先程、仏パリロンシャン競馬場にて行われたムーランドロンシャン賞(G1・1600m)、ディープインパクト産駒・Savarinが出走した2歳牝馬限定のオマール賞(G2・1600m)、2歳牡馬とせん馬限定のシェーヌ賞(G2・1600m)のレース結果と動画を速報でお届けする。
Prix du Moulin de Longchamp(G1・1600m・3歳以上牡馬、牝馬)
・1957年にパリロンシャン競馬場の開場100周年を祝い創設された2レースの内の1つで(もう1レースはアベイドロンシャン賞)、レース名のムーラン(moulin)はパリロンシャン競馬場名物の風車を指す。1994年に武豊騎手がスキーパラダイスで優勝している。
1着:Circus Maximus
牡3、父・Galileo、母・Duntle、母父・Danehill Dancer
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore
・好位のインで運んだCircus Maximusが直線、内の狭いところを抜けてくると、中団追走のRomanisedが外から接近。2頭の激しい叩き合いとなり、写真判定→審議と長い時間がかかった後に1着:Circus Maximus、2着:Romanisedで確定。
・以下の2つ目の動画をみるとCircus Maximusがムーアは左ムチで叱咤しているにも関わらず、外にいたRomanisedのほうへヨレ気味になっているのが分かり、Romanisedが若干外へ弾かれており、これが審議になった要因。
・今回の勝利で通算10戦4勝、G1は2勝目。今季はLR-ディーS(1m2f70yds)から始動し、ここを勝つと英ダービーへ出走。英ダービーではFrankie Dettoriが手綱を取り6着。この際に距離短縮の進言がデットーリからあった模様で、G1-セントジェームズパレスS(7f213yds)へ出走すると見事に1着。以後、G1-サセックスS(1m)でToo Darn Hotの2着→G1-インターナショナルS(1m2f56yds)でJapanの7着とし、ここへ出走していた。
1着:[2019/09/08]ムーランドロンシャン賞(仏G1・1600m・パリロンシャン)
1着:[2019/06/18]セントジェームズパレスS(英G1・1m・アスコット)
・父のGalileoは1998年愛国産のSadler’s Wells産駒。現役時は8戦6勝、英ダービー、愛ダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSの3つのG1を含む重賞4勝。
・母のDuntleは現役時11戦5勝、英G2-デュークオブケンブリッジS(1m)、愛G3-アメジストS(1m)、愛G3-デスモンドS(1m)の勝ち馬。
2着:Romanised(ハナ差)
牡4、父・Holy Roman Emperor、母・Romantic Venture、母父・Indian Ridge
調教師:K J Condon、騎手:W J Lee
・前走のジャックルマロワ賞に続くG1連覇はならなかったが、道中はスムーズに運び、直線もよく伸びていただけに、惜しい2着。10/19のG1-クイーンエリザベス2世S(1m)が次の目標となる見込み。
3着:Line of Duty(勝ち馬との着差:1馬身差)
牡3、父・Galileo、母・Jacqueline Quest、母父・ロックオブジブラルタル
調教師:Charlie Appleby、騎手:William Buick
・前走のジャックルマロワ賞に続き3着。いずれも勝ち馬とはそれほど離されておらず、マイル路線の安定勢力の一角として、堅実に走れており近いうちにどこかでチャンスが回ってきそうな印象。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/211/longchamp/2019-09-08/739558
Prix d’Aumale(G2・1600m・2歳牝馬)
1着:Savarin
牝2、父・ディープインパクト、母・サラフィナ、母父・Refuse To Bend
調教師:A Fabre、騎手:Pierre-Charles Boudot
・スタート好発のSavarinは2,3番手のインを追走。直線で逃げ馬を外から捕らえにかかるも、エンジンのかかりが遅く、なかなか差が詰まらない状況が続いたが、最後の最後に一伸びしてグイっと抜け出して1着。
・今回の勝利で通算2戦2勝、重賞初制覇。8/19のドーヴィルでのデビュー戦(1500m)を勝ち、ここへ臨んでいた。勝ち時計はシェーヌ賞の1:40.97に対し、1:39.18。10/6の凱旋門賞当日に行われる牝馬限定G1-マルセルブサック賞(1600m)にエントリー済みで、これに出走することになれば当日は武豊騎手が乗る見込み。今年の凱旋門賞中継の楽しみが1つ増えたことは確かだろう。
1着:[2019/09/08]オマール賞(仏G2・1600m・パリロンシャン)
・父のディープインパクトは2002年早来産のサンデーサイレンス産駒。現役時は14戦12勝、日本ダービー、ジャパンC、有馬記念、皐月賞、菊花賞、天皇賞(春)、宝塚記念の7つのG1を含む重賞10勝。これまでに欧州調教馬ではSaxon Warrior(英2000ギニー、レーシングポストトロフィ)、Study of Man(仏ダービー)、Beauty Parlour(仏1000ギニー)が欧州でクラシックホースとなっている。本馬も続くことが出来るか。
・母のサラフィナは現役時はアガ・カーン殿下の持ち馬で11戦6勝、仏オークス、サンタラリ賞、サンクルー大賞の3つのG1を含む重賞5勝。個人取引(約6億5000万円くらいの購入価格と推測されている)で社台ファームが購入し、日本にて繁殖入り(※アガ・カーンスタッドのマネージャーは「アガ・カーン殿下は断りきれない魅力的なオファーを受けた」と語っている)。全兄のジェニアル(牡5)は仏G3-メシドール賞の勝ち馬、全兄のゴータイミング(牡3)は先日のG3-ラジオNIKKEI賞で3着。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/211/longchamp/2019-09-08/739631
Prix des Chenes(G2・1600m・2歳牡馬、せん馬)
1着:Ecrivain
牡2、父・Lope De Vega、母・Sapphire Pendant、母父・Danehill Dancer
調教師:C Laffon-Parias、騎手:Maxime Guyon
・道中は3番手のインにいたEcrivainが直線、抜け出して1着。2着には逃げたHopefulが粘り込み、ヴェルテメール兄弟の自家生産馬のワンツー決着。
・今回の勝利で通算2戦2勝、重賞初制覇。8/20のドーヴィルでのデビュー戦(1600m)を勝ち、ここへ臨んでいた。
1着:[2019/09/08]シェーヌ賞(仏G2・1600m・パリロンシャン)
・父のLope De Vegaは2007年愛国産のShamardal産駒。現役時はA Fabre師に管理され、通算9戦4勝、仏ダービー、仏2000ギニーの2つのG1に勝利。オーストラリアでG1を5勝しているSanta Ana Lane、今年のアイリッシュ2000ギニー馬・Phoenix of Spainなど、これまでに9頭のG1馬を輩出中。
・母のSapphire Pendantは現役時はMichael Tabor氏の持ち馬だったが、A P O’Brien師ではなく、David Wachman師に管理され5戦1勝。母の従兄にJazil(ベルモントS)、Rags to Riches(ベルモントS、ケンタッキーオークス、サンタアニタオークス、ラスヴァージネスS)、カジノドライヴ、母の従姉にピーピングフォーン(ヨークシャーオークス、ナッソーS、アイリッシュオークス、プリティポリーS)、Thewayyouare(クリテリウムアンテルナシオナル)などの活躍馬がいる。これらの祖母にあたる本馬の曽祖母のBlush With Prideはケンタッキーオークス、サンタスサナSなど重賞4勝。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/211/longchamp/2019-09-08/739630