2022 英オークス、コロネーションC・レース結果

現地時間6/3(金)に英エプソム競馬場にて行われた、G1-英オークス(t1m4f6y)、G1-コロネーションC(t1m4f6y)の結果と動画をお届けする。英オークスは上位人気馬同士の決着となった非常に見応えのあるレースとなっている。

Cazoo Oaks(G1・芝1m4f6y・3歳牝馬)(British Champions Series)

・1番人気の2番・Emily Upjohnがスタートで遅れる波乱のスタート。道中は後方のインをぴったり回った緑の帽子のNashwa、濃紺の帽子のTuesdayの2,3番人気馬を左斜め前に見ながら後方2頭目を追走する展開。直線は最内から抜け出したTuesdayを目がけて大外からEmily Upjohnが猛追するスリリングなゴール前となるも、Tuesdayが残して1着。2着にEmily Upjohn。3着はNashwa。

1着:Tuesday

牝3、父・Galileo、母・Lillie Langtry、母父・Danehill Dancer
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore

・今回の勝利で通算5戦2勝、重賞初制覇。昨年6/25のデビュー戦(t7f)は後にG1-モイグレアスタッドSを勝ったDiscoveriesと短頭差の2着とし、そこから休養入り。275日ぶりとなる今年3/27の復帰戦(t8f)で勝ち上がり、キャリア2戦で臨んだ5/1のG1-英1000ギニーは勝ったCachetから2馬身差の3着。続く前走5/22のG1-アイリッシュ1000ギニーは勝ったHomeless Songsから5馬身半差の2着。今回が5戦目のレースだった馬。

・A P O’Brien師は英オークス10勝目。尚、歴代最多は1800年代初頭に「調教師の皇帝」と呼ばれ、英ダービー7勝、英2000ギニー6勝、英1000ギニー9勝をあげたRobert Robson師の13勝。この大記録更新も視野に入る今回の10勝目。尚、A P O’Brien師はこれでJohn Scott師の記録を破る英クラシック歴代最多の41勝目。ちなみに愛クラシックは46勝、欧州クラシックは96勝をこれまでにあげている。

 1998年・Shahtoush
 2001年・Imagine
 2006年・Alexandrova
 2012年・Was
 2015年・Qualify
 2016年・Minding
 2018年・Forever Together
 2020年・Love
 2021年・Snowfall
 2022年・Tuesday

・Ryan Moore騎手は英オークス4勝目。英クラシックは14勝目(ダービー2勝、オークス4勝、2000ギニー2勝、1000ギニー4勝、セントレジャー2勝)。

 2010年・Snow Fairy
 2016年・Minding
 2020年・Love
 2022年・Tuesday

・Galileo産駒は英オークス5勝目。現3歳世代では本馬が初のG1馬。産駒のG1勝利はこれで通算94勝目

母のLillie Langtryは2007年愛国産、現役時は11戦5勝、愛メイトロンS、コロネーションSの2つのG1を含む重賞4勝。繁殖牝馬として以下の優秀な成績を残している。産駒は以下にあげた馬以外も全て牝馬で全て父はGalileo。この馬を牝祖とする牝系が今後、大きく発展していきそうな情勢。

初仔:Kissed By Angels(父・Galileo)
G3-デリンズタウンスタッド1000ギニートライアルの勝ち馬。母としてディープインパクトと交配されているが、Star Of Juniperと名付けられた産駒は2戦未勝利。

2番仔:Minding(父・Galileo)
英オークス、英1000ギニー、クイーンエリザベス2世S、ナッソーS、プリティポリーS、フィリーズマイル、モイグレアスタッドSの7つのG1を含む重賞8勝。2016年のカルティエ賞年度代表馬

6番仔:Empress Josephine(父・Galileo)
G1-アイリッシュ1000ギニーの勝ち馬

7番仔:Tuesday(父・Galileo)
全姉のMindingに続き今回、G1-英オークスを制覇

※8番仔はDelightfulと名付けられた現2歳のGalileo牝駒。昨年春にはFrankelと交配されているとのこと。

2着:Emily Upjohn

牝3、父・Sea The Stars、母・Hidden Brief、母父・Barathea
調教師:John & Thady Gosden、騎手:Frankie Dettori

・「ゲートを出て滑った」「その時、レースは終わった」とFrankie Dettoriがコメント。最後は短頭差まで追い上げ、脚色的には完全に優勢だったが非常に惜しい2着。「運が悪かっただけです。3、4番手につける計画でした。ゲートで滑っていなかったら別の結果が得られたかもしれませんが、それが競馬です」とJohn Gosden師がコメント。力は示した一戦でこの馬の評価が下がることは無く、アイリッシュオークス辺りで実現しそうなTuesdayとの再戦は大変興味深いものとなろう。

3着:Nashwa

牝3、父・Frankel、母・Princess Loulou、母父・Pivotal
調教師:John & Thady Gosden、騎手:Hollie Doyle

・同厩のEmily Upjohnに続く2番人気に推されていたが、直線で馬込みを捌いて上昇し勝ち馬から3馬身1/4差の3着。父・Frankel、母父・PivotalはCracksman、Hungry Heart、Veracious、Wild BeautyがG1を勝っている配合。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/17/epsom/2022-06-03/807638

Dahlbury Coronation Cup(G1・芝1m4f6y・4歳以上)(British Champions Series)

・1番人気のPyledriverがハナに立ち、直後にHukumが付ける展開。直線はHukumの独走状態となり、2着のPyledriverに4馬身1/4差をつけて快勝。3着にHigh Definition、4着にドバイでステイフーリッシュと激闘を繰り広げた2番人気のManobo。

1着:Hukum

牡5、父・Sea The Stars、母・Aghareed、母父・Kingmambo
調教師:Owen Burrows、騎手:Jim Crowley

・今回の勝利で通算15戦9勝、G1初制覇、重賞6勝目。3歳時に英セントレジャー5着の実績を残し、翌年は重賞3勝を上げ躍進。今年は3/5のG2-ドバイシティオブゴールドから始動し1着。続く前走3/26のG1-ドバイシーマクラシックは勝ったシャフリヤールから1馬身3/4差の7着とし、ここへ出走していた馬。

・父のSea The Starsは2006年愛国産のCape Cross産駒。現役時は9戦8勝、凱旋門賞、アイリッシュチャンピオンS、インターナショナルS、エクリプスS、英ダービー、英2000ギニーの6つのG1を含む重賞7勝。今年は既にHukumの全弟・BaaeedがロッキンジSを制しており、今後もG1タイトルを量産しそうな状況。

母のAghareedは2009年米国産、5戦2勝、ロンシャンのL-リアンクール賞(芝2000m)の勝ち馬祖母のLahudoodはG1-BCフィリー&メアターフ、G1-フラワーボウル招待Sの勝ち馬で、Aghareedは初仔。全弟のBaaeedは現在、7戦7勝のマイルG1・3勝馬で欧州マイル路線を席捲中

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/17/epsom/2022-06-03/807639