フューチュリティトロフィー(旧レーシングポストトロフィー)ミニ展望

今年の英国平地競馬の最後のG1レースとなる、フューチュリティトロフィー(G1・1m・旧レーシングポストトロフィー。今年より新たにVertemがスポンサーとなり「Vertem Futurity Trophy Stakes」へ名称変更)が現地時間10/27(土)に英ドンカスター競馬場にて行われる。昨年はSaxon WarriorとRoaring Lionの壮絶な競り合いが直線で繰り広げられたが、今年はどんなレースになるか注目である。本稿では有力馬3頭をご紹介する。

※英スカイスポーツの出馬表は以下をご参照下さい(別タブで開きます)。

https://www.skysports.com/racing/racecards/doncaster/27-10-2018/854694/vertem-futurity-trophy-stakes

Magna Grecia(マグナグレシア)

父・Invincible Spirit、母・Cabaret、母父・Galileo
牡2、A.オブライエン調教師、D.オブライエン騎手

・2戦1勝。9/30のデビュー戦(7f)を3馬身半差で勝利。続く前走・10/13のオータムS(G3・1m)ではPersian Kingの2着。

・父は1997年愛国産のGreen Desert(その父・Danzig)産駒でスプリントC(G1)などの英愛6f重賞を3勝。主な産駒にKingman(2014年カルティエ賞年度代表馬、最優秀3歳牡馬)、Lawman(仏ダービー馬)など。今年の種付料は12万ユーロ

・母は愛2歳G3-シルバーフラッシュSの勝ち馬。母の半兄・Drumfireは英G3勝ち馬。

 


・Galileo(1998年愛国産)がBMSとしてこれまでに輩出してきた主な産駒を獲得賞金順に以下に列記する。資料としてご一読願いたい。

Lea(父・First Samurai)

・ドンH(G1)など米重賞3勝。他にBCダートマイル(G1)などG1での2着が4回。

The Autumn Sun(父・Redoute’s Choice)

・コーフィールドギニー(G1)、ゴールデンローズS(G1)、J.Jアトキンスプレート(G1)と豪G1を3勝中の現役3歳馬。

Sistercharlie(父・Myboycharlie)

・ジェニーワイリーS(G1)、ダイアナS(G1)、ビヴァリーDステークス(G1)と牝馬限定の米芝G1を今年3勝している現役4歳牝馬。来週のBCフィリー&メアターフで上位人気が予想されている。

Saxon Warrior(父・ディープインパクト)

・英2000ギニー(G1)、レーシングポストトロフィー(G1)と英G1を2勝。先日引退が発表されたばかり。

U S Navy Flag(父・War Front)

・ミドルパークS(G1)、デューハーストS(G1)と英2歳G1を連勝し、昨年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬に輝く。今年は7月のジュライC(G1)を制している。

Galileo Gold(父・Paco Boy)

・英2000ギニー(G1)、セントジェームズパレスS(G1)と英G1を2勝。

Night Of Thunder(父・Dubawi)

・英2000ギニー(G1)、ロッキンジS(G1)と英G1を2勝。

カンタービレ(父・ディープインパクト)

・今年のローズS(G2)、フラワーC(G3)と重賞2勝中の現役3歳牝馬。三嶋牧場生産。

La Cressonniere(父・Le Havre)

・8戦8勝。仏1000ギニー(G1)、仏オークス(G1)と仏G1を2勝。2017年に引退後、社台F吉田照哉代表が購入。


Turgenev(ツルゲーネフ)

父・Dubawi、母・Tasaday、母父・Nayef
牡2、J.ゴスデン調教師、L.デットーリ騎手

・3戦2勝。9/14のデビュー戦(7f)で2着→9/24の2戦目(1m)で1着→10/6の3戦目(1m)で1着。馬名は19世紀ロシア文学を代表する文豪・イワン・ツルゲーネフより。

・父は2002年愛国産。Dubawiの今年の種付料は25万ユーロ。これまでの産駒の中で獲得賞金が最も多い馬はPostponed(キングジョージ6世&クイーンエリザベスSなどG1を4勝)。以下、モンテロッソ(ドバイワールドCなど重賞3勝)、Prince Bishop(ドバイワールドC、マクトゥームチャレンジラウンド3など重賞7勝)、Lucky Nine(香港、シンガポールで重賞9勝)の順。

・母父はGulch(その父・Mr.Prospector)産駒で英G1-チャンピオンS、英G1-インターナショナルS、英G1-プリンスオブウェールズS、首G1-ドバイシーマクラシックの勝ち馬。BMSとして輩出した主な産駒に豪G1馬・Harlemがいる。

・母は仏G2-ノネット賞、仏G3-プシシェ賞、仏G3-レゼルヴォワ賞の勝ち馬。祖母Tashelkaは仏重賞2勝。

Phoenix of Spain(フェニックスオブスペイン)

父・Lope De Vega、母・Lucky Clio、母父・Key Of Luck
牡2、C.ヒルズ調教師、J.スペンサー騎手

・4戦2勝。7/6のデビュー戦(7f)で4着→7/29の2戦目(7f)で1着→8/22のエイコムS(G3・7f)で1着→9/15のシャンペンS(G2・7f6y)でToo Darn Hotの2着。

・父は2007年愛国産。Shamardal(その父・Giant’s Causeway)産駒で2010年の仏2冠馬。今年の種付料は6万ユーロ。これまでの主な産駒は豪G1馬のVega MagicSanta Ana Laneや、ロッキンジS(G1)、デューハーストS(G1)を勝ったBelardo

・母父はChief’s Crown(その父・Danzig)産駒で芝1000mの仏2歳重賞を1勝。BMSとして輩出した主な産駒はともに6fの英G1を2勝した、Slade Power(ジュライC、ダイヤモンドジュビリーS)、Society Rock(スプリントC、ゴールデンジュビリーS)。

・伯父のSpecial Kaldounは仏重賞6勝。