2022 ロイヤルアスコット開催特集【2】2日目レース結果

現地時間6/15(水)に英アスコット競馬場にて行われた、今年のロイヤルアスコット開催2日目。2日目も好天に恵まれる中、G1-プリンスオブウェールズS、G2-クイーンメアリーS、G2-クイーンズヴァーズ、G2-デュークオブケンブリッジSの重賞4鞍を含む全7レースが行われている。

Queen Mary Stakes(G2・芝5f・2歳牝馬)

・クイーンメアリーSは、前々の好位につけたDramatisedが仕掛けられると一気に抜け出し、内から急追したHavana Grey産駒・Maylandseaを1馬身3/4差抑えて1着。

1着:Dramatised

牝2、父・Showcasing、母・Katie’s Diamond、母父・タートルボウル
調教師:K R Burke、騎手:Daniel Tudhope

・今回の勝利で通算2戦2勝、重賞初制覇。4/29のニューマーケットでのデビュー戦(t5f)を2着に4馬身差をつけて勝利し、ここへ1番人気で出走していた馬。

・父のShowcasingは2007年英国産のOasis Dream産駒。現役時は7戦2勝、2歳G2-ジムクラックS(t6f)の勝ち馬で、他にG1-ミドルパークS3着、G2-デュークオブヨークS2着。初年度の種付料は5000ポンドだったが、2ndクロップからコモンウェルスC、スプリントCを勝ったQuiet Reflectionを輩出し、5thクロップからAdvertise(フェニックスS、コモンウェルスC、モーリスドゲスト賞)、Mohaather(サセックスS)が出現。今年の種付料は4万5000ポンド。

母のKatie’s Diamondは5戦2勝、L-エンプレスS(t6f)の勝ち馬。母の叔母・AquatintaはG3-ミエスク賞の勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-15/812631

Queen’s Vase(G2・芝1m6f34y・3歳)

・クイーンズヴァーズは、ゴール前で大激戦となり、後ろから差し込んだ1番人気のEldar Eldarovがハナ差、先に抜け出していたZechariahを交わし1着。

1着:Eldar Eldarov

牡3、父・Dubawi、母・All At Sea、母父・Sea The Stars
調教師:Roger Varian、騎手:David Egan

・今回の勝利で通算3戦3勝重賞初制覇。昨年10/13のノッティンガムでのデビュー戦(t1m75yds)で2着に5馬身差をつけて勝利し、224日ぶりのレースとなった前走5/24のニューカッスルでの2戦目(AW1m2f42yds)で2着に2馬身1/4差をつけて勝利。ここへ無敗のまま1番人気で出走していた馬。

母のAll At Seaは2011年英国産、10戦4勝、L-リアンクール賞(t2100m)、L-ザルカヴァ賞(t2100m)、L-Prix De La Pepiniere Fonds Europeen De L’elevage(t2000m)の勝ち馬祖母のAlbanovaはG1-オイロパ賞、G1-ラインラントポカール、G1-ドイツ賞の勝ち馬。従姉のAlpinistaは昨年ベルリン大賞、オイロパ賞、バイエルン大賞のドイツG1を3勝。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-15/812630

Prince Of Wales’s Stakes(G1・芝1m1f212y・4歳以上)(British Champions Series)

・プリンスオブウェールズSは、ハナを切ったState Of Restが逃げ切り勝ち。シャフリヤールは番手追走から直線伸びず4着。1番人気のBay Bridgeが2着。スタートで出遅れたLord Northはいいところなく最下位。

1着:State Of Rest

牡4、父・Starspangledbanner、母・Repose、母父・Quiet American
調教師:Joseph Patrick O’Brien、騎手:Shane Crosse

・今回の勝利で通算12戦5勝、G1・4勝目。昨年8/7の米G1-サラトガダービー招待S(t9.5f)→10/23の豪G1-コックスプレート(t2040m)→5/1の仏G1-ガネー賞(t2100m)とG1を3連勝。前走5/22の愛G1-タタソールズゴールドCは勝ったAlenquerから半馬身差の3着とし、ここへ出走していた馬。世界を股にかけて確実に結果を出してきた戦績はお見事の一語。

・父のStarspangledbannerは2006年豪州産のChoisir産駒。現役時は23戦7勝、ゴールデンジュビリーS(6f)、ジュライC(6f)、オークレイプレート(1200m)、コーフィールドギニー(1600m)の4つのG1を含む重賞5勝。2010年のカルティエ賞最優秀スプリンター。本馬以外の主な産駒にThe Wow Signal(モルニー賞)、Millisle(チェヴァリーパークS)。

・母のReposeは2012年米国産、未出走。母の従姉にMusical Chimes(仏1000ギニー、ジョンCメイビーH)、Music Note(CCAオークス、マザーグースS、ベルデイムS、バレリーナS、ガゼルS)。Music Noteは先日引退、種牡馬入りが報じられた昨年のドバイワールドCの勝ち馬・Mystic Guideの母。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-15/808803

Duke Of Cambridge Stakes(G2・芝8f(Str)・4歳以上牝馬)

・デュークオブケンブリッジSは、番手追走から危なげなく抜け出したSaffron Beachが2着のThunder Beautyに3馬身半差をつけて完勝。

1着:Saffron Beach

牝4、父・New Bay、母・Falling Petals、母父・Raven’s Pass
調教師:Jane Chapple-Hyam、騎手:William Buick

・今回の勝利で通算10戦5勝、重賞4勝目。昨年10/2のG1-サンチャリオットS(t8f)の勝ち馬で、前走3/26のG1-ドバイターフ(t1800m)は1着同着だったパンサラッサ、Lord Northから3馬身半差の4着。昨年の英1000ギニー2着などマイルでの戦績は安定しており、ここは順当勝ちな印象。

・父のNew Bayは2012年英国産のDubawi産駒。現役時は11戦5勝、G1-ジョッケクルブ賞(仏ダービー)、G2-ギョーム・ドルナノ賞、G2-ニエル賞、G3-ゴントービロン賞の勝ち馬。曽祖母がKingmanと同じでジャドモントファームの名牝系出身。現4歳が1stクロップになり、Saffron Beachが唯一の産駒G1馬。他に重賞勝ち馬4頭、リステッド勝ち馬6頭を輩出中。

・母のFalling Petalsは2012年愛国産、3戦1勝。従兄のCotai GloryはG3-ドバイ国際空港ワールドトロフィー、2歳G3-モールコームSの勝ち馬で、キングズスタンドS2着。ナンソープS3着とG1入着2回。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-15/808804

Royal Hunt Cup (芝8f(Str)・Heritage Handicap・3歳以上) (Class 2)

・29頭立てのロイヤルハントCは、Dark Angel産駒・Dark Shift(牡4)が1着。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-15/811478

Windsor Castle Stakes(Listed・芝5f・2歳)

・L-ウィンザーキャッスルSは、1番人気に推されたバリードイルのNo Nay Never産駒・Little Big Bear(牡2)が内の馬群から抜け出して勝利し、これで通算3戦2勝。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-15/812633

Kensington Palace Stakes (芝7f213y(Rnd)・Handicap・4歳以上) (Class 2)

・ケンジントンパレスSは、単勝41倍のFast Company産駒・Rising Star(牝4)が1着。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-15/812632

ロイヤルアスコット開催の4つのエンクロージャーについて

ロイヤルエンクロージャー

・招待制でメンバーから招待を受けないと入場出来ない。新しい申請者は2人の適格なメンバーが後援する必要があり、18歳以上である必要がある上に100ポンド(約1万6000円)の参加費が求められる。19世紀半ばにロシア皇帝ニコライ1世がビクトリア女王とその夫、アルバート王子のゲストとして初めてアスコットを訪れた時に設立されたもの。

・男性のドレスコードは「黒、灰色、ネイビーのモーニングドレスを着用し、ベストとネクタイを着け、黒か灰色のシルクハットを被り、靴下を履いた黒い靴を履く」というもの。シルクハットに色付きのリボンをつけたり、バンドを巻いたりするなどカスタマイズすることは許可されておらず、半袖シャツを着てもいいが、モーニングスーツは常に着用していないといけない。

※アスコット競馬場のHPより。この感じがロイヤルエンクロージャーに立ち入る紳士のデフォルトになる。

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クイーンアンエンクロージャー

・パレードリング、グランドスタンドの1階に立ち入ることが出来るエリアで正式なドレスコードがある。チケットは87ポンド(約1万4000円)より。男性の場合、襟付きのシャツ、ネクタイ、フルレングスのスーツを着用する必要があるのは当然だが、「ジャケットとズボンは色とパターンが一致している必要がある」のが大きな特徴。多くのバーやシャンパンラウンジがあり、「幅広い飲食オプションを提供しています」とHPにある。

※アスコット競馬場のHPより。クイーンアンエンクロージャーでピクニックを楽しむ着飾った女性たち。

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ヴィレッジエンクロージャー

・内馬場エリアがヴィレッジエンクロージャー。様々な屋台、ピクニックエリアがありグループに人気のエリア。チケットは69ポンド(約1万1200円)より。ドレスコードは「フォーマルな機会にふさわしい服装」が義務付けられており、男性の場合、襟付きのシャツとネクタイ、フルレングスのズボンとジャケットを着用する必要があり、ネクタイは外すことは不可。「デザインの凝った服」はNG。レース後は3つのステージでライブが夜9時まで開催され、終日楽しむことが出来る。

※アスコット競馬場のHPより。ヴィレッジエンクロージャーでリラックスしながらシャンパンを楽しむファミリーとおぼしき一行。

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ウインザーエンクロージャー

・ストレートマイル沿いのトラックのグランドスタンド側のエリア。ロイヤルプロセッションをまじかで見ることが出来るのがウリ。チケットは37ポンド(約6000円)より。「リラックスしたカジュアルな環境を提供します」とのHPでの紹介通り、公式のドレスコードはなく、スマートなデイウェアの着用が推奨されている。男性の場合、ジャケット、襟付きシャツ、フルレングスのズボンを着用していれば問題ない。

・広大な芝生があるエリアで、様々なカクテルバーが点在し、フィッシュアンドチップス、ハンバーガー、ホットドッグ、アイスクリームなどが屋台で売っており、ピクニック感覚で楽しめるエリアになる。

※アスコット競馬場のHPより。ウインザーエンクロージャーで肩肘張らずにピクニックを楽しむ人々。

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