新種牡馬産駒データ考【20】産駒中央初勝利を目指す新種牡馬たち

今回は現在、中央でまだ勝ち上がりゼロの新種牡馬に触れていく。16頭の新種牡馬が未だ中央で勝ち鞍をあげられていないが、本稿ではこの内、産駒が入着した実績がある6頭の新種牡馬について触れていく。微かな希望を残している現況の中、いつ待望の産駒中央初勝利をあげられるか注目である。参考データとして地方での産駒実績などを併記して現況をまとめていく。

※地方でのデータは12/15時点でのもの

ニシケンモノノフ

父・メイショウボーラー、母・グリーンヒルコマチ、母父・アフリート

中央:【0-2-1-4/7】
地方:20頭がデビューし10頭が勝ち上がり(50.0%)
初年度産駒(血統登録頭数):34頭

・中央では4頭がデビュー済み。ペイシャフラワー(母父・ヴィクトワールピサ)が新馬3着→未勝利2着→未勝利2着と好走中。3戦とも芝のレースで、勝ち馬との着差は1.1秒差→0.4秒差→0.1秒差。この馬以外の3頭は4走して9着、6着、12着、14着と厳しい状況だが、ペイシャフラワーが産駒中央初勝利の朗報をもたらすことが出来るか、注目となる。伯母のペイシャフェリシタ(父・ハーツクライ)は春雷S(OP・中山芝1200)に勝ち、キーンランドC3着、セントウルS4着、オーシャンS4着、阪急杯5着とスプリント路線で重賞入着級の活躍。

地方では門別所属のデステージョ(母父・コマンズ)がJpn2-兵庫ジュニアグランプリ(園田ダ1400)で3着と健闘。この馬は地方重賞・イノセントカップ(門別ダ1200)で3着、遠征して出走した南関東の重賞・鎌倉記念(川崎ダ1500)3着と好走が続いていた馬。オリエント牧場の生産馬でニシケンモノノフのオーナー、西森鶴氏の持ち馬。

もう1頭の地方での活躍馬は笠松所属のセイジグラット(母父・アグネスタキオン)。除外を1つ挟んで目下5連勝中。前走12/14のジュニアキング(OP)に勝利。Storm Catの4×3のクロスを持ち、サークルオブライフ、トレンドハンター、スティールパスらが近親になる。

ゴールドアクター

父・スクリーンヒーロー、母・ヘイロンシン、母父・キョウワアリシバ

中央:【0-1-3-33/37】
地方:18頭がデビューし4頭が勝ち上がり(22.2%)
初年度産駒(血統登録頭数):46頭

・中央では17頭がデビュー済み。ゴールドバランサー(母父・ハービンジャー)が福島芝2000の新馬戦で2着、東京芝2000の未勝利戦で3着と2回入着。この馬はサンデーサイレンス4×4のクロスを持つ馬でゴールドアクターと同じ北勝ファームの生産馬。半兄のゴールドハイアー(父・ヘニーヒューズ)は中央3勝の現役馬。半姉のゴールドエクリプス(父・ドゥラメンテ)は中央1勝の現役馬。

他にラブルパイル(母父・シニスターミニスター)が新潟ダ1200の未勝利戦で3着、ゴールドプリンセス(母父・キングヘイロー)が東京芝2000の新馬戦で3着。ゴールドアクターは自身、初勝利(芝2200)が3歳1月、2勝目(芝2600)が3歳8月だった馬で、2歳戦から産駒が活躍するイメージは薄く、本領発揮はこれからになろうが、そろそろ産駒中央初勝利の吉報が待たれる。

レーヴミストラル

父・キングカメハメハ、母・レーヴドスカー、母父・Highest Honor

中央:【0-1-1-29/31】
地方:12頭がデビューし4頭が勝ち上がり(33.3%)
初年度産駒(血統登録頭数):35頭

・中央では12頭がデビュー済み。ニシノシャイニング(母父・タニノギムレット)が函館芝1800の未勝利戦で2着と1回入着しているが、その後、5着→12着→4着→10着とやや苦戦中。半兄のニシノライトニング(父・アポロキングダム)は中央4勝。1勝クラス(6番人気)→2勝クラス(7番人気)→3勝クラス(7番人気)としぶとく勝ち抜き、オープン入りした馬。

タガノドゥリ(母父・エンパイアメーカー)が阪神芝1600の新馬戦で3着。以後、7着(0.8秒差)→4着(0.4秒差)。今週日曜の阪神芝1600mの未勝利戦に出走予定。伯父のタガノグランパはG3-ファルコンSの勝ち馬で、他にアーリントンC2着、セントライト記念3着、シンザン記念3着。

マクマホン

父・Ramonti、母・Miss Sultin、母父・Celtic Swing

中央:【0-1-0-16/17】
地方:14頭がデビューし6頭が勝ち上がり(42.9%)
初年度産駒(血統登録頭数):26頭

・中央では9頭がデビュー済み。トーセンアウローラ(母父・ネオユニヴァース)が中山芝1800の新馬戦で2着。2戦目は10着と敗れているが、新馬戦で0.4秒差で負けたセブンマジシャンは続く黄菊賞も制した馬。マクマホン産駒のこれまでの中央での延べ17回の出走中、勝ち馬から1秒差未満で走ったレースは2回のみと、かなり厳しい状況となっており、トーセンアウローラにかかる期待は小さいものではないだろう。

・ただ、地方では産駒がそこそこ走っており、笠松所属のスタンレー(母父・キングカメハメハ)が目下5戦3勝、11/22の名古屋の地方重賞・ゴールドウィング賞で2着。水沢所属のアサップ(母父・ステイゴールド)が12/13の水沢の地方重賞・寒菊賞で2着。

キョウエイギア

父・ディープスカイ、母・ローレルアンジュ、母父・パラダイスクリーク

中央:【0-0-1-4/5】
地方出走なし
初年度産駒(血統登録頭数):1頭

唯一の初年度産駒・キョウエイルーマー(母父・パントレセレブル)が新馬戦で10着と敗れた後、2戦目の中山ダ1800の未勝利戦で11番人気で3着と健闘。その後、4着→4着→11着。キョウエイギアの馬主・田中晴夫氏の持ち馬。ちなみにキョウエイギアの2ndクロップ(現1歳)は1頭のみ。2021年は3頭に種付けされているが、生産頭数はゼロ。

レガーロ

父・Bernardini、母・サンタテレジータ、母父・Lemon Drop Kid

中央:【0-0-1-0/1】
地方:1頭がデビューし1頭が勝ち上がり(100%)
初年度産駒(血統登録頭数):2頭

アウトレンジ(母父・キングカメハメハ)が11/12の阪神ダ1800の新馬戦でデビューし、1番人気で3着。調教で古馬3勝クラスの馬を圧倒する動きを見せ、陣営からも「能力は高い」と評価された馬で2戦目が注目される存在。レガーロの馬主・寺田寿男氏の持ち馬で、Kingmamboの4×3のクロスを持ち、半兄に今年ダート戦線を賑わせた現役馬・ハピ(シリウスS2着、チャンピオンズC3着、レパードS3着)がいるノースヒルズの生産馬

・地方ではエムティヒビキ(母父・ゼンノロブロイ)が門別と大井で計2勝。2勝目を上げた後は9着(4.9秒差)→12着(2.5秒差)と苦戦中。2021年の北海道セプテンバーセールで110万円で取引された馬。

・レガーロ産駒は1stクロップが2頭、2ndクロップは4頭が血統登録済。昨年は1頭しか種付されていなかったが、生産頭数はゼロ。