ブリティッシュ・チャンピオンズデイ・ミニ展望

今週末は現地時間10/20(土)に英アスコット競馬場にて、G1レースが4鞍、G2レースが1鞍、1日で5つの重賞レースが行われる恒例のブリティッシュ・チャンピオンズデイが開催される。Cracksman、Roaring Lion、Stradivarius、Lah Ti Darと今年を象徴するようにJ.ゴスデン師が各レースに有力馬を送り込む構図となっている。本稿では各レースの注目馬を取り上げる。

ブリティッシュ・チャンピオンズ・ロングディスタンスカップ(G2)1m7f209y

現地時間10/20(土)1R・13:25発走予定。7頭立ての予定。英sky sportsの出馬表は以下をご参照下さい(別タブで開きます)。

https://www.skysports.com/racing/racecards/ascot/20-10-2018/848081/qipco-british-champions-long-distance-cup

Stradivarius(ストラディヴァリウス)

父・Sea The Stars、母・Private Life、母父・Bering
牡4、J.ゴスデン調教師、L.デットーリ騎手

・今季4戦4勝(5/18・ヨークシャーカップ(G2)→6/21・アスコットゴールドカップ(G1)→7/31・グッドウッドカップ(G1)→8/24・ロンズデールカップ(G2))。今年の英長距離界を席捲してきた馬でここは大本命となる。英ブックメーカーWilliamHILLの単オッズは2倍を切る1.91倍。
・3代母のPawneeseは1976年に英オークス→仏オークス→キングジョージを3連勝した馬で、この馬を牝祖とする他の活躍馬にメルボルンC、ベルリン大賞などを勝ったProtectionistがいる。

ブリティッシュ・チャンピオンズ・スプリントステークス(G1)6f

現地時間10/20(土)2R・14:00発走予定。14頭立ての予定。英sky sportsの出馬表は以下をご参照下さい(別タブで開きます)。

https://www.skysports.com/racing/racecards/ascot/20-10-2018/848082/qipco-british-champions-sprint-stakes

The Tin Man(ザティンマン)

父・Equiano、母・Persario、母父・Bishop of Cashel
せん6、J.ファンショウ調教師、O.マーフィー騎手

・今季4戦2勝(5/21の準重賞、9/8の前走・スプリントC(G1))。このレースは4年連続の出走となり、これまでに4着→1着→5着。英スプリント界の安定勢力に長年位置してきた馬で着外に負けることは少なく、堅実に入着を重ね、4歳時、5歳時、6歳時と毎年1つずつ、6fのG1レースを全て1番人気ではない形でしぶとく勝ってきた馬。
・父はトライマイベスト系のAcclamatinon(その父・Royal Applause)産駒で現役時にキングズスタンドS(G1・5f)を2勝。母父はMan o’War系のWarning(その父・Known Fact)産駒。

ブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ&メアズステークス(G1)1m3f211y

現地時間10/20(土)3R・14:40発走予定。11頭立ての予定。英sky sportsの出馬表は以下をご参照下さい(別タブで開きます)。

https://www.skysports.com/racing/racecards/ascot/20-10-2018/848083/qipco-british-champions-fillies-mares-stakes

Lah Ti Dar(ラーティダー)

父・Dubawi、母・Dar Re Mi、母父・Singspiel
牝3、J.ゴスデン調教師、L.デットーリ騎手

・今年4/20にデビューし、6馬身差で勝利→5/6の2戦目(準重賞)も勝利→8/23の3戦目(準重賞)も10馬身差で勝利、とデビュー3連勝。大きな注目を集めた前走・9/15の英セントレジャー(G1)ではKew Gardensの2着。英ブックメーカーWilliamHILLの単オッズは2.25倍の1番人気。
・先週のデューハーストS(G1)を勝ち、デビュー4連勝とした、Too Darn Hot(トゥーダーンホット)の全姉。先日のタタソールズ1歳市場にて全弟が世界最高価格(日本円で約5億4390万円)で落札されたニュースが同馬とToo Darn Hotの能力や将来性、母であるDar Re Mi(ドバイシーマクラシック、ヨークシャーオークス、プリティポリーSなど重賞4勝)の繁殖牝馬としての評価の高さを物語っているといえる。

クイーンエリザベス2世ステークス(G1)1m

現地時間10/20(土)4R・15:15発走予定。15頭立ての予定。英sky sportsの出馬表は以下をご参照下さい(別タブで開きます)。

https://www.skysports.com/racing/racecards/ascot/20-10-2018/848084/queen-elizabeth-ii-stakes

Roaring Lion(ロアリングライオン)

父・Kitten’s Joy、母・Vionnet、母父・ストリートセンス
牡4、J.ゴスデン調教師、O.マーフィー騎手

・エクリプスS(7/7・2着:Saxon Warrior)→インターナショナルS(8/22・2着:Poet’s Word)→アイリッシュチャンピオンS(9/15・2着:Saxon Warrior)と10f路線のG1レースを3連勝中。ここは本レースとチャンピオンSの両睨み状態だったが、同厩のCracksman(クラックスマン)との兼ね合いや馬場状態を考慮し、ここへ矛先を向けてきている。英ブックメーカーWilliamHILLの単オッズは3.25倍の1番人気。
・マイルでの戦績は昨年8月のデビューから今年5月の英2000ギニーまで、全てマイルを使われて6戦3勝、2着1回。ロイヤルロッジS(G2)勝ちはあるが、G1ではSaxon Warriorとの大接戦となったレーシングポストトロフィで2着、休み明け2戦目で臨んだ英2000ギニーでSaxon Warriorの5着、と共に敗れている。

Recoletos(レコレトス)

父・Whipper、母・Highphar、母父・Highest Honor
牡4、C.ラフロンパリナス調教師、O.ペリエ騎手

・今季5戦3勝のフランス馬。前々走8/12のジャックルマロワ賞(G1)で先日引退したAlpha Centauriの2着とした後に臨んだ前走9/9のムーランドロンシャン賞(G1)を制覇。英ブックメーカーWilliamHILLの単オッズは6.00倍の2番人気。
・父はMiesque’s Son(その父・Mr. Prospector)産駒で現役時にジャックルマロワ賞、モーリスドゲスト賞、モルニ賞など重賞4勝。母父はKenmare(その父・Kalamoun)産駒。BMSとして日本ではレーヴドスカー産駒・レーヴディソール、レーヴミストラル、アプレザンレーヴらを輩出。

チャンピオンステークス(G1)1m1f212y

現地時間10/20(土)5R・15:50発走予定。8頭立ての予定。英sky sportsの出馬表は以下をご参照下さい(別タブで開きます)。

https://www.skysports.com/racing/racecards/ascot/20-10-2018/848085/qipco-champion-stakes

Cracksman(クラックスマン)

父・Frankel、母・Rhadegunda、母父・Pivotal
牡4、J.ゴスデン調教師、L.デットーリ騎手

・今季3戦2勝。4/29のガネー賞(G1)→6/1のコロネーションカップ(G1)と連勝し、6/20のプリンスオブウェールズS(G1)でも大本命視されたが、Poet’s Word(=先日、引退が報じられている)の2着に完敗。その後、キングジョージ、インターナショナルS、凱旋門賞と全て馬場状態を理由に回避。ただ、ここは陣営がずっと望んできた馬場渋化が見込めそうな雲行きで、同厩のRoaring Lion(ロアリングライオン)がクイーンエリザベス2世ステークスに回ったこともあり、英ブックメーカーWilliamHILLの単オッズでは1.80倍の抜けた人気となっている。引退レースを勝利で飾ることが出来るか。
・Frankelの初年度産駒として、欧州初のG1ウイナーに輝いた昨年の同レースでは7馬身差の衝撃的ともいえる圧勝。参考レースとして以下、昨年の同レースの直線動画をご参照頂きたい。この時の馬場状態は「soft」で日本での「重」。2着は今年キングジョージを勝ったPoet’s Word、3着は欧州、アメリカ、香港と世界を股にかけG1を7勝したHighland Reel。

Crystal Ocean(クリスタルオーシャン)

父・Sea The Stars、母・Crystal Star、母父・Mark of Esteem
牡4、サー・マイケル・スタウト調教師、W.ビュイック騎手

・今季5戦3勝、2着2回。G3→G3→G2と少頭数の重賞を3連勝して臨んだ、前々走7/28のキングジョージでは同厩のPoet’s Wordとの力の入るマッチレースとなり惜しくも2着。前走9/8のセプテンバーSでは、先日凱旋門賞連覇を果たしたEnable(イネイブル)のほぼ1年ぶりの復帰戦となり注目されたが、ここでも2着と敗れている。
・Sea The Stars産駒は2011年産まれが初年度産駒で本馬は4年目の産駒。以下にこれまでのSea The Starsの主な産駒をまとめて列記する。

初年度産駒(2011年産まれ)
Taghrooda(キングジョージ、英オークス)、Sea The Moon(独ダービー)、Vazira(サンタラリ賞)

2年目産駒(2012年産まれ)
※G1馬はなし

3年目産駒(2013年産まれ)
Harzand(英ダービー、愛ダービー)、Mekhtaal(イスパーン賞)、Cloth of Stars(ガネー賞)、Zelzal(ジャンプラ賞)

4年目産駒(2014年産まれ)
Stradivarius(現役・アスコットゴールドカップ、グッドウッドカップ2勝)

5年目産駒(2015年産まれ)
Sea of Class(現役・愛オークス、ヨークシャーオークス)