6/18(火)から6/22(土)の5日間に渡り、英アスコット競馬場にて行われる今年のロイヤルアスコット開催。連日、レース結果や直線動画と翌日の展望を合わせてお届けする予定だが、本稿では出馬が確定した初日6/18(火)に行われる重賞レースと出走予定の有力馬について及び期間中のアスコット競馬場でのファッション事情などについて触れているので、ご参照頂きたい。
※全日程の日本時間22:30~、DAZNにて衛星生中継。DAZNに加入されている方は必見となる。DAZN内の各種スポーツの中から「競馬」へ進むと視聴可能。
※DAZNに加入されていない方は以下のDubai Racing ChannelがこちらもLiveで無料配信(登録不要)してくれるので、リンク先にて連日お楽しみ頂きたい。画面右の「1」と「2」がチャンネル名で欧州のビッグイベントはたいてい「1」で中継される。
http://www.dmi.ae/dubairacing/live.asp
※併記した単勝オッズは現時点の英ブックメーカー・WilliamHILLのもの。
1R:クイーンアンS(G1・8f・4歳以上)日本時間22:30発走予定
・1840年創設、1930年にアン女王の名を冠して改名。アン女王は1711年に「この場所こそ、競走馬が全力で走るのにふさわしい」とアスコット競馬場の建設を命じた女王。アン女王は大の紅茶好きでも有名で、上流階級から1日に何度も紅茶を飲む習慣が広がり、「イギリスに紅茶を定着させた女王」とも言われる。
※レーシングポストの出馬表
https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2019-06-18/727805
現時点の上位人気馬
Le Brivido:4.50倍
牡5、父・Siyouni、母・La Bugatty、母父・Dr Fong
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore
・一昨年の仏2000ギニー2着馬で重賞1勝。約1年ぶりの出走となった前々走4/13の愛G3-グラッドネスS(7f)で3着→前走5/18の英G1-ロッキンジS(1m)で5着。
Mustashry:6.00倍
せん6、父・Tamayuz、母・Safwa、母父・Green Desert
調教師:Sir Michael Stoute、騎手:Jim Crowley
・重賞4勝。前々走4/18の英G3-アールオブセフトンS(1m1f)で3着→前走5/18の英G1-ロッキンジS(1m)で初のG1タイトルを獲得。伯父のMaraahelは重賞7勝。
Barney Roy:7.00倍
せん5、父・Excelebration、母・Alina、母父・Galileo
調教師:Charlie Appleby、騎手:James Doyle
・一昨年の英G1-セントジェームズパレスSなど重賞2勝。長く休養していたが昨年去勢され、今年5/1に558日ぶりに準重賞に出走し2着→前走5/23の準重賞を1着。
Laurens:7.00倍
牝4、父・Siyouni、母・Recambe、母父・Cape Cross
調教師:K R Burke、騎手:P J McDonald
・G1を5勝(仏オークス(ディアヌ賞)、愛メイトロンS、サンチャリオットS、サンタラリ賞、フィリーズマイル)、重賞6勝。210日ぶりの出走だった前走5/18の英G1-ロッキンジS(1m)では勝ったMustashryから2馬身半差の2着。
クイーンアンSを勝った過去の名馬
・以下の動画は1989年のクイーンアンS。勝ったのはWarning(牡3)、鞍上はPat Eddery。種牡馬入り後、日本ではカルストンライトオ、サニングデールなどを輩出した。
2R・コヴェントリーS(G2・6f・2歳)日本時間23:05発走予定
・1890年創設の2歳戦でレース名はイギリス王室主馬頭(Master of the Horse=貴族又は枢密院顧問から選ばれ、王室の馬や猟犬、厩舎、馬車などを管轄する)を務めた第9代コヴェントリー伯爵に由来。Henrythenavigator、Mill Reef、Nasrullah、Persimmonなどが過去に勝ったレース。
※レーシングポストの出馬表
https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2019-06-18/731556
現時点の上位人気馬
Arizona:3.50倍
牡2、父・No Nay Never、母・Lady Ederle、母父・English Channel
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore
・2戦1勝。前走5/26のカラでのデビュー2戦目(6f)を8馬身差で勝利。祖母のBright Generationはイタリアオークス馬。従兄に2011年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬、同年のフランス年度代表馬のDabirsim。
Threat:4.50倍
牡2、父・Footstepsinthesand、母・Flare Of Firelight、母父・Birdstone
調教師:Richard Hannon、騎手:Tom Marquand
・1戦1勝。5/5のニューマーケットでのデビュー戦(5f)を2馬身1/4差で勝利。祖母のShivaは日本産のヘクタープロテクター産駒で、愛G1-タタソールズゴールドカップの勝ち馬。
Guildsman:8.00倍
牡2、父・Wootton Bassett、母・Dardiza、母父・Street Cry
調教師:Archie Watson、騎手:Oisin Murphy
・1戦1勝。6/7のグッドウッドでのデビュー戦(6f)を6馬身差で勝利。近親に英、愛チャンピオンS、ジョッケクルブ賞(仏ダービー)などを勝ったAlmanzo(の祖母と本馬の3代母が同じ)。
3R・キングズスタンドS(G1・5f・3歳以上)日本時間23:40発走予定
・1860年創設。オーストラリアのTakeover TargetとMiss Andretti、スペインのEquiano、香港のLittle Bridgeと英愛以外の調教馬が過去多く優勝しているレース。2000年に出走したアグネスワールドが武豊騎乗でNuclear Debateの2着。
※レーシングポストの出馬表
https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2019-06-18/727807
現時点の上位人気馬
Battaash:3.00倍
せん5、父・Dark Angel、母・Anna Law、母父・Lawman
調教師:Charles Hills、騎手:Jim Crowley
・昨年の2着馬で一昨年の仏G1-アベイユドロンシャン賞、英G2-テンプルS(2勝)、英G2-キングジョージS(2勝)など重賞6勝の実績馬。休み明けの前走5/25の英G2-テンプルS(5f)を制し、ここへ臨む。
Blue Point:4.00倍
牡5、父・Shamardal、母・Scarlett Rose、母父・Royal Applause
調教師:Charlie Appleby、騎手:James Doyle
・昨年の勝ち馬で既に重賞7勝。今年は2/14のG3-メイダンスプリント(5f)→3/9のG3-ナドアルシバターフスプリント(6f)→前走3/30のG1-アルクォズスプリント(6f)と3連勝中。一息入れてここへ出走。
Sergei Prokofiev:7.00倍
牡3、父・Scat Daddy、母・Orchard Beach、母父・Tapit
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore
・2歳時に英G3-コーンウォリスS(5f)に勝利。休み明けの前々走3/30の準重賞(5.5f)で1着→前走5/4の英G3-パレスハウスS(5f)はMabs Crossの4着。
Mabs Cross:9.00倍
牝5、父・Dutch Art、母・Miss Meggy、母父・Pivotal
調教師:Michael Dods、騎手:Paul Mulrennan
・昨年の仏G1-アベイドロンシャン賞など重賞3勝、昨年のカルティエ賞最優秀スプリンター。前々走5/4の英G3-パレスハウスS(5f)を勝ち、前走5/25の英G2-テンプルS(5f)ではBattaashの3着。
キングズスタンドSを勝った過去の名馬
・以下の動画は2006年のキングズスタンドS。大接戦のゴール前となったが、勝ったのはオーストラリアのTakeover Target。同年の秋に日本へ遠征し、セントウルSではシーイズトウショウの2着、スプリンターズSではメイショウボーラーらを降し1着。
4R・セントジェームズパレスS(G1・7f213y・3歳牡馬)日本時間24:20発走予定
・1834年創設。3歳牡馬限定のマイルG1(1988年からG1)。セントジェームズ宮殿はロンドンで最も古い宮殿で、1837年にヴィクトリア女王がバッキンガム宮殿に移るまで歴代の王が住んでいた場所。
※レーシングポストの出馬表
https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2019-06-18/727806
現時点の上位人気馬
Phoenix of Spain:2.75倍
牡3、父・Lope De Vega、母・Lucky Clio、母父・Key Of Luck
調教師:Charles Hills、騎手:Jamie Spencer
・重賞2勝。2歳時に英G3-エイコムS(7f)に勝利。その後、シャンペンS(7f)で2着、フューチュリティトロフィー(1m)で2着など好走を続けて休養入り。休み明けの前走5/25の愛G1-アイリッシュ2000ギニーを完勝。
Too Darn Hot:3.25倍
牡3、父・Dubawi、母・Dar Re Mi、母父・Singspiel
調教師:John Gosden、騎手:Frankie Dettori
・重賞3勝。昨年は4戦4勝、カルティエ賞最優秀2歳牡馬に選出されたが、今年は休み明けだった5/16のダンテS(1m2.5f)で2着→前走5/25のアイリッシュ2000ギニー(1m)で2着と足踏み状態。前走のPhoenix of Spainとの着差は3馬身。
King Of Comedy:6.00倍
牡3、父・Kingman、母・Stage Presence、母父・Selkirk
調教師:John Gosden、騎手:Adam Kirby
・4戦3勝、ここが重賞初出走となる別路線組。休み明けだった前々走4/23のヤーマスでの条件戦(1m3yds)で1着→前走5/23のサンダウンでの準重賞(1m)を2馬身半差で1着。
Skardu:11.00倍
牡3、父・Shamardal、母・Diala、母父・Iffraaj
調教師:William Haggas、騎手:James Doyle
・4戦2勝。デビュー2戦目だった今年4/17の英G3-クレイヴンS(1m)を制し一躍注目を浴びたが、続く英2000ギニー(1m)で勝ち馬と4馬身1/4差の3着→アイリッシュ2000ギニー(1m)で勝ち馬と3馬身3/4差の4着。
セントジェームズパレスSを勝った過去の名馬
・以下の動画は2014年のセントジェームズパレスS。その年のカルティエ賞年度代表馬・最優秀3歳牡馬に選出されたKingmanが勝った時のもの。後方から物凄い脚で交わし去る様はまさに「great style」。
5R・Ascot Stakes (Handicap)日本時間25:00発走予定
・約4014mの長距離で行われるハンデ戦。例年ロイヤルアスコット開催の初日に行われる。
※レーシングポストの出馬表
https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2019-06-18/731558
6R・Wolferton Stakes (Listed)日本時間25:35発走予定
・ロイヤルアスコット開催が5日間に拡大された2002年に創設。昨年よりハンデ戦からListedレースとなり、前年8月以降にG1、G2を勝った馬のエントリーは不可。昨年の英2000ギニー4着のFrankel産駒・Elarqamらが出走予定。
※レーシングポストの出馬表
https://www.racingpost.com/racecards/2/ascot/2019-06-18/731557
ロイヤルアスコット開催での4種類の観客席とドレスコードについて
ロイヤルエンクロージャー
・アスコット競馬場の以下のページにある写真(黒のシルクハットを着用した男性と華美な帽子を着用した女性)から、敷居の高さが一目瞭然の「The Historic Heart of the Royal Meeting」。
https://www.ascot.co.uk/royal-ascot/enclosures/royal-enclosure
・メンバー以外の人間がロイヤルエンクロージャーに入場するためにはメンバーシップを保有している知人からの紹介ゲスト、という形で入場するのが一般的。日本からのツアーを募ったりしているのはこの形。尚、メンバーになるためにはメンバーシップを保有している人物からの紹介が必要となり(当然、要審査となる)、外国籍の場合は大使館経由で申請する必要がある模様。
・クイーンエリザベスルームの入場料金は449ポンド(約6万1000円)~、プライベートボックスの入場料金は1250ポンド(約17万1000円)~、となっている。尚、これらの料金は1人当たりのものである。最も高い日は開催3日目、ゴールドカップが行われる日(レディースデー)で1960ポンド(約26万8200円)。
・男性は黒かグレーのモーニングスーツを着用し、ウエストコートとネクタイ、黒かグレーのトップハット着用、ソックス着用の上、靴は必ず黒、というのがお決まり。シャツは白か青が多く、ウエストコートとネクタイで色味をつけてセンスを出す感じ。
https://www.ascot.co.uk/what-to-wearssss/what-to-wear/royal-ascot/royal-enclosure/gentlemen
・女性のドレスコードは以下をご参照頂きたい。
https://www.ascot.co.uk/what-to-wearssss/what-to-wear/royal-ascot/royal-enclosure/ladies
クイーンアンエンクロージャー
・グランドスタンドの裏側のエリアで、パレードリング(パドック)にも出入り出来る。ロイヤルエンクロージャーよりはフォーマルではないが、ドレスコードがあり女性は帽子やファシネーターが必須、男性はスーツとネクタイ(暑いからといって一時的に外したりすることは出来ない)が必須で、ジーパンやチノパンは不可。開催3日目の入場料金は90ポンド(約1万2000円)。
https://www.ascot.co.uk/enclosures/royal-ascot/enclosures/queen-anne-enclosure
ビレッジエンクロージャー
・内馬場エリアへの入場となる2017年に新設された観客席。ドレスコードは正装が推奨されているが、最小限のもの。HPの写真を見ると皆、お洒落はしているが堅苦しくなく、ピンク色のスーツのようなロイヤルエンクロージャーではお目にかかれないような服装でも全く問題ないエリア。開催3日目の入場料金は69ポンド(約9400円)。
https://www.ascot.co.uk/royal-ascot/enclosures/village-enclosure
ウインザーエンクロージャー
・直線の入口に近い辺りのエリア(グランドスタンドを背にした右側)で、フォーマルなドレスコードは無く(男性ならノーネクタイでも問題なし)、「smart daywear」での来場が推奨される。開催3日目の入場料金は46ポンド(約6300円)。
・以下のリンク先にアップされている写真のように、ロイヤルプロセッション(馬車に乗ったロイヤルファミリーが開催前に入場する毎日行われる恒例のイベント)をまじかで見れるのがウインザーエンクロージャーのお得なポイントとなる。
https://www.ascot.co.uk/enclosures/royal-ascot/enclosures/windsor-enclosure