英ドンカスター競馬場にて行われているセントレジャーフェスティバル。本稿では3日目(9/13)に行われた、絶対王者・Stradivariusが出走したG2-ドンカスターC、2歳G2-フライングチルダーズSなど3つの重賞レースの結果と動画をお届けする。
合わせて今週末は英、愛、仏とビッグレースが目白押しで海外競馬を追っている方には堪らない週末になるが、レーススケジュール、注目馬、放映予定などを最後にまとめているのでご一読願いたい。
Wainwright Flying Childers Stakes(G2・5f・2歳・9/13)
・1967年創設。当初はノーフォークSとして行われていたが、1973年に改称。レース名の由来となったFlying Childersはドンカスター近郊で生産された18世紀の名馬で父はサラブレッド3大始祖の1頭、Darley Arabian。
1着:A’Ali
牡2、父・Society Rock、母・Motion Lass、母父・Motivator
調教師:Simon Crisford、騎手:Frankie Dettori
・番手追走のA’Aliが差し切り勝ち。レース後、SKYスポーツの現地解説者は早めに番手につけたデットーリの騎乗ぶりを賞賛している。1番人気のKingman産駒・Alligator Alleyは序盤のポジショニングが悪く中団から伸びを欠き6着。
・今回の勝利で通算5戦3勝、重賞3勝目(初勝利がノーフォークS)。前走8/18の仏G1-モルニー賞(1200m)ではFrankie Dettoriが他馬に騎乗し、初距離もあってか5着に敗れていたが、5fのここは完勝。レース後、Simon Crisford師はブリーダーズC参戦の意向を表明。昨年創設されたばかりで、今年からG2の格付けを得ることになった、G2-BCジュヴェナイルターフスプリント(5.5f)は、この馬にとって最適な目標になりそうである。
1着:[2019/09/13]フライングチルダーズS(英G2・5f・ドンカスター)
1着:[2019/07/21]ロベールパパン賞(仏G2・1100m・ドーヴィル)
1着:[2019/06/20]ノーフォークS(英G2・5f・アスコット)
・父のSociety Rockは2007年愛国産のロックオブジブラルタル産駒。現役時は23戦6勝、ゴールデンジュビリーS(6f)、スプリントC(6f)の2つのG1を含む重賞3勝。現2歳は3世代目。初年度産駒のUnfortunatelyは仏2歳G1-モルニー賞に勝つなど3つの重賞に勝利し、今年から種牡馬入りしている。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/15/doncaster/2019-09-13/737852
Magners Rose Doncaster Cup Stakes(G2・2m1f197y・3歳以上・9/13)
・1766年創設(=英セントレジャー創設の10年前)。現在も続いている競走としては世界最古の競走。尚、毎年京都競馬場で行われているドンカスターカップは京都競馬場とドンカスター競馬場が姉妹競馬場になった事を記念して1989年に創設されたもの。
1着:Stradivarius
牡5、父・Sea The Stars、母・Private Life、母父・Bering
調教師:John Gosden、騎手:Frankie Dettori
・Dee Ex Beeが回避し5頭立てに。スタート直後はStradivariusが先頭に立つシーンもあったが、Oisin MurphyのCleonteが先頭に立つと、Stradivariusは好位を悠々と追走。直線、仕掛けられるとあっさりCleonteを交わし、危なげなく勝利を収めている。
・今回の勝利で通算19戦14勝、重賞12勝目。今回はDee Ex Beeが回避した時点で実質タダ貰いに近い状態ではあったが、期待に応える完勝。2017年10月のG2-ブリティッシュチャンピオンズロングディスタンスカップで当時のチャンピオンステイヤー、Order Of St Georgeの3着に敗れて以降、約2年に渡り負け無しの10連勝達成。
1着:[2019/09/13]ドンカスターC(英G2・2m1f197yds・ドンカスター)
1着:[2019/08/23]ロンズデールカップ(英G2・2m56yds・ヨーク)
1着:[2019/07/23]グッドウッドカップ(英G1・2m・グッドウッド)
1着:[2019/06/20]ゴールドカップ(英G1・2m3f210yds・アスコット)
1着:[2019/05/17]ヨークシャーカップ(英G2・1m5f188yds・ヨーク)
1着:[2018/10/20]ブリティッシュチャンピオンズロングディスタンスカップ(英G2・1m7f209yds・アスコット)
1着:[2018/08/24]ロンズデールカップ(英G2・2m56yds・ヨーク)
1着:[2018/08/01]グッドウッドカップ(英G1・2m・グッドウッド)
1着:[2018/06/21]ゴールドカップ(英G1・2m3f210yds・アスコット)
1着:[2018/05/18]ヨークシャーカップ(英G2・1m5f188yds・ヨーク)
1着:[2017/08/01]グッドウッドカップ(英G1・2m・グッドウッド)
1着:[2017/06/23]クイーンズヴェース(英G2・1m5f211yds・アスコット)
・父、牝系についてはこれまでの記事で何度か触れているので、今回はBMSのBeringについて触れるが、Beringは1983年英国産のArctic Tern産駒。現役時は7戦5勝、仏ダービー(2400m・レコード勝ち)、ニエル賞(2400m)、オカール賞(2400m)、ノアイユ賞(2200m)の重賞4勝。豪華メンバーが集い名勝負となった1986年の凱旋門賞でダンシングブレーヴの2着とし、種牡馬入り。BMSとしてはハービンジャーを輩出している。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/15/doncaster/2019-09-13/737851
Japan Racing Association Sceptre Stakes(G3・7f6y・3歳以上牝馬・9/13)
・レース名の由来となったSceptre(セプター)は1899年産まれの牝馬。1902年に2000ギニー、1000ギニー(2000ギニーから中1日での出走)、英オークス、英セントレジャーに勝ち、牝馬3冠、クラシック4冠を達成。尚、英ダービーだけは4着に敗れているが、2日後の英オークスに出走し勝利している。
1着:Breathtaking Look
牝4、父・Bated Breath、母・Love Your Looks、母父・Iffraaj
調教師:Stuart Williams、騎手:Jim Crowley
・ハナを切ったBreathtaking Lookが早めに仕掛けでセーフティーリードを築くと、そのまま押し切って逃げ切り勝ち。
・今回の勝利で通算9戦5勝。重賞に出走するのも今回が初で人気薄ながら、重賞初制覇を収めている。
1着:[2019/09/13]セプターS(英G3・7f6y・ドンカスター)
・父のBated Breathは2007年英国産のDansili産駒。ジャドモントファームの生産馬で現役時は18戦6勝。重賞勝ちは英G2-テンプルS(5f)のみだが、ジュライC、スプリントC、キングズスタンドSなどG1での2着が4回。現2歳まで4世代が稼働中で本馬を含めたこれまでの重賞勝ち馬は6頭。今年のロイヤルアスコットでSpace Traveller(ジャージーS)、Daahyeh(アルバニーS)の2頭が重賞を勝ち、注目を集めたばかり。
※レーシングポストのFULL result
https://www.racingpost.com/results/15/doncaster/2019-09-13/737853
9/14(土)に行われる注目の欧州重賞レース
・アイリッシュチャンピオンズウィークエンドの初日(愛レパーズタウン競馬場)と、セントレジャーフェスティバルの最終日(英ドンカスター競馬場)。出走予定時間(日本時間)順に以下、注目レースの概要をまとめる。
23:00・シャンペンS(G2・7f6y・2歳・ドンカスター)
・Footstepsinthesand産駒のThreatがジムクラックSに続き重賞連勝を狙う。前走ヨークで11馬身差で圧勝し、ここに登録があった同じFootstepsinthesand産駒のMums Tippleは回避。
23:05・ジュヴェナイルS(G2・1m・2歳・レパーズタウン)
・注目はGalileo産駒のMogul。現在ウィリアムヒルで来年の英ダービー1番人気に推されているバリードイルの逸材候補。
23:35・英セントレジャー(G1・1m6f115y・3歳牡牝・ドンカスター)
・4戦4勝のFrankel産駒、Logicianが圧倒的な1番人気。2番人気の英ダービー5着馬のSir Dragonetは休み明けの前走が案外だった点で評価を落としているが果たしてどうか。
24:15・アイリッシュチャンピオンS(G1・1m2f・3歳以上・レパーズタウン)
・実績上位のMagicalが人気だが、前走好内容のElarqam、3連勝中のHeadman、英ダービー2着馬のMadhmoonらも注目の存在。ディアドラは現地ではこれらに続く人気だが一発あっておかしくない印象。
25:25・メイトロンS(G1・1m・3歳以上牝馬・レパーズタウン)
・連覇を狙うLaurensが実績からも当然人気になるが、Hermosa、Skitter Scatter、Iridessaら3歳勢もそこまで差は無い印象。
9/15(日)に行われる注目の欧州重賞レース
・アイリッシュチャンピオンズウィークエンドの2日目(愛カラ競馬場)と、凱旋門賞の前哨戦が仏パリロンシャン競馬場で行われる。出走予定時間(日本時間)順に以下、注目レースの概要をまとめる。
21:35・フォワ賞(G2・2400m・4歳以上・パリロンシャン)
・4頭立て。実績上位のWaldgeistに日本調教馬・キセキが挑む。
22:25・フライングファイブS(G1・5f・3歳以上・カラ)
・3連勝中のKyllachy産駒、Soffiaが1番人気。
22:50・ヴェルメイユ賞(G1・2400m・3歳以上牝馬・パリロンシャン)
・好カード。Frankie Dettoriが選んだ愛オークス馬・Star Catcher、Frankie DettoriからOisin Murphyに乗り替わる英オークス馬・AnapurnaのJohn Gosden厩舎の2頭が人気上位。これにバリードイル勢の2騎、FleetingとPink Dogwood(C.スミヨンが騎乗)がどこまで迫れるか。
23:00・モイグレアスタッドS(G1・7f・2歳牝馬・カラ)
・Zoffany産駒のAlbigna、Bated Breath産駒のDaahyeh、Galileo産駒のLoveが上位人気を形成。
23:25・ニエル賞(G2・2400m・3歳・パリロンシャン)
・注目は今年の仏ダービー馬、Sottsass。6/2以来の休み明けとなるが、凱旋門賞に向けて結果だけでなく内容も問われる一戦。
23:35・ナショナルS(G1・7f・2歳牡牝・カラ)
・4戦4勝、来年のクラシック候補・Pinatuboが出走。前々走は3馬身1/4差、前走は5馬身差と圧勝が続いており、ここも無事通過の公算大。ただ、バリードイルのGalileo産駒・Armoryも3連勝中でどこまで迫れるか興味深いレース。
24:10・アイリッシュセントレジャー(G1・1m6f・3歳以上・カラ)
・昨年の英セントレジャーの勝ち馬、Kew Gardensが1番人気。続くは昨年のメルボルンCの勝ち馬、Cross Counter。
・レースの模様は以下のDubai Racing ChannelでLiveで無料配信(登録不要)される。
http://www.dmi.ae/dubairacing/live.asp
・アイリッシュチャンピオンSは9/14(土)の23:45から25:00まで、グリーンチャンネルで無料生中継される。
・フォワ賞は9/15(日)の21:00から22:00まで、グリーンチャンネルで無料生中継。
・ニエル賞は9/15(日)の23:00から24:00まで、グリーンチャンネルで無料生中継。22:50発走のヴェルメイユ賞もここで取り上げられるものと思われる。