現地時間6/16(木)に英アスコット競馬場にて行われた、今年のロイヤルアスコット開催3日目。3日目も好天での開催となり、G1-ゴールドカップ、G2-ノーフォークS、G2-リブルスデイルS、G3-ハンプトンコートSの重賞4鞍を含む全7鞍が行われている。
Norfolk Stakes(G2・芝5f・2歳)
・画面左の馬群で控えていた赤い勝負服のThe Ridlerが抜け出し、外に切れ込みながら後続の追撃を抑え込み1着。2着に1番人気のKodiac産駒・Walbank。Battaashの半弟になるバリードイルの良血馬・The Antarcticは7着。
1着:The Ridler
牡2、父・Brazen Beau、母・Colorada、母父・Lope De Vega
調教師:Richard Fahey、騎手:Paul Hanagan
・今回の勝利で通算4戦2勝、重賞初制覇。4/23のデビュー戦(t5f)で4着→5/6の2戦目(t5f)で1着→5/28の条件戦(t5f)で3着とし、ここへ出走していた馬。単勝オッズは51倍。
・父のBrazen Beauは2011年豪州産のI am Invincible産駒。現役時は12戦5勝、G1-ニューマーケットH、G1-クールモアスタッドSを含む重賞4勝。主な産駒にNZのG1馬・On the Bubbles。
・母のColoradaは2012年英国産、7戦未勝利。いとこ(せん馬)のEmaraaty Anaは昨年のG1-スプリントC、4年前のG2-ジムクラックSの勝ち馬で昨年はナンソープS2着、BCターフスプリント4着とG1戦線で活躍。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-16/812635
King George V Stakes (芝1m3f211y・Heritage Handicap・3歳) (Class 2)
・キングジョージ5世Sは、ゴドルフィンのDubawi産駒・Secret State(牡3)が2列目のイン追走から直線抜け出して1着。これで通算4戦3勝。Snowfallの全弟、ディープインパクト産駒・Newfoundlandは直線最内から一瞬脚を使うも最後は止まり9着。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-16/812636
Ribblesdale Stakes(G2・芝1m3f211y・3歳牝馬)
・リブルスデイルSは、3番手追走のMagical Lagoonが早めに先頭に立ち、後ろから1番人気のSea Silk Roadが接近するも、最後まで抜かせずにリードを保ったMagical Lagoonが1着。
1着:Magical Lagoon
牝3、父・Galileo、母・Night Lagoon、母父・Lagunas
調教師:Mrs John Harrington、騎手:Shane Foley
・今回の勝利で通算5戦2勝、重賞2勝目。昨年8/2のデビュー戦(t8f)で4着と敗れるも、2戦目のカラでのG3-フレームオブタラS(t8f)で未勝利馬の身ながら勝利。3戦目のG1-フィリーズマイルは勝ったInspiralから5馬身半差の7着。198日ぶりの休み明けのレースとなった前走4/23のL-サルサビルS(t10f)を2着とし、ここへ出走していた馬。底力を感じさせる勝ち方には父、兄の影響が見て取れる印象。
・母のNight Lagoonは2001年英国産、独G3-ヴィンターケーニヒン賞の勝ち馬。半兄のノヴェリストはキングジョージ6世&クイーンエリザベスS、バーデン大賞、サンクルー大賞、イタリアジョッキークラブ大賞の英・独・仏・伊の4つのG1を含む重賞7勝。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-16/808806
Gold Cup(G1・芝2m3f210y・4歳以上)(British Champions Series)
・注目のStradivariusは中団のインを追走し、その外に1番人気のKypriosがつける展開。4角手前でKypriosが大外から上昇する中、Stradivariusは進路取りに苦慮する形となり、最終的には大外へ。最後はMojo Starとの競り合いを制したKypriosが1着。Mojo Starが2着(昨年の英ダービー、セントレジャーに続きG1で3度目の2着)。Stradivariusはよく差を詰めたが3着まで。
1着:Kyprios
牡4、父・Galileo、母・Polished Gem、母父・デインヒル
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore
・今回の勝利で通算7戦5勝、G1初制覇、重賞2勝目。4/23のL-ヴィンテージクロップS(t1m6f)で全姉のG1馬・Search For A Songを降し勝利し、5/13のレパーズタウンでのG3-レヴモスS(t1m6f)では2着に14馬身差をつけて圧勝。一気に有力馬として名乗りをあげてここへ挑んでいた馬。大舞台でStradivariusに引導を渡し世代交代を果たす勝利となり、今後の欧州長距離路線を牽引していくことが期待される存在。
・Frankel、Highland Reel、Teofiloなど多くの活躍馬が出ている「父・Galileo、母父・デインヒル」のNorthern Dancer3×4のクロスが発生するガリデイン配合からまた1頭、G1馬が誕生している。
・母のPolished Gemは2003年愛国産、モイグレアスタッドファームの自家生産馬。現役時は5戦1勝だが、繁殖牝馬として非常に優れた実績を残しており、以下の産駒が重賞勝ち。父の名前を見ると分かるが、いろいろな父から活躍馬をこれだけ出すのは秀逸。その中でもGalileoとの間の仔は2頭ともG1馬になっているのは父の威光を示す結果と言えよう。尚、Kypriosが最後の仔になる。
Sapphire(父・Medicean):G2-ブリティッシュチャンピオンズフィリーアンドメアSなど重賞3勝
Custom Cut(父・Notnowcato):G2-bet365マイルなど重賞7勝
Free Eagle(父・High Chaparral):G1-プリンスオブウェールズSなど重賞2勝
Valac(父・Dark Angel):G3-クイーンズカップ
Search for a Song(父・Galileo):G1-アイリッシュセントレジャー連覇など重賞3勝
Kyprios(父・Galileo):G1-ゴールドカップなど現在重賞2勝
・ゴールドカップ4勝目を狙った8歳のStradivariusは直線で進路取りに手間取り、大外に持ち出さざるを得ないロスが非常に痛かったが、全盛期は4角手前で既に外から悠々と押し上げてきていたのも事実。スタート前の輪乗りに向かう際にデットーリがStradivariusから降り、歩いて手綱を引いていく異例のシーンなどを見ると、レース前から既に老いてなお稀有で重厚な存在感は存分に示したと言えるが、新しい才能が選ばれていく時代の流れはこのスターホースにも例外なく訪れ、観戦者は一つの時代の終焉を確かに目撃したと言えそうである。
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https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-16/808805
Britannia Stakes (芝6f(Str)・Heritage Handicap・3歳) (Class 2)
・ブリタニアSは、Kingman産駒・Thesis(牡3)が内から先に抜け出し。1着。Ryan MooreはゴールドCに続く勝利。2着は馬群を捌くのに手間取るも鋭く追い込んだエリザベス女王の持ち馬・Saga。
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https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-16/812634
Hampton Court Stakes(G3・芝1m1f212y・3歳)
・ハンプトンコートSは、Claymoreがハナを切り、1番人気のエリザベス女王の持ち馬、Sea The Stars産駒・Reach For The Moonが番手につける展開。最後まで両馬の争いとなるも最後まで抜かせなかったClaymoreが逃げ切り勝ち。Reach For The Moonが2着。
1着:Claymore
牡3、父・New Bay、母・Brit Wit、母父・High Chaparral
調教師:Jane Chapple-Hyam、騎手:Adam Kirby
・今回の勝利で通算4戦2勝、重賞初制覇。4/13のG3-クレイヴンS(t8f)で勝ったNative Trailから3馬身半差の2着だった馬で、前走5/15のG1-プールデッセデプーラン(t1600m)は最下位に敗れるも、今回、見事に変わり身を見せての勝利。Sadler’s Wells4×3のクロスを持つ馬。
・New Bay産駒は昨日のG2-デュークオブケンブリッジSを勝ったSaffron Beachに続きロイヤルアスコット2勝目。
・母のBrit Witは2011年英国産、未出走。近親に目立った活躍馬はいない。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-16/812637
Buckingham Palace Stakes (芝7f・Handicap・3歳以上) (Class 2)
・バッキンガムパレスSは、Pivotal産駒・Inver Park(せん4)が勝利。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2022-06-16/812638