セントレジャーフェスティバル・最終日レース結果(G1-英セントレジャーなど)

英ドンカスター競馬場にて行われたセントレジャーフェスティバル。最終日に行われたG1-英セントレジャー、2歳G2-シャンペンS、G2-パークSの結果と動画を速報でお届けする。

William Hill St Leger Stakes(G1・1m6f115y・3歳)

・1776年創設。レース名はドンカスター近隣に居住していたこのレースの創設者であるAnthony St Leger(軍人、国会議員)に由来。第1回の優勝馬は当時、名前のない牝馬で、後年、Allabaculiaと名付けられたが、この馬の母は「Unknown」なため、ジェネラルスタッドブックにはAllabaculiaという馬は存在しない。

1着:Logician

牡3、父・Frankel、母・Scuffle、母父・Daylami
調教師:John Gosden、騎手:Frankie Dettori

・道中は6番手を悠々と追走していた芦毛のLogician。直線半ばでデットーリが外へ持ち出す際に若干のロスがあったように見受けられたが、いざ進路が確保されると大外から末脚一閃。人気に応えてLogicianが無敗のままクラシック制覇を達成している。勝ち時計はトラックレコード。

・今回の勝利で通算5戦5勝、G1初制覇、重賞2勝目。春のクラシックにはデビューが間に合わず、今年の5/17にデビューしてから月に1走のペースで使われ、一気の5連勝でクラシックホースに登り詰めている。尚、無敗で英セントレジャーを制したのは1970年のNijinsky以来の快挙。同じジャドモントファームの生産馬であるEnableの後を引き継いで、来年の欧州中距離路線で活躍が見込まれる存在といって良さそうである。

 1着:[2019/09/14]英セントレジャー(英G1・1m6f115yds・ドンカスター)
 1着:[2019/08/21]グレートヴォルティジュールS(英G2・1m3f188yds・ヨーク)

・父のFrankelは2008年英国産のGalileo産駒。現役時は14戦14勝、G1を10勝、重賞を12勝。現3歳は3世代目になるが、今回のLogicianの勝利で3世代で9頭目のG1馬を輩出したことになる。欧州の牡馬クラシックを産駒が制するのは初で、今年はAnapurnaが英オークス、Dream Castleがジェベルハッタ、VeraciousがファルマスSを制するなど、産駒のG1での活躍が続いている。

・母のScuffleは10戦3勝。半姉のSuffusedは米重賞3勝。叔父のCityscapeはドバイデューティーフリーなど重賞4勝。叔父のBated Breathは英G2-テンプルSの勝ち馬。いずれもジャドモントファームの自家生産馬。

・John Gosden師は英セントレジャー5勝目(1996年・Shantou、2007年・Lucarno、2010年・Arctic Cosmos、2011年・Masked Marvel、2019年・Logician)。

・Frankie Dettori騎手は英セントレジャー6勝目(1995年・Classic Cliche、1996年・Shantou、2005年・Scorpion、2006年・Sixties Icon、2008年・コンデュイット、2019年・Logician)。尚、Frankie Dettori騎手はこれで今年1年だけでG1をなんと15勝。

2着:Sir Ron Priestley(2馬身1/4差)

牡3、父・Australia、母・Reckoning、母父・Danehill Dancer
調教師:Mark Johnston、騎手:Franny Norton

3着:Nayef Road(勝ち馬との着差:2馬身半差)

牡3、父・Galileo、母・Rose Bonheur、母父・Danehill Dancer
調教師:Mark Johnston、騎手:Andrea Atzeni

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/15/doncaster/2019-09-14/735081

Pommery Champagne Stakes(G2・7f6y・2歳牡馬、せん馬)

・1823年創設。施行距離(マイル→6f→7f)、条件(牝馬も出走可→牝馬は出走不可)の変遷を辿ったレースで近年は英セントレジャー当日に行われる。過去の主な勝ち馬にToo Darn Hot(2018年)、ロドリゴデトリアーノ(1991年)、ウォーニング(1987年)、Grundy(1974年)など。

1着:Threat

牡2、父・Footstepsinthesand、母・Flare Of Firelight、母父・Birdstone
調教師:Richard Hannon、騎手:Pat Dobbs

・序盤は控えていたThreatが絶好の手応えで馬1頭分のスペースに突っ込むと、内から先に抜け出しかけていたRoyal Crusadeを交わして勝利。

・今回の勝利で通算5戦3勝重賞2勝目。負けた2戦はいずれも2着で、現時点の完成度の高さは秀逸。今後はエントリー済みの9/28のG1-ミドルパークS(6f)や、10/12のG1-デューハーストS(7f)が目標となろう。現在のウィリアムヒルでの来年の英2000ギニーのアンティポストでは21.00倍の12番人気。

 1着:[2019/09/14]シャンペンS(英G2・7f6y・ドンカスター)
 1着:[2019/08/23]ジムクラックS(英G2・6f・ヨーク)

・父のFootstepsinthesandは2002年英国産のGiant’s Causewayの初年度産駒。現役時はA P O’Brien師に管理され、3戦3勝、英2000ギニー(Dubawiらに勝利)、キラヴーランSに勝利。これまでにChachamaidee(愛メイトロンS)など6頭のG1馬を輩出中。現2歳は11世代目になるが、本馬の他に先日のヨークで11馬身差で勝利を収めた2戦2勝のMums Tippleがクラシック候補に名乗りを上げており、当たり年になりそうな雲行きである。

2着:Royal Crusade

牡2、父・Shamardal、母・Zibelina、母父・Dansili
調教師:Charlie Appleby、騎手:William Buick

・8/23のニューマーケットでのデビュー戦(7f)を勝ってここへ臨んでいた馬。Pinatubo(4戦4勝、ヴィンテージS)、Earthlight(4戦4勝、モルニー賞、カブール賞)の存在から「父・Shamardal」という一点だけでもレース前から注目の存在だったが、好内容で2着。今後、この馬も台頭してきそうな印象。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/15/doncaster/2019-09-14/735083

Hird Rail Group Park Stakes(G2・7f6y・3歳以上)

・1978年創設。当初はKiveton Park Stakesとして行われていたが、1996年に「Kiveton」が取れてパークSとして行われてきた。尚、Kiveton Parkは英サウスヨークシャーにある村の名前。

1着:Sir Dancealot

せん5、父・Sir Prancealot、母・Majesty’s Dancer、母父・Danehill Dancer
調教師:David Elsworth、騎手:Gerald Mosse

・人気のShine So Brightが外から仕掛けられるも伸びを欠く中、内から伸びたSir Dancealotが堅実な末脚を披露し先頭に。そのまま先頭で駆け抜け、7fのスペシャリストに相応しい勝利を収めている。

・今回の勝利で通算34戦10勝、7fの重賞を5勝目。前走G2-シティオブヨークS(7f)ではトラックレコードで勝ったShine So Brightから4馬身差の5着に敗れていたが、今回はShine So Brightを降し勝利。

 1着:[2019/09/14]パークS(英G2・7f6y・ドンカスター)
 1着:[2019/07/23]レノックスS(英G2・7f・グッドウッド)
 1着:[2018/08/18]ハンガーフォードS(英G2・7f・ニューベリー)
 1着:[2018/07/31]レノックスS(英G2・7f・グッドウッド)
 1着:[2018/06/30]クライテリオンS(英G3・7f・ニューマーケット)

・父のSir Prancealotは2010年愛国産のTamayuz産駒で、英2歳G2-フライングチルダーズS(5f3yds)の勝ち馬。現2歳まで4世代が稼働中だが、本馬の他に共に米重賞3勝のBeau Recall、Madam Dancealotを初年度産駒から輩出。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/15/doncaster/2019-09-14/735082