現地時間5/7(土)に米チャーチルダウンズ競馬場にて行われた、G1-ケンタッキーダービー(d10f)の結果と動画をお届けする。
Kentucky Derby presented by Woodford Reserve(G1・ダ10f・3歳)
・クラウンプライドが積極策に出て番手追走、直後にMessier、さらに後ろにTaiba、Epicenterらがつける展開。半マイル45.36秒のハイペースとなる中、向う正面過ぎからMessierがポジションを押し上げに行きさらにペースが速くなり、クラウンプライドにとっては苦しい展開に。
・直線はEpicenter、Zandonが抜け出しを図るも内から道中後方にいたRich Strikeが接近。一気に両馬を抜き去り、Rich Strikeが1着。2着にEpicenter、3着にZandon。クラウンプライドは勝ち馬から18馬身半差の13着。道中早めに動いていたMessierは15着。
・俯瞰でのレース動画。Rich Strikeがいかに上手く馬群を捌いてきたかがよく分かる。
1着:Rich Strike
牡3、父・Keen Ice、母・Gold Strike、母父・Smart Strike
調教師:Eric R Reed、騎手:Sonny Leon
・今回の勝利で通算8戦2勝、重賞初制覇。昨年9/17のチャーチルダウンズでのデビュー2戦目(d8f)を2着に17馬身1/4差をつけて勝ったのがこれまでの唯一の勝ち鞍で、以後、3着→5着(勝ったEpicenterから14馬身1/4差)→3着(AW)→4着(AW・ジョンバタグリアメモリアル)→3着(AWのG3-ジェフルビーS)。前々走で1ポイント、前走で20ポイントを獲得するも1ポイント足りず補欠1位に甘んじていたが、Ethereal Roadの回避で繰り上がりで出走権獲得し、大外枠で出走していた。
・現地での単勝オッズ80-1(81倍)での勝利は1913年の勝ち馬・Donerail(91-1=92倍)に次ぐ、史上2番目の高額配当。
・Smart Strikeの2×3の極端なインブリードを持つ馬で、後述するが母のGold Strikeも2×3の全姉弟クロスがある特殊な血統構成を持っている馬。Sadler’s Wells2×3のクロスを持つEnableが3歳で凱旋門賞、キングジョージなどを制したのが2017年。Rich Strikeは2018年に種付けされ、2019年に産まれた馬なのでタイミング的にはEnableの成功に触発された配合だったのではと推察される。
・父のKeen Iceは2012年米国産のCurlin産駒。現役時は24戦3勝、G1-トラヴァーズS(d10f・同年の3冠馬・American Pharoahを降しての勝利)、G2-サバーバンH(d10f)の勝ち馬。他にG1での2着が3回。現3歳が1stクロップでRich Strikeは初の産駒重賞勝ち馬。他にブラックタイプ勝ち馬が1頭、ブラックタイプ入着馬が4頭いる。
・母のGold Strikeは2002年カナダ産、カナダG3-シリーンS(t8.5f)の勝ち馬。Raise a NativeとGold Diggerの3×4のクロスを持つ馬で、Mr. ProspectorとSearch for Goldの全姉弟クロス2×3を持つ馬。2015年のキーンランド11月ブリーディングストックセールにて、23万米ドルでカルメットファームが購買した馬だが、Rich Strikeを産んだ年の11月に1700米ドルで売却されている。半姉のLlanarmonはカナダG2-ナタルマSの勝ち馬。
・母父のSmart Strikeは1992年カナダ産のMr. Prospector産駒。現役時は8戦6勝、G1-フィリップH.アイズリンH、G3-サルヴェイターマイルHの勝ち馬。父としてCurlin(BCクラシック等)、English Channel(BCターフ等)、Lookin At Lucky(プリークネスS等)らを輩出。母父としてMine That Bird(ケンタッキーダービー)、ストロングリターン(安田記念)、スターズオンアース(桜花賞)らを輩出。
2着:Epicenter
牡3、父・Not This Time、母・Silent Candy、母父・Candy Ride
調教師:Steven Asmussen、騎手:Joel Rosario
・好位追走からバテることなく踏ん張り切り2着。アメリカ競馬殿堂入りのSteven Asmussen師は2007年のCurlin(3着)、2016年のGun Runner(3着)など、惜しくもケンタッキーダービーを制することが出来ていないが、今年も2着。
3着:Zandon
牡3、父・Upstart、母・Memories Prevail、母父・Creative Cause
調教師:Chad C Brown、騎手:Flavien Prat
・道中はEpicenterの後ろの内につけ、直線も良く伸びてきたが3着まで。
※NBCスポーツの公式Youtubeチャンネルにレース前にアップされたクラウンプライドの動画。サンデーサイレンスのケンタッキーダービー、BCクラシックなどでの雄姿や吉田照哉氏のインタビューも出てくる好動画。積極的なレース運びで十分見せ場を作ったクラウンプライドだが、2冠目のプリークネスS(5/21)、3冠目のベルモントS(6/11)への転戦はあるのか、一報を待ちたいところ。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/308/churchill-downs/2022-05-07/811848