現地時間3/14(火)に英チェルトナム競馬場にて行われた、チェルトナムフェスティバルの初日の主なレースについて結果と動画をお届けする。既にスーパースターと形容されているConstitution Hillが出走したチャンピオンハードルは必見のレース。
Unibet Champion Hurdle Challenge Trophy(G1・2m87y・4歳以上)
・注目のチャンピオンハードルは、圧倒的な1番人気に推されていたConstitution Hill(せん6)が快勝。白の勝負服、黒の帽子がConstitution Hill。常に好位につけ、2周目4角にかけて物凄い手応えであっさりと先頭に立ち、直線は後続を一方的に突き離す盤石のレース。
・これでハードルは6戦6勝、G1・5連勝。過去6戦で2着馬につけてきた着差は14馬身→12馬身→22馬身→12馬身→17馬身→9馬身。昨年のチェルトナムフェスティバルではノービス(シーズン前に勝利経験のない馬)のG1、スカイベッドシュプリームノービシスハードルに出走していたが、ここでノービスのハードラーとしては歴史上最高のパフォーマンスだったのでは、とタイムフォームに評価された圧巻のレースを見せ、既にその時点で15戦無敗で2021年、2022年とチャンピオンハードルを連覇していたHoneysuckleよりも高い評価を得ていた馬。
・次走はグランドナショナルミーティング初日(4/13)に行われる、G1-エイントリーハードル。何事も無ければここもあっさり勝つだろうが、注目は来シーズンもハードル路線を歩むのか、チェイスへ転向するのか、になりそうである。Nicky Henderson師は「この馬ならなんでもできるよ。フェンスを飛び越えることもできるし、3マイル走ることもできる」とコメントしており、チェイス転向にいささかの懸念も抱いていない。まだ6歳の若さなだけに、どの路線を歩むにせよ、今後数年に渡りこの「スーパースター」のパフォーマンスを我々は堪能することが出来そうである。
・レースを見守るNicky Henderson師。記事アップ時点で17万回以上視聴されている40秒の好動画。
Close Brothers Mares’ Hurdle (Registered As The David Nicholson Mares’ Hurdle)(G1・2m3f200yds・4歳以上牝馬)
・メアズハードルは、チャンピオンハードル連覇中だったHoneysuckle(牝9)が、Constitution Hillとの対戦を避けてこちらへ出走。番手追走から直線勝負の形になり、最終障害飛越後、いったんは遅れを取る局面になりピンチとなるも、ラスト盛り返して見事に勝利。これで通算19戦17勝(チェルトナムフェスティバル4勝目)。近2走は3着、2着と敗れていたが見事に引退レースを勝利で飾っている。
・Henry De Bromhead師は「おとぎ話のような結末を夢見ますが、たいていの場合、それは実現しません」とコメントし、師の息子・ジャック(レース中の落馬で死亡)に触れ、「私たちはジャックがいつも私たちと一緒にいることを知っており、レイチェル[ブラックモア騎手]の肩に彼がいたと確信しています. ハニーサックルは私たちの人生の大きな部分を占めており、ジャックは彼女をとても愛していました」とコメント。一時代を築いた名馬の引退レースとしてはかなり見応えのある素晴らしいレースとなり、このレースを選んだ陣営の選択も報われる結果となっている。
・チェルトナム競馬場の公式twitterはHoneysuckleを「Cheltenham legend」と形容。
・Honeysuckleのキャリアを振り返る2分55秒の動画。