今回はビーチパトロールを取り上げる。アメリカの芝10f~12fのG1を3勝した実績を誇り、産駒は芝が主戦場になると思われるが、シーウィザードが新潟2歳Sで3着と健闘するなど、ここまで4頭が勝ち上がり中。ここまでの産駒の走りをまとめていく。

ビーチパトロールの経歴、レース動画

・2013年米国産のLemon Drop Kid産駒。現役時はChad C Brown師に管理され、19戦5勝、G1-セクレタリアトS(t10f)、G1-アーリントンミリオン(t10f)、G1-ジョーハーシュターフクラシックS(t12f)の勝ち馬。他にBCターフ2着、ターフクラシックS2着2回、ハリウッドダービー2着、ベルモントダービー招待S3着、ユナイテッドネーションズS3着と芝G1で入着6回。

・初勝利は3歳3月(3戦目)、初重賞勝ちは3歳8月。G1を連勝し、BCターフで2着となったのが4歳夏から秋にかけてのことで、ここがキャリアの最盛期。米芝中距離路線で持ち前の先行力を駆使し、前々からレースを組み立てるスタイルで好走を続けた。Mr. Prospectorの3×4のクロスを持つ

・以下の動画はアーリントンミリオン→ジョーハーシュターフクラシックSとG1連勝後に出走した2017年のG1-BCターフでのもの。Highland Reelに次ぐ2番人気に支持され、道中Highland Reelの外につけ、逃げ馬の直後を追走。3角過ぎから逃げ馬を捕まえに行く積極的な競馬を展開し、直線早めに先頭に立つも、インで脚を溜めていたタリスマニックの強襲を凌げずに2着。負けて強しの好内容だった一戦。

・以下の動画はBCターフの前に勝った2017年のG1-ジョーハーシュターフクラシックSでのもの。離して逃げた馬の2番手を追走し、3角過ぎから仕掛けられ4角先頭。そのまま直線押し切っての勝利。

・以下の動画はジョーハーシュターフクラシックSの前に勝った2017年のG1-アーリントンミリオンでのもの。このレースも逃げ馬を前に置き道中は番手追走。直線で競り合いから抜け出して勝利。

ビーチパトロールの父、母、母父

・ビーチパトロールの父・Lemon Drop Kidは1996年米国産のKingmambo産駒。現役時は24戦10勝、ベルモントS、トラヴァーズS、ホイットニーH、ウッドワードS、フューチュリティSの5つのG1を含む重賞7勝。2000年のエクリプス賞最優秀古牡馬。ビーチパトロール以外の主な産駒にRichard’s Kid(パシフィッククラシックS2勝等)、Lemons Forever(ケンタッキーオークス)。これまでの日本での代表産駒はダートで5勝をあげている現役馬・レモンポップ

・以下の動画はLemon Drop Kidが制した1999年のG1-ベルモントSでのもの。中団追走から3角過ぎに内を通ってするすると上昇。直線で大外に持ちだされ、最後は競り合いを制して1着。ケンタッキーダービーとプリークネスSを制し、3冠を狙っていたカリズマティックはゴール入線前後に左前脚の管骨と種子骨を骨折し3着。

・ビーチパトロールの母・Bashful Bertieは2007年米国産のQuiet American産駒。現役時は4戦未勝利。米重賞4勝のAllamerican Bertieの全妹、米重賞3勝のHurricane Bertieの半妹。

・ビーチパトロールの母父・Quiet Americanは1986年米国産のFappiano産駒。現役時は12戦4勝、G1-NYRAマイルH(※現在のシガーマイルH)、G3-サンディエゴHの勝ち馬。Dr. Fagerの3×2の濃いクロスを持つ馬で、他にCequilloの4×3の牝馬クロスを持つ。父としてエクリプス賞最優秀3歳牡馬・Real Quiet(ケンタッキーダービー、プリークネスSなどG1を5勝)を輩出。母父として多くの活躍馬を輩出しており、Charlatan(マリブS、アーカンソーダービー)、State Of Rest(プリンスオブウェールズS、ガネー賞、コックスプレート等)、Saint Liam(BCクラシック、ウッドワードS等)、Bernardini(プリークネスS、トラヴァーズS等)らを輩出している。

産駒成績について

4-1-3-48/56】勝率7.1%連対率8.9%複勝率14.3%

・中央での勝ち鞍は全て芝でのもので、内訳は函館芝1800m(新馬戦)、福島芝1200m(新馬戦)、札幌芝1800m(未勝利戦)、中山芝2000m(未勝利戦)。1800m以上で結果を出していることが分かる。父の現役時代の戦績を踏まえると、主に芝の中距離で結果が出ているのは頷けるものだろう。

・2着と3着の内訳は、札幌ダ1700m(未勝利戦2着)、札幌芝1800m(新馬戦3着)、札幌芝1800m(未勝利戦3着)、新潟芝1600m(G3-新潟2歳S3着)。こちらも芝のマイル以上で結果が出ていることが分かる。

・これらの戦績を踏まえ、「芝1800m以上」に限定してビーチパトロール産駒の戦績をまとめると、以下の通りとなる。

3-0-2-14/19】勝率15.8%連対率15.8%複勝率26.3%

・この数字を見ると先に示したこれまでの数字が一見すると低調に見えるのは、結果的に適性的に不向きと思われる距離(主に短距離)で数字が伸びなかった事が要因なのではないかと推察出来るだろう。

・「芝1200m以下」でのビーチパトロール産駒の戦績は【1-0-0-13/14】で、勝率・連対率・複勝率は7.1%。1着1頭の他は5着が最高で、勝ち上がった1頭以外で勝ち馬から1秒以内で走れた馬は2頭のみ。総じて惨憺たる戦績となっており、短距離のレースが多く組まれてきたここまでの2歳戦で数字が伸びなかったのは概ね距離適性の問題とみてとれるだろう。

・ちなみに「芝1800m以上」で3勝している他の種牡馬はゴールドシップルーラーシップ、ハービンジャー、キズナキタサンブラック。これらの種牡馬と現時点で同数の数字をあげているのは種付料(受胎条件80万円)やCPI(中央CPIは0.85)を鑑みると、一時的なものとは言え、それなりの価値はあると認めることは出来るだろう。

・地方では9/28現在で18頭がデビューし6頭が勝ち上がり中。勝ち上がり頭数では新種牡馬の中でベストウォーリア(17頭)、インカンテーション(9頭)に次ぐ3位タイ。地方CPIは0.77で、地方AEIは0.85。

今週デビュー予定のビーチパトロール産駒

・今週は2頭がデビュー。共に人気は無さそうだが、条件的にはビーチパトロール産駒が結果を出してきた芝の中距離戦でのデビューとなる。

10/2(日)・中山5R・2歳新馬(芝1800m)

エナジーポコアポコ 牡
母・エナジーハート、母父・サクラバクシンオー
(栗)高柳大輔、松本大輝、宮内牧場産

・母は28戦3勝(中京芝1200、小倉芝1200、姫路ダ1400)。本馬は7番仔。母のこれまでの産駒成績は【地方2勝-中央1勝-未勝利-地方5勝-中央2勝(現役)、中央1勝(現役)】。

10/2(日)・中京5R・2歳新馬(芝2000m)

サイモンコーラル 牝
母・オールドフレイム、母父・ゼンノロブロイ
(栗)羽月友彦、三浦皇成、笠松牧場産

・母は2戦未勝利。本馬は初仔。曽祖母のレディジョアンは米G1-アラバマSの勝ち馬。