m)→1着(香港ダービー・t2000m)としていた馬で、香港ダービーからここへ出走していた馬。前々走で4着に敗れたのが唯一の敗戦で、2000m路線に確固たる主軸不在の今の香港の状況を踏まえると、この路線を今後、主軸としてまだ4歳と若い本馬が担っていくこととになりそうである。ただ、このレースに例年通り、日本調教馬が出走していれば普通に勝っていたのでは、と思わせるものがあるのは確かだろうか。
・父のAcclamationは1999年英国産のRoyal Applause産駒。現役時は16戦6勝、G2-キングズスタンドS(t5f)、G2-ダイアデムS(t6f)の勝ち馬。主な産駒にEquiano(キングズスタンドS2勝)、Marsha(アベイドロンシャン賞、ナンソープS)、Expert Eye(BCマイル)。Try My Best系の隆盛に貢献してきた種牡馬で、産駒のDark Angel、Harbour Watch、Mehmasが父としてG1馬を輩出中。
・母のFolk Melodyはゴドルフィンの自家生産馬で2011年愛国産、5戦1勝。祖母のFolk OperaはカナダG1-E.P.テイラーS、仏G2-ジャンロマネ賞の勝ち馬。本馬の従兄・Mr BailettiはペルーのG1馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/416/sha-tin/2022-04-24/810711
FWD Champions Mile(G1・芝1600m・3歳以上)
・内の4,5番手を進んだ注目のGolden Sixtyが3角過ぎには3番手に上昇。直線を2番手で向かえると、逃げていた今年の香港ダービー2着馬・California Spangleをあっさり交わし、これに2馬身差をつけて快勝。3着は単勝41倍のExcellent Proposal(鞍上・Joao Moreira)。
1着:Golden Sixty
せん6、父・Medaglia d’Oro、母・Gaudeamus、母父・Distorted Humor
調教師:K W Lui、騎手:C Y Ho
・今回の勝利で通算24戦21勝、G1・6勝目、重賞12勝目。このレース連覇達成。今年1/23のG1-香港スチュワーズカップ(t1600m)で2着に敗れ、連勝が16でストップ。次走2/20のG1-香港ゴールドカップ(t2000m)も3着と敗れ、ピークを過ぎた懸念を持たれかけていたが、前走4/3のG2-チェアマンズトロフィー(t1600m)ではこれまでとは異なる好位につける競馬を披露し、直線危なげなく抜け出し勝利。今回も盤石の運びで勝利し、後方一気、大外一気で勝ち星を積み重ねてきたこれまでとは異なるスタイルが定着。まだまだこの馬の天下は続いていきそうだが、注目は噂される日本遠征について。安田記念にこの馬が遠征してきた場合、大変注目を集めることになるがどうなるか。
※原稿アップ後に補筆:以下リンク先の現地メディアによると安田記念への参戦について、「(コロナの)流行状況が安定していれば日本へ行きます。私も日本に飛んで応援します。」とのオーナーのコメントが出ており、コロナ次第ではあるが安田記念参戦が決まった模様である。香港のスーパースターが参戦、となれば今年の安田記念は例年以上に盛り上がることとなりそうである。
・父のMedaglia d’Oroは1999年米国産のEl Prado産駒。現役時は17戦8勝、ドンH(d9f)、ホイットニーH(d9f)、トラヴァーズS(d10f)の3つのG1を含む重賞7勝。主な産駒にRachel Alexandra(プリークネスSなどG1・5勝)、Songbird(BCジュヴェナイルフィリーズなどG1・9勝)、タリスマニック(BCターフ)など。シャトル種牡馬として豪州でも供用されており、本馬の他にVancouver(ゴールデンスリッパー)、Crown Prosecutor(NZダービー)などのG1馬を輩出している。
・母のGaudeamusは2004年米国産、現役時は11戦3勝、愛2歳G2-デビュータントS(t7f)の勝ち馬。曽祖母のKonafaを牝祖とする主な活躍馬にヘクタープロテクター(ジャックルマロワ賞、プールデッセデプーランなど)、シャンハイ(プールデッセデプーラン)、Bosra Sham(英チャンピオンS、英1000ギニーなど)、California Memory(香港カップ2勝、香港ゴールドC、香港チャンピオンズ&チャターC)などがいる牝系の出身。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/416/sha-tin/2022-04-24/810710
Chairman’s Sprint Prize(G1・芝1200m・3歳以上)
・道中4,5番手に控えていたWellingtonが直線鋭く伸びて差し切り勝ち。2着は番手追走から先に抜け出していたComputer Patch。3着のSky Fieldと合わせて昨年の1~3着馬が着順通りに今年も入線。
1着:Wellington
せん5、父・All Too Hard、母・Mihiri、母父・More Than Ready
調教師:Richard Gibson、騎手:Alexis Badel
・今回の勝利で通算16戦10勝、G1・3勝目、重賞4勝目。昨年のこのレースの勝ち馬で連覇達成。昨年12月のG1-香港スプリントは7着に敗れるも、今年2/20のG1-クイーンズシルバージュビリーC(t1400m)1着→4/3のG2-スプリントC(t1200m)を連勝し、ここへ出走していた馬。デインヒルの4×3のインブリードを持つ血統構成の馬。
・父のAll Too Hardは2009年豪州産のCasino Prince(デインヒル系)産駒。現役時は12戦7勝、コーフィールドギニー、C.F.オーアS、フューチュリティS、AJCオールエイジドSの4つのG1を含む重賞6勝。名牝・Black Caviar(25戦25勝)の半弟にあたる良血馬。これまでに本馬を含む5頭のG1馬を輩出しており、昨季(2020-21)の豪リーディング10位、今季(2021-22)は現在11位。今年はForbidden LoveがカンタベリーS、ジョージライダーSの2つのG1を制しており、本馬の2勝と含めて産駒が4つのG1を勝利中。
・母のMihiriは2010年豪州産、16戦4勝。牝系は5代母・Arctique Royale(アイリッシュ1000ギニー、モイグレアスタッドS)、4代母・Truly Special(ロワイヨモン賞)、曽祖母・Solo de Luneから連なるもので、2008年のアイリッシュオークス馬・Moonstoneが同牝系から出ている。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/416/sha-tin/2022-04-24/810708