現地時間5/7(土)に米チャーチルダウンズ競馬場にて行われる、G1-ケンタッキーダービー(d10f)のミニ展望をお届けする。

 ※併記した単勝オッズは現時点のウィリアムヒルのもの。
 ※当日のレースの模様はグリーンチャンネルにて5/8(日)朝7:00~8:30に衛星生中継される。
 ※併記したBest BeyerはDaily Racing Formに記載されている各馬のベイヤースピード指数の自己ベストの数値。ちなみに昨年の1着入線馬(後に失格)・Medina Spiritがレース前に持っていたBest Beyerは99。

※レーシングポストの出馬表

https://www.racingpost.com/racecards/308/churchill-downs/2022-05-07/811848/

3・Epicenter:5.5倍

牡3、父・Not This Time、母・Silent Candy、母父・Candy Ride
調教師:Steven Asmussen、騎手:Joel Rosario

・Best Beyer:102(※3/26・G2-ルイジアナダービー1着)

・6戦4勝、G2-ルイジアナダービー、G2-リズンスターSの勝ち馬。前走ルイジアナダービーは逃げ切った前々走とは打って変わって、道中3番手追走からの抜け出し勝ち。好内容での勝利でBeyerスピード指数も高く、中身の濃い勝利。好枠を引いたのもプラスで着実に上位争いに絡んできそうな一頭。

※Epicenter(黄色のゼッケン)の調教動画

10・Zandon:5.5倍

牡3、父・Upstart、母・Memories Prevail、母父・Creative Cause
調教師:Chad C Brown、騎手:Flavien Prat

・Best Beyer:98(※4/9・G1-ブルーグラスS1着)

・4戦2勝、G1-ブルーグラスSの勝ち馬。ブルーグラスSは3角過ぎで最後方にいたが、馬群の中を通って進出し、差し切り勝ち。多頭数が揃う本番で同様の競馬は難しそうだがどうか。Upstart産駒は前日のケンタッキーオークスで有力馬となっているKathleen O.(4戦4勝)も控えており、2ndクロップの活躍が目立つ種牡馬。

12・Taiba:8倍

牡3、父・Gun Runner、母・Needmore Flattery、母父・Flatter
調教師:Tim Yakteen、騎手:Mike E. Smith

・Best Beyer:103(※4/9・G1-サンタアニタダービー1着)

2戦2勝、G1-サンタアニタダービーの勝ち馬。キャリア3戦目でのケンタッキーダービー制覇となれば1883年以来の快挙となるが、前走サンタアニタダービーでのBeyerスピード指数103はメンバートップタイ。快進撃が続いている父・Gun Runnerは前日のケンタッキーオークスにも昨年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬・Echo Zulu(5戦5勝)が出走しており、オークス・ダービー連勝も十分有り得る状況。

15・White Abarrio:10倍

牡3、父・Race Day、母・Catching Diamonds、母父・Into Mischief
調教師:Saffie A Joseph Jr、騎手:Tyler Gaffalione

・Best Beyer:97(※2/5・G3-ホーリーブルS1着)

・5戦4勝、G1-フロリダダービー、G3-ホーリーブルSの勝ち馬。唯一の敗戦は2歳時のチャーチルダウンズでのG2-ケンタッキージョッキークラブS(d8.5f)で3着に敗れたもの。フロリダダービーでのBeyerスピード指数は96で、あまり高いものではない点がどうか。父のRace DayはTapitの2ndクロップで現在は韓国にて供用中。

6・Messier:11倍

牡3、父・エンパイアメーカー、母・Checkered Past、母父・Smart Strike
調教師:Tim Yakteen、騎手:John R. Velazquez

・Best Beyer:103(※2/6・G3-ロバートB.ルイスS1着)

・6戦3勝、G3-ロバートB.ルイスSの勝ち馬で、G1-サンタアニタダービー2着馬。前走サンタアニタダービーではTaibaの2着と敗れたが、前々走ロバートB.ルイスSで2着に15馬身差をつけて圧勝した際に記録したBeyerスピード指数103はメンバートップタイ。番手からの競馬で良さが出なかった前走を踏まえると、今回は逃げの手に出そうだが、自分の競馬が出来れば非常に怖い一頭で、好枠を引いたのは大きなプラス材料。

1・Mo Donegal:13倍

牡3、父・Uncle Mo、母・Callingmissbrown、母父・Pulpit
調教師:Todd Pletcher、騎手:Irad Ortiz, Jr

・Best Beyer:96(※4/9・G2-ウッドメモリアルS1着)

・5戦3勝、G2-ウッドメモリアルSの勝ち馬。ウッドメモリアルSは後方追走から直線は内から伸びてくる競馬で差し切り勝ち。今回も後ろからの競馬になった場合、内枠発走で馬群をどう捌いていくのかがカギとなる一頭。父のUncle Moは2016年のケンタッキーダービー馬・Nyquistを輩出。2頭目のケンタッキーダービー馬輩出を狙う。

8・Charge It:15倍

牡3、父・Tapit、母・I’ll Take Charge、母父・Indian Charlie
調教師:Todd Pletcher、騎手:Luis Saez

・Best Beyer:93(※4/2・G1-フロリダダービー2着、2/12・Maiden Special Weight1着)

・3戦1勝、2着2回。G1-フロリダダービーの2着馬。指数的には足りない馬だが、今回が4戦目になるキャリアの浅い馬。近親にTake Charge Lady、Take Charge Brandi、Omaha Beach、Take Charge Indy、Will Take Chargeら多くのG1馬がずらりと並ぶ良血馬で、大一番でパフォーマンスをあげてくる可能性には要警戒といったところだろうか。

5・Smile Happy:15倍

牡3、父・Runhappy、母・Pleasant Smile、母父・Pleasant Tap
調教師:Kenneth McPeek、騎手:Corey J. Lanerie

・Best Beyer:94(※4/9・G1-ブルーグラスS2着、2/19・G2-リズンスターS2着)

・4戦2勝、2着2回。G2-ケンタッキージョッキークラブSの勝ち馬で、G1-ブルーグラスS2着、G2-リズンスターS2着。同じファミリーに2003年にケンタッキーダービー、プリークネスSの2冠を達成したFunny Cideがいる。

13・Simplification:17倍

牡3、父・Not This Time、母・Simply Confection、母父・Candy Ride
調教師:Antonio Sano、騎手:Jose L. Ortiz

・Best Beyer:96(※3/5・G2-ファウンテンオブユースS1着)

・7戦3勝、G2-ファウンテンオブユースSの勝ち馬で、G3-ホーリーブルS2着、G1-フロリダダービー3着。父のNot This TimeはGiant’s Causeway産駒。過去にNorthern Dancer(1964年のケンタッキーダービー馬)直系の子孫は7頭がケンタッキーダービー馬になっており、近2年は一昨年のAuthentic、昨年のMandalounと2年連続でNorthern Dancer直系の馬が勝利中。さらにいえば昨年の1着入線馬で今年に入り失格となったMedina SpiritもNorthern Dancer直系の馬。

16・Cyberknife:21倍

牡3、父・Gun Runner、母・Awesome Flower、母父・Flower Alley
調教師:Brad H Cox、騎手:Florent Geroux

・Best Beyer:92(※4/2・G1-アーカンソーダービー1着)

・6戦3勝、G1-アーカンソーダービーの勝ち馬。今年のアーカンソーダービーのBeyerスピード指数は92止まりで指数的には低評価となっており、外枠を引いたのはマイナス材料になるが、勢いに乗る新種牡馬の父・Gun Runnerの名前がとにかく不気味。Gun Runnerはラニが出走した2016年のケンタッキーダービーで、リズンスターS→ルイジアナダービーを連勝して出走し、Nyquistの3着。

9・Tiz The Bomb:26倍

牡3、父・Hit It A Bomb、母・Tiz The Key、母父・Tiznow
調教師:Kenneth McPeek、騎手:Brian Joseph Hernandez, Jr.

・Best Beyer:94(※4/2・G3-ジェフルビーS1着)

・8戦5勝、G3-ジェフルビーS、G2-バーボンSの勝ち馬で、G1-BCジュヴェナイルターフ2着。2/5のG3-ホーリーブルS(d8.5f)で勝ち馬から20馬身半差の7着と大敗しており、ダートへの適性に疑問符がついていたが、その後、AWのレースを連勝。前走のジェフルビーSは完勝だったが陣営のジャッジはあくまでもダートよりは芝が向いているというもので、ここで大勢逆転が有り得ると思うのは少数派だろうか。

7・クラウンプライド:26倍

牡3、父・リーチザクラウン、母・エミーズプライド、母父・キングカメハメハ
調教師:新谷功一、騎手:クリストフ・ルメール

・Best Beyer:-

・4戦3勝、G2-UAEダービーの勝ち馬。UAEダービーで貴重な100ポイントを獲得し、出走権を獲得。レース後、主催者よりドバイからチャーチルダウンズへの輸送費用+厩舎関係者の渡航費・滞在費用+レース後のアメリカから日本への輸送費用を負担するオファーがあった模様で、迅速にドバイから直接現地入り。

・チャーチルダウンズ競馬場は「国際的な参加を促進するために」検疫施設を以前より建設しており、クラウンプライドはこの施設を長期的に利用する初めての馬とのこと。目的を持ってこのような施設を作っているということは、UAEダービーを勝ったり、「Japan Road to the Derby」で出走に足るポイントを獲得した場合、今回のような遠征費用負担の好オファーが主催者から来る可能性があろう。

・現地滞在中の松田調教助手が東京スポーツの連載記事で「この場所に来てからのクラウンプライドの成長は、僕の想像をはるかに超えています」「馬の調教に関して言えば、僕らが彼らに見劣っている部分はないな」と語っており、陣営の手応えは良好な様子。一発の期待を持って日曜朝に衛星生中継を観戦出来る事は確かなようである。

※クラウンプライドの調教動画

※Kellie Reilly氏によるクラウンプライドの国際スカウティングレポート。父・リーチザクラウンのレース動画(ダービー)や、ヒヤシンスSのレース動画まである網羅性の高い読み応えのある記事。善戦する可能性について触れながら、最後は「日本が最初のケンタッキーダービーの勝者を送るときはもう少し輝きのある馬になると思います」と締めている。

https://edge.twinspires.com/racing/kentucky-derby-international-scouting-report-crown-pride/

※出走馬が馬場入りする際に斉唱されるケンタッキーダービー伝統のマイオールドケンタッキーホーム。正式な曲名は「My Old Kentucky Home, Good-Night!」で、ケンタッキー州議会によりケンタッキー州歌とされている。

※2022 ケンタッキーダービー戦線リポートの過去記事