今回は前回に続き、社台グループの2023年1月の繁殖牝馬名簿をもとに、注目のコントレイルの初年度産駒(ノーザンファーム産)について触れていく。この名簿は昨年の種付実績が載っているもので、産駒は今年産まれ、2年後の2025年にデビュー、ということになる。
※種付頭数は預託馬への種付けも含まれたものになる。
※前回のノーザンファーム編の記事は以下の通り。
※前年の2022年1月の社台グループ繁殖牝馬名簿に触れた過去記事は以下の通り。
コントレイル
父・ディープインパクト、母・ロードクロサイト、母父・Unbridled’s Song
2017年産:6歳、体高:162.0cm
2022年トータル種付頭数:193
2022年ノーザンファーム種付頭数:28
2022年種付料:1200万円
・ノーザンファーム産のコントレイルの初年度産駒は28頭。28頭の母の内、現役時にG1を勝っている馬は12頭おり、非常に豪華な布陣。この内の3頭は2歳牝馬チャンピオンで、3頭中1頭は3歳牝馬チャンピオンにもなっている馬。また、28頭の母の内、産駒がG1を勝っている馬は2頭、産駒が重賞を勝っている馬は5頭いる。直近では昨年の阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったリバティアイランドの下がコントレイル産駒。この馬には特に大きな注目が集まりそうである。
・以下に28頭の母馬と血統、産駒成績を列記する。これらの馬がコントレイルとの間にどのような仔を産むのか、興味は尽きない。
アナアメリカーナ
2006年、仏国産、父・American Post、母・Ana Marie、母父・Anabaa
・アナアメリカーナは仏3勝、L-Prix Casimir Delamarre(t1800m)の勝ち馬で、他にカルヴァドス賞(G3)2着、サンタラリ賞(G1)3着。母(産駒の祖母)のAna MarieはG2-アルクール賞、G3-ヴァントー賞の勝ち馬で、ヴェルメイユ賞(G1)2着、仏オークス(G1)3着。コントレイル産駒は10番仔。3番仔にメイソンジュニア(父・Mayson・福島2歳Sの勝ち馬でニュージーランドT(G2)2着、ファルコンS(G3)3着)。
アーデルワイゼ
2015年産、父・エイシンフラッシュ、母・アーデルハイト、母父・アグネスタキオン
・アーデルワイゼは2勝、もみじS(OP)2着。祖母(産駒の曽祖母)のビワハイジはJpn1-阪神3歳牝馬S、Jpn3-京都牝馬特別、Jpn3-札幌3歳Sの勝ち馬。母としてブエナビスタ、ジョワドヴィーヴル、アドマイヤオーラ、サングレアル、トーセンレーヴ、アドマイヤジャパンらを輩出。アーデルワイゼの半姉にロッテンマイヤー(父・クロフネ、L-忘れな草賞の勝ち馬でクイーンC(G3)3着)。コントレイル産駒は2番仔。
ヴァシリカ
2014年米国産、父・Skipshot、母・La Belle Marquet、母父・Marquetry
・ヴァシリカは北米18勝、G1-ゲイムリーS(t9f)、G1-ロデオドライヴS(t10f)、G2-ジョンC.マビーS(t9f)×2、G2-ブエナヴィスタS(t8f)、G2-ゴルディコヴァS(t8f)、G2-ロイヤルヒロインS(t8f)、G3-メガハーツS(t8f)の勝ち馬で、BCフィリー&メアターフ(G1)2着、ファーストレディS(G1)3着など。コントレイル産駒は3番仔。
ヴィルジニア
2010年産、父・Galileo、母・シルヴァースカヤ、母父・Silver Hawk
・ヴィルジニアは3勝。中京日経賞(芝1600m)の勝ち馬で、チューリップ賞(G3)4着。母(産駒の祖母)のシルヴァースカヤは仏5勝、G3-ロワイヨモン賞(t2400m)、G3-ミネルヴ賞(t2500m)、L-Prix Caravelle Haras des Granges(t2000m)の勝ち馬。シルヴァースカヤの産駒にSeville(豪G1-ザメトロポリタン)、シルバーステート(4勝、種牡馬)。コントレイル産駒は5番仔。2番仔のヴィクティファルス(父・ハーツクライ)はG2-スプリングSの勝ち馬で、共同通信杯(G3)2着。
エアジーン
2016年産、父・ハービンジャー、母・ラスティングソング、母父・フジキセキ
・エアジーンは3勝。初咲賞(芝2200m)、ミモザ賞(芝2000m)の勝ち馬。祖母(産駒の曽祖母)がハルーワソングで、直仔のマーティンボロ、フレールジャック、孫のシュヴァルグラン、ヴィブロス、ヴィルシーナ、曾孫のブラヴァスが重賞勝ち。コントレイル産駒は初仔。
エスポワール
2016年産、父・オルフェーヴル、母・スカーレット、母父・シンボリクリスエス
・エスポワールは4勝。修学院S(芝1800m)、シンガポールターフクラブ賞(芝2000m)の勝ち馬で、ターコイズS(G3)2着、中山牝馬S(G3)3着。エスポワールの半兄・アドミラブル(父・ディープインパクト)はG2-青葉賞の勝ち馬で日本ダービー(G1)3着。祖母(産駒の曽祖母)のグレースアドマイヤの直仔・ヴィクトリー、リンカーン、孫のアリストテレスが重賞勝ち。コントレイル産駒は2番仔。
キラモサ
2010年NZ産、父・Alamosa、母・Freyja、母父・Danske
・キラモサはNZ1勝、豪3勝、G1-VRCオークス(t2500m)、G2-VRCウェイクフルS(t2000m)の勝ち馬。コントレイル産駒は6番仔。
コンヴィクションⅡ
2011年亜国産、父・City Banker、母・Cronwell Land、母父・サザンヘイロー
・コンヴィクションⅡは亜5勝、G1-フィルベルトレレナ大賞典(t2200m)の勝ち馬で他にアルトゥーロR.&アルトゥーロブリュリッヒ賞(G2)2着。母(産駒の祖母)の半姉・Tough GoldaはG1-エリセオラミレス大賞典、G1-ブエノスアイレス市大賞典を含む重賞7勝。コントレイル産駒は4番仔。
コンドコマンド
2012年米国産、父・Tiz Wonderful、母・Yearly Report、母父・General Meeting
・コンドコマンドは北米5勝、G1-スピナウェイS(d7f)、G2-デムワーゼルS(d9f)、G2-ガゼルS(d9f)、L-Busher S(d8.5f)の勝ち馬。母(産駒の祖母)・Yearly ReportはG2-デラウェアオークス、G2-ブラックアイドスーザンS、G2-サンタイネスSの勝ち馬。コントレイル産駒は7番仔。初仔のアルジャンナ(父・ディープインパクト)はマイラーズC(G2)2着、毎日杯(G3)2着、東京スポーツ杯2歳S(G3)2着、きさらぎ賞(G3)3着。3番仔のコマンドライン(父・ディープインパクト)はG3-サウジアラビアロイヤルCの勝ち馬。
シユーマ
2008年愛国産、父・Medicean、母・Sichilla、母父・デインヒル
・シユーマは仏2、英1、北米1勝、G1-サンチャリオットS(t8f)、G1-E.P.テイラーS(t10f)の勝ち馬で、他にファルマスS(G1)3着。シユーマの半兄・SiyouniはG1-ジャンリュックラガルデール賞の勝ち馬で、ジャンプラ賞(G1)2着、ムーランドロンシャン賞(G1)3着など。種牡馬としてSt Mark’s Basilica、Sottsassなどを輩出中。コントレイル産駒は9番仔。初仔のヘリファルテ(父・ディープインパクト)、2番仔のブレステイキング(父・ディープインパクト)は共に4勝。後者はプリンシパルS(L)2着、チャレンジC(G3)3着。
シーヴ
2009年米国産、父・Mineshaft、母・Belterra、母父・Unbridled
・シーヴは不出走。母(産駒の祖母)・Belterraは北米4勝、G2-ゴールデンロッドS(d8.5f)の勝ち馬で他にアッシュランドS(G1)3着、ボニースミスS(G2)3着。コントレイル産駒は11番仔。初仔のCathryn Sophia(父・Street Boss)は北米6勝、G1-ケンタッキーオークス(d9f)、G2-フォワードギャルS(d7f)、G2-ダヴォナデイルS(d8f)の勝ち馬で他にコティリオンS(G1)3着、エイコーンS(G1)3着、アッシュランドS(G1)3着。
シーズアタイガー
2011年米国産、父・Tale of the Cat、母父・Shandra Smiles、母父・Cahill Road
・シーズアタイガーは北米3勝、米2歳牝馬チャンピオン。G1-デルマーデビュータントS(AW7f)、L-Landaluce S(AW6f)の勝ち馬で、BCジュヴェナイルフィリーズ(G1)2着、ソレントS(G2)2着。シーズアタイガーの半兄・Smiling Tiger(父・Hold That Tiger)はG1-ビングクロスビーS、G1-トリプルベンドH、G1-エンシャントタイトルSを含む重賞7勝。他にG1での2着2回、3着4回。コントレイル産駒は8番仔。5番仔のダノンザタイガー(父・ハーツクライ)は東京スポーツ杯2歳S(G2)2着、共同通信杯(G3)3着。
スウィッチインタイム
2014年愛国産、父・Galileo、母・Switch、母父・Quiet American
・スウィッチインタイムは北米1勝。母(産駒の祖母)・Switchは北米6勝。G1-ラブレアS(d7f)、G1-サンタモニカS(d7f)、G2-エイグリームH(AW7f)、G2-ハリウッドオークス(AW8.5f)、L-Torrey Pines S(AW8f)の勝ち馬。他にG1での2着6回、3着3回。コントレイル産駒は4番仔。
スウィートリーズン
2011年米国産、父・ストリートセンス、母・Livemore Leslie、母父・Mt. Livermore
・スウィートリーズンは北米5勝、G1-エイコーンS(d8f)、G1-テストS(d7f)、G1-スピナウェイS(d7f)の勝ち馬で他にコティリオンS(G1)2着、フリゼットS(G1)2着。スウィートリーズンの甥(産駒の従兄)・ZendenはG1-ドバイゴールデンシャヒーンの勝ち馬。コントレイル産駒は7番仔。初仔のディアスティマ(父・ディープインパクト)は5勝。L-札幌日経オープン(芝2600m)、松籟S(芝3200m)、グッドラックH(芝2500m)の勝ち馬で京成杯(G3)3着。
タムニア
2016年仏国産、父・Nathaniel、母・Ezdehar、母父・ロックオブジブラルタル
・タムニアは仏2勝、G3-ミネルヴ賞(芝2500m)の勝ち馬。Sadler’s Wells、Fairy Kingの全兄弟クロス3×4を持つ馬。タムニアの伯父・Red Rocks(父・Galileo)はG1-BCターフ、G1-マンノウォーS、G3-ゴードンリチャーズS、L-Fairway Sの勝ち馬でパリ大賞典(G1)2着、英セントレジャー(G1)3着、BCターフ(G1)3着等。コントレイル産駒は2番仔。
ダンシングラグズ
2014年米国産、父・Union Rags、母・Home Court、母父・Storm Cat
・ダンシングラグズは北米2勝、G1-アルシバイアディーズS(d8.5f)の勝ち馬。祖母(産駒の曽祖母)・Jewel Princessは米古牝馬チャンピオン、北米13勝。G1-BCディスタフ、G1-サンタマルガリータH、G1-ヴァニティH、G1-サンタマリアHを含む重賞9勝。コントレイル産駒は5番仔。
ティファニーズオナー
2011年米国産、父・Street Cry、母・Better Than Honour、母父・Deputy Minister
・ティファニーズオナーは北米3戦未勝利。母(産駒の祖母)・Better Than Honourは北米2勝、G2-デムワーゼルS(d9f)の勝ち馬で、エイコーンS(G1)2着、カムリーS(G3)2着、マザーグースS(G1)3着。米最優秀繁殖牝馬。Better Than Honourの産駒にRags to Riches(父・A.P.Indy、米3歳牝馬チャンピオン、G1-ベルモントS、G1-ケンタッキーオークス、G1-サンタアニタオークス、G1-ラスヴィルヘネスS)、Jazil(父・Seeking the Gold、G1-ベルモントS)、カジノドライヴ(父・Mineshaft、G2-ピーターパンS)。コントレイル産駒は7番仔。3番仔のGreatest Honour(父・Tapit)はG2-ファウンテンオブユースS(d8.5f)、G3-ホーリーブルS(d8.5f)の勝ち馬で、フロリダダービー(G1)3着、ゴーストザッパーS(G3)3着。
ビッグワールド
2013年米国産、父・Custom for Carlos、母・Tensas Wedding Joy、母父・Broken Vow
・ビッグワールドは北米7勝、G1-ラトロワンヌS(d8.5f)、G3-テンプティドS(d8f)の勝ち馬。コントレイル産駒は5番仔。
ボインビューティー
2016年米国産、父・Giant’s Causeway、母・Bubbler、母父・Distorted Humor
・ボインビューティーは不出走。ボインビューティーの半兄にG1・4勝のArrogate。コントレイル産駒は4番仔。
ポジティブマインド
2014年亜国産、父・Equal Stripes、母・Paula Sexy、母父・Ride the Rails
・ポジティブマインドは亜2勝、G1-エストレラスジュヴェナイルフィリーズ大賞典(t1600m)の勝ち馬で、亜2歳牝馬チャンピオン。他に亜1000ギニー(G1)2着、ホルヘアチュチャ大賞典(G1)2着。コントレイル産駒は4番仔。
マニーズオンシャーロット
2012年米国産、父・Mizzen Mast、母・Something Wicked、母父・Chimes Band
・マニーズオンシャーロットは北米7勝、G3-モリーピッチャーS(d8.5f)、L-レディーズシークレットS(d8f70y)の勝ち馬で、ベルデイムS(G1)2着、チルッキS(G2)2着、ガゼルS(G3)3着。コントレイル産駒は4番仔。
マース
2015年米国産、父・Colonel John、母・Di’s Delight、母父・フレンチデピュティ
・マースは北米6勝、G1-ロデオドライヴS(t10f)、G3-ロバートJ.フランケルS(t9f)の勝ち馬。コントレイル産駒は2番仔。
モアナ
2014年産、父・キンシャサノキセキ、母・プロミネント、母父・タイキシャトル
・モアナは5勝、秋風S(芝1600m)、東雲賞(芝1600m)の勝ち馬。母の伯父にアドマイヤメイン(青葉賞、毎日杯)。祖母(産駒の曽祖母)のプロモーションはG3-クイーンSの勝ち馬。コントレイル産駒は初仔。
モヒニ
2012年愛国産、父・Galileo、母・デネボラ、母父・Storm Cat
・モヒニは5戦未勝利。母(産駒の祖母)・デネボラはG1-マルセルブサック賞、G3-カブール賞の勝ち馬でフォレ賞(G1)2着、モルニー賞(G1)3着。祖母(産駒の曽祖母)・Coup de Genieは仏2歳牝馬チャンピオンで、G1-モルニー賞、G1-サラマンドル賞、G3-カブール賞の勝ち馬。Coup de Genieの孫にバゴ(凱旋門賞等)。コントレイル産駒は5番仔。初仔のPistaは英愛3勝、英G2-パークヒルフィリーズS(t14f115y)、L-Vinnie Roe S(t14f)の勝ち馬でロワイヤリュー賞(G1)2着。
ヤンキーローズ
2013年豪州産、父・All American、母・Condesaar、母父・ザール
・ヤンキーローズは豪4勝、豪2歳牝馬チャンピオン、豪3歳牝馬チャンピオン。G1-ATCサイアーズプロデュースS(t1400m)、G1-ATCスプリングチャンピオンS(t2000m)の勝ち馬でゴールデンスリッパーS(G1)2着、コックスプレート(G1)3着、フライトS(G1)2位入線失格。コントレイル産駒は5番仔。2番仔のリバティアイランド(父・ドゥラメンテ)はJRA賞最優秀2歳牝馬、G1-阪神ジュベナイルフィリーズの勝ち馬。
ラッドルチェンド
2010年産、父・Danehill Dancer、母・ラヴズオンリーミー、母父・Storm Cat
・ラッドルチェンドは南関1勝。牝系はMiesque(産駒の4代母)に連なるもので、ラヴズオンリーミーの直仔にラヴズオンリーユー、リアルスティール。コントレイル産駒は9番仔。3番仔のテルツェット(父・ディープインパクト)はG3-ダービー卿チャレンジT(t1600m)、G3-クイーンS(t1800m)×2の勝ち馬。
レッドメデューサ
2009年米国産、父・Mr. Greeley、母・Catchascatchcan、母父・Pursuit of Love
・レッドメデューサは不出走。母(産駒の祖母)・Catchascatchcanは英4勝、G1-ヨークシャーオークス、G3-ランカシャーオークス、L-Aphrodite Sの勝ち馬。Catchascatchcanの直仔・Antonius PirusはG2-レイルウェイSの勝ち馬で、BCマイル(G1)2着、セントジェームズパレスS(G1)3着、ムーランドロンシャン賞(G1)3着。コントレイル産駒は8番仔。
ロクセラーナ
2015年産、父・キングカメハメハ、母・ライフフォーセール、母父・Not For Sale
・ロクセラーナは中央1勝。母(産駒の祖母)・ライフフォーセールは亜8勝、G1-ブエノスアイレス州大賞典(d2000m)、G1-セレクシオンデポトランカス(d2000m)、G2-ラプラタ1000ギニー(d1600m)、G2-ミゲルルイスモラレス賞(d1600m)、G2-ラウルアリステギ賞(d1400m)、G3-デルリA.ゴメス賞(d1200m)の勝ち馬。ライフフォーセールの直仔にダノンファンタジー(JRA賞最優秀2歳牝馬、7勝、G1-阪神ジュベナイルフィリーズ、G2-阪神C、G2-スワンS、G2-ローズS、G2-チューリップ賞、G3-ファンタジーS)。コントレイル産駒は4番仔。