Too Darn Hotが距離短縮で復権を狙った仏ドーヴィル競馬場で行われたジャンプラ賞(G1・7f)、150回目を迎えた独ハンブルグ競馬場で行われたドイチェスダービー(G1・1m4f)のレース結果と直線動画を速報でお届けする。またSea Of Class引退の衝撃的なニュースが入っておりこれについても触れる。
Prix Jean Prat(G1・7f・3歳)
・1940年創設の3歳限定のG1戦。G1昇格は1985年。今年から1600mから1400mへ距離短縮された。過去の主な勝ち馬にThunder Snow、タートルボウル、バゴ、メンデス、シルバーシャークなど。
1着:Too Darn Hot
牡3、父・Dubawi、母・Dar Re Mi、母父・Singspiel
調教師:John Gosden、騎手:Frankie Dettori
・道中は向かって左側の馬群の先団好位につけていたToo Darn Hotが仕掛けどころで満を持して抜け出すと、2着以下を突き離す走りを披露。完勝と言える内容で今年初の勝利を収めている。
・今日の勝利で通算8戦5勝、重賞4勝。今季は2着(ダンテS)→2着(アイリッシュ2000ギニー)→3着(セントジェームズパレスS)と消化不良のレースが続いていたが、陣営はマイルから7fへ距離短縮を決断し、ここへ臨んでいた。レース前に「彼は7fの距離を求めている(デットーリ)」、「彼は能力を維持しているのは間違いない(ゴスデン)」と語っていたコメント通りの勝利で、適鞍を選択した陣営の好判断で軌道修正を果たしている。
1着:[2019/07/07]ジャンプラ賞(仏G1・7f・ドーヴィル)
1着:[2018/10/13]デューハーストS(英G1・7f・ニューマーケット)
1着:[2018/09/15]シャンペンS(英G2・7f6yds・ドンカスター)
1着:[2018/09/01]ソラリオS(英G3・7f・サンダウン)
・Dubawi産駒は先日のサンクルー大賞を勝ったCoronetに続くG1制覇。John Gosden師、Frankie Dettori騎手はEnableで勝った昨日のエクリプスSに続き2日連続のG1勝利。Frankie Dettori騎手はジャンプラ賞の後のListedレースも単勝10倍の馬を1着に持ってきて、相変わらずの手綱さばきを魅せている。
2着:Space Blues(3馬身差)
牡3、父・Dubawi、母・Miss Lucifer、母父・Noverre
調教師:Charlie Appleby、騎手:James Doyle
3着:Fox Champion(勝ち馬との着差:5馬身差)
牡3、父・Kodiac、母・Folegandros Island、母父・Red Rocks
調教師:Richard Hannon、騎手:Oisin Murphy
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/206/deauville/2019-07-07/735242
Deutsches Derby(G1・1m4f・3歳)
・1869年創設。1991年に東西ドイツ統合により、東西でそれぞれ行われていたダービーも1つになり、現在に至っている。過去の主な勝ち馬にShirocco、Lando、Acatenango、Surumu(Acatenangoの父)など。
1着:Laccario
牡3、父・Scalo、母・Laccata、母父・Lomitas
調教師:A Wohler、騎手:Eduardo Pedroza
・道中は先団のインを追走していたLaccarioが、直線は最内に潜り込み、早め先頭からの押し切り勝ち。
・6月のダービートライアル・ウニオンレネン(G2)を勝利していた馬で、ここは人気に応える勝利。
1着:[2019/07/07]ドイチェスダービー(独G1・1m4f・ハンブルグ)
1着:[2019/06/10]ウニオンレネン(独G2・1m3f・ケルン)
・父のScaloは独G1-オイロパ賞など重賞5勝。Surumu→Acatenango→Lando→Scaloと続くサイアーラインで、Scaloは2010年の独ダービーで9着だったが、Lando(1993年)、Acatenango(1985年)、Surumu(1977年)は全て独ダービー馬。
・祖母のLa DonnaはLando(本馬の祖父)の半妹で、曽祖母Laureaの牝馬クロス(3×3)が特徴的な血統構成の馬。さらにSurumuの4×4のインブリードもある馬である。
・再度、整理するとLandoは本馬の祖父でもあり、母の伯父でもあり、祖母の半兄でもある。Landoといえばヒシアマゾンらを降した1995年のジャパンCを覚えておられる方は多いだろうが、他に独ダービー、バーデン大賞2勝、ミラノ大賞典、イタリアジョッキークラブ大賞など重賞8勝した活躍馬。尚、Lando自身も曾祖父Literatと曽祖母Libertyが全兄妹というインブリードを持っている馬である。またLandoの半弟・Larocheも1994年の独ダービー馬。
・A Wohler師はドイチェスダービー7勝目。Eduardo Pedroza騎手はドイチェスダービー初制覇。
・生産者のイットリンゲン牧場は1993年のLando、1994年のLarocheと兄弟で2年連続で制して以来、3度目のドイチェスダービー制覇。
2着:Django Freeman
牡3、父・Campanologist、母・Donna Lavinia、母父・Acatenango
調教師:Henk Grewe、騎手:Lukas Delozier
3着:Accon
牡3、父・Camelot、母・Anaita、母父・Dubawi
調教師:Markus Klug、騎手:Jan Palik
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/244/hamburg/2019-07-07/735243
Sea Of Class引退
・現地メディアがSea Of Classの引退を報じている(「sad retirement」と報じられている)。水曜に行われた疝痛の手術後、状態が思わしくない模様で、管理するWilliam Haggas師が「我々は彼女が全快し繁殖牝馬としての命を全う出来る事を祈っている」と語っている。
・以下に昨年の凱旋門賞の動画をアップする。Enableを追い詰めた末脚は強烈なものだったが、無事、繁殖牝馬として牧場に戻る事が出来てこの才能が産駒へ受け継がれる事を願いたい。