新種牡馬産駒データ考【18】芝マイル以上での新種牡馬産駒のここまでの戦績を振り返る

今回は2019年以降のジャパンカップ開催週までの「芝1600m以上」に限定した新種牡馬産駒の成績を振り返りつつ、今年の新種牡馬産駒の現在位置を探っていく。

2022年

リアルスティール8-12-7-45/72】勝率11.1%
サトノダイヤモンド5-7-8-36/56】勝率8.9%
サトノクラウン5-4-6-45/60】勝率8.3%
デクラレーションオブウォー【4-2-2-23/31】勝率12.9%
ビーチパトロール【4-0-3-39/46】勝率8.7%

 ※全体トップ3
 エピファネイア【19-12-10-81/122】勝率15.6%
 ハーツクライ【16-12-11-60/99】勝率16.2%
 ドゥラメンテ【14-10-7-31/62】勝率22.6%

・リアルスティールは8勝、勝率11.1%だが、この数字は2019年以降の新種牡馬の中ではやや見劣る数字。勝ち鞍数は出走回数と比例する面もあるので、勝率で比較するとこの時期で新種牡馬の中でトップだった馬の数字は以下の通りとなる。

 リアルスティール(2022年):勝率11.1%
 キタサンブラック(2021年):勝率19.3%
 モーリス(2020年):勝率14.2%
 エピファネイア(2019年):勝率13.7%

・リアルスティールの勝率11.1%と近いのはドレフォン(2021年)の10.6%。キズナ(2019年)の11.4%。両馬と同程度なら悪くない数字という見方も出来るだろうか。これに対し、サトノダイヤモンドの勝率8.9%、サトノクラウンの勝率8.3%は、イスラボニータ(2021年)の8.9%、ゴールドシップ(2019年)の9.1%と近く、勝率10%の壁を感じさせる戦績となっている。

2021年

キタサンブラック【11-4-4-38/57】勝率19.3%
ドレフォン【5-1-6-35/47】勝率10.6%
イスラボニータ【4-7-8-26/45】勝率8.9%
シルバーステート【4-6-4-43/57】勝率7.0%

 ※全体トップ3
 ディープインパクト【23-17-10-30/80】勝率28.8%
 ドゥラメンテ【18-25-14-85/142】勝率12.7%
 ハービンジャー【16-10-9-79/114】勝率14.0%

・昨年のキタサンブラックの11勝は全体で6位。ディープインパクト(23勝)、ドゥラメンテ(18勝)、ハービンジャー(16勝)、エピファネイア(14勝)、ハーツクライ(12勝)に次ぐ数字でモーリスと同数の勝ち鞍。出走回数の57は今年のサトノダイヤモンド(56)と1つしか変わらず、サトノダイヤモンドより6つ多く勝っている。キタサンブラックと比較するのは酷な面もあろうが、現時点のサトノダイヤモンド産駒からクラシックの匂いのようなものは感じにくいとは言えるだろうか。

2020年

モーリス【16-22-8-67/113】勝率14.2%
ドゥラメンテ【14-9-8-71/102】勝率13.7%
リオンディーズ【4-8-7-43/62】勝率6.5%

 ※全体トップ3
 ディープインパクト【26-17-12-56/111】勝率23.4%
 エピファネイア【18-10-13-78/119】勝率15.1%
 モーリス【16-22-8-67/113】勝率14.2%

・一昨年のモーリスはこの時点で全体3位、ドゥラメンテは全体4位。モーリス産駒はジェラルディーナ、ノースブリッジがこの時期までに勝ち上がっているが、共に重賞初制覇を果たしたのは4歳になってからなのはご承知の通り。ドゥラメンテは東スポ杯2歳Sでタイトルホルダーが2着、ジュンブルースカイが3着。

2019年

エピファネイア【16-16-10-75/117】勝率13.7%
キズナ【15-13-11-93/132】勝率11.4%
ゴールドシップ【6-5-10-45/66】勝率9.1%

 ※全体トップ3
 ディープインパクト【36-15-15-51/117】勝率30.8%
 エピファネイア【16-16-10-75/117】勝率13.7%
 キズナ【15-13-11-93/132】勝率11.4%

・2019年のエピファネイアはこの時点で全体2位、キズナは全体3位。ディープインパクトの勝率30.8%は「鬼」と言える数字だが、ディープインパクト産駒と伍して出したエピファネイア、キズナの数字の価値は今年の新種牡馬産駒の出した数字とは異なる意味を持つだろう。