新種牡馬産駒データ考【28】産駒中央初勝利を目指す新種牡馬たち【2】

当コラムの【20】にて12/17時点で産駒が中央で未勝利だった新種牡馬の内、中央入着実績がある6頭の新種牡馬を取り上げていたが、あれから数カ月が経過し、状況がどうなっているか、をまとめていく。

12/17時点で中央入着実績があった6頭の新種牡馬のその後

・まず【20】で取り上げていた6頭の新種牡馬のその後、をまとめる。まず12/17時点の成績を記し、右側に現時点の成績を記している。一気に数字を伸ばしたのはゴールドアクター産駒で年が明けてから一気に4勝。

ニシケンモノノフ

父・メイショウボーラー、母・グリーンヒルコマチ、母父・アフリート

中央:【0-2-1-4/7】→【1-3-5-25/34】
初年度産駒(血統登録頭数):34頭
中央CPI:0.51、中央AEI:0.68

・3/26の中京ダ1400でペイシャフラワーが待望の中央初勝利。ペイシャフラワーは初勝利までに3着→2着→2着→3着→3着と5戦連続で入着し、6戦目で初めてダートを使われて初勝利。地方では22頭がデビューし、11頭が勝ち上がり。デステージョが兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)で3着になり、他に地方重賞で入着4回。

ゴールドアクター

父・スクリーンヒーロー、母・ヘイロンシン、母父・キョウワアリシバ

中央:【0-1-3-33/37】→【4-4-4-69/81】
初年度産駒(血統登録頭数):46頭
中央CPI:0.45、中央AEI:0.46

・1/21の小倉芝1800でゴールドレコーダーが初勝利。その後、1/28の小倉芝2000でゴールドプリンセス、2/5の東京ダ2100でマオノアラシ、3/4の中山ダ1800でゴールドバランサーが勝利。4頭の勝ち馬の内、3頭はゴールドアクターと同じ北勝ファームの生産馬。年が明けて距離が長いレースが多くなって台頭してきた状況で、3歳1月に初勝利をあげた父の戦績が反映されている印象。CPIをAEIが僅かながら上回っており、小粒ではあるがここにきて産駒は健闘している。

・ちなみに目下ゴールドアクターと同じく産駒が4勝をあげている種牡馬は他にエイシンヒカリ、ブラックタイド、ディープブリランテ、トビーズコーナー、オルフェーヴル、トランセンドなどがいる。

レーヴミストラル

父・キングカメハメハ、母・レーヴドスカー、母父・Highest Honor

中央:【0-1-1-29/31】→【0-1-3-61/65】
初年度産駒(血統登録頭数):35頭
中央CPI:0.66、中央AEI:0.23

・産駒は苦戦が続いているが、3/18の中山で2頭(サンエスペランス、ビップナージャ)が未勝利戦で相次いで3着に入り、10/8以来、久々に産駒が入着。これまでに中央では17頭がデビューし、入着馬は4頭。CPiとAEIを見比べると産駒がかなり苦戦していることが分かる。

マクマホン

父・Ramonti、母・Miss Sultin、母父・Celtic Swing

中央:【0-1-0-16/17】→【1-2-0-23/26】
初年度産駒(血統登録頭数):26頭
中央CPI:1.30、中央AEI:0.29

・1/28の小倉芝1800でトーセンアウローラが中央初勝利。マクマホン産駒で中央で入着実績があるのはこの馬だけで、新馬2着→未勝利10着→未勝利2着の後に勝ち上がり。CPIとAEIを見比べるまでもなく、ここまでの中央での産駒成績は惨憺たるものとなっているが、地方ではスタンレーが名古屋の地方重賞・ペガスターCに勝利し、気を吐いている。

キョウエイギア

父・ディープスカイ、母・ローレルアンジュ、母父・パラダイスクリーク

中央:【0-0-1-4/5】→【0-0-1-7/8】
初年度産駒(血統登録頭数):1頭
中央CPI:0.51、中央AEI:0.80

・唯一の初年度産駒、キョウエイルーマーがこれまでに8戦し、3着が1回。3着になったレース以外は全て勝ち馬から1秒以上離されての敗戦となっており、勝ち上がりまでに時間がかかりそうな印象。

レガーロ

父・Bernardini、母・サンタテレジータ、母父・Lemon Drop Kid

中央:【0-0-1-0/1】→【1-0-1-1/3】
初年度産駒(血統登録頭数):2頭
中央CPI:12.85、中央AEI:2.04

・3/4の阪神ダ1800でアウトレンジがデビュー3戦目で中央初勝利。中央でデビューした唯一の産駒が勝ち上がりとなり、もう1頭の初年度産駒・エムティヒビキも門別と大井で各1勝。2ndクロップが4頭、3rdクロップが1頭と産駒の数は少ないが、1stクロップはしっかり結果を出している。CPIが異様に高いのを見れば一目瞭然だが、アウトレンジの母の産駒成績は優秀で、アウトレンジはL-鳳雛Sの勝ち馬で、シリウスS(G3)2着、チャンピオンズC(G1)3着、レパードS(G3)3着のハピの半弟。

現時点で中央入着実績はあるが産駒未勝利の上記以外の新種牡馬

スノードラゴン

父・アドマイヤコジーン、母・マイネカプリース、母父・タヤスツヨシ

中央:【0-0-1-12/13】
初年度産駒(血統登録頭数):10頭
中央CPI:0.71、中央AEI:0.39

・3頭が中央でデビュー。リュウノステルスが芝で5戦して最高が5着だったが、6戦目でダートを使われると0.7秒差の5着と健闘。7戦目は1番人気に推されるまでになったが3着。地方では5頭がデビューし、3頭が勝ち上がり。笠松所属のツミキヒトツが中京ペガスターC2着、新緑賞3着と地方重賞入着2回。

レインボーライン

父・ステイゴールド、母・レーゲンボーゲン、母父・フレンチデピュティ

中央:【0-0-1-26/27】
初年度産駒(血統登録頭数):26頭
中央CPI:0.89、中央AEI:0.06

・9頭が中央でデビュー。クリノクオンがデビュー9戦目に18頭立ての17番人気で3着となったのが唯一の中央入着。地方では13頭がデビューし、3頭が勝ち上がり。金沢でダイヤモンドラインが2勝、2着4回と奮戦中で、兼六園ジュニアCと金沢ヤングチャンピオンで共に2着と地方重賞で2度入着。

アグニシャイン

父・ハービンジャー、母・ガールオンファイア、母父・アグネスタキオン

中央:【0-0-1-4/5】
初年度産駒(血統登録頭数):3頭
中央CPI:0.63、中央AEI:0.27

・2頭が中央デビュー。アグニレディアンスが6着→14着→3着→5着。近2走は勝ち馬からいずれも0.3秒差の競馬で勝ち上がりは現実的な目標となる一頭。尚、地方でも勝ち上がり馬は出ていない。アグニシャインは曽祖母がウインドインハーヘアで、伯父にゴルトブリッツ、従兄にレイデオロ、レイエンダがいる血統馬だが、2021年、2022年はいずれも種付頭数は1頭のみ。

シゲルカガ

父・パイロ、母・アレグレッツア、母父・シャンハイ

中央:【0-0-1-6/7】
初年度産駒(血統登録頭数):13頭
中央CPI:0.41、中央AEI:0.20

・2頭が中央デビュー。シゲルダンガンが芝でデビューし8着→2戦目も芝を使われ15着と大敗。3戦目でダートを使われると一変し3着と健闘するも、その後は6着→7着→16着→8着。尚、地方では6頭がデビューし、3頭が勝ち上がっている。