現地時間11/5(土)に米キーンランド競馬場にて行われた、今年のブリーダーズカップ2日目。本稿ではこの内、芝で行われたターフ、マイル、フィリー&メアターフ、ターフスプリントの4つのG1レースについての結果と動画をお届けする。
※ダートで行われた5つのG1レースについては以下をご覧下さい。
Longines Breeders’ Cup Turf(G1・芝12f・3歳以上)
・ターフは、後方待機のRebel’s Romanceが4角入口で外に持ち出されると、直線できっちり脚を使い2着のStone Ageに2馬身1/4差をつけて快勝。1番人気のNations Prideは5着。
1着:Rebel’s Romance
せん4、父・Dubawi、母・Minidress、母父・Street Cry
調教師:Charlie Appleby、騎手:James Doyle
・今回の勝利で通算12戦9勝、G1・3勝目、重賞5勝目。今年6/25のL-フレッドアーチャーS(t12f)を制して以降、7/29のG3-グロリアスS(t1m3f218yds)→8/14のG1-ベルリン大賞(t2400m)→9/25のG1-オイロパ賞(t2400m)と4連勝を果たし、ここへ出走していたゴドルフィンの自家生産馬。
・Dubawi産駒は本馬(ターフ)、Modern Games(マイル)で本日ブリーダーズカップ2勝。Wuheida(フィリー&メアターフ)、Space Blues(マイル)、Yibir(ターフ)、Modern Games(BCジュヴェナイルターフ)がこれまでにブリーダーズカップで勝っており、本日の結果と合わせてこれでブリーダーズカップ通算6勝目。
・母のMinidressは2009年英国産、4戦1勝。祖母のShort SkirtはG3-ムシドラS、G3-セントサイモンSの勝ち馬で、ホワイトウォーターアフェア(ヴィクトワールピサ、アサクサデンエンの母)の半妹。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/301/keeneland/2022-11-05/825406
FanDuel Breeders’ Cup Mile presented by Permanently Disabled Jockey Fund(G1・芝8f・3歳以上)
・マイルは、1番人気のModern Gamesが中団待機から直線勝負の競馬。きっちり進路を確保されると安定感抜群の末脚を如何なく発揮。危なげなく差し切って1着。2着にShirl’s Speight、3着にKinross。
1着:Modern Games
牡3、父・Dubawi、母・Modern Ideals、母父・New Approach
調教師:Charlie Appleby、騎手:William Buick
・今回の勝利で通算13戦7勝、G1・4勝目、重賞5勝目。昨年のG1-BCジュヴェナイルターフ(t8f)を勝ち、ぶっつけで臨んだ今年のG1-プールデッセデプーラン(t1600m)も勝利。その後、ジョッケクルブ賞3着→ジャンプラ賞5着と連敗するも、7/27のG1-サセックスSでは勝ったBaaeedから1馬身3/4差の2着と健闘。続く9/17の加G1-ウッドバインマイルを圧勝して臨んだ、前走10/15のG1-クイーンエリザベス2世Sでは勝ったBayside Boyから1馬身1/4差の2着。今年マイル路線で安定した戦績を残してきた馬で、アメリカの小回りコースにも実績があり、Baaeedがいないここは順当勝ちな印象。ゴドルフィンの自家生産馬。
・Dubawi産駒は本馬(マイル)、Rebel’s Romance(ターフ)の本日ブリーダーズカップ2勝。Wuheida(フィリー&メアターフ)、Space Blues(マイル)、Yibir(ターフ)、Modern Games(BCジュヴェナイルターフ)がこれまでにブリーダーズカップで勝っており、本日の結果と合わせてこれでブリーダーズカップ通算6勝目。
・母のModern Idealsは2010年英国産、1戦未勝利。叔父のUltraは仏2歳G1-ジャンリュックラガルデール賞の勝ち馬。伯母のSynopsisは仏G3-ミネルヴ賞の勝ち馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/301/keeneland/2022-11-05/825409
Maker’s Mark Breeders’ Cup Filly & Mare Turf(G1・芝9.5f・3歳以上牝馬)
・フィリー&メアターフは、中団追走のTuesdayが直線で鋭伸。逃げ込みを図ろうとしたIn Italianに1馬身差をつけて差し切り勝ち。1番人気のNashwaは4着。
1着:Tuesday
牝3、父・Galileo、母・Lillie Langtry、母父・Danehill Dancer
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore
・今回の勝利で通算10戦3勝、G1・2勝目。今年の英オークス馬だが、以後、愛ダービー4着→ヨークシャーオークス2着→ヴェルメイユ賞4着→オペラ賞6着と勝ち切れない競馬が続いていた馬。牡馬相手だった愛ダービー(勝ち馬から10馬身半差)以外は、ヨークシャーオークスで後の凱旋門賞馬・Alpinistaに1馬身差で食い下がったり、フランスでの2戦も勝ち馬から1馬身半差、2馬身3/4差と勝ち馬からそれほど離されていない競馬が続いていた。
・Galileo産駒のブリーダーズカップでの勝利は6頭目。フィリー&メアターフは初勝利。
Red Rocks(ターフ)、Magician(ターフ)、Found(ターフ)、Highland Reel(ターフ)、Line of Duty(ジュヴェナイルターフ)、本馬(フィリー&メアターフ)
・母のLillie Langtryは2007年愛国産、現役時は11戦5勝、愛メイトロンS、コロネーションSの2つのG1を含む重賞4勝。繁殖牝馬として以下の優秀な成績を残している。産駒は以下にあげた馬以外も全て牝馬で全て父はGalileo。この馬を牝祖とする牝系が今後、大きく発展していきそうな情勢。
初仔:Kissed By Angels(父・Galileo)
・G3-デリンズタウンスタッド1000ギニートライアルの勝ち馬。母としてディープインパクトと交配されているが、Star Of Juniperと名付けられた産駒は2戦未勝利。
2番仔:Minding(父・Galileo)
・英オークス、英1000ギニー、クイーンエリザベス2世S、ナッソーS、プリティポリーS、フィリーズマイル、モイグレアスタッドSの7つのG1を含む重賞8勝。2016年のカルティエ賞年度代表馬。
6番仔:Empress Josephine(父・Galileo)
・G1-アイリッシュ1000ギニーの勝ち馬。
7番仔:Tuesday
・全姉のMindingに続き、G1-英オークスを制覇し本日、G1-BCフィリー&メアターフに勝利。
※8番仔はDelightfulと名付けられた現2歳のGalileo牝駒で現在4戦1勝。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/301/keeneland/2022-11-05/825404
Breeders’ Cup Turf Sprint(G1・芝5.5f・3歳以上)
・ターフスプリントは、ハナを奪ったCaravelが逃げ切り勝ち。半馬身差の2着にEmaraaty Ana。1番人気のGolden Palはスタートで致命的な出遅れとなり、自分のレースが出来ず10着。G1・3連勝中の欧州調教馬・Highfield Princessは4着。
1着:Caravel
牝5、父・Mizzen Mast、母・Zeezee Zoomzoom、母父・Congrats
調教師:Brad H Cox、騎手:Tyler Gaffalione
・今回の勝利で通算20戦12勝、G1初制覇、重賞4勝目。今回と同舞台、同距離の一戦となった前走10/16のG3-フランクリンS(t5.5f)を制して参戦していた馬だが、G1での実績は昨年8月の加G1-ハイランダーS(t6f)で3着となったことと、昨年のこのレースで12着となった2戦のみ。単勝オッズが44倍に留まっていたのも妥当な印象だが、大一番で見事な勝利をあげている。
・父のMizzen Mastは1998年米国産のCozzene産駒。ジャドモントファームの自家生産馬で現役時は11戦5勝、G1-マリブS(d7f)、G2-ストラブS(d9f)、G3-ギシュ賞(t1800m)の勝ち馬。父系はGrey Sovereign直系で、自身5代血統表内にクロスを持たない馬でNorthern Dancer、Mr. Prospectorが全く入っていない血統構成を持つ。主な産駒にFlotilla(プールデッセデプーリッシュ、BCジュヴェナイルフィリーズターフ)、Mizdirection(BCターフスプリント2勝)など。近年は母父として成果を出しており、今年の英G1-ファルマスS(t8f)を制したProsperous Voyage、2019年の英2歳牝馬G1-フィリーズマイル(t8f)を制したQuadrilateralなどをBMSとして輩出中。
・母のZeezee Zoomzoomは2012年米国産、10戦1勝。祖母のZee Zeeは2005年米国産のExchange Rate産駒で23戦3勝、L-Edgewood Stakesの勝ち馬でG2-レイクジョージS3着、G3-リグレットS3着。近親に目立った活躍馬はおらず牝系は至って地味。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/301/keeneland/2022-11-05/825402