Too Darn HotとCircus Maximusの再戦に大きな注目が集まった、G1-サセックスS(1m)など、英グッドウッド競馬場にて行われたグロリアス・グッドウッド開催2日目の重賞レースの結果と動画を速報でお届けする。合わせてKingman産駒・Calyx(牡3)引退の一報が入っているのでこれについても最後に触れる。
Qatar Sussex Stakes(G1・1m・3歳以上)
・1841年創設。サセックスはイングランド南東部の地方名でイギリス海峡に臨むエリア。海岸地帯は風光明媚な有数の保養地として有名。過去の主な勝ち馬にGiant’s Causeway(2000年)、Rock of Gibraltar(2002年)、Frankel(2011,2012年)、Kingman(2014年)など。
1着:Too Darn Hot
牡3、父・Dubawi、母・Dar Re Mi、母父・Singspiel
調教師:John Gosden、騎手:Frankie Dettori
・Phoenix Of Spainがハナに立ち、Circus Maximusが番手、Too Darn Hotが3番手を追走。そのままの隊形で直線に入ると早めにCircus Maximusが先頭に立ち押し切りを狙う形。Too Darn Hotはすぐ横にいたZabeel Princeを捌くのにやや手間取るも、進路を確保すると、一気に伸び、Circus Maximusも最後まで抵抗するが、これを振り切り、Too Darn Hotが1着でゴール。
(フル動画・フランス語実況)
(直線動画・英語実況)
・今日の勝利で通算9戦6勝、重賞5勝目、G1は3勝目。今季序盤に喫した3連敗の「unorthodox early campaign」を克服し、まさに「Too Darn Hot is back」と形容すべき、ジャンプラ賞からのG1連勝劇となっている。レース後、John Gosden師は今後の目標として11/2のブリーダーズカップマイルに言及し、ここから逆算したローテーションとなる模様。まともならBCマイルでも大本命となろう。
1着:[2019/07/31]サセックスS(英G1・1m・グッドウッド)
1着:[2019/07/07]ジャンプラ賞(仏G1・7f・ドーヴィル)
1着:[2018/10/13]デューハーストS(英G1・7f・ニューマーケット)
1着:[2018/09/15]シャンペンS(英G2・7f6yds・ドンカスター)
1着:[2018/09/01]ソラリオS(英G3・7f・サンダウン)
・Frankie Dettori騎手はこの2カ月間でG1レース11勝目。まだまだ数字が積みあがるだろうが、現時点で既にセンセーショナル極まりない結果を収めている。概要を以下にまとめる。全てが1番人気の馬だったわけではなく、英オークスのように明らかに「腕」で勝たせたレースもあり、齢48にしてまさに円熟の極みを魅せている。
05/31・英オークス(Anapurna)
06/19・プリンスオブウェールズS(Crystal Ocean)
06/20・ゴールドC(Stradivarius)
06/21・コモンウェルスC(Advertise)
06/30・サンクルー大賞(Coronet)
07/06・エクリプスS(Enable)
07/07・ジャンプラ賞(Too Darn Hot)
07/20・アイリッシュオークス(Star Catcher)
07/27・キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(Enable)
07/30・グッドウッドC(Stradivarius)
07/31・サセックスS(Too Darn Hot)
2着:Circus Maximus(半馬身差)
牡3、父・Galileo、母・Duntle、母父・Danehill Dancer
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore
・Too Darn Hotに差された後もしっかり抵抗しており、能力の一端は見せたレース。今回は追加登録料を支払った上での出走だったが、今後もマイル路線を歩むのか、距離を伸ばしていくのか、注目される。ただ、Too Darn Hotとの力差はそれほどは無い印象で、ブリーダーズカップマイルでの再戦が期待されるところ。
3着:I Can Fly(勝ち馬との着差:1馬身3/4差)
牝4、父・Fastnet Rock、母・Madonna Dell’Orto、母父・Montjeu
調教師:A P O’Brien、騎手:Donnacha O’Brien
・古馬最先着となったが、3月のドバイターフでアーモンドアイの11着と敗れた後は6→2→3→3→3着ともどかしい着順が続いている現況。昨年10月の英G1-クイーンエリザベス2世S(1m)でRoaring Lionの2着(クビ差)となった時のように、馬場が渋った時のほうがパフォーマンスが上がる傾向はありそう。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/21/goodwood/2019-07-31/730525
Markel Insurance Molecomb Stakes(G3・5f・2歳)
・1829年創設。レース名はグッドウッド競馬場を創設した第3代リッチモンド公爵・チャールズレノックスの妹、Lady Sarah Lennoxが離婚した際に住居として建築したモールコーム邸宅に由来。
1着:Liberty Beach
牝2、父・Cable Bay、母・Flirtinaskirt、母父・Avonbridge
調教師:John Quinn、騎手:Jason Hart
・馬場の真ん中からLiberty Beachが抜け出し、混戦を制す。現時点での完成度の高さを如何なく発揮した印象。注目の新種牡馬・American Pharoah産駒のMavenは10着。
・今日の勝利で通算5戦4勝。前々走ロイヤルアスコットの英G2-クイーンメアリーS(5f)でRaffle Prizeの4着とし、前走サンダウンでのドラゴンS(LR・5f10yds)を2着に3馬身1/4差をつけて快勝してここへ臨んでいた。尚、ウィリアムヒルでの来年の英1000ギニーのアンティポストでは単勝51.0倍の評価に留まっている。
1着:[2019/07/31]モールコームS(英G3・5f・グッドウッド)
・父のCable Bayは2011年愛国産のInvincible Spirit産駒で、英G2-チャレンジS(7f)、英G3-ジョンオヴゴーントS(7f37yds)に勝利。現2歳がファーストクロップで本馬が初の重賞勝ち馬となる。今年の種付料は6500ポンド。
・母父のAvonbridgeは2000年英国産のAverti(その父・ウォーニング)産駒。現役時に仏G1-アベイユドロンシャン賞など仏英で重賞3勝。
2着:Alligator Alley(1馬身差)
牡2、父・Kingman、母・Overturned、母父・Cape Cross
調教師:Joseph Patrick O’Brien、騎手:Donnacha O’Brien
3着:Show Me Show Me(勝ち馬との着差:2馬身差)
牡2、父・Showcasing、母・Springing Baroness、母父・Bertolini
調教師:Richard Fahey、騎手:Paddy Mathers
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/21/goodwood/2019-07-31/734765
3日目(8/1)の重賞レース
ナッソーS(G1・1m1f197yds・3歳以上牝馬・日本時間23:35発走予定)
・今年の英愛1000ギニー馬のHermosa、前走マルレ賞(G2・1m4f)を快勝したMehdaayih、前走ディアヌ賞(G1・1m2f110yds)を制したChannelが人気の中心。Oisin Murphyを鞍上に据えるディアドラの出走も注目となるが、現地での人気は最低付近の評価に留まっている。尚、このレースの模様はグリーンチャンネルで8/1の23:00~24:00まで放送の「ALL IN LINE!~世界の競馬~」内で無料で生中継される。
※レーシングポストの出馬表
https://www.racingpost.com/racecards/21/goodwood/2019-08-01/732949
ゴードンS(G3・1m3f218yds・3歳・日本時間23:00発走予定)
・セントレジャー(G1)の穴馬に名乗りを上げる馬が出てくるかが注目。人気はバリードイル勢のGalileo産駒・Constantinople、前走仏G1-パリ大賞典で3着のNew Approach産駒・Jalmoud、前走英G3-バーレーントロフィーを快勝したNoble Mission産駒・Spanish Missionらが集めている。
※レーシングポストの出馬表
https://www.racingpost.com/racecards/21/goodwood/2019-08-01/734771
リッチモンドS(G2・6f・2歳牡馬、せん馬・日本時間22:25発走予定)
・前走ロイヤルアスコットの英G2-コヴェントリーSでArizonaの2着だったFootstepsinthesand産駒・ Threat、同じコヴェントリーSで3着とした後、前走英G2-ジュライSで4着だったWootton Bassett産駒・Guildsmanが上位人気を集めている。
※レーシングポストの出馬表
https://www.racingpost.com/racecards/21/goodwood/2019-08-01/734770
Kingman産駒・Calyx(牡3)引退
現地メディアが報じており、クールモアスタッドにて種牡馬入りする模様。クールモアのtwitterが「近年のロイヤルアスコットで最も印象的な2歳戦の勝ち馬の一頭」と形容しているように、昨年のG2-コヴェントリーS(6f)で、Advertiseらを降し1着。316日ぶりの出走だった今年5/1のG3-パビリオンS(6f)を圧勝するも、次走5/25のG2-サンディレーンS(6f)では冴えのない内容で2着と敗れていた。結果的にこれ以後、復帰することなく引退となっている。
以下のクールモアのHPにJohn Gosden師や、Frankie Dettori騎手のコメントが出ており、「He’s blessed with so much speed」「He is a very similar type to his sire Kingman」などの賛辞が掲載されている。レースぶりから能力の高さに疑いはなく、種牡馬としてどんな産駒を送り出すのか、注目である。
https://coolmore.com/farms/ireland/news/calyx-retires-to-coolmore