現地時間6/14(火)から6/18(土)にかけて英アスコット競馬場にて開催される、恒例のロイヤルアスコット開催。晴天の下行われた初日はエリザベス女王は不在も、恒例のロイヤルプロセッションではチャールズ皇太子、カミラ夫人が先頭の馬車に乗り来場している。本稿では初日に行われた全7レースの結果についてお届けする。
Queen Anne Stakes(G1・芝8f(Str)・4歳以上)(British Champions Series)
・クイーンアンSは、ゴドルフィンのReal Worldの直後につけた、Baaeedが仕掛けられるとラクに抜け出し、後続には何もさせずに完勝。1馬身3/4差の2着にReal World。3着にOrder Of Australia。
1着:Baaeed
牡4、父・Sea The Stars、母・Aghareed、母父・Kingmambo
調教師:William Haggas、騎手:Jim Crowley
・今回の勝利で通算8戦8勝、G1・4勝目、重賞5勝目。ムーランドロンシャン賞→クイーンエリザベス2世S→ロッキンジSに続きこれでマイルG1を4連勝。少なくとも古馬でこの馬にマイルで勝てる馬がいるとは到底思えず、Frankelを意識させるそのパーフェクトな戦績は稀有なもの(※ロッキンジSに続き本馬の2着となったReal Worldは早速、現地中継でG1で3回、Frankelの2着になったExcelebrationに例えられている)。今後は7/27のサセックスS、8/17のインターナショナルSが目標となる模様で、サセックスSは3歳勢との激突が注目となり、インターナショナルSは初の10fへの挑戦が注目となる。
・父のSea The Starsは2006年愛国産のCape Cross産駒。現役時は9戦8勝、凱旋門賞、アイリッシュチャンピオンS、インターナショナルS、エクリプスS、英ダービー、英2000ギニーの6つのG1を含む重賞7勝。先日、Baaeedの全兄・HukumがG1-コロネーションCを勝ったばかり。
・母のAghareedは2009年米国産、5戦2勝、ロンシャンのL-リアンクール賞(芝2000m)の勝ち馬。祖母のLahudoodはG1-BCフィリー&メアターフ、G1-フラワーボウル招待Sの勝ち馬で、Aghareedは初仔。全兄のHukumはG1-コロネーションCを含む重賞6勝の現役馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-14/808800
Coventry Stakes(G2・芝6f・2歳)
・コヴェントリーSは、画面左の中団を進んだBradsellが早めに抜け出し、後続の追撃を抑え込む競馬で1着。2着にMehmas産駒・Persian Force。1番人気のNo Nay Never産駒・Blackbeardは4着。
1着:Bradsell
牡2、父・Tasleet、母・Russian Punch、母父・Archipenko
調教師:Archie Watson、騎手:Hollie Doyle
・今回の勝利で通算2戦2勝、重賞初制覇。5/21のヨークでのデビュー戦(t6f)を2着に9馬身差をつけて勝利し、ここへ出走していた馬。
・父のTasleetは2013年英国産のShowcasing(その父・Oasis Dream)産駒。現役時は17戦5勝、G2-デュークオブヨークS、G3-グリーナムSの勝ち馬でG1での2着が3回(ダイヤモンドジュビリーS、スプリントC、ブリティッシュチャンピオンズスプリントS)。1歳下のいとこ(せん馬)に5fのG1を4勝した名スプリンター・Battaashがいる良血馬。現2歳が1stクロップで本馬は初の産駒重賞勝ち馬。
・母のRussian Punchは2012年英国産、13戦3勝、L-The Radley Stakes(t7f)の勝ち馬。近親に目立った活躍馬はおらず牝系はいたって地味。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-14/812626
King’s Stand Stakes(G1・芝5f・3歳以上)(British Champions Series)
・キングズスタンドSは、好位を進んだオーストラリア調教馬・Nature Stripが堂々と抜け出し、2着に4馬身半差をつけて完勝。2着にTwilight Son産駒・Twilight Calls、3着に単勝201倍のMehmas産駒・Acklam Express。
1着:Nature Strip
せん7、父・Nicconi、母・Strikeline、母父・Desert Sun
調教師:Chris Waller、騎手:James McDonald
・今回の勝利で通算38戦21勝、G1・9勝目、重賞14勝目。オーストラリア年度代表馬(2019/20)、オーストラリアスプリンターオブザイヤー(2019/20、2020/21)に輝いた近年のオーストラリアを代表するスプリンター。今季は10月に世界最高賞金レースのジ・エベレストを制し620万豪ドルを獲得し、11月のダーレースプリントクラシックを制し、4月のT.J.スミスSで同レース3連覇を達成。満を持しての英国遠征で最高の結果を得ることとなっている。土曜日のプラチナムジュビリーSにも出走予定で、2019年のBlue Point以来のスプリントダブルなるかにも注目が集まる。Danzigの3×4のクロスを持つ馬。
・米豪の対決としてレース前から注目を集めていた1番人気のアメリカ調教馬・Golden Palはスタート直後に「イラッドは彼がほとんど落ちたといった」とWesley Ward師がコメントしたように、出遅れ気味のスタートとなり、先団に取りつくまでに脚を使う競馬。道中は先頭に近い位置を進んでいたが、早々に脚を無くし最下位で入線。
・父のNicconiは2005年豪州産のBianconi(その父・Danzig)産駒。現役時は17戦6勝、G1-ライトニングS(t1000m)、G1-ザ・ギャラクシー(t1100m)、G3-マクイーウェンS(t1000m)の重賞3勝。本馬以外の主な産駒にGraceful Girl(ウインターボトムS)。
・母のStrikelineは2000年豪州産、28戦6勝、G3-マクウェントロフィー(芝1000m)の勝ち馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-14/808802
St James’s Palace Stakes(G1・芝7f213y(Rnd)・3歳)(British Champions Series)
・セントジェームズパレスSは、好位のインを追走していた1番人気のCoroebusが、直線でやや進路取りに手間取りかけるも、進路が確保されるとしっかりと伸び、後続の追撃を凌ぎ切って1着。混戦となった2着争いはMehmas産駒・LusailがCoroebusからアタマ差の2着、3着はIffraaj産駒・My Prospero。
1着:Coroebus
牡3、父・Dubawi、母・First Victory、母父・Teofilo
調教師:Charlie Appleby、騎手:William Buick
・今回の勝利で通算5戦4勝、G1・2勝目、重賞3勝目。休み明けで臨んだ前走4/30のG1-英2000ギニーは同厩のNative Trailに1番人気を譲る形となったが、見事に勝利。今回はそれ以来のレースでメンバー的に負けられない一戦だったがきっちり勝利。次走についてCharlie Appleby師は「オプションとしてサセックスSがある」「Baaeedとの激突は私たち全員が話し合う必要があることだと確信していますが、シェイク・モハメドは決して挑戦を避けません」とコメント。
・父のDubawiは2002年愛国産のDubai Millennium産駒。現役時は8戦5勝、ジャックルマロワ賞、アイリッシュ2000ギニー、ナショナルSの3つのG1を含む重賞4勝。今年は産駒の活躍が例年にも増して目立っており、本馬がこれで2つ目のG1勝利、Modern Gamesがプールデッセデプーラン(仏2000ギニー)に勝利、Lord NorthがG1-ドバイターフをパンサラッサとの1着同着で制している。
・母のFirst Victoryは2013年愛国産、現役時は4戦2勝、2歳G3-オーソーシャープS(t7f)の勝ち馬。First Victoryの半姉・Ihtimalは2歳G2-メイヒルS、2歳G3-スウィートソレラS、G3-UAEオークスの勝ち馬。First Victoryの半弟・サンダースノーはドバイワールドカップ(2勝)、ジャンプラ賞、クリテリウムアンテルナシオナルの4つのG1を含む重賞7勝。First Victoryの半きょうだい(せん馬)・Eastern Worldは今年のG3-マハーブアルシマールの勝ち馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-14/808801
Ascot Stakes(芝2m3f210y・Heritage Handicap・4歳以上) (Class 2)
・アスコットSは、Mastercraftsman産駒・Coltrane(せん5)が中団から抜け出して1着。道中はほぼ同じ位置にいた1番人気のGleneagles産駒・Bring On The Nightが2着。
・ゴール前で手が上がった鞍上のCallum Hutchinsonはロイヤルアスコット初勝利。G1ジョッキーのWayne Hutchinsonの息子でこれまで5年間で37勝を上げている見習いジョッキー。以下は4年前の写真。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-14/812628
Wolferton Stakes(Lsited・芝1m1f212y・4歳以上)
・L-ウルファートンSは、ゴドルフィンのDubawi産駒・Dubai Future(せん6)が1着。3馬身差の2着に1番人気のLope De Vega産駒・Cadillac。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-14/812627
Copper Horse Stakes (芝1m6f34y・Handicap・4歳以上) (Class 2)
・コッパーホースSは、Teofilo産駒・Get Shirty(せん6)が勝利。日本人オーナー・Toshihiro Matsumoto氏所有、クールモア生産のGalileo産駒・Okita Soushiが3着。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-14/812629
現地twitterより
・ウィンザー城からスタートする恒例のロイヤルプロセッション。この後、アスコット競馬場の直線を通り、パレードリングまで馬車の行進が続く。
・オイシンマーフィーが来場。現地skyスポーツの中継にも出演していたが、現在は2023年2月まで騎乗停止処分を受けている最中。アルコール依存症は収まっているとのことだが、乱れた生活態度を正し、来年のロイヤルアスコットでは雄姿を見せてもらいたいところ。
・先日、ベルモントSを制したばかりのIrad Ortiz Jr。
・コースを歩くライアンムーア、エイダンオブライエンと、挨拶に出向くIrad Ortiz Jr。