現地時間2/25(土)にサウジアラビアのキングアブドゥルアズィーズ競馬場にて行われたサウジカップデー各レースの結果と動画をまとめてお届けする。
Saudi Cup(G1・ダ1800m・3歳以上)
・最内枠発走のパンサラッサが注文通りハナに立ちレースを主導。ジオグリフ、Taiba、クラウンプライド、カフェファラオらが追走。直線に入ってもパンサラッサの脚色は衰えず、最後に外から昨年の2着馬、Country Grammerが急襲するも、これを抑え切ってパンサラッサが1着。3/4身差の2着にCountry Grammer。日本調教馬は3着にカフェファラオ、4着にジオグリフ、5着にクラウンプライド、7着にジュンライトボルト、11着にヴァンドギャルド。
1着:パンサラッサ
牡6、父・ロードカナロア、母・ミスペンバリー、母父・Montjeu
調教師:矢作芳人(栗東)、騎手:吉田豊
・今回の勝利で通算25戦7勝、G1・2勝目、重賞4勝目。昨年のG1-ドバイターフ(t1800m)に勝利後、宝塚記念(G1)8着→札幌記念(G2)2着→天皇賞(秋)(G1)2着→香港カップ(G1)10着とし、ここへ出走。ダートは3歳12月のL-師走S(中山ダ1800)で1度だけ出走経験があるが11着。本格化前での戦績とは言え、ダート実績が無い点を嫌われたか、ブックメーカーでの単勝オッズは17倍で、ジュンライトボルト、クラウンプライドよりも低い評価だったが、見事に歴史的快挙達成。木村秀則氏の生産馬、広尾レースにて1口2.5万円×2000口にて募集された馬。
※パンサラッサの厩務員・池田康宏氏は今年7月で定年を迎える大ベテラン。
※タグが「パンタラッサ」となっているのはご愛敬だが、矢作師の近年の戦績をまとめたRacing TVのtweet。
・パンサラッサはロードカナロアの3rdクロップで、種付時の種付料は500万円。ロードカナロアは昨年の種付料は1500万円だが、種付頭数が種牡馬入り後、最低の131頭にまで落ち込んでいた状況。昨年のパンサラッサの海外G1勝ちや天皇賞(秋)2着、本日の快挙達成などが反映されると、今年の種付頭数は底を打つ可能性が高いだろうか。
・母のミスペンバリーは2002年愛国産、現役時は7戦未勝利。パンサラッサは7番仔。2番仔のエタンダール(父・ディープインパクト)は青葉賞(G2)2着、5番仔のディメンシオン(父・ディープインパクト)は京成杯オータムH(G3)2着、阪神牝馬S(G2)3着、キーンランドC(G3)3着。
・母父のMontjeuは1996年愛国産のSadler’s Wells産駒。現役時は16戦11勝、凱旋門賞、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、仏ダービー、愛ダービーなど6つのG1を含む重賞9勝。父としてHurricane Run(凱旋門賞等)、Camelot(英ダービー等)、St Nicholas Abbey(BCターフ等)などを輩出。BMSとしてStarman(ジュライC)、Charm Spirit(クイーンエリザベス2世S等)、Obviously(BCターフスプリント等)を輩出中。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2023-02-25/834097
Riyadh Dirt Sprint presented by Sports Boulevard(G3・ダ1200m・3歳以上)
・道中は6番手を追走していたElite Powerが直線で外から鋭伸。一気に抜け出すと2着のGuniteに3馬身1/4差をつけて快勝。日本調教馬はリメイクが3着、ジャスティンが4着、ダンシングプリンスが5着、リュウノユキナが6着。
1着:Elite Power
牡5、父・Curlin、母・Broadway’s Alibi、母父・Vindication
調教師:William Mott、騎手:Frankie Dettori
・今回の勝利で通算9戦6勝、重賞3勝目。デビューが3歳9月だった馬で初勝利は4歳6月のデビュー4戦目。そこから連勝街道に突入し、10/8のG2-ヴォスバーグS(d7f)で重賞初制覇、次走11/5のG1-BCスプリント(d6f)でG1初制覇。今回はBCスプリント以来のレースとなったがこれで6連勝達成。2019年キーンランド9月1歳馬セールにて90万米ドルで取引された馬。
・母のBroadway’s Alibiは2009年米国産、6戦4勝、G2-フォワードギャルS、G3-カムリーSの勝ち馬で、G1-ケンタッキーオークス2着。母の叔父・Dialed InはG1-フロリダダービー、G3-ホーリーブルSの勝ち馬。4代母のElizaはサンタアニタオークス、BCジュヴェナイルフィリーズのG1・2勝馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2023-02-25/834096
Saudi Derby presented by Boutique Group(G3・ダ1600m・3歳)
・逃げたHavnameltdownの直後でレースを進めたCommissioner King。終始、両馬の一騎打ちとなり、直線は激しい攻防が繰り広げられたが、最後に競り勝ったCommissioner Kingが1着、Havnameltdownが2着。日本調教馬は3着にデルマソトガケ、5着にコンティノアール、9着にフロムダスク、12着にエコロアレス。
1着:Commissioner King
牡3、父・Commissioner、母・Ek Haseena、母父・Songandaprayer
調教師:S Alshammri、騎手:Luis Morales
・今回の勝利で通算4戦3勝、重賞初制覇。昨年9/9のデビュー戦(d1400m)を12馬身3/4差で制し、11/11の2戦目は3着に敗れるも、12/16の前走ローカルG3-Ministry of National Guard Cup(d1600m)を2着に4馬身差をつけて制し、ここへ出走していた米国産のサウジアラビア調教馬。2021年1月キーンランドMixedセールにて9000米ドルにて取引された馬。
・父のCommissionerは2011年米国産のA. P. Indy産駒。現役時は15戦5勝、G2-ホーソーンゴールドカップH、G3-ピムリコスペシャルS、G3-スキップアウェイSの勝ち馬で、他にベルモントS(G1)2着。主な産駒に米重賞3勝のCon Lima、カナダ重賞3勝のBoardroom。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2023-02-25/834095
Longines Red Sea Turf Handicap(G3・芝3000m・4歳以上)
・道中インの3番手を追走していたシルヴァーソニックが絶好の手応えで直線を向かえると、しっかりと抜け出し、後続の追撃を封じ勝利。2着にEnemy、日本調教馬・エヒトは7着。
1着:シルヴァーソニック
牡7、父・オルフェーヴル、母・エアトゥーレ、母父・トニービン
調教師:池江泰寿 (栗東)、騎手:Damian Lane
・今回の勝利で通算21戦6勝、重賞2勝目。昨年12/3のG2-ステイヤーズS(t3600m)を勝利し、同じレーン騎手を鞍上に据えてここへ出走。3000m超のレースではスタート直後に落馬し、競走中止となった天皇賞(春)をノーカウントにすると、これで6戦して2勝、3着4回。社台ファーム産。社台レースホースにて1口100万円×40口で募集された馬。
・母のエアトゥーレは1997年産、23戦6勝、G2-阪神牝馬Sの勝ち馬でモーリスドゲスト賞(G1)2着。シルヴァーソニックは10番仔で、初仔のアルティマトゥーレ(セントウルS、シルクロードS)、2番仔のキャプテントゥーレ(皐月賞、デイリー杯2歳S、朝日チャレンジC×2)、4番仔のクランモンタナ(小倉記念)が重賞勝ち。祖母のスキーパラダイスはG1-ムーランドロンシャン賞、G2-京王杯スプリングCなど重賞4勝、BCマイル、仏1000ギニーなどG1での2着が5回。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2023-02-25/834094
1351 Turf Sprint presented by STC(G3・芝1351m・4歳以上)
・ハナを切ったバスラットレオンの逃げ切り勝ち。後方追走から追い込んだ、Casa Creed(昨年の2着馬で昨年米芝G1を2勝)がアタマ差の2着。レシステンシアは5着、ラウダシオンは9着、ソングラインは10着。
1着:バスラットレオン
牡5、父・キズナ、母・バスラットアマル、母父・New Approach
調教師:矢作芳人(栗東)、騎手:坂井瑠星
・今回の勝利で通算19戦5勝、重賞3勝目。昨年3/26のG2-ゴドルフィンマイル(d1600m)に続く海外重賞2勝目。昨夏はサセックスS(G1)4着→ジャックルマロワ賞(G1)7着と欧州のマイルG1を転戦し、Baaeedらと対戦。帰国後は武蔵野S(G3)3着→阪神C(G2)4着とし、ここへ出走。三嶋牧場産。広尾レースにて1口1.7万円×2000口にて募集された馬。
・昨年のサセックスSでは勝ったBaaeedから3馬身半差の4着。2着のModern Games、3着のAlcohol Freeの両G1馬とは2馬身以内のレースをしており、この戦績の割にブックメーカーの単勝オッズ10倍の評価はやや低かった印象。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2023-02-25/834093
Neom Turf Cup presented by Altanfeethi(G3・芝2100m・4歳以上)
・番手追走のMostahdafがあっさりと抜け出し、2着のDubai Futureに7馬身差をつけて圧勝。(※以下の公式Youtubeの動画は音声が入っておりません)
1着:Mostahdaf
牡5、父・Frankel、母・Handassa、母父・Dubawi
調教師:John & Thady Gosden、騎手:Jim Crowley
・今回の勝利で通算13戦8勝、重賞4勝目。昨年は4/22のG3-ゴードンリチャーズS(t1m1f209yds)、9/3のG3-セプテンバーS(AW1m3f219yds)に勝利。今回は昨年10/2の凱旋門賞でシンガリ負けして以来のレースだった馬。半姉のNazeefはG1-サンチャリオットS、G1-ファルマスS、G2-デュークオブケンブリッジSの勝ち馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/1016/riyadh/2023-02-25/834092