先程、英アスコット競馬場にて行われた今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1・1m3f211yds)のレース結果と動画をお届けする。合わせて今週、英愛仏で行われた2歳重賞4鞍についても簡単に触れる。
King George VI And Queen Elizabeth Qipco Stakes(G1・1m3f211yds・3歳以上・7/27英アスコット競馬場)
・大英博覧会100周年記念行事として1951年に創設。レース名のジョージ6世はエリザベス女王の父で当時の国王、クイーンエリザベスはジョージ6世の王妃・エリザベス・ボーズ=ライアン。ジョージ6世は映画「英国王のスピーチ」や1942年に英牝馬3冠を達成し、牝馬限定G1のサンチャリオットSにその名を残すSun Chariotを所有していた事で有名な国王。
1着: Enable
牝5、父・Nathaniel、母・Concentric、母父・Sadler’s Wells
調教師:John Gosden、騎手:Frankie Dettori
・Enableが序盤、かなり後方に位置する意外な展開となるも、直線入口までにCrystal Oceanの直後に取りつくと、直線はEnableとCrystal Oceanのマッチレースに。実に見応えのある攻防となるも、最後はEnableが抜け出して1着。シュヴァルグランは勝ち馬から12馬身3/4差の6着、Anthony Van Dyckはブービーの10着と大敗。
・今日の勝利で通算13戦12勝、G1は9勝目、重賞は10勝目。キングジョージ6世&クイーンエリザベスSを複数回制したのはDahlia(1973,1974年)、Swain(1997,1998年)に続く3頭目。尚、今回のRPR(レーシングポストレーティング)は127で、3歳時の凱旋門賞の129、3歳時のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSの128に次ぐ、3番目の評価。今後は8/21のインターナショナルSか8/22のヨークシャーオークスを使って、10/6の凱旋門賞へ、となる見込み。
1着:[2019/07/20]キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・1m3f211yds・アスコット)
1着:[2019/07/06]エクリプスS(英G1・1m1f209yds・サンダウン)
1着:[2018/11/03]BCターフ(米G1・1m4f・チャーチルダウンズ)
1着:[2018/10/07]凱旋門賞(仏G1・1m4f・パリロンシャン)
1着:[2018/09/08]セプテンバーS(英G3・AW1m3f219yds・ケンプトン)
1着:[2017/10/01]凱旋門賞(仏G1・1m4f・シャンティイ)
1着:[2017/08/24]ヨークシャーオークス(英G1・1m3f188yds・ヨーク)
1着:[2017/07/29]キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・1m3f211yds・アスコット)
1着:[2017/07/15]アイリッシュオークス(愛G1・1m4f・カラ)
1着:[2017/06/02]英オークス(英G1・1m4f6yds・エプソム)
・John Gosden師はキングジョージ6世&クイーンエリザベスS4勝目(2011年・Nathaniel、2014年・Taghrooda、2017年・ Enable、2019年・ Enable)。
・Frankie Dettori騎手はキングジョージ6世&クイーンエリザベスS6勝目(1995年・ラムタラ、1998年・Swain、1999年・Daylami、2004年・Doyen、2017年・ Enable、2019年・ Enable)。
・オーナーのKhalid Abdullah殿下はキングジョージ6世&クイーンエリザベスS3勝目(1986年・ダンシングブレーヴ、2017年・ Enable、2019年・ Enable)。
2着:Crystal Ocean(クビ差)
牡5、父・Sea The Stars、母・Crystal Star、母父・Mark Of Esteem
調教師:Sir Michael Stoute、騎手:James Doyle
・昨年はPoet’s Wordとクビ差の2着だったが、今年も同じクビ差で2着惜敗。相手が悪かったとしかいえない結果となったが、今回のRPR(レーシングポストレーティング)は昨年の同レースでマークした128を上回り、自己最高の129。尚、今後は8/21のインターナショナルS(ヨーク)、9/14のアイリッシュチャンピオンS(レパーズタウン)、10/6の凱旋門賞(パリロンシャン)にエントリー済。
3着:Waldgeist(勝ち馬との着差:2馬身差)
牡5、父・Galileo、母・Waldlerche、母父・Monsun
調教師:A Fabre、騎手:Pierre-Charles Boudot
・前走のプリンスオブウェールズSではCrystal Oceanと4馬身半差の3着。今回はさらに差を詰めており、RPR(レーシングポストレーティング)は自己最高の126をマーク。今後は英、愛のビッグレースにはエントリーしておらず、昨年同様、凱旋門賞前にフォワ賞などを叩いて凱旋門賞へ、ということになろうか。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2019-07-27/731824
Princess Margaret Keeneland Stakes(G3・6f・2歳牝馬・7/27英アスコット競馬場)
・Princess Margaretはジョージ6世の子女で、エリザベス女王の4歳下の妹。王室内で孤立しがちだったダイアナ妃が頼ったと言われるのがマーガレット王女。2002年2月に薨去。
1着:Under The Stars
牝2、父・Night Of Thunder、母・Jumeirah Palm Star、母父・Invincible Spirit
調教師:James Tate、騎手:P J McDonald
・最後方待機の人気薄・Under The Starsが、大外から鋭い差し脚を見せて差し切り勝ち。圧倒的な1番人気だったゴドルフィンのSummer Romanceは後方待機のまま進路が確保出来ず、大外に持ち出されるロスはあったが、見せ場なく完敗の形。
・今日の勝利で通算2戦2勝。7/8のリッポンでのデビュー戦(6f)を3馬身差で制し、ここへ臨んでいた。リッポン競馬場は既に重賞2勝のA’Aliもデビュー戦に選んだ競馬場で「the Garden Racecourse」の異名を持つノースヨークシャーにある平坦な競馬場。ウィリアムヒルでは来年の英1000ギニーで6番人気(26.00倍)に本馬を推している。
・父のNight Of Thunderは2011年愛国産のDubawi産駒。現役時はRichard Hannon師に管理され、11戦4勝。2014年の英2000ギニー(1m)ではKingman、Australiaらを降し人気薄ながら勝利。4歳時にはロッキンジS(1m)にも勝利し、通算でG1を2勝。現2歳がファーストクロップになり、本馬が初の重賞勝ち馬。既に12頭が勝ち上がっている。
・母のJumeirah Palm Starは11戦2勝。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/2/ascot/2019-07-27/733976
Prix Six Perfections Sky Sports Racing(G3・7f・2歳牝馬・7/27仏ドーヴィル競馬場)
・2010年創設、2018年からG3へ昇格。レース名の由来となったSix Perfectionsはニアルコスファミリーの自家生産馬で、2002年のカルティエ賞最優秀2歳牝馬。BCマイル、ジャックルマロワ賞、マルセルブサック賞など重賞4勝。
1着:Tropbeau
牝2、父・Showcasing、母・Frangipanni、母父・Dansili
調教師:A Fabre、騎手:Mickael Barzalona
・番手追走のTropbeauが直線、満を持して抜け出し、2着馬に2馬身半差をつけて圧勝。
・今日の勝利で通算3戦2勝。前走7/6のクレールフォンテーヌでのデビュー2戦目(7f)を2着馬に6馬身半差をつけて圧勝し、ここへ臨んでいた。
・父のShowcasingは2007年英国産のOasis Dream産駒。ジャドモントファームの自家生産馬で現役時はJohn Gosden師に管理され、7戦2勝、2歳時に英G2-ジムクラックS(6f)に勝利。今年の種付料は過去最高の5万5000ポンド。主な産駒にコモンウェルスC、フィーニクスSのG1を2勝している現役馬・Advertise。
・祖母のFrizzanteは英G1-ジュライC、英G3-パレスハウスSの勝ち馬。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/206/deauville/2019-07-27/736541
Jockey Club Of Turkey Silver Flash Stakes(G3・7f20yds・2歳牝馬・7/25愛レパーズタウン競馬場)
・昨年の勝ち馬・Skitter Scatter、一昨年の勝ち馬・Happilyはいずれも同年のカルティエ賞最優秀2歳牝馬に選出。2011年の勝ち馬・Maybe(同年のカルティエ賞最優秀2歳牝馬)は母としてSaxon Warriorを輩出。
1着:Love
牝2、父・Galileo、母・Pikaboo、母父・Pivotal
調教師:A P O’Brien、騎手:Seamie Heffernan
・2着馬に3馬身1/4差をつける快勝。
・今回の勝利で通算4戦2勝。デビュー3戦目の前走で初勝利をあげてここへ臨んでいた。ウィリアムヒルでは来年の英オークスのアンティポストで1番人気(21.00倍)、英1000ギニーで3番人気(21.00倍)に本馬を推している。
・母のPikabooは5戦未勝利。半姉のLucky Kristale(ロウザーS、ダッチェスオブケンブリッジS)、全姉のFlattering(ムンスターオークス)とPeach Tree(スタネーラS)は全て重賞勝ち馬。従姉のスキア(フィユドレール賞)は社台ファーム繋養中。
・「父・Galileo、母父・Pivotal」は今年の英愛1000ギニー馬・Hermosaや、RhododendronとMagicalの全姉妹、The United StatesとHydrangeaの全兄妹などG1馬が多数出ている組み合わせ。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/187/leopardstown/2019-07-25/736288
Japan Racing Association Tyros Stakes(G3・7f20yds・2歳・7/25愛レパーズタウン競馬場)
・昨年の勝ち馬・Anthony Van Dyckは今年の英ダービーを制覇。2016年の勝ち馬・Churchill、2014年の勝ち馬・Gleneaglesはいずれも同年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬に選出。
1着:Armory
牡2、父・Galileo、母・After、母父・Danehill Dancer
調教師:A P O’Brien、騎手:
・4頭立てのレースだったが、2着馬に5馬身差をつけてArmoryが快勝。2着のTorontoも同じGalileo産駒で同じA P O’Brien師の管理馬。
・今回の勝利で通算3戦2勝。デビュー2戦目の前走で初勝利をあげてここへ臨んでいた。ウィリアムヒルでは来年の英ダービーのアンティポストで1番人気(15.00倍)、英2000ギニーで2番人気(13.00倍)に本馬を推している。
・母のAfterは18戦1勝、愛G3-アングルシーS(6.5f)2着、愛G3-バリーオーガンS(6f)2着、仏G1-プールデッセデプーリッシュ(1m)4着、愛G1-アイリッシュ1000ギニー(1m)5着など、重賞未勝利ながら重賞で活躍を続けた馬。
・「父・Galileo、母父・Danehill Dancer」は今年の愛ダービー馬・Sovereign、セントジェームズパレスSの勝ち馬・Circus Maximus、2016年のカルティエ賞年度代表馬・Minding と同じ組み合わせ。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/187/leopardstown/2019-07-25/736289