現地時間12/11(日)に香港シャティン競馬場にて行われた、香港国際競走4レース(香港カップ、香港マイル、香港スプリント、香港ヴァーズ)の結果と動画をお届けする。
Longines Hong Kong Cup(G1・芝2000m・3歳以上)
・香港カップは、道中5番手追走のRomantic Warriorが直線残り200であっさり先頭に立ち、2着のダノンザキッドに4馬身半差をつけて完勝。日本調教馬はジオグリフ6着、ジャックドール7着、レイパパレ9着、パンサラッサ10着。
１着：Romantic Warrior
せん4、父・Acclamation、母・Folk Melody、母父・Street Cry
調教師：C S Shum、騎手：James McDonald
・今回の勝利で通算10戦9勝、G1・2勝目、重賞3勝目。今年の香港4歳3冠において、1冠目の香港クラシックマイル(t1600m)を制し、2冠目の香港クラシックカップ(t1800m)で2着(勝ったのは本日香港マイルを制したCalifornia Spangle)、3冠目の香港ダービー(t2000m)で1着。続く4/24のG1-QEⅡカップ(t2000m)も1着。7か月の休みを挟み、前走11/20のG2-ジョッキークラブC(t2000m)も勝利し、ここへ1番人気で出走していた馬。香港クラシックカップ以外は全て勝利、という戦績からも、本日の見事な勝ちっぷりからも、今後の香港の2000m路線はこの馬の天下が当面続きそうだがどうなるか。2019年10月タタソールズ1歳馬セール(Book2)にて米ドル換算で39万6948米ドルにて香港ジョッキークラブが落札した馬。
・父のAcclamationは1999年英国産のRoyal Applause産駒。現役時は16戦6勝、英G2-ダイアデムS(t6f)の勝ち馬。本馬以外の主な産駒にEquiano(キングズスタンドS2勝)、Marsha(アベイドロンシャン賞、ナンソープS)、Expert Eye(BCマイル)、Dark Angel(ミドルパークS・父としてBattaashなど多くの活躍馬を輩出)、Harbour Watch(父としてPyledriver、Waikukuを輩出)、Mehmas(父としてG1馬3頭を輩出中)など。
・母のFolk Melodyは2011年愛国産、5戦1勝。祖母のFolk Operaは仏G1-ジャンロマネ賞、加G1-E.P.テイラーSの勝ち馬。従兄のMr BailettiはペルーのG1馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/416/sha-tin/2022-12-11/828738
Longines Hong Kong Mile(G1・芝1600m・3歳以上)
・香港マイルは、ハナに立ったCalifornia Spangleが3角手前でBeauty Joyに絡まれ、先頭を譲るが4角2番手から直線早めに抜け出し、このレース3連覇を狙ったGolden Sixtyの追撃をクビ差抑えて1着。日本調教馬はダノンスコーピオンが6着、シュネルマイスターが最下位の9着。
１着：California Spangle
せん4、父・Starspangledbanner、母・Pearlitas Passion、母父・High Chaparral
調教師：A S Cruz、騎手：Zac Purton
・今回の勝利で通算14戦9勝、G1初制覇、重賞3勝目。今年の香港4歳3冠において、1冠目の香港クラシックマイル(t1600m)でRomantic Warriorの2着、2冠目の香港クラシックカップ(t1800m)では1着、3冠目の香港ダービー(t2000m)ではRomantic Warriorの2着。続く4/24のG1-チャンピオンズマイル(t1600m)では勝ったGolden Sixtyから2馬身差の2着。今季は9/25のG3-セレブレーションC(t1400m)1着→10/16のG2-シャティントロフィー(t1600m)1着→11/20のG2-ジョッキークラブマイル(t1600m)では勝ったGolden Sixtyからクビ差の2着として、ここへ出走していた馬。
・父のStarspangledbannerは2006年豪州産のChoisir産駒。現役時は23戦7勝、ゴールデンジュビリーS(6f)、ジュライC(6f)、オークレイプレート(1200m)、コーフィールドギニー(1600m)の4つのG1を含む重賞5勝。2010年のカルティエ賞最優秀スプリンター。本馬は5頭目の産駒G1馬となり、今年はState Of Rest(ガネー賞、プリンスオブウェールズS)、Aristia(ジャンロマネ賞)がG1を制している。
・母のPearlitas Passionは2006年愛国産、5戦未勝利。叔父のShakespeareanはG2-ハンガーフォードS、G3-ソラリオSの勝ち馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/416/sha-tin/2022-12-11/828737
Longines Hong Kong Sprint(G1・芝1200m・3歳以上)
・香港スプリントは、中団やや後方からレースを進めたWellingtonが直線外から一気に突き抜けて差し切り勝ち。2着にルメール騎乗のSight Success。日本調教馬はメイケイエールが5着、ナランフレグが10着、ジャンダルムが12着、レシステンシアが13着。
１着：Wellington
せん6、父・All Too Hard、母・Mihiri、母父・More Than Ready
調教師：Richard Gibson、騎手：Ryan Moore
・今回の勝利で通算19戦12勝、G1・4勝目、重賞6勝目。2021年のチェアマンズスプリントプライズ、2022年のクイーンズシルバージュビリーC、チェアマンズスプリントプライズを勝っている馬。今季は10/23のG2-プレミアボウル1着→11/20のG2-ジョッキークラブスプリント6着とし、ここへ出走していた馬。デインヒルの4×3のクロスを持つ。
・父のAll Too Hardは2009年豪州産のCasino Prince(デインヒル系)産駒。現役時は12戦7勝、コーフィールドギニー、C.F.オーアS、フューチュリティS、AJCオールエイジドSの4つのG1を含む重賞6勝。名牝・Black Caviar(25戦25勝)の半弟にあたる良血馬。今年は本馬以外にForbidden Love(カンタベリーS、ジョージライダーS)、Alligator Blood(ストラドブロークH、アンダーウッドS、チャンピオンズマイル)がG1制覇。
・母のMihiriは2010年豪州産、16戦4勝。牝系は5代母・Arctique Royale(アイリッシュ1000ギニー、モイグレアスタッドS)、4代母・Truly Special(ロワイヨモン賞)、曽祖母・Solo de Luneから連なるもので、2008年のアイリッシュオークス馬・Moonstoneが同牝系から出ている。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/416/sha-tin/2022-12-11/828735
Longines Hong Kong Vase(G1・芝2400m・3歳以上)
・香港ヴァーズは、序盤から少しずつポジションを下げながらレースを運んだウインマリリンが、4角手前では最後方に位置するも、大外に進路を取られると、豪脚を発揮。先団を一気に飲み込んで追い込み勝ち。2着にゴドルフィンのBotanik。3着にグローリーヴェイズ。
１着：ウインマリリン
牝5、父・スクリーンヒーロー、母・コスモチェーロ、母父・Fusaichi Pegasus
調教師：手塚貴久(美浦)、騎手：Damian Lane
・今回の勝利で通算17戦6勝、G1初制覇、重賞4勝目。3歳時にG2-サンスポ賞フローラSに勝利し、次走オークスではデアリングタクトの2着。4歳時にG2-日経賞、G2-産経賞オールカマーに勝利。5歳となった今年は大阪杯16着→宝塚記念7着と調子が上がり切らない印象だったが、前々走のG2-札幌記念で3着→前走のG1-エリザベス女王杯で2着とし、復調気配を感じさせる中、ここへ出走していた馬。今までのレースとは一変した内容での勝利で鞍上の手腕、馬場適性の高さを感じさせる一戦。
・父のスクリーンヒーローは2004年社台ファーム産のグラスワンダー産駒(グラスワンダーの3rdクロップ)。G1-ジャパンカップ、G2-アルゼンチン共和国杯の勝ち馬で、2008年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬。ウインマリリンは3頭目の産駒G1馬で、1stクロップのモーリスが安田記念、マイルチャンピオンシップ、香港マイルを勝ち、ゴールドアクターが有馬記念を勝った2015年の翌2016年に種付けされ、2017年に産まれた世代(7thクロップ)。
・母のコスモチェーロは2003年豪州産、9戦1勝(新潟芝2400)。ウインマリリンは7番仔で、2番仔のウインマーレライ(父・マツリダゴッホ)はG3-ラジオNIKKEI賞の勝ち馬。初仔・中央4勝、4番仔・中央3勝、5番仔・中央3勝、8番仔・中央2勝(現役)と、重賞勝ち馬2頭以外も堅実な成績をおさめており、繁殖牝馬として優秀。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/416/sha-tin/2022-12-11/828734
