英ダービー・レース結果

先程、英エプソム競馬場にて行われた今年の英ダービーのレース結果と直線動画を速報でお届けする。場内はロイヤルアスコット開催ばりにモーニング・トップハット・ウエストコート着用の男性が目立ち、女性も帽子着用の正装が多く華やかな雰囲気の中、開催されている。

Derby Stakes(G1・1m4f6y)

1着:Anthony Van Dyck

父・Galileo、母・Believe’N’Succeed、母父・Exceed And Excel
調教師:A P O’Brien、騎手:Seamie Heffernan

・今日の勝利で通算9戦5勝(重賞3勝)。前走5/11のリングフィールドでのダービートライアルS(LR・1m3f133yds)を休み明けで勝って、叩き2戦目でダービー制覇。前日の英オークスと同じく最内枠発走の馬が勝利したことになる。

 1着:[2019/06/01]英ダービー(英G1・1m4f6y・エプソム)
 1着:[2018/08/26]フューチュリティS(愛G2・7f・カラ)
 1着:[2018/07/26]タイロスS(愛G3・7f・レパーズタウン)

・直線、実に見応えのある熱戦となり、先に外からSir Dragonetと真ん中からMadhmoonが抜け出したところに、内に切れ込みながら差してきたのが勝ったAnthony Van Dyck。道中は終始インを追走し脚を溜め、直線はカベになりかけるも何とか切り抜け、日本ダービー同様、「父」の底力をまざまざと見せつける勝利。

・以下はAnthony Van Dyckのコース取りに着目してご覧頂くと非常に面白い上空からの空撮動画。これを見ると、内にいた2頭がバテた事で(=内2頭より脚色が勝っていた事で)、結果として内に切れ込むスペースが出来たことが良く分かり、実力と流れが絶妙に噛み合って栄冠を勝ち取る結果となったことが分かる。

Galileo産駒は英ダービー4勝目(2008年・New Approach、2013年・Ruler of The World、2014年・Australia、2019年・Anthony Van Dyck)。G1馬はこれで14世代で77頭目

・母父のExceed And Excelは2000年豪州産のデインヒル産駒。BMSとしてAstern(豪G1-ゴールデンローズSなど)、Ten Sovereigns(英2歳G1-ミドルパークSなど)らを輩出。

・牝系などの血統背景などについては以下の展望記事をご覧下さい。

http://umahei.com/post-8193

A P O’Brien師は英ダービー7勝目。クールモアスタッドやバリードイル調教場を設立した故ヴィンセント・オブライエン師のNijinsky、Robertoなどによる英ダービー6勝の記録を更新し、歴代最多タイ。

 2001年・Galileo
 2002年・High Chaparral
 2012年・Camelot
 2013年・Ruler of the World
 2014年・Australia
 2017年・Wings of Eagles
 2019年・Anthony Van Dyck

・英Racing PostのDavid Jennings氏による「オブライエン調教師本人に聞いた調教の秘訣」と題された非常に興味深い日本語訳の記事を以下にアップするので興味がある方はご一読願いたい。「馬が酸素を肺にちゃんと吸い込んでいるのが分かるので、あの音を聞くのが好きです」、「私がやっているのは仕事ではなく趣味です。馬は私の人生のすべてであり、馬一色なのですが、それでも楽しんでいます」と語る師の言葉にはやはり重みがある。

https://www.jairs.jp/contents/w_news/2019/4/4.html

Seamie Heffernan騎手は英ダービー初勝利英クラシックはWasで勝った2012年の英オークス以来、2勝目。アイルランドのジムボルジャー師の元で見習い騎手としてキャリアをスタートし、1994年にアイルランドの見習い騎手チャンピオンとなり、1996年にA P O’Brien師のバリードイル調教場へ2番手騎手として移籍。以後、愛ダービー3勝など、厩舎を長く支えてきたジョッキー。

2着:Madhmoon(半馬身差)

父・Dawn Approach、母・Aaraas、母父・Haafhd
調教師:Kevin Prendergast、騎手:Chris Hayes

・道中はAnthony Van Dyckよりも後ろのイン待機。直線入口にかけて一気に上昇し、あっという間に先団へ迫る脚は非常に目を見張るものがあり、外からSir Dragonetが迫ってくるも、最後まで抜かせずに我慢し切り、離れた最内に潜り込んだAnthony Van Dyckには屈したが大健闘の2着。

3着:Japan(勝ち馬との着差:半馬身差)

父・Galileo、母・Shastye、母父・Danehill
調教師:A P O’Brien、騎手:Wayne Lordan

・後方から大外を良く伸びて3着。早くからA P O’Brien師に素質を高く評価されていた馬だが、見せ場十分の内容。

4着:Broome(勝ち馬との着差:3/4馬身差)

父・Australia、母・Sweepstake、母父・Acclamation
調教師:A P O’Brien、騎手:Donnacha O’Brien

・道中はSir Dragonetをマークするような位置取り。先に仕掛けたSir Dragonetの外から脚を伸ばし、ジリジリと差を詰めるも勝ったか?と思わせるシーンは無く、結果、4着止まり。

5着:Sir Dragonet(勝ち馬との着差:3/4馬身差)

父・Camelot、母・Sparrow、母父・Oasis Dream
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore

・道中は外、外と回り早めに動き、いったんは先頭に立ちかける積極策に出るも、結果、早仕掛け気味になり、ラストは遅れて差してきたBroome、Japanにも交わされての5着。Ryan Moore騎手はコロネーションCでのKew Gardens(2着)、英オークスでのPink Dogwood(2着)と同じような負け方が続いてしまう結果に。