2023 欧州クラシック戦線リポート【4】グリーナムS、フレッドダーリンS等

現地時間4/21(金)、4/22(土)に英ニューベリー競馬場にて開催されたドバイデューティフリースプリングトライアル開催のダイジェストをお届けする。合わせて愛ナヴァン競馬場にてデビュー勝ちをおさめた注目の2歳馬についても触れる。

Watership Down Stud Too Darn Hot Greenham Stakes(G3・芝7f・3歳牡馬、せん馬・4/22)

・グリーナムSは、1番人気のChaldeanの鞍上・Frankie Dettoriがスタート直後に右から他馬に寄られ、落馬となる波乱のスタート。レースはハナに立ったNight Of Thunder産駒・Isaac Shelby(牡3)が2着のCharynに3馬身差をつけて逃げ切り勝ち。

・今回の勝利で通算4戦3勝、重賞2勝目。昨年7/9のG2-スーパーレイティヴS(t7f)の勝ち馬で、次走10/8のG1-デューハーストS(t7f)は今回、競走中止となった勝ち馬のChaldeanから12馬身差の7着と敗れていた馬。父のNight Of Thunderの母父と、母父のHeliostaticの父が共にGalileoで、Galileoの3×3のクロスを持つ馬。この後は英2000ギニーではなく、5/14のプールデッセデプーラン(仏2000ギニー)へ向かう旨、陣営からコメントが出ている。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/36/newbury/2023-04-22/835737

Dubai Duty Free Stakes (Registered As The Fred Darling Stakes)(G3・芝7f・3歳牝馬・4/22)

・フレッドダーリンSは、Kingman産駒・Remarquee(牝3)が内から俊敏に抜け出して1着。今回の勝利で通算2戦2勝、重賞初制覇。昨年9/29のデビュー戦(t7f)に勝利し、205日ぶりの休み明けでここに臨んでいた馬。この勝利でウィリアムヒルでは英1000ギニーで本馬を単勝8倍の5番人気に設定。レース後、Ralph Beckett師は「彼女は多くのことを知りませんが、今日以降はもっと多くのことを知ることになるでしょうし、私たちは間違いなくニューマーケット(英1000ギニー)に行くでしょう」「彼女はとても優秀だと思うし、それを理由にギニーに行かなければならない」とコメント。

・Kingman産駒の現3歳世代は5thクロップになるが、1stクロップが2歳時に活躍したことで種付料がそれまでの5万5000ポンドから7万5000ポンドに引き上げられた時の世代。1stクロップが3歳になると、Persian Kingがプールデッセデプーラン(仏2000ギニー)を勝つなど、さらに産駒の活躍が加速し、現2歳世代からは種付料が一気に倍の15万ポンドへ引き上げられることとなる。

・叔父のScopeは一昨年のG1-ロワイヤルオーク賞の勝ち馬。母の叔母に2008年の英オークス馬・Look Hereがいる牝系の出身。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/36/newbury/2023-04-22/835740

Darley Novice Stakes(Class2・芝10f・3歳・4/21)

・ゴドルフィンのFrankel産駒・Military Order(牡3)が逃げ切り勝ち。今回の勝利で通算3戦2勝。昨年10/1のデビュー戦で2着となり、10/19の2戦目(t8f)で勝ち上がり。約半年ぶりのレースだった馬。Adayar(英ダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS)の全弟になる良血馬で、この勝利を受けてウィリアムヒルでは英ダービーで単勝11倍(2番人気タイ)に設定

・尚、もう1頭の2番人気に評価されている馬は同じゴドルフィンのImperial Emperor(父・Dubawi)。母は米G1-マンノウォーSの勝ち馬で、祖母は愛G1-アイリッシュ1000ギニーの勝ち馬叔父にGhaiyyath(G1・4勝、2020年のカルティエ賞年度代表馬)がいる超良血馬。昨年10/1のデビュー戦を勝って以来、レースには出ておらず、5/18のダンテSにエントリー済。ここを使って6/3の英ダービーへ、というローテーションになるか。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/36/newbury/2023-04-21/835730

Irish Stallion Farms EBF Maiden(芝5f164yds・2歳・愛ナヴァン競馬場・4/22)

・愛ナヴァン競馬場での2歳戦でバリードイルのRiver Tiber(牡2、父・Wootton Bassett)が2着に10馬身差をつけての圧勝デビュー。早くも今年のロイヤルアスコットの注目馬となっており、ウィリアムヒルは6/20のコヴェントリーSで単勝4倍の1番人気に本馬を設定。Wootton Bassettがクールモアスタッドにトレードされた年に種付けされた世代が現2歳。明らかに繁殖の質が上がっている世代と思われ、現2歳以降のWootton Bassett産駒には特に注目が集まりそうである。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/193/navan/2023-04-22/838985

※過去記事