アイリッシュチャンピオンズウィークエンド・初日レース結果(G1-アイリッシュチャンピオンS、G1-メイトロンSなど)

愛レパーズタウン競馬場にて行われたアイリッシュチャンピオンズウィークエンド初日。ディアドラが出走したG1-アイリッシュチャンピオンSと、牝馬限定のG1-メイトロンSなど、5つの重賞レース(G1が2レース、G2とG3が計3レース)の結果と動画を速報でお届けする。

※アイリッシュチャンピオンズウィークエンドは英国のブリティッシュチャンピオンズデイ、フランスのアーク・ウィークエンド、アメリカのブリーダーズCに範を取り、2014年から開催されているもので、2日間で6つのG1(アイリッシュチャンピオンS、メイトロンS、アイリッシュセントレジャー、フライングファイブS、ナショナルS、モイグレアスタッドS)を含む10個の重賞が集中開催される豪華な開催。初日(9/14)はレパーズタウン競馬場、2日目(9/15)はカラ競馬場にて行われる。

QIPCO Irish Champion Stakes(G1・1m2f・3歳以上)

・1976年にJoe McGrath Memorial Stakesとして創設。過去の勝ち馬で同年の凱旋門賞を制した馬がSea The Starsなど5頭、同年の英チャンピオンSを制した馬がAlmanzorなど5頭、同年のBCターフを制した馬がFantastic Lightなど3頭、同年のジャパンCを制した馬が2頭(スタネーラ、ピルサドスキー)。

1着:Magical

牝4、父・Galileo、母・Halfway To Heaven、母父・Pivotal
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore

・同厩のHunting Hornを行かせて、がっちりと番手を追走していたMagicalが思惑通りに危なげなく抜け出して完勝。ディアドラは前走の再現を狙い内を突く競馬を試みるも、内が空かず外に持ち出さざるを得ないロスが痛く、最後追い込むも4着まで。

・今回の勝利で通算19戦8勝、G1は3勝目重賞7勝目。今季は7馬身差で勝利したG1-タタソールズゴールドCまで3連勝を飾り、絶好のスタートを切っていたが、6月のプリンスオブウェールズSではCrystal Oceanの2着、7月のエクリプスSと8月のヨークシャーオークスではいずれもEnableの2着と惜敗続き。今回は実力通りのパフォーマンスを見せて完勝。凱旋門賞にも登録はあるが、Japanの存在を考慮するとフランスには向かわずに、10/19のブリティッシュチャンピオンズフィリーアンドメアS(1m4f)か、同日の英チャンピオンS(1m2f)に向かいそうだが果たしてどうか。

 1着:[2019/09/14]アイリッシュチャンピオンS(愛G1・1m2f・レパーズタウン)
 1着:[2019/05/26]タタソールズゴールドC(愛G1・1m2f110yds・カラ)

 1着:[2019/05/06]ムーアズブリッジS(愛G2・1m2f・カラ)
 1着:[2019/04/13]アレッジドS(愛G3・1m2f・ネイス)
 1着:[2018/10/20]ブリティッシュチャンピオンズフィリーアンドメアS(英G1・1m4f・アスコット)
 1着:[2018/07/22]キルボイエステイトS(愛G2・1m1f・カラ)
 1着:[2017/08/20]デビュータントS(愛G2・7f・カラ)

母のHalfway To Heavenは現役時はA P O’Brien師に管理され、9戦4勝、アイリッシュ1000ギニー(1m)、ナッソーS(1m1f197yds)、サンチャリオットS(1m)の3つのG1に勝利。祖母のCassandra GoはG2-キングズスタンドS、G2-テンプルS、G3-キングジョージSの重賞3勝。全兄のFlying the Flagは愛G3-インターナショナルSの勝ち馬。全姉のRhododendronはロッキンジS、オペラ賞、フィリーズマイルの3つのG1を含む重賞4勝。

・A P O’Brien師はアイリッシュチャンピオンS史上最多の8勝目(2000年・Giant’s Causeway、2003年・High Chaparral、2005年・Oratorio、2006年、2007年・Dylan Thomas、2010年・Cape Blanco、2011年・So You Think、2019年・Magical)。

・Ryan Moore騎手はアイリッシュチャンピオンS2勝目(2014年・The Grey Gatsby、2019年・Magical)。

2着:Magic Wand(2馬身1/4差)

牝4、父・Galileo、母・Prudenzia、母父・Dansili
調教師:A P O’Brien、騎手:Seamie Heffernan

3着:Anthony Van Dyck(勝ち馬との着差:2馬身半差)

牡3、父・Galileo、母・Believe’N’Succeed、母父・Exceed And Excel
調教師:A P O’Brien、騎手:Wayne Lordan

4着:ディアドラ(勝ち馬との着差:3馬身差)

牝5、父・ハービンジャー、母・ライツェント、母父・スペシャルウィーク
調教師:Mitsuru Hashida、騎手:Oisin Murphy

・ディアドラの今回の挑戦は現地でも注目を集めていた模様で、グリーンチャンネルの中継内で合田直弘氏が触れていた、ディアドラを取り上げた現地World Horse Racingの10分弱の動画を以下にアップするので、興味がある方は全編英語になるが(※橋田調教師や武豊騎手は日本語でインタビューに応えている)ご視聴頂きたい。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/187/leopardstown/2019-09-14/732355

Coolmore ‘Fastnet Rock’ Matron Stakes(G1・1m・3歳以上牝馬)

・以前はギルタウンスタッドSとしてカラ競馬場で施行されていたレース。2002年よりレパーズタウンで行われており、2004年よりG1。2014年から9月に施行時期が変わり、アイリッシュチャンピオンズウィークエンドに組み込まれている。

1着:Iridessa

牝3、父・Ruler Of The World、母・Senta’s Dream、母父・デインヒル
調教師:Joseph Patrick O’Brien、騎手:Wayne Lordan

・逃げた1番人気のLaurensを早めに捕まえにいったHermosaを、直後の3番手で見ていたのが勝ったIridessa。ワンテンポ仕掛けを遅らせて、先に抜け出していたHermosaに襲いかかるときっちり差し切り、Iridessaが1着。連覇を狙った人気のLaurensは4着。

・今回の勝利で通算10戦4勝、重賞3勝目(全てG1)。前走のアイリッシュオークスでは8頭立ての7着と大敗し、今回は人気を大きく落としていたが、勝負強さを如何なく発揮し3つ目のG1タイトルを獲得している。10/5のG1-サンチャリオットS(1m)、10/19のG1-ブリティッシュチャンピオンズフィリーアンドメアS(1m4f)にエントリー済み。

 1着:[2019/09/14]メイトロンS(愛G1・1m・レパーズタウン)
 1着:[2019/06/28]プリティーポリーS(愛G1・1m2f・カラ)
 1着:[2018/10/12]フィリーズマイル(英G1・1m・ニューマーケット)

・父のRuler Of The Worldは2010年愛国産のGalileo産駒。現役時は3歳4月デビューから3連勝で英ダービーを制覇した馬。現3歳がファーストクロップで本馬がこれまでの唯一の重賞勝ち馬で、唯一の活躍馬。他にはListedレースで入着した馬が1頭いるだけという非常に苦しい産駒成績となっており、初年度(2015年)は1万5000ユーロだった種付料は2016年には1万ユーロ→2017年以降は8000ユーロと大幅に下落中。

・母のSenta’s Dreamは未出走。祖母のStarineはG1-BCフィリー&メアターフ、G1-メイトリアークSなど米重賞3勝の活躍馬

2着:Hermosa(3/4身差)

牝3、父・Galileo、母・Beauty Is Truth、母父・Pivotal
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore

3着:Just Wonderful(勝ち馬との着差:1馬身差)

牝3、父・Dansili、母・Wading、母父・Montjeu
調教師:A P O’Brien、騎手:Oisin Murphy

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/187/leopardstown/2019-09-14/734595

Clipper Logistics Boomerang Stakes(G2・1m・3歳以上)

・以前は1949年のアイリッシュ2000ギニー馬・Solonawayがレース名の由来のSolonaway Stakesとして行われていたレース。2014年よりG2へ昇格し、アイリッシュチャンピオンズウィークエンドに組み込まれてこの時期の開催となっている。

1着:Space Traveller

牡3、父・Bated Breath、母・Sky Crystal、母父・Galileo
調教師:Richard Fahey、騎手:W J Lee

・直線大外から一気に伸びたSpace Travellerが差し切り勝ち。3連勝中で1番人気だったバリードイルのLancaster Houseは7着。レース後、脚部不安が見つかった模様。

・今回の勝利で通算13戦4勝、重賞2勝目。6月のロイヤルアスコットのジャージーSで人気薄ながら重賞初制覇を果たして以降、6着(レノックスS)→3着(ストレンソールS)と敗れていた馬。

 1着:[2019/09/14]ブーメランS(愛G2・1m・レパーズタウン)
 1着:[2019/06/22]ジャージーS(英G3・7f・アスコット)

・父のBated Breathは2007年英国産のDansili産駒。ジャドモントファームの生産馬で現役時は18戦6勝。重賞勝ちは英G2-テンプルS(5f)のみだが、ジュライC、スプリントC、キングズスタンドSなどG1での2着が4回。Bated Breath産駒は昨日(9/13)のドンカスターのG3-セプターSをBreathtaking Lookが制しており、2日連続で産駒が重賞勝ち

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/187/leopardstown/2019-09-14/739793

Paddy Power Betting Shop Stakes(G3・1m4f・3歳以上)

・以前はレパーズタウンの南に位置する街・Kilternanの名を冠したKilternan Stakesとして行われていたが、昨年はPaddy’s Reward Club Stakesとして施行。今年より改称。

1着:Norway

牡3、父・Galileo、母・Love Me True、母父・Kingmambo
調教師:A P O’Brien、騎手:Seamie Heffernan

・最内から抜けてきたNorwayが逃げた同厩のBlenheim Palaceを交わし、差してきたBuckhurstの追撃を抑えて1着。

・今回の勝利で通算12戦3勝、重賞初制覇。今季は英ダービー8着(勝ち馬から7馬身差)、愛ダービー3着(勝ち馬から8馬身半差)など、一線級とは力量差が感じられる戦績が続いており、前走のグレートヴォルティジュールSでも勝ったLogician(本日、無敗のまま英セントレジャーを制覇)から8馬身3/4差の3着。英セントレジャーに向かわず、今回ここを使う判断は結果として奏功したと言える。

 1着:[2019/09/14]ベッティングショップS(愛G3・1m4f・レパーズタウン)

・母のLove Me Trueは現役時は15戦1勝。半兄のDuke of Marmaladeはキングジョージ6世&クイーンエリザベスS、インターナショナルS、プリンスオブウェールズS、タタソールズゴールドC、ガネー賞のG1を5勝。全兄のRuler of the Worldは英ダービーを含む重賞3勝。半兄のAnnus Mirabilisは豪G2-アデレードCの勝ち馬。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/187/leopardstown/2019-09-14/737607

KPMG Champions Juvenile Stakes(G2・1m・2歳)

・2007年創設。アイルランドの重賞らしく、Golden Fleece Stakes→Breeders’ Cup Juvenile Turf Trial Stakes→Juvenile Turf Stakes→Juvenile Stakesとレース名が度々変わっている。過去の主な勝ち馬にAustralia(2013年)、Madhmoon(2018年)など。

1着:Mogul

牡2、父・Galileo、母・Shastye、母父・デインヒル
調教師:A P O’Brien、騎手:Ryan Moore

・逃げ切った前走とは異なり、道中は外目の好位で抑える競馬を試みたMogulが直線、満を持して仕掛けられるとあっさり先頭に立ち、そのまま押し切り1着。

・今回の勝利で通算3戦2勝、重賞初制覇。8/14のデビュー戦(1m)は2着と敗れるも、8/30のカラでの2戦目(1m)を2着に3馬身1/4差をつけて勝利し、ここへ臨んでいた。2戦目を勝った時点で来年の英ダービーのアンティポストで1番人気に推された良血馬で、レース後、A P O’Brien師は次走はデューハーストSかフューチュリティトロフィーになる旨、コメントを出している。

 1着:[2019/09/14]ジュヴェナイルS(愛G2・1m・レパーズタウン)

・母のShastyeは現役時はJohn Gosden師に管理され、9戦2勝、4歳6月時に1m4fのListedレースで2着。全兄のJapanはインターナショナルS、パリ大賞典の2つのG1を含む重賞4勝の現役馬で、来る凱旋門賞の有力馬と目されている存在。全姉のSecret Gestureは英G2-ミドルトンSの勝ち馬。全兄のSir Isaac Newtonは愛G3-インターナショナルSの勝ち馬。牝系はフランスでの活躍馬が多く、Sagamix(凱旋門賞)、Sagacity(クリテリウムドサンクルー)、Sageburg(イスパーン賞)、Sagawara(サンタラリ賞)と同じ牝系。

※レーシングポストのFULL result

https://www.racingpost.com/results/187/leopardstown/2019-09-14/737606